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クドリャフカの順番
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クドリャフカの順番の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全74件 41~60 3/4ページ
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星2つにしておいて何なのだが、「古典部」シリーズの中では多分、一番秀逸な出来の作品だと思う。単純に面白さという意味においてだが。 元々「古典部」シリーズは著者の作品の中ではミステリーとしては物足りず、青春物としては微妙なミステリー感が邪魔をするという、何とも言い難い作品だった。若い人ならもっと楽しめるのかも知れない。 本書はシリーズの中では割りとメインキャラクターそれぞれの性格が明確に表れるという点で他の巻よりは面白い作品である。 しかし、一方でこの巻は、そのキャラクターの性格を表現方法としてのみ多視点叙述法を使っているように見える。 一応、あとがきに多視点叙述を使った理由が書かれているが、わざわざあとがきで言い訳するということは、著者はこの叙述法が特殊な状況でしか、本来許されない、いわゆる「してはならない書き方」であることを十分知っていたということであろう。 ミステリー(本作がミステリーならばという前提で)に限らず、小説を書くに当たって「視点」をどこに置くかは、非常に重要である。 多視点叙述とは、文字通り、一つの小説の中で複数の視点が交互に使われる手法だが、通常、小説を書く人間にとってこの方法は禁じ手の一つである。 多視点叙述は本来ありえない世界を読者に提供してしまう。人間が主観的な生き物である以上、読者が複数の人間の主観の間を行き来できる多視点叙述は、小説の書き方としては、一種の「狡さ」なのである。ありえないことを簡単に可能にしてしまえる問題を孕むが故にこの叙述法は禁じ手なのだ。 唯一、この叙述法が許されるのは、この叙述法自体の中に小説のストーリーの肝を入れてしまう場合である。前作「愚者のエンドロール」では叙述トリックが話題に上がったが、まさに叙述法そのものにトリックを紛れ込ませるような場合が、これに当たる。 しかし、本書では、多視点叙述法を使う明確な動機が見当たらない。 著者が提示した理由は、単にホータローの視点にしてしまうとストーリーが描けないというだけであって、それは多視点叙述を使う理由としては弱すぎる。 現実問題として、本書が多視点叙述である利点はストーリーを追いかける限り、特に見当たらない。 単にそれぞれのキャラクターの考え方が分かるというだけで、多視点叙述法を導入する理由にはならない。それだけがしたいなら、各キャラクター視点での短編でも書いてしまった方が分かり易いからだ。 シリーズの中では幾分まともな面白さを提供していながらも、何となく本来使ってはいけない叙述法を使ってみたくて実験してみたような感じが拭えないので星2つとする。 | ||||
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古典部シリーズのある程度読んでいることが、この作品ではちょっと条件になるかなぁ…古典部メンバーの説明を知っているのを前提に、台詞でどんどんと場面が多重に変化していきますからね。 学園祭や文化祭は、学校内のいろんなところでいろんなことがごった返すように起こりますからねぇ。小説などだけではなく、実際の学校でも。でも、ここまで込み入ったやっかいごとはたぶん普通は起こらないような…でも、古典部だから当然(毎年のごとく)起こっちゃうんだろうな、と変な納得をしてしまう。そんな気がします。 それにしても「十文字」事件と大量に作ってしまった氷菓が完売するのがリンクするなんて、それだけでも「気になります」。 | ||||
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はじめの数ページを捲って、嫌な予感がした。 なぜなら語り手が、千反田だったからだ。 そして、冒頭に記されたハートのマーク。 その嫌な予感は核心に変わる。 そう、今回は前回までと違い、視点人物である話者が古典部四人のあいだでコロコロ変わる形式なのだ。 小説作法や小説創作のハウツー本にたいてい示される「やってはいけない」事項、それがこの視点変更だ。 なぜ駄目かって言うと、単純に読みづらいから。 たとえばAという登場人物に取り憑いて読んでいたのに、いきなりBという登場人物に変わられたら、読み手はその都度頭の中を修正せにゃならん。それは面倒だし、煩雑だからだ。 しかし、このような面倒な手続きを読み手に強いるにもかかわらず、なぜこのような形式を作家は取りたがるのだろう? パッと思いつくのは、 1 作者自身が一人の話者で小説を書き進めるのに飽きた 2 読者にこれまでの形式が飽きられたんじゃないかという疑念、または引き出しの多さを見せる顕示欲 3 この形式って斬新じゃね? という天才的閃きに裏打ちされた勘違い という感じか。 「3」は論外だけど、「1」も作者のエゴには違いなく、「2」はだいたい勘違い。 要するにどれもヒドい。 で、この小説はどれかと言うと、どれでもないと思う。 なんじゃそりゃ、という結論で申し訳ないが、そう思うのだから仕方無い。 この小説において、視点を分けた事は上手く機能しているのだ。 たとえば、個人的に一番そう感じたのは、「ワイルド・ファイア」のお料理対決のシーン。 話者を分けた事によるバトンタッチの妙が、形式と物語内容が上手くマッチしていて、スゴく良いシーンになっている。 逆に想像して欲しい。この料理対決のシーンを三人称、または奉太郎の視点のみで書かれたと仮定したものを。それはたぶんもう少し静的なものになっただろうと想像出来ないだろうか? 対して、本書の形式による話者の忙しい入れ替わりや、あの疾走するような一人称の内面描写によって、よりドタバタ感が表されている気がしないだろうか。 少なくとも私がそう思って止まない程度にこの小説の話者変更という形式は上手くいっている。 それ以外のところもストレス無く読めるのは、「あとがき」にもある通り、「文化祭」が主人公だからではないだろうか。つまり、「文化祭」の時間軸に沿って、話者が変わって行き、流れを引き戻したり加速したりしない。だから視点がコロコロ変わるのにも関わらず、読みやすいという感じ。もちろん、これまでに二作読んでキャラ理解があるのと、今回より「キャラ」立ちした書き方になっているのもその読みやすさを助けていると思う(たとえば伊原の腹パンなどの「アニメ・まんが」的表現)。 無論、古典部四人で力を合わせて『氷菓』を売り切った、という感じもこの形式によってより色濃く出ている。 前々作の『氷菓』の稚拙さに比べ、または前作『愚者のエンドロール』も良い出来たったけれど、今作はスゴく小説が上手くなっている気がする。この間に何があったんだ、と思わせるくらい。 しかし、だ。 「味でしょう」の解答にはがっかりしたし、「寿司屋」は心底どうでもよかったのは、正直ガッカリ。 だけれど、次回作は本書の言う意味で「期待」出来る。 疑う事なく。 | ||||
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学園祭で起こる小事件とそれを解決して刷りすぎた文集を売ろうとする古典部員、という構図は大変面白くコーヒー大好きな私としてはそれこそコーヒーを用意してじっくり腰を据えて読みたいと思う小説です。 全体構想、織り込まれる人間像、無理なく収束する複雑な伏線と大局的にはよくできた作品です。 ただしある肝心な手掛かりとなるものを何の脈略もなく突如現れた奉太郎のお姉さんが偶然奉太郎に手渡すというのはあまりに無理筋で大減点。せめて摩耶花が置き忘れたものを奉太郎が拾うくらいに収めてもらいたかった。 ここからは古典部シリーズ全般に言えることですが、あのある意味スーパーなお姉さんの作中での遣い方には気をつけて欲しいというか正直登場して欲しくないです。奉太郎のお姉さんが登場すると「超自然的な力で全てが解決」みたいな感じになってミステリもなにもあったものではありません。作中で適切に情報を持ち出す役割は里志が負っているはずで、それで古典部4人の役割分担が調和して成り立っています。奉太郎のお姉さんは余計な存在としか思えないのですが...他の読者の方はどう感じておられるのでしょうか? | ||||
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1,2巻となんとなく読んでしまったけれど、この3巻は面白かったです。これ以降どうなるかわからないので今のところは3巻が一番。 話の視点が章ごとに違うので、このキャラはこういうことを考えていたんだな、とかよくある人間関係の悩みだったりが見えてきてより入り込めました。 終盤で福部里志がある単語について「広辞苑に載っているかは知らないけど……」と自分の見解というか単語の真の意味というかを述べて、その後もその単語が何度も出てきます。その単語をさまざまなキャラが言うたび、その言葉の裏にはああいうことが込められているんだなと思い、ちょっと人間っぽさというかリアルな感じがしました。 4巻も読んできます。 | ||||
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ショッキングな事件で読者を引っ張る小説が多い中、事件とも言えないような事件を解決していく本シリーズは貴重。 推理のネタとしては驚くようなものではないが、それなりに楽しめる。読後感がよい | ||||
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古典部シリーズ第3弾。遂に文化祭を迎えることになった古典部だが手違いにより文集が大量に刷られてしまい、何とかこれを売りぬこうとする。そんな中校内で十文字を名乗る人物による窃盗事件が起きる…。 シリーズ中今作品が最も折木が「推理」をしていると感じた。1、2作目は折木本人が言っているように「思いつき」の範囲をでないが今作品で披露される神高生千人の中から一人の人物を炙りだす論理は粗こそあるものの見事である。大多数の人物の中から犯人を見つける推理のアクロバットを味わっていただきたい。 | ||||
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古典部シリーズ三作目「クドリャフカの順番」です。 クドリャフカとは、半世紀前に初めて地球の軌道を周回した犬の名です(実際はライカとか言うらしいが)。この犬の乗った宇宙船は大気圏への再突入機能もなく、最初から死んでしまう運命だったとか。 さて内容としては、一作目から言われ続けていた文化祭のお話です。 これを読んで初めて思いましたが、奉太郎の推理は行き当たりばったりなモノだったのかもしれません。まあ本人が自身を一般的な学生と言っているように、探偵ではないので仕方ありませんが。洞察力と推理力が異常なふつうの高校生みたいな感じなんですかね。 今までは奉太郎が物語の語り手となっていましたが、今回は古典部の4人全員が入れ替わりつつ一人称視点で語っていきます。他の三人がどういう思いで奉太郎を見ていたのか分かる面白いシステムでした。 個人的に今までの三作品の中では一番好きな話でした。が、ミステリーは何か急ごしらえの粗悪品のような印象があるかもしれません。あってもなくても良かった気がしますね。 | ||||
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アニメ化もされた「古典部シリーズ」第三弾。えるのギャップ萌え。本当に罪な子。 なので、前作まで読んでいるといっそう感情移入できると思います。 愚者のエンドロールと比べ、キャラクターの内面に深く切り込んでいて、物語に引き込まれる。 ランダムに入れ替わる語り部たち。それぞれの魅力で読ませます。うまいなあ。 無理なく読み進めることができ、すんなりキャラクターの考え方が頭に入ってきました。 「結果としてどうなったか。それで良かったのか。」考えさせられました。 | ||||
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この巻は、語り手も変わり、いろいろな視点からカンヤ祭の雰囲気が描かれているし、同人誌のことや、わらしべ長者のことなど色々な出来事が最後に一つの渦にまとまっていく感じが面白かったです。 | ||||
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古典部の四人それぞれの視点が順番に変わっていく構成は、それぞれのキャラの内面を楽しんでほしいとの仕掛けでしょうがこれのせいでまったく楽しめませんでした。四人がそれぞれ目的を持っているようで、それらは読者的には実に興味の惹かれないことばかり(文集の売上がどうとか……)。視点変更のたびにテンポがそこなわれている上に、ホータロー以外の内面には特に惹かれる部分がなかったのが退屈な序盤と相まって読み進める心が折れそうでした。非常にわざわざこういう構成にした作者の意図がわかりかねます。 意味新なタイトルですが、中身は単なる高校の文化祭についてです。作中でホータローも指摘していますが、肝心の「事件」が回りくどくいまいち理解に苦しみました。物語を動かすためにあえて作られた事件という感じですね。当事者にとって、あんな事件を起こす必要性はどこにもないと思います。ただただ腑に落ちない物語でした。 ネタ明かしで拍子抜けしたひとは多いんじゃないでしょうか。私も好きなシリーズだからこそ、がっかりしました。 | ||||
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ようやく文化祭。 古典部をアピールして山のような文集に立ち向かっていくお話です。 それだけじゃなく十文字という怪盗の謎を解きつつ、 さらにそれを利用して文集をもっと 売ってしまおうという一石二鳥なお話でもあったりします。 ミステリーを読んだ、というより、 3日間の高校の文化祭に一緒に参加した感じ。 文化祭っていい。 いろんなことがあちこちで同時に起こっていて。 何故か千反田さんの章は『夜は短し…』を思い出させた。 「十文字」の謎とともに、印刷しすぎた文集の売れ行きも楽しめました。 | ||||
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「古典部」シリーズ、第3作は1作目で問題になった高校最大のイベント。神谷高校文化祭、カンヤ祭の顛末記.文集を間違えて大量に発注してしまった古典部は大量在庫の販売に奮闘します(ホータロー以外).クイズ合戦、料理対決などのイベントが4人の多視点で進行し.また十文字を名乗る怪盗が現れて、その犯人探しと漫画研究部の内部騒動が絡み合います.ミステリというよりスラップスティック学園コメディという感じがとても気に入りました. | ||||
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このシリーズはいいね。 読んでいて、自分の若い頃を思い出しちゃうよ。 もちろん、彼等とは全然違う青春だったんだけど、若者の思いや悩みは時代を越えて同じだ。 本シリーズを読むと、それが良くわかる。 短編も良い。 でも長編は、短編だと物足りなかったホータロー以下の、さまざまな行動、言葉、そして思いが、いっぱい書き込まれている。 著者も、じっくりと腰を据えて書いているから、読み応えが十分だ。 本作のストーリーは、他のレビュアーが書いている通りだ。 ミステリ度が高いとは、けっしていえない。 日常の謎ものの延長上にあるような謎は提出され、最終的には明らかにされるのだが、著者の関心はそこにはない。 本作はミステリ風味の、まさに青春小説なんだ。 いや、ラブ・ロマンスかも? 実に微笑ましい、そして羨ましいほど純粋な青春が、ここにある。 現実の若者たちとは、随分違うように感じるかもしれない。 しかし、今の若者たちも、ひとりひとりは本作のキャラのように、いいやつが結構いるんだ。 本作は、そんなことを考えさせてくれる、愛すべき作品である。 | ||||
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古典部シリーズ第3弾。 今回は4人の視点から物語が進んでいきます。 折木くんは文化祭でも省エネ主義。 里志くんは文化祭を楽しみまくりたい派。 伊原さんはなんか漫研の先輩との確執があるみたい。 千反田さんはなんとなく今回出番が少なくないか?って感じ。 (交渉術のレクチャーを受けたりするけど) 視点が動くことでお祭感が出ていてよろしい。 いやあ、文化祭って青春だね! 終わったあとの打ち上げとか楽しいんだろうな。 | ||||
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3作目ともなると、「おなじみの」メンバーとなっていて、誰の台詞かわかります。 また、わかるように書いてあって、面白いです。 特にわらったのは、千反田える氏のブレイクダンスの感想です。 | ||||
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この作者の作品を初めて買いました。 また同シリーズも初めての購入です。 純粋な謎解きや本格ミステリーと思い込んで買いましたが、本の半分以上は読むのが辛いくらいに退屈でした。 犯人の推理にしてもアッサリと軽く描写され、最後まで読み応えのある本ではないと感じました。 登場人物の存在意義やキャラクターもよくわかりません。 笑うべきポイントもあったようですが、感情移入できない本では逆効果です。 青春ものは嫌いではありませんが、最初から最後まで軽いタッチで描かれ、これで終わり?という感じの淡白な作品でした。 推理ものと思って買うと後悔するでしょう。 | ||||
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今作もこれまでの流れで楽しく読めたが、これまでの2作品にあったスリルが全くなくなってしまい、ドキドキ度が足りない気がした。それでも古典部シリーズの世界感は好きだし、「うる星やつら」的な学園コメディとして読めばとても面白い。次回作も楽しみだ。 | ||||
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米澤穂信さんの古典部シリーズ第三巻。文化祭当日、古典部は重い空気に包まれていた。部誌「氷菓」がミスで大量に印刷されたのだ。一部でも多く売りさばくべく奔走する古典部の面々。しかしその裏で「十文字」と名乗る怪盗が文化祭を乗っ取らんと暗躍する。スポーツドリンク、水鉄砲、彼のターゲットはガラクタばかり。彼の真の狙いとは?主人公・折木奉太郎は部誌の店番をしながら彼を追い詰めていく。爽やかな時間を駆け抜ける青春ミステリの傑作。 | ||||
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今作は古典部部員のそれぞれの視点で物語が進展していくんですが、その視点により体験する文化祭が本当に愉しいです! 自分もこんな文化祭がしたかったなあ、と思わずにはいられないはずです 自分はオープニングの文化祭の日程の部分だけでとてもワクワクさせられました! もちろん、古典部シリーズ恒例の謎も今回もあり、文化祭の終わりとともに、解決に向かっていきます。あと、自分は題名のクドリャフカに反応してしまいました(笑) | ||||
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