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風化水脈 新宿鮫VIII
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風化水脈 新宿鮫VIIIの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全43件 21~40 2/3ページ
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新宿鮫に求めるものが違うと極端に好みが分かれるという作品。 鮫島=アクションヒーローを求める人には、この話はおとなしすぎて退屈だろう。 鮫島の人間性が好きな人には大傑作に映るだろう。 淡々と進むストーリーの中、真壁や新宿の歴史を通して人間鮫島が描かれていく。 私は、こういう話は好きだなぁ。 鮫島の進化というより、大沢在昌の進化が見て取れる。 まるで、毎回毎回自己記録を更新するアスリートを見ているような気になる。 | ||||
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最新作が待ち遠しく、なんて思っていたもんだから、本作を最新作と思ってつい買って読んだ。 おっとぉ、最新作ではありませんでしたぁ。 読んだ読んだ、でも、もう数年も前だから、微妙に覚えてないなぁ。。。なんて思っているうちに、 もう一度はまりました。 何度読んでも面白い、と、そんな感じがする。 何だか、久しぶりに懐かしい友達に会ったようで、ホッとすると同時に、あぁ(鮫も)自分も、時間 を過ごした(要するに年をくった)なぁ、なんてね。 このところ大沢在昌から少し遠ざかっていましたが、やはりうまい。 新宿鮫のシリーズも、決して色あせることなく、むしろ毎回何らか新しい刺激を加えつつ、円熟して いっている。 東京と言う場所に住む時間が長くなってきて、ますますこのシリーズの面白さが毎日の生活を通して 伝わってくる。山手線に乗りながら、車窓に東京の、新宿の風景を眺めて読む「鮫」。 いやぁ、よろしいなぁ。。。 | ||||
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この作品、ズバリ私の好みです。 まずは何と言っても、本作の主人公真壁のキャラクターが良い! 一本気で生き方を簡単に変えられない男、自ら危険で損な道を選んでしまう男。 まるで若い頃の高倉健さんが演じてたようなヤクザ。 もう渋すぎてカッコ良すぎて素敵です。 そしてそんな彼にひっそりと寄り添う女、雪絵。 一昔前の人情ドラマに出て来そうな二人だけど、そこがまた良い。 さらには鮫島が内偵の過程で出会う孤独な老人大江と、鮫島が偶然思わぬ形で発見した 大昔の事件にももう一つの人情ドラマがあり物語を盛り上げます。 それから「炎蛹」以来レギュラーになった仙田も現れ、粋な計らいをして去って行き、 いよいよハラハラのクライマックスへ向かいます。 今回は派手なアクションシーンは少なく、「人情ドラマ」に終始していますが、それでも 十分に楽しめたし感動しました。 読み終えた後、思わず「カッコいい〜!」と言ってしまうほど痺れた作品でした。 | ||||
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新宿鮫のファンでありますが、当作品は鮫島警部の警官としての誇りである「一意専心」を胸の内に秘めつつ静かに物語りは展開していきます。 真壁という暴力団員の存在感や人間性が絡み、人間の「志」がいかに肝要なものかを教えてくれるような気がしました。 最後に、鮫島警部の恋人との会話のなかにも共感できる部分もありました。 | ||||
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シリーズの短編以外は全部読みましたが、私にとっての最高作です。 大沢さんの小説はいつもそうですが、 これは特に登場人物全員がよく描けていて、台詞がいい。 雪絵の母が過去を告白するシーンでは本当に泣いてしまいました。 小説を読んで泣いたのは初めてじゃないかな・・・? 作中に出てくる四ッ谷のステーキ屋は、 モデルになっているであろう一文字違いの実在の店を贔屓にしていたこともあるなど 新宿とその近辺というよく知っている(つもり)の地域が舞台であったことも、 実感を持って読めた要素だと思います。 一作目が映画に、以降の何作かがテレビシリーズになっていますが、 映画(真田広之)は70点、テレビ(舘ひろし)は20点の出来だと感じています。 是非この「風化水脈」を役所広司さん主演で撮って欲しいと思います。 | ||||
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初期の新宿鮫と比べると、明らかにノワールに傾斜している。 以前は、複雑なプロット中心で、鮫島がそれを解きほぐして行く中で 深い人物描写が行われていたのである。 また、派手なアクション主体のこともあった。 が、風化水脈は、逆に、登場人物の人生があって、 それらの中で彼らが遭遇した事件が緩やかに描かれる、 という意味で、ハードボイルド感が薄れている。 しかし、それでも、緻密なプロットは健在であり、 平行してすすんでいくエピソードが最終的に纏まって行く展開は、 新宿鮫ならではのものがある。 そういう意味で、シリーズとしてみた時、 原りょうのような「金太郎飴」感のないところが素晴らしいのである。 初期の作品と同じようなスタイルをシリーズに求めている人には不評かもしれないが、 ローレンス ブロックのスカダー・シリーズのように、 作品自体が発展して行く様をリアルタイムで観察できるのは、 読み手にとっても、かけがえの無い経験になる。 | ||||
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登場人物の設定、ストーリー展開が素晴しく、前半で設定された登場人物それぞれの過去が、終盤一気に交差する。過去のシリーズのような派手さはないものの、心理描写に力点を置いた展開で、最後の鮫島の粋な振る舞いに心地よい感じすら覚えました。秀作です。 | ||||
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新宿鮫シリーズの8作目。今作の目玉は真壁!真壁で始まり真壁で終わる。真壁の物語と言っても過言ではない。服役を終えた彼が出所してきます。ただ1作目や無間人形とは違いハラハラ感は少なく淡々と物語が進行していきます。ハラハラするのはラスト数ページのみ。しかし最後の1行がとても良い。作者はこの1行のために660ページ書いたのかもしれない。名作です。 | ||||
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大沢在昌氏による新宿鮫シリーズの第8作目。 お馴染みの鮫島刑事が新宿の歴史を辿りつつ難事件解決に取り組む。 本作は2つの事件とその人間関係に主軸を置いて進行する。 最初、鮫島は車両窃盗団を追う。 しかしその捜査過程において古井戸から数十年前の遺体を発見する。 この遺体が出てきた辺りからストーリーは格段に面白くなる。 やがて2つの事件は意外な形で合流する。 著者の描写は言わずもがな、その合流過程が非常に面白い。 また、冒頭部分、現在に至るまでの新宿の地理やその歴史がかなり緻密に描かれているが。 あまりにも緻密であり、最初は不思議に思ったが、本作を味わうのに欠かせないの重要な部分であることに途中で気付いた。 もう一つ、本作では大変魅力的な人物が再登場する。 刑期を満了し出所した真壁。そしてその恋人雪絵。 さらには謎の人物である仙田までもが顔を出す。 シリーズ全作を順を追って読んできたファンにとって、これ以上ない歓迎すべきキャスティングである。 | ||||
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新宿近辺の地理にからきしうとい私には、イメージ作りが少々つらい作品ではありました。 とはいえ、そのあたりはサラっと流して読み進めても作品の本質把握には支障が(たぶん)大丈夫。 なんといってもキャラがしっかりしているし、今回は何十年越しの事件と現在進行中の事件が、ひょんなことで交わるという意外性のある展開が読んでいて飽きさせませんでした。 さて、本作ではあの真壁が登場します。 「無間人形」で角のからみで名前だけ登場したのを含めると3回目となります。 個人的に仙田とならび、「新宿鮫」では気になるキャラなので個人的にはうれしいかぎり。 むろん桃井も藪もちゃんと登場しますし、なにげにファンな機捜の野本さんなんかも登場しております。 このあたりはシリーズものの醍醐味ではありますね。 読後感は「及第点を無難にクリア」という感じでしょうか。 「眠らない街」を読んだ時のようなインパクトはありませんが、シリーズものとして安定感のある作品が供給されるのは実にうれしい限りなのです。 | ||||
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8作目にして、これほどの質を作り出すとは・・・恐るべし大沢!! なんか、みんな腹をくくって生きていってるようで、その緊張感がひしひしと伝わってくる大沢の筆がさえている、。これは凄いですね。ずっと死体をみつづけて、それを己の人生の業としているおっさんの精神の強靭さ、そしてそれは真っ直ぐではないかもしれんが、一種の愛を感じます他。また真壁がかっこいいし、その情婦もなかなかのカヤラでした。 娯楽の新宿の暦の野薀蓄も、まぁまぁ!!面白かったです(^^) | ||||
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最近の新宿鮫と同じように、ど派手なシーンはない。 それでも、静かな緊迫感が漂っている。 新宿を刹那的な生き死にの舞台にせず、 街と、ひとつの殺人から長年逃れられなかった登場人物に、 鮫島が向かっていく姿を描いているところが、 これまでの新宿鮫にはない力強さを感じました。 いまさらながら、新宿鮫は「都市小説」の傑作だ! でもやっぱり「新宿鮫」「毒猿」の派手さが欲しくて、マイナス1点。 | ||||
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新宿鮫の8番目の作品です。いつもながら鮫島警部の仕事に対する強い責任感、やり遂げる意志の強さには敬服します。仕事の上で困難な事例に当たった時に自分を励ましてくれる不思議な力がこのシリーズにはあります。新宿鮫では主人公が生きて存在するかのような現実感を持っています。この作品も例外にもれず、人間味に溢れたものに仕上がったいます。クライマックスは息をつかせぬ緊迫した展開になり、男の意地と矜持をかけたすさまじい戦いが展開します。乞うご期待。睡眠時間を削って眠れなくなってもきっと深い満足感に満たされると思います。 | ||||
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新宿鮫シリーズは本当に安心して読めます。完成度がすごく高く、長尺でありますが、冗長さは全く感じず、一気読みです。本作は鮫島警部の活躍と新宿の歴史を絡めながら物語は進んでいきます。それにしても睡眠時間と引き換えに至福の時間を鮫島の旦那は我々に与えてくれます。 | ||||
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人物描写が素晴らしいです。特に出所してきた真壁が最後まで最高にカッコいい! それと脇役ですが雪絵のお母さん。どんなシーンかはここでは書けませんが、本を読んで久々に涙が出ました・・・。 | ||||
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鮫島の相変わらずの破天荒ぶりと行動力が、休みなく楽しませてくれる。伏線あり、同時進行あり、メロドラマあり、でも晶との恋はちょっとおあずけか。ヒロインとしての晶は、やや型破りではあるが主人公に参っているという点ですでにアン牌な女になってしまっているので、そろそろ一つ晶ちゃんにも揺れて欲しい、というのは個人的意見。エンターテイメントとして楽しむに、もってこい。シリーズ中では平均を十分上回るので、安心して没頭できる。東京在住の方なら、その居住地に対する思いも深まるかもしれない。 | ||||
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事件を通して街を、そして人を描く。新宿鮫の真の魅力とは、鮫島という孤高の一匹狼刑事の活躍というよりは、むしろ様々な事件を通して鮫島に関わってくる人間模様を読むことだと僕は思う。まぁ、このシリーズのどこに価値を見出すかは人それぞれだが、僕と同じ考えの人なら、この風化水脈は屍蘭と双璧をなす新宿鮫シリーズの2大傑作であるということに異論を唱える人はいないんじゃないかなぁ。本作も脇を固める人物描写が秀逸。1作目以来の登場となる真壁(ハッキリ言って鮫島以上にカッコイイ)、その真壁を支える女:雪絵とその母親。この3者の描き方が最高に素晴らしい。思い出しただけでも泣けるよ、ホントに。 | ||||
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シリーズ初期作品にあった驚きはないが、手馴れた堂々の風格というべきか。外れがない定番作品。マンネリ感も感じさせず、水準以上のレベルを保っていることがすばらしい。 「リーサルウェポン」のリッグス刑事が作を重ねる毎に明るくなっていっているに比べると、鮫島のスタンスや状況は見事なくらい変わらない。ストーリーについては、途中で筋が読めてしまうところがタマに傷かもしれない。駐車場管理人とヤクザの愛人の母親の過去が交錯するところはできすぎとも感じた・・・。今回は鮫の敵はそれほど強力ではない。 | ||||
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シリーズでは時系列で8作目となる。久しぶりの登場となる鮫島のライバル(?)「真壁」と真壁に深い因縁を持つ中国人グループの一触即発の危機をはらみつつ、今回鮫島が追う自動車窃盗事件は進行する。一方、その過程で鮫島は自動車窃盗団のアジトの一つである廃屋の井戸から40年前の屍蝋化した死体を発見してしまう。新宿が現在の不夜城となる以前、敗戦後の騒乱期に死んで現在にその姿を現した屍蝋死体が鮫島と、鮫島を取り巻く全ての人間を渦のように取り込み一つに吸い寄せてゆく。過去の新宿と現在の新宿、過去の刑事と現代の刑事、過去のやくざと現代のやくざの対比と関わり合い。 すべては加速しつつ終局へと向かう。後半のスリリングな展開は大沢作品の真骨頂、一気に夜を明かせ。 | ||||
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新宿の過去と現在と共に、登場人物の人生模様が、絡み合った糸を少しづつ解きほぐすように見事に浮かび上がってくる。新宿の歴史に関する記述の多さや鮫島の台詞に白々しさを感じて辟易してしまう箇所もあるが、作品そのものの面白さは損なわれてはおらず、作者の筆力の凄さをあらためて感じることができた。次回作が待ち遠しいところだ。 | ||||
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