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(短編集)
ララピポ
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ララピポの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全126件 81~100 5/7ページ
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と思うのは私だけでしょうか? 著者の作品を初めて読んだのは「最悪」。 努力作ではあるが、無駄な描写ばかりであの厚さになったのだろうと、 どっと疲れた。 その後話題になった伊良部シリーズを読むも、 発想がまぁまぁだっただけで、ここまで評価されるほど 「この人じゃなきゃこんなに面白くはなかった」なんてほどの作品では 決してなかったと思う。 だから本著も全く期待してなかったのだが、 まず、連作短編としてはかなり巧みに作られている、 この一点が大いに評価すべき点だ。 これだけの構想が練れるのなら、 今後の著者には大いに期待できると思った。 俗に言う最底辺の人たちをここまでリアルに描ける点も、 また、一見お下劣なだけかと思わせるような小品ばかりを 後半にいくに従い、今の世相を描きつつも、 最後には、汚いことして儲けたらしっぺ返しがくるのさ、 と言わんばかりのメッセージ性までしっかりと。 いや、なんとも秀悦な短編小説に久々に出会いました。 | ||||
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伊良部シリーズを期待してこの本を買った方は多分がっかりするかと思われます。 この本は下ネタ満載なので、下ネタが苦手な人は読むのを避けた方が無難でしょう。 僕は結構好きですが(笑) 5話目の西郷寺敬次郎は、著者自身の純文学へのコンプレックスを投影している、と 思うのは僕だけでしょうか? ぜひ奥田氏に直接聞いてみたいものです。 | ||||
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空中ブランコやインザプールの伊良部先生シリーズを読んだ者としては、評価が難しいですね。 面白い事には間違いないのですが、伊良部シリーズの温かみが無いように思います。町長選挙の伊良部先生がいま一つだったことを考え合わせると、奥田さんはスランプなんでしょうか? 天真爛漫な伊良部先生シリーズの復活を祈っております。 | ||||
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「ララピポ」という意味不明なタイトル、いかにも秘密めいたできの良い訳ありな装丁、「いや〜ん、お下劣」の帯。店頭で立ち読みというわけにはいかないけれど、結局読んでみたくて図書館で予約して読了。 性といわゆる「負け組」かもしれない人たちを描いた連作短編集。作品の登場人物が順番に次の作品の主人公になる構成は決して珍しいものではないが、性を素材にしているだけにあけすけでいて、一方で外から「のぞき見」したくなる微妙なスタンスで読み進めたくなる良作。 でも、「おもしろい!」とか逆に「負け組の悲哀を感じる」とか、「奥田英朗さんの最高傑作!」というのは違う気がします。「インザプール」などの伊良部先生の方が小説としては好きかなぁ。 あ、「ララピポ」の意味、分かってすっきりしました。 | ||||
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奥田英朗はいわゆる下流生活者を描くのが上手い。こんな人いるかもなあと思わせるリアル感が抜群なのだ。 また、そのようなダメな登場人物に対する作者のまなざしが冷たくはないことが、読後感を明るくしている。 今回は性を巡る男女を主人公とした連作短編。軽快な文章で、作者が楽しんで書いていることが良く分かる。ちょっと調子に乗りすぎな感じもするが。 | ||||
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6人の駄目さ加減と絶妙の絡み具合に感心(?)しているとあっという間に読めてしまいます。ほとんど笑えるキャラクターの登場人物達なのですが、ちょっとしたところに実はほろりとさせるところもあったりします。例えばごみ屋敷に住む熟女AV女優良枝の最後の呟きや、ホームレスになった官能小説家敬次郎が味わうくつろぎ、スカウトマン健治の恋心など……、ペーソスっていうんでしょうか。 どうしようもないし、必死で生きてるわけでもないけど、これって結構普通だよなあと思わせてしまいます。だからといって、「『負け組』たちを描くことで現代社会の生と性を浮かび上がらせる」とか、そういう意図も感じられません。著者はどこかで「説教くさいのは嫌い」と仰ってました。淡々と読んで、時に噴出し、時にジンと来る。それがいいのだと思います。 | ||||
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目標もなく、愛する人もなく、自らを養うことすらままならない。 本来、そんなどん底生活で唯一すがれるものが 他者を必要とするセックスであることは救いなはず。 けれど登場人物たちはセックスのなかですら情を持てず、 悪意を性衝動に変え、ただただ性の消費を繰り返していく始末。 その姿にどうしようもない哀れみと絶望を感じました。 ああはなりたくない。 奥田英朗らしく読みやすくエンターテインメント性に富んでいるだけでなく、後に残るものがありました。 興味のある方は是非! | ||||
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短編を書かせると巧い作者。 読むのが早い人だと2時間くらいで読めてしまう読みやすさで、内容も飽きさせない。 救いがない人々の話ばかりだけど、不思議と暗い気持ちになることはなく、意外とからっと明るいのも現代的。 ララピポというタイトルの謎は本を読めばわかりますよ。 | ||||
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「最悪」や「邪魔」の印象が鮮烈なので奥田英朗はミステリー作家だと 思いがちだけど、実は本作や伊良部シリーズなどのユーモア小説にこそ 彼の本領は発揮されるのかもしれない。 本来ならば暗く陰鬱になりがちな社会の底辺であがく人々の生き様を、 ここまで明るく能天気に書き上げる力は凄いと思う。 ダメ人間を性的な側面から捉えた連作短編というスタイルをとっているので、 肩肘張らずに読むことができる。 作品の奥に隠され文学的なテーマは何なのかとか敢えて深読みする人も いるかもしれないけど、「ララピポ」はそんなことは考えずにサクッと 読むべき娯楽小説である。 | ||||
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奥田英朗らしさが出ている本だと思いました。『東京物語』と比べると一風変わっていた気がしましたが、きっとこれが作者のよさなのだと思いました。短編集じゃなくて長編の方がおもしろかったかも・・。 | ||||
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負け犬と呼ばれても仕方のない人生を生きていて、 でもその現状を打破しようという気はなくて、 ズルズル堕ちていく悲しい人たちをコミカルに描く連作短編集。 堕ちる = 性に倒錯する。 負け犬たちの行き着く先は、深刻な犯罪や精神の破綻ではなく性への欲求。 他人から見れば「情けない」以外の何者でもない堕ちっぷりを描きます。 声を出して笑うような爆笑もなく、“呆れ笑い”を浮かべつつ読めるのは さすが奥田英朗のコメディセンスの成す世界。 そこにちょっと切ない感情も浮かんでくるから不思議。 ブラックでエロス満載の奥田ワールド。 読後は奥の深さに気づかされるはずです。 | ||||
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著者が何歳か正確には知らないが、ある程度成功した作家が現代の若者たちの抱える心の闇と風俗を「同じ視線」で書こうとする試みは多い。大概は世代の格差を乗り越えられず「大人からみた堕落の不可解な実態」を消化したつもりになって物語が終わるのだが、この作品は堕落も堕落、理解しようとか心の闇とかではなく、なんでもあり、二十一世紀の徹底的にダメな人間模様を書きまくっている。不思議と著者と登場人物との世代や知性の違いを感じない本。登場人物のすることは皆グロイしエロイし最低だし救いがないのだが、書き口がすがすがしいくらい突き抜けちゃっている。ぜんぜん嫌味を感じさせない本。変に感情的に理解したような振りも見せないし、こういう本は好きです! | ||||
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帯と装丁がいかにも幻冬舎らしくあざとくて笑えるが、この小説は帯にかいてあるような「爆笑小説」ではないような気がする。読み始めは確かにかなり笑えたのだが、登場人物達が少しずつ重なり、話が進んでいくにつれて、なんだか笑えなくなってきた。 そして、ラストシーンの小百合の心中を記した文章が「考えるだけ無駄か。…泣いても笑っても、どの道人生は続いていくのだ。明日もあさっても」である。人間なんて所詮そんなもんさ、というようなどこか哀しい(悲しいではなく)ものが見え隠れしているような気がしてならない。 と、いうようなことを感じてしまったのだが、著者はそんな読み方をされたいのではなく、ただ書きたいことを好きなように書いて、読者に「どうだい、こんな小説もあるよ」と言いたいだけのようにも思える。うーん、どうなんだろう。 タイトル自体にもオチがあるこの作品、好き嫌いは結構分かれるだろうが、こんな小説があっても良い。 | ||||
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この作者独特のちょいグロなエロ。 気分の悪い時にはおすすめしません。 テンションも高くて、エロも笑って受け止められる日ならば「ふふっ」と笑える・・・かも。 | ||||
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家族の前ではカバーをはずしたまま放置しない事。それでなくても立場の弱いお父さんは、更に軽蔑されてしまいます。 「負け組み」の6人の話が連作になっていて、しかも徹底したエロ小説になっています。 この手の話が苦手な人にはあえてお勧めしませんが、エロを洒落として受け止められる人にはお勧めです。 | ||||
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世の底辺の人々の話。 いわゆる多視点小説の手法で、同じ出来事を関係したさまざまの視点からつづる。 本来なら「藪の中」として、1つの出来事が視点によってまったく違って見えるというのが多視点小説の肝なのであるが、この小説では、あえて1つの出来事が同じように見えるさまをつづっている。 つまり、負け組の視点として1つの出来事が同じように見える。 ここに出てくる人物はみなどうしようもない社会の底辺の人々。 この人たちの言動を読まされる読者は、自分と同じと見て共感するか、自分はここまでではないと安堵するか。 この本を読んだからといって得られるものは何もないし、読まなくても何のさしつかえもない。 それでもこの本は面白かった。単なる暇つぶしとしては夢中になって読んだ。うまく作者の術中に落ちたと思ったが、読んで損をしたとは思わなかった。 お勧め。 | ||||
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短編の登場人物が少しずつ重なりあい、群像劇をなす。見栄だけを糧に日々をやり過ごす32歳フリーライターはマンションの隣室を盗聴することだけが生きがいで、その隣室の男は女性をキャバクラに送り込むことを生業としている。彼にスカウトされた女はキャバ嬢どころかAV女優にまで堕ちるが、彼女は近所からゴミ屋敷と呼ばれる家に母親と住んでいて……連鎖していく彼らの人生はただでさえまともではない。それが、女子高生との淫行の現場を警察に押さえられたり、近所の家に放火したり、窮地に追いこまれるとますます小心で愚かで情けない本性を露呈する。どの苦悩も端から見ればばかばかしく、必死な姿は滑稽に映る。しかしユーモアとペーソスが表裏一体となるのは喜劇の定石で、この連作もその例に漏れない。ケレンばかりに目がいきがちだが、きっとこの物語の先には愚かな人たちがまだまだたくさん待っているのだろうと思わせる後味は、微苦笑を誘い、悪くない。 | ||||
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この本のラストでララピポがなんなのかを知りましょう。 奥田節全開の内容なので楽しく読めると思います。登場人物がみんなほんと個性的でどうしようもないやつばっかで情けなくて笑えます。 | ||||
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奥田さんの作品は、「最悪」や「邪魔」に見られるようにある程度毒気がありますが、この作品はセックスを主題にしている傾向があるため、ちょっと毒気がありすぎる気がしました。今風に言う「負け組み」の6人の話がなんとなく繋がって展開されるのは面白いのですが、いまいち感動が伴いません。軽い読み物としては及第点でしょうが、奥田作品としては中の下あたりでしょうか。 | ||||
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「サウスバウンド」、「最悪」と読み本書「ララピポ」で奥田英朗は三冊目。“いや〜ん、お下劣。”とのキャッチコピーは正に的を射ていて非常に卑猥。相変わらず文章は軽やかでさくさくとページを捲れる。全体的に楽しめた。奥田英朗はこういうコメディ系の方があってる気がするなあ。「イン・ザ・プール」や「空中ブランコ」は未読ながらも、なんとなくこんな感じのテンポなのかなあと勝手に思っている。 少々戴けなかったのは、NO!と言えないカラオケBOX定員のお話。あそこまでNOといえずに良くここまで生きてきたものだなあと思う。「最悪」を読んだ折にも感じたのだけど、何故もう少し合理的にモノを考えられないのだろうか。いくら事態が逼迫したからと言ってもあれは酷い。精神が弛緩してしまっているのでは無いかと思う。ストーリーから先に出来て、人物を当てはめているのかな、と感じた。 その代わり最終章では笑わせて貰いました。コメディとしては物語の結び方も上出来の部類に入ると思います。まだまだ成長できる作家さんだと思うので、期待も込めて☆4つにしときます。 | ||||
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