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ルール



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【この小説が収録されている参考書籍】
ルール
ルール (集英社文庫)

ルールの評価: 4.53/5点 レビュー 17件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.53pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全17件 1~17 1/1ページ
No.17:
(5pt)
※削除申請(1件)

・(々#?

戦記を千冊読み込んだ、という事だが、それにしては粗雑だと思う。
第一、「ジャパン・ゲリラ」の描写が粗雑だ。
始めに出てくる奴は、まるでゾンビのように生きてる人間にかぶりついていたが、そんな日本兵の話は一つたりとも聞いた事はない。
今までの人生で、相当数の「食った」日本兵の事が書かれた文献を読んできたが、そんな事例は一つたりともない。
米軍や豪軍の資料にも無い。
無いものは無い。
実際にどう食べたか、なんて読みたくないだろうから書かないが、無いものは無いんだよ。

二人目の「ジャパン・ゲリラ」だが、食ってるのを目撃された位で自決する、というケースも無いと思うね。
軍規が崩壊している世界なのだから、大体は不貞腐れた態度をとると思うね。
「軍は武器も食べ物も寄越さないくせに、命令だけは寄越しやがる。」
くらいの事は言うだろうに。
そもそも、食べ物をくれないのが根本の問題なわけで、軍が悪い、というのは共通認識だったハズだ。
軍のせいで、「食べてはいけないもの」を食べざるを得なくなっているわけで、悪いのは軍なのに、なぜに自決せにゃならんのだ?
処刑なら良く聞く話だが、見られて自決なんて、これまた一つたりとも聞いた事がない。
大体、飢えて〇■を食べてる人間に、恥の意識なんて無くなっている。
空腹と飢餓は違うわけで、判断力は著しく低下しているハズ。
あるのは生存本能だけだ。
自決なんてあり得ない。

戦記を千冊読んでコレかよ、と思うが、初期の作品だから仕方ないと言えば仕方ない。
最近の作品は粗雑ではないしね。
だからと言って、面白いとは限らないのも問題だが。
粗雑なころの方が面白かった、と言えば面白かった。
この作品と「接近」は粗雑すぎると思うが、でも面白いね。
文句言いつつ星五個。
ルール (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ルール (集英社文庫)より
4087478378
No.16:
(5pt)

自ら生きるために人を食うことへの抵抗がなくなるという状態は、ぼくの想像を超えています。

戦時中の人肉食については大岡昇平の「野火」(創元社)が衝撃的でしたが、本書も第二次世界大戦中、フィリピンにおける日本兵による狂人的なカニバリズムの世界が描かれています。

戦争中の南方戦線における飢餓の極限状況においては、人としての理性や道徳心は隠れてしまい、自ら生きるために人を食うことへの抵抗がなくなるという状態は、ぼくの想像を超えています。

しかし注目すべき点は、本書の作者は完全なる戦後生まれでぼくと9歳しか違わないということです。

戦争中の飢餓が徐々に極限的に追い込まれていく人の心理状態を描く想像力は凄いのですが、体験したこともないし想像もつかない世界をリアルだと感じさせる筆力には圧倒されました。
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4087478378
No.15:
(5pt)

Good!

新品とあまり変わらず、よい。戦争小説を読みたかったので買ってみたが期待にたがわぬ面白さだ。
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4087478378
No.14:
(5pt)

戦争の真実・・・

とても重い作品です。
体調が万全な時に読みましょう。
しかし全日本人に読んでもらいたいと願う作品でもあります。
唯一不満なのはラストでした。
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4087478378
No.13:
(5pt)

多くの人に読んでほしい

文体がすっきりしていて、静かに深いところまで連れて行ってくれる。心情が丁寧に書かれており、展開がうまく飽きることがない。純粋に面白く、最初のページから一気に引き込まれた。

 この本は太平洋戦争を書いたようでいて、一般的な戦争を書いている。戦争に踏みにじられる人間の生が書いてある本だった。だから普遍的で、若い私でも難なく読めたのだと思う。戦争について、特に兵士について、現代的な感覚で語ってくれる本は、貴重だと思う。
 日本兵を愚かな任務に忠実に縛りつけたのは何なのか。狂信的になれたのはなぜか。「それが国民の務めだったから」と答えるのは簡単だ。しかし、悲惨な末路をたどった日本軍の中に、日本の勝利を信じていられた時間がどれだけあったというのか。
 「人間的でありたい」という願いは、平和な日常を生きる私には、とても強く訴えかけてきた。戦争という圧力に襲われたとき、私はそう思い行動するのだろう。

 先祖の苦しみを自分のものとして感じることは、世代を重ねるほど難しくなる。史実の伝達を目的とした口承的な作品以外にも、戦争を考える物語があってもいい。いや、むしろ必要だ。「戦争」というものをこれからの世代が議論するとき、戦争で脅かされるものの筆頭として「人間性」という抽象的なものをイメージする必要があるからだ。

素晴らしい作品だと思う。
1円なので、買ってください。
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No.12:
(5pt)

現代作家の描いた『ひかりごけ』

太平洋戦争末期にルソン島の飢えた日本兵達が縛られたルールとは…

人が踏み外してはいけないルール。生か死かという選択に迫られた時、ルールを守ることが出来るのだろうか。余りにも悲惨な描写と次第に自分達が課したルールを破らざるを得なくなっていく過程に身震いした。

現代作家の描いた『ひかりごけ』ともいうべき人間の禁忌に迫った傑作。
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4087478378
No.11:
(5pt)

ハンカチじゃたりません

号泣。嗚咽。
タオルが必要です。
誇りとか尊厳とかをやすりにかけられて、それでも耐えて守っていく姿に涙なしではいられませんでした。
人前で読むのは危険です。
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4087478378
No.10:
(4pt)

辛いテーマを扱った作品

 この作品はエンターテインメントではなく文学であるから、必然的にテーマが似ている大岡昇平の「野火」と比較することになるだろう。正直な感想を言えば、芸術作品としての質という点では、この作品は全く「野火」には及ばないと言わねばならないだろう。人物が多少都合良く描かれているし、なによりどうしようもない状況を描いている割に、人物にヒロイックさが感じられることが気になった。
 しかし、それはともかく、私が気になるのが「何故彼が“戦争”を描いているのか」という点である。現在、太平洋戦争を題材に小説を書く作家は、愚劣な三文作家以外には殆どいないだろう。それは当然で、時代の隔たりによる書き手、読み手のリアリティーの希薄化があるからだ。エンターテインメントならいざしらず、文学的なアプローチで「戦争」「極限状況」を描くことは現代作家にとって非常にリスキーである。
 しかし、古処氏は「戦争」、「極限状況」を描く。しかもかなりの濃度で。それは彼の作家としての才能だけではなく、この題材に我を忘れるくらい没入したことによって達成されたとしか思えない。それを考えると多少の気味悪さすら、私は感じてしまった。私は彼の作品を初めて読んだが、他の作品も是非読んでみたい。
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4087478378
No.9:
(4pt)

世界の見方をかえてしまう本

終戦間近のフィリピン戦線、灼熱の中行軍を続ける日本軍。彼らの敵は灼熱でも、連合軍でも、病でもなかった。彼らの真の敵は飢餓だったのである。
本書は、戦争によって極限状態におかれた人間の行動を描いて戦慄を呼び起こす。人間としての尊厳、倫理や道徳といった最低限のルールがあり、人はそれを本能的に尊重するように生まれてきているものだ。禁忌を犯すことに対する恐れは誰の心にでもある。しかし、その禁忌を犯させてしまうほどの状況が現出する恐怖よ。
戦争の罪は広範囲で、その影響は計り知れない。戦争はあらゆるところに入りこみ、その忌まわしい毒牙によって関わったすべての人に一生癒えぬ傷を残してゆく。ただ生きるためだけに、生きたいがためだけに、どうしてこれほどの選択をせまられなければいけないのか?いったい何のために生きるのか?そこまでして生きるのが正しいことなのか?
本書を読んでる間中、堂々巡りのような問いかけが始終頭にあった。
自分ならどうする?もしこの状況におかれたら、ぼくならどうする?
食うのか?やっぱり生きるために食うのだろうか?
平穏な毎日では、決して表出することない問いかけが頭をかけ巡るのである。
極限状態の人間心理と尊厳を保つ最低限のルールを天秤にかけて、物語は淡々と語られてゆく。淡々と、静々と、ことさら煽りたてることもなく堅実に歩調を乱さず。この現実感をどうか味わって欲しい。フィクションではなく、リアルに感じて欲しい。かつて、誰かが経験したであろうこの地獄をどうか体験してみてほしい。そうすれば、世界の見方が変わるかもしれないから。
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4087478378
No.8:
(5pt)

これはフィクションであってフィクションではない。

戦争が悪いとか善いとかじゃない。もっと奥の、深い部分を突きつけられた。
その現実を作ったのは紛れも無い「戦争」という事実だが、そこに在った彼らは私たちと何ら変わり無い「人間」だろう。
それを憂うべきか嘆くべきか恐れるべきか。
畏れ多い人間様の成れの果てに見えたもの。
読めば気付く。
戦争のもたらすモノに、人間の持つ巨大なモノに。
私は彼らを軍人として、人間として、尊敬します。
ルールAmazon書評・レビュー:ルールより
4087753069
No.7:
(4pt)

一気に読んでしまいました。

「死人の肉を食うべからず」史上最も愚かな通達。味方であるはずの同胞で奪い、襲い、だましあう。飢餓がつくる地獄絵図。戦争のおろかさと、愚直なまでの日本人の姿、それでも仲間を守る精神になんともいえない感覚になります。この作品はフィクションですが、先日TVで「同胞はみな、参謀・指揮官に恨みを抱いて餓死していった。」と出征されていたご老人が悔しげに語っていました。外交の失敗を血で償わされるのはいつも末端の一般兵。
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4087478378
No.6:
(5pt)

人として、戦場で生きるためのルールとは

 福井晴敏絶賛、と文庫本の帯に書かれていたが、分かる気がする。追いつめられた状況を淡々と克明に書いている古処誠二。どこか共感できる節があるのだろう。ただ、古処誠二はエンターテインメントを書いているわけではないだろう。 太平洋戦争末期の日本。いつ降伏してもおかしくない状況にいた。フィリピンのルソン島で、鳴神は和泉に小隊の隊長としてゲリラが出没する地域での物資輸送を命じられる。ただそこに待っていたのは飢えるか植えないかの現状。マラリアにも感染し、限界点に近づく中、一人の兵士が米軍機を撃墜した。落ちてきたアメリカ人パイロットと遭遇し、捕虜として連れて行くことになる。 書きたかったものは極限状況の人間。前にも書いたがエンターテインメントの作家でないのは読んでいて明らか。とにかく重たい。それほど分厚くないのだが、やけに密度の濃い内容だったか。読んでいて、文字を追うのが辛くなる。 実際経験して来たものは本作に書かれている以上のものだったかもしれない。苦痛を遙かに通り越した苦痛。飢え。幻覚。死への恐怖というものではないかも知れない。そんなものを知らないし、経験したくもないが、60年前、確かに日本の誰かが経験していたことなのだろう。。だからこそ、ショックが大きすぎるのか。 メインの鳴神、八木沢、姫山、そしてアメリカ人パイロットのオースティン。彼らの生への執着。こんなところで死なないために。出来れば兵士なら兵士らしく死ぬために。ここまで酷だったという悲劇ではあるものも、体をボロボロにしてまでもルールの基に生きることをやめなかった男達のドラマとも言える、のではないか。 オースティンは目の前の状況を見てただ困惑する。人間であって、人間でないものを見ている。戦争での死は、戦場の死だけではないということの現状を。今ではやはり考えられないだろうから、か。オースティンの視点は、今を生きる自分たちの視点ともダブるかも知れない。それだけ、書かれている事は想像を凌駕している。そういう意味で、ただ出くわしただけでなく彼の存在は大きいと言える。 後半分かり始めてくる事実は重たく、そしていかに自分たちが軽く見られていたか。あまりに無力だったというか、残るものがないというか。それが戦争というもの、敗戦という事実でもあるのか。最後に多少のどんでん返しがあるものも、それはタイトルである「ルール」の意味を示すためでもあるはず。姫山の最後の一言がとにかく重い。淡々と書かれてあるから、余計にその重さがひしひしと伝わってくる。 やはり、今だからこそ読むべきか。読み通して欲しいと思う。
ルール (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ルール (集英社文庫)より
4087478378
No.5:
(5pt)

戦争文学の復活

この作家の作品はまずサイパン戦のものを読んだ。その後この小説を読んだ。兵隊の呼吸が聞こえるようだった。フィリピンは比島と書かれるが生還者は悲島とあてる。この小説は悲島に送られた兵隊を書いている。北部ルソン戦に関心があれば現地部隊の世俗考察に驚く。ことに兵隊隠語はなまなましい。大岡昇平で終わっていた戦争文学である。
ルール (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ルール (集英社文庫)より
4087478378
No.4:
(4pt)

読んでてシンドイけど、読んでいるだけでシンドイのに

苛烈で過酷な状況の中で、生きた人間であるために、その心と体の居場所を守るためにどこに線を引くべきなのか。線は引かれるべきなのか。戦争はその線をどう変えるのか。飢えと死の描写が容赦なく、正直読んでて辛かった。ここで語る必要もなく「ルール」という書名と、帯の一文「生きることがもっとも困難だった時代、 生きることがもっとも困難だった場所で」とで、この本の内容とテーマをはっきり示していると思う。
ルールAmazon書評・レビュー:ルールより
4087753069
No.3:
(4pt)

人間の尊厳を考えさせられる作品

敗戦直前のフィリピンで敗走を続ける部隊、物語の中心となるのは小隊長と軍曹、そして初年兵の三人。ジャングルの中で「残酷に生かされている」人間たちを生々しく描き出す。飢えと「既に敗戦確定」と言う諦め、そして蔓延する病が軍紀の乱れを呼び、終いには人間としての尊厳さえ失わせる。人が人として生きて行くためのルール、それは「生きて行く」と言う欲望を押さえてでも遵守する価値があるのか?ルールがあるが故に「残酷な人生」を強いられているだけなのではないか?物語のハイライトではそんな問いかけが中に存在している。淡々と描かれるジャングルと戦地の恐怖の中で、生きて行く事そのものが目的となってしまった人間の残酷さを考えさせられる。序盤から中盤にかけては周りが狂って行く中で主人公たちがみせる人間らしさと人間の強さにグッとくる。しかし終盤になると主人公たちも生きるために「動物」となっていき、本当のラストで鬼となった軍曹の怖さと、人間としてのルールを破ってしまった哀しみが溢れている。
ルールAmazon書評・レビュー:ルールより
4087753069
No.2:
(4pt)

人間としてのルールとは・・・

人として生きる上で守らねばならない「ルール」。それは決して破るべきではないもので、それを破ることは、「人として生きていくこと」を放棄することにも繋がる…淡々と。どこまでも冷静に極限状態の人々を描く。その筆致により、その想像を絶する凄惨さ、過酷さが一層際立つ。まだ若い作者(1970年生)が、このような戦争小説を発表したことに、驚きの声があがったことも理解できる。「戦争小説だから」「救いの無い話っぽいから」などと頭から否定せず、是非読んで頂きたい作品。
ルールAmazon書評・レビュー:ルールより
4087753069
No.1:
(3pt)

いままでと違う味わい

まあまあ面白かった。今までのものとは大分毛色が違うが、戦争の悲惨さを如実に反映している。少し、ドキドキ感がないのが残念だが、それは同本の狙う所ではないのであろう。
ルールAmazon書評・レビュー:ルールより
4087753069

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