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暴風雪



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【この小説が収録されている参考書籍】
暴風雪 (創元推理文庫)

暴風雪の評価: 3.50/5点 レビュー 2件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(4pt)

ジョーもまた鷹匠ネイトの「精神性」によって己がアイデンティティを確認し続ける

プチ旅行のため、読書の間が開きました。これからガンガン読んでいきましょう(笑)
 前の翻訳「暁の報復」を読んだのは、2024年6月。猟区管理官ジョー・ピケット・シリーズの新しい翻訳を読み終えました。
 新しいワイオミング州知事、コルター・アレンから突然呼び出されたジョーは、前年の7月に行方不明になったケイト・シェルフォード-ロングデンという英国人女性を捜すよう依頼を受けます。彼女は英国の大手広告会社のCEOでした。ワイオミング州の高級リゾート牧場、シルヴァー・クリークで休暇を過ごした後、英国へ帰国するはずだった彼女は行方不明になっていました。ソリの合わないアレンからの命令に渋々従い、ジョーはサラトガへと向かいます。実は、シルヴァー・クリークではジョーの長女、シェリダンが乗用馬係として働いていました。果たして、英国人、ケイトは何処へ行ったのか?
 いつものようにワイオミングの美しい大地に加えて、私が知らなかった世界の<要素>に出会うことができます。ララミーの蹄鉄工たち、製材所の面々、<ホテル・ウルフ>の佇まい、養魚場があって、極めつけは「風力発電所」の存在が現実世界に於いては再生エネルギーの救世主のように扱われながら、しかしまた多くの問題も抱えていることを示唆して、作者のその取材力の確かさを表しています。
 今回もまた、鷹匠、ネイトが登場しますよ。パトリック&アンジーにとってのブッバであり、スペンサーにとってのホークでもあるネイトは、<法>の内側でクヨクヨと悩むジョーを<法>の外側から支え続けます。<法>は人が作ったものだと解釈するならば、これからも変わり続けます。よって<法>の外側にいるネイトの方が実は、未来永劫変わることのない「精神性」を体現化していると言っていいでしょう。人は窮地に立たされた時、神に縋るように、ジョーもまたネイトの「精神性」によって己がアイデンティティを確認し続けることになります。
 とは言え、今回の物語は少し小ぶりでした。アクションも少なかった。私はテイラー・シェリダンが監督した映画「ウインド・リバー」を想起しながらこの物語を読み続けました。暴風雪の大地をスノーモービルに乗って駆け回るシェリダンの男ぶり(?)に感激しつつも男たちは何処へ行ってしまったのか?少しだけ不満が残りました。
 ◻︎「暴風雪 猟区管理官ジョー・ピケット・シリーズ "The Disappeared"」(C・J・ボックス 東京創元社)
暴風雪 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:暴風雪 (創元推理文庫)より
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