■スポンサードリンク


目には目を



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
目には目を

目には目をの評価: 3.91/5点 レビュー 23件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.91pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全23件 1~20 1/2ページ
12>>
No.23:
(4pt)

「目には目を」は悪なのか

本書は少年犯罪と報復殺人という、正解が一つに定まらない複雑なテーマを扱っている。
ただ、報復殺人を完全に否定し、「命は犯罪者も被害者も平等なもの」という立場で描かれていることに、違和感を覚えた。

罪のない幼女を身勝手な理由で殺めた青年。その青年が幼少期に受けたイジメ、少年院を経て社会復帰していくまでのエピソードを通じて、不器用だが正義感が強く正直な姿が描かれている。

そんな社会復帰を目指す青年を、殺された幼女の母親が報復として殺めた。
「目には目を、殺人には殺人を」と、正当化している。

青年は社会復帰に向けて取り組んでいた、そんな青年の未来を潰してしまった、というやや一方的な視点で書かれているが、問題を単純化してないだろうか?

どちらが良い、悪いという二項対立の問題に置き換えられない問題だと思うので、結末にはややもやもやを感じた本だった。
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807
No.22:
(2pt)

読みにくい

ダラダラ感が否めない。読みにくい。
読み進められない。
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807
No.21:
(4pt)

子を殺された親の気持ち

前半はライターが密告者を探していくような流れですが、終盤に「なるほどそういうことか」という展開になります。
ミステリーとかサスペンスというジャンルではなく、ちょっと悲しくなるお話です
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807
No.20:
(4pt)

少年Xに注意

見逃しそうになったけれど、メモをとりながら読んでいたのでなんとかなりました。「少年X」ね。ちゃんと説明がありました。一応納得はできたけれど、何だかモヤモヤが残ったので、☆1つマイナス。大坂君、ギリセーフ
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807
No.19:
(3pt)

中途半端な内容になってしまっている

普通だなという感想。
ミステリーにしては弱いし、社会派サスペンスほどの硬派さもない。
これは担当編集者のミスジャッジじゃないかな?と思わせる、カジュアルな内容。
著者の過去作品から鑑みると、もっと力量はあるはず。
より多くの人に読んでもらうために、良く言えばミステリーと社会派両方の良いとこ取りをしたことで、どちらにもならない微妙な作品になってしまった気がする。
個人的には勿体ない内容だったなという感想です。
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807
No.18:
(5pt)

ネタバレ含みます

ネタバレを早く知りたいと思ってしまう作品。

少年法では少女(女子)を「少年」と表記する、という法律用語がなければ成立しない作品。
被害者少年Xは女なわけですが序盤で男だと錯覚させられて、その後チラッと法律用語についての説明があるのみ。実際に女子が入る更生施設は「女子少年院」という名前です。

ノンフィクション風小説。ここに癒しや共感は必要なく、共感するとしたら同様の事件を起こす人間だということなのでしょう。
だからこそ秀逸なんだと思います。
青柳主任の言うみんな良い子。なのにその良い子達が起こした事件は卑劣。私たちの知らない精神世界、価値観で生きてる。だから共感できない人は事件を起こさない。
自分の罪と向き合う少年が2人だけいます。
救いがあるとしたらその2人なのかもしれません。うち1人はもう1人の少年に影響を受け、ルポライターが取材したことで罪と向き合い始めた少年です。自分の犯した罪と向き合うことができるかどうかが更生への道しるべとなるのかもしれず、それは少年院の生活や更生プログラムでは得られないもの。そう考えると感慨深いです。
つまり青柳主任へのインタビューを読んでもこの人には少年たちを更生させる能力はないと思わせられます。如何に現代社会が年齢問わず犯罪者に対して更生を望まず厳罰を与えることのみを望んでいるのかも考えさせられます。(更生に力を入れるなら教官をしっかり育てるところから見直すべきということ。)

究極のネタバレですが、題名通りの事件が起きただけだった。それが作者が取材を始めたきっかけになった。それだけのシンプルな話だと思います。事実は小説より奇なりという言葉はありますがこの小説は「事実に限りなく近い小説」なのでしょう。だから読後に救いも何もないと感じる人もいる。

宮部みゆきさんが推されるのは「理由」を書いた宮部さんだからこそ「作家として共感」できたのでしょう。
宮部みゆき作品のように何度も読みたくなるものではないですがお金を出して読む価値はありました。
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807
No.17:
(4pt)

復讐と贖罪。少年たちの闇を見つめる。

本作は、新川帆立が少年の事件に焦点を当て、少年法をテーマに描いた意欲作である。これまでの彼女の作品は、女性が活躍する物語が多かったが、本作では現在の少年たちの置かれた状況をリアルに描き出している。新川帆立は、弁護士でもあったが、作家になる前に通信制高校で勤務していた経験を持つ。

 物語の中心は、傷害致死により少年院に収容されていた少年Aが、出所後に殺人事件を起こす過程と、その背景を巡る人間模様である。Aは、傷害致死により少年院に入った少年であるが、そこで属していたグループには、少年Bという密告者もいた。殺人者の少年Aと密告者の少年B、果たしてそれは一体、六人のうち誰なのか。そして、その真実を追うルポライターの仮谷苑子の視点を通じて、六人の少年へのインタビューが進行していく。

 少年Aは、少年Xに暴行を加え、その結果死に至らしめた。傷害致死の疑いで逮捕され、20日間の拘留の後、家庭裁判所に送致され、少年鑑別所に収容された。Aが事件を起こしたのは15歳10ヶ月のときであり、第2種少年院送致の判決を受け、1年3ヶ月の少年院生活を経て、17歳の春に退院した。
 その後、土木作業員として働き始めたが、頭痛などの体調不良により仕事をズル休みするようになった。やがて、彼の部屋を訪れた際に殺人が行われていた。犯人は、被害者の母親・田村美雪であった。 これは、我が子を殺された母親の復讐心に他ならない。Aのことを知りうるのは、少年Bからの情報であった。時は流れ、2年後に美雪には無期懲役の判決が下され、控訴しなかった。
 これに対して少年法の歪みという指摘もなされている。そして、Aや少年Bの実名は公表されていない。

 登場する少年たちの姿も多彩である。大坂将也は、笑顔が人懐っこい青年で、父は家電量販店勤務、母は美人の専業主婦、弟は子役として有名だった。家族の中心は弟であり、将也は家庭内の扱いに不満を抱いていた。直樹殺しの事件に巻き込まれ、その結果少年院に入った。将也はテレビ好きである。

 堂城武史は、朴訥とした大男である。身長187cm、体重95kgと巨漢だが、話し方は不器用で、IQも76程度と低めである。あだ名は「電柱」。子供の頃、ハムスター事件を起こし、中学ではいじめに遭っていた。

 小堺隼人は、父子家庭で育ち、努力家であるが、家庭環境は厳格であった。父親は高卒で電気機器メーカーに勤務、母親は高卒の専業主婦であり、教育熱心だった。小堺は学校の成績が落ちるとヒステリーを起こし、夕食抜きの罰を受けていた。小柄で力も弱く、足も遅い彼は、母親を包丁で刺す事件を起こす。妹によると、父親が母親に暴力を振るっていたこともあった。

 雨宮太一は、猟奇的殺人事件の犯人であり、小学生二人を殺害したとされる。自身は、「あれは自分の作品」と主張し、反省の色を見せなかった。少年院では声も小さく、特に大きなトラブルを起こさなかった。退院後はYoutuberとして活動し、赤坂の高層マンションに居住。チャンネル登録者数は120万人にのぼる。自己顕示欲が強い性格である。

 進藤正義は、リーダーシップを発揮する少年で、黒いベンツに乗り、社交的で羽振りも良い。日焼けした肌に金髪の短髪、ロレックスを着用し、22歳にしてマルチ商法の仕事に従事している。母親は飲み屋で働き、妊娠、結婚、離婚を経験している。進藤は、多動症と虚言癖も持ち、14歳のときに特殊詐欺の受け子として逮捕され、その後、女子生徒の盗撮や強盗未遂事件も起こしたため、少年院に収容された。

 岩田優介は、少年院に収容されている間、一言も発さなかった。心因性の発声障害を抱え、山のふもとの大きな民家で育った。父は村役場に勤務していた。子供の頃、吃音があり、醜形恐怖症およびコンプレックスを持つ。家では母親に暴力を振るい、それを止めに入った姉をツボで殴り怪我させた結果、姉は意識不明の状態に陥った。そして、少年院に送られた。

 仮谷苑子は、丹念に少年たちの背景や人間関係を追及し、セラピードッグ殺害事件、プールでの石つまずき事件、運動会、クリスマス会といった様々なエピソードを通じて、少年たちの派閥形成や内面世界を明らかにする。少年たちを取材し、少年院の実態も詳細に描写する。少年院は罪を償うことではなく、更生を促す場として本来位置づけられているが、その実態には教官の目から見た「良い子」と実際の姿とのズレも浮かび上がる。

 田村美雪は、港区白金台の閑静な住宅街に生まれた。「目には目を事件」を起こした田村美雪の背景にまで遡る。美雪の父親は外交官、母親は専業主婦であり、夫は建設会社に勤務している。美雪は、地方転勤の多い夫に対して不満を抱いていた。娘を殺された彼女は、「やられたら、やり返すだけ」と公判で発言し、その後、仮屋苑子が公判内で証言を行う。

 このような展開を見ると、「目には目を」事件は、単なる復讐劇ではなく、少年法の存在や少年院の実態について、多角的に問いかける作品であるといえる。仮谷苑子は、復讐と贖罪のテーマについて深く洞察しながら、物語を締めくくる。本作は、社会の闇と少年たちの心に迫る、人間ドラマとなっているである。
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807
No.16:
(4pt)

少年の一人が被害者や遺族のことを考えて悩み、苦しむ様子が描かれていて、本気で更正しようとする意志が感じられたのが救いだった

15歳の少年Aに10歳の娘を殺害され、その復讐として少年Aの居所を見つけ出してを殺害した母親。

我が子を殺した少年Aに復讐した「目には目を事件」の関係者の証言を元に、なぜ少年Aだけが殺害されたのか、少年Aのことを密告した少年Bは誰なのかを探っていくミステリ小説。

少年Aと同じ時期に少年院にいた5人の少年、少年院の刑務官、少年たちの家族から仔細な聞き取りをすることで、当時の少年院内での少年たちの関係性や、罪の意識、反省の度合いなどが描かれていてリアリティがあった。

少年院でプールや運動会、マラソン大会、クリスマス会などのイベントがあったり、セラピードッグがいたりと、知らないことも多かった。

物語の中盤からは、「目には目を事件」の裁判の様子が描かれていくが、ここで語り手のある事実が明らかになり、物語が加速していく展開は最後まで読み応えがあった。

自意識が根本的に欠如していたり、自分が平凡であることを受け入れられなかったり、母親に構ってもらえなかったり、人が悲しむのを見て楽しんだり、と様々な少年たちがいたが、誰も自分が起こした事件のことはほとんど反省していないのが切なかった。

ただ、物語の終盤、少年の一人が被害者や遺族のことを考えて悩み、苦しむ様子が描かれていて、本気で更正しようとする意志が感じられたのが救いだった。
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807
No.15:
(5pt)

罪と罰について考えさせられる

被害者遺族に復讐された少年Aと、遺族に密告した少年Bは誰なのか、というミステリー要素に惹かれて読み始めたが、中盤ぐらいからそこはどうでもよくなってきた(ストーリー上もあっさり描写されている)。
それよりも、少年犯罪とその罰は何なのかという話のほうが重かったし、続きがよみたくて一晩で一気に読んでしまった。
少年犯罪は重大事件が起きるたびにもっと厳罰化すべきという声が上がるし、自分もそう思う時がある。しかし宮口幸二氏『ケーキを切れない非行少年たち』など読んだ限り厳罰化すればそれでいいという問題でもないことも理解できる。
『目には目を』では6人の非行少年が登場する。生育環境も性格も多様でひとくくりできない。作中のルポライターは結末である結論に達するが、一方でモンスターのようなパーソナリティの少年も登場させており、ライターの結論を正しいとしていいのかも不透明だ。
その不透明さこそがこの小説の訴えたかったことではないかと思う。少なくとも私は強く打たれ、考えさせられた。

他のレビューを見ると序盤のある少年についての表現がおかしいと指摘があり、いろいろ解釈しようとしたが瑕疵とするのが自然な気がする。だが、そんな瑕疵が気にならないほど面白い小説だったと思う。
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807
No.14:
(5pt)

少年院を退院した少年Aの居所を、被害女児の母親に密告した少年Bとは誰か

『目には目を』(新川帆立著、KADOKAWA)の結末には、あまりの意外さに唖然としてしまいました。

思い罪を犯し、少年院で出会った6人。この中に、10歳の女児を殺した15歳の少年Aが含まれていました。

17歳で退院したAは、被害女児の母親によって刺殺されてしまいます。18歳でした。母親は、Aと同じ時期に少年院で過ごした少年Bの密告の手紙、「xx年x月x日、午後四時半、Y建設の社員寮、xx号室に犯人はいます。北の裏口はいつもあいています。そこから、しきちに入ってください」によって、Aの居所を知ることができたのです。

密告した少年Bとは誰なのか、どうして密告したのか――本書は、仮谷苑子が、これらの疑問を解明すべく、退院した少年たちを訪ね歩いてまとめた証言集です。

被害女児の母親は、情報を得るために、SNSに次のような文章を投稿していました。「xx年x月x日、S県T市xx町三丁目―十六 中央東公園内で、娘の有海(あみ)、十歳が無惨にも首を絞められ、殺されました。犯人をさがしています。犯人は、犯行当時十五歳の少年でした。そのために、氏名も顔写真も公開されず、N少年院で一年三カ月をすごしただけで釈放。今ものうのうと生きています。情報求む。有益な情報には謝礼二百万円」。麦わら帽子をかぶってニッコリと笑う有海の写真が添えられていました。

読み終えて暫くは呆然としていたが、冷静さが戻ってくると、レフ・トルストイの『アンナ・カレーニナ』の有名な書き出し、「幸福な家族はどれも似通っているが、不幸な家族は不幸のあり方がそれぞれ異なっている」(この一節だけ、私が英語から重訳)を思い浮かべてしまいました。少年少女たちが罪を犯す前に、思い止まらせるために何かできることがあるのではないかと思うのだが・・・。
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807
No.13:
(2pt)

少年Xって誰ですか?

自分の読み方が悪いのか、少年Aが殺した子供の性別が分かりません。序章では美雪は少年Xの母親とのことですが、途中から10歳の少女の母親になっています。懸賞金の文面でも少女となっているので、少年Xとは何なのでしょう。
誰か教えて下さい。
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807
No.12:
(2pt)

傾向が変わりました

新川氏の作品は楽しくすらすら読めて,かつ弁護士さんの仕事などを垣間見ることができるのが好きだったのですが,今作は違いました。
少年院の教官が,そんなにルポライターに話すかなと思ったり,少年たちの言動が世間が非行少年に持つイメージ通りだったりで途中で少し飽きてしまいました。
半分ぐらい読んだところで後半が察せられてしまったのも残念です。
結論がわかっていても楽しく読後感が良ければ嬉しかったのですが,私にとっては作者の傾向が変わって残念な作品でした。
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807
No.11:
(5pt)

安直な復讐ものではない

犯罪を犯してしまった少年たち「欠けた人間」のディテール表現が高いことに驚きました
安易に悪魔化もせず、「みんな同じ人間」みたいな安直な着地もさせない
「この話どこに収束するんだ」とハラハラしながら読み進めました
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807
No.10:
(5pt)

ノンフィクションかと思ったけどフィクションだった

読後少年Bが分かってスカッとという気持ちにはならないが、なん度も「おーそういうことか!」という話の展開がおもしろい。
少年たちの短絡的な行動や、理解不能な言動も仮谷という聞き手の一言で共感でき引きこまれた。
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807
No.9:
(5pt)

早くも2025年を代表する作品が登場、驚愕と感動の傑作ミステリー

少年犯罪・贖罪・復讐・更生など重いテーマを扱った作品ですが、中盤からの展開が衝撃的で一気に読み進めることができました。また、切なくも感動的な結末には思わず涙しました。
まだ2月ではありますが、早くも2025年を代表する作品に出会えたよう気がします。
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807
No.8:
(2pt)

非ミステリー

ミステリーをいいかげんに書いているという印象。

「少年Aは別の少年Xに暴行を加え、死に至らしめた」
いや、Aが殺したのは10歳の少女では?

Aの死後。
「田村美雪という女性が自首したのだ」「美雪は少年Xの母だった」
殺されたのは美雪の娘「有海」。情報を集める文書にもしっかり書かれている。

Aの死体発見の経緯。
美雪の手紙によれば、午後4時半にAの部屋に行き殺した。そして「近くの交番に自首した」。
ところが冒頭、Aの死体発見について、
欠勤が続き理由も言わず、電話にも出ないので、「雇用主は腹を立てながら、寮の部屋を訪ねた」
そこでAの死体を発見し、警察に通報した。
警察への通報と、美雪の自首の時系列はどうなっているのか。
美雪が部屋に行ったのは午後4時半。殺して自首したのはせいぜい午後5時すぎと考えられる。

美雪が殺して部屋を出て、自首するまでのわずかな時間に、偶然雇用主が部屋を訪れた。
しかも美雪が部屋を出るところや近くにいるところは見られていない(このとき美雪は血まみれで目立つはず)
都合よすぎませんか。

しかも、雇用主が無断欠勤に腹をたて電話をして、出ないから訪問しているのだが、それが午後5時近くというのはおかしくないか。
普通、朝出勤してないのを確認し、すぐに電話して出ないので訪問という流れになるだろう。それがなぜ午後5時。
(午後5時と明確に書かれているわけではない。作者は時間について、詳細を書いていない。これもずるい)

雇い主の発見がもっとあと、あるいは翌朝などということなら、もっとおかしいことになる。なぜなら美雪はとっくに自首して、事件は発覚しているから。
したがって、美雪の自首と雇い主の通報は短時間のあいだということになる。冒頭の事件発覚の経過を読むと、どう考えても通報が先で自首がそのあとということになる。
「通報を受けた地元の警察は殺気立った」つまりこの時点で美雪は自首していないということ。
「容疑者はすぐに見つかった」「田村美雪という女性が自首したのだ」。
美雪が部屋を出た時刻、自首した時刻、雇い主が電話した時刻、部屋を訪れた時刻、通報した時刻、これらがまったくあいまい。時間経過を書け、と言いたい。
このへんも実にいいかげん。

そして最大のアンフェアが、仮谷とAとの対談の部分。
この二人の関係がわかってみると、ここの文章はミステリーとしてアンフェアなのだが、そういうことに出版社は気づかなかったのか。
この手記は最終的に美雪に読ませることになっている。とすれば仮谷とAの関係をきちんと書かなければならない。
そこをあえて隠すのは、読者をだますためだけが目的になっている。

そもそもこの手記は誰に向けて書いているのかも不明。仮谷は手記の中で「本書は・・」という表現をしているが、これは書籍として出版されなければ使わない言い方だろう。
出版されてもいない手記を「本書」とよぶ不自然さ。結局は美雪に読ませてるだけ。
しかもAとの関係を最初は隠している。Aとの関係を美雪に伝えた状態で手記を送っているのだから、隠す必要は一切ない。

ミステリとして読まなければ我慢できるということか。
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807
No.7:
(4pt)

宮部みゆきさん推薦のミステリー

中弛みありますが、ラストスパートは息も尽かせずグイグイ引き込まれましたラストは涙腺が緩みます。
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807
No.6:
(3pt)

登場人物に共感出来ない

良い小説を読むと、その後数日その事ばかり考えてしまうたちです。この本の登場人物には、共感出来ませんでした。被害者の少年が誰だかは、途中で明かされるのですが、だからといって密告者を探し出すのを、ミステリーだとは思いませんでした。女流作家で桐野夏生さんの場合、登場人物の描写が優れているので、共感出来るのです。
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807
No.5:
(3pt)

どうしよう。考え方として美幸派なんだよなー…

復讐のループがコンパクトに纏まってると感じた
…個人的にはこの場合、自分は完全に美幸の考え方だし
一番気持ちが分かるとか同じ立場とか、同じ土俵に勝手に乗ってこられたら
超絶ムカつくだろうなあと思ってしまう
そもそも始めたのは誰だよ!?みたいな
法で禁止はされていないが、人を殺めてはいけないって共通認識が成されてるのは
「始めるな」って事なんだろうな

概ね楽しみました
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807
No.4:
(5pt)

作者、完全に一皮剥けた

これまで映像化作家イメージを払拭しきれないでいたが、ここで完全に化けたようだ。仮にミステリとしての仕立てを除いたとしても、テーマ・文章力いずれもズシンと響く。今年始まってまだ2ヶ月、国内ミステリランキングの有力者が現れたのでは。
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807

スポンサードリンク

  



12>>
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!