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目には目を



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【この小説が収録されている参考書籍】
目には目を

目には目をの評価: 3.93/5点 レビュー 14件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.93pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全9件 1~9 1/1ページ
No.9:
(5pt)

少年院を退院した少年Aの居所を、被害女児の母親に密告した少年Bとは誰か

『目には目を』(新川帆立著、KADOKAWA)の結末には、あまりの意外さに唖然としてしまいました。

思い罪を犯し、少年院で出会った6人。この中に、10歳の女児を殺した15歳の少年Aが含まれていました。

17歳で退院したAは、被害女児の母親によって刺殺されてしまいます。18歳でした。母親は、Aと同じ時期に少年院で過ごした少年Bの密告の手紙、「xx年x月x日、午後四時半、Y建設の社員寮、xx号室に犯人はいます。北の裏口はいつもあいています。そこから、しきちに入ってください」によって、Aの居所を知ることができたのです。

密告した少年Bとは誰なのか、どうして密告したのか――本書は、仮谷苑子が、これらの疑問を解明すべく、退院した少年たちを訪ね歩いてまとめた証言集です。

被害女児の母親は、情報を得るために、SNSに次のような文章を投稿していました。「xx年x月x日、S県T市xx町三丁目―十六 中央東公園内で、娘の有海(あみ)、十歳が無惨にも首を絞められ、殺されました。犯人をさがしています。犯人は、犯行当時十五歳の少年でした。そのために、氏名も顔写真も公開されず、N少年院で一年三カ月をすごしただけで釈放。今ものうのうと生きています。情報求む。有益な情報には謝礼二百万円」。麦わら帽子をかぶってニッコリと笑う有海の写真が添えられていました。

読み終えて暫くは呆然としていたが、冷静さが戻ってくると、レフ・トルストイの『アンナ・カレーニナ』の有名な書き出し、「幸福な家族はどれも似通っているが、不幸な家族は不幸のあり方がそれぞれ異なっている」(この一節だけ、私が英語から重訳)を思い浮かべてしまいました。少年少女たちが罪を犯す前に、思い止まらせるために何かできることがあるのではないかと思うのだが・・・。
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807
No.8:
(5pt)

安直な復讐ものではない

犯罪を犯してしまった少年たち「欠けた人間」のディテール表現が高いことに驚きました
安易に悪魔化もせず、「みんな同じ人間」みたいな安直な着地もさせない
「この話どこに収束するんだ」とハラハラしながら読み進めました
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807
No.7:
(5pt)

ノンフィクションかと思ったけどフィクションだった

読後少年Bが分かってスカッとという気持ちにはならないが、なん度も「おーそういうことか!」という話の展開がおもしろい。
少年たちの短絡的な行動や、理解不能な言動も仮谷という聞き手の一言で共感でき引きこまれた。
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4041133807
No.6:
(5pt)

早くも2025年を代表する作品が登場、驚愕と感動の傑作ミステリー

少年犯罪・贖罪・復讐・更生など重いテーマを扱った作品ですが、中盤からの展開が衝撃的で一気に読み進めることができました。また、切なくも感動的な結末には思わず涙しました。
まだ2月ではありますが、早くも2025年を代表する作品に出会えたよう気がします。
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4041133807
No.5:
(4pt)

宮部みゆきさん推薦のミステリー

中弛みありますが、ラストスパートは息も尽かせずグイグイ引き込まれましたラストは涙腺が緩みます。
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4041133807
No.4:
(5pt)

作者、完全に一皮剥けた

これまで映像化作家イメージを払拭しきれないでいたが、ここで完全に化けたようだ。仮にミステリとしての仕立てを除いたとしても、テーマ・文章力いずれもズシンと響く。今年始まってまだ2ヶ月、国内ミステリランキングの有力者が現れたのでは。
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4041133807
No.3:
(5pt)

彼らに何が必要なのか、その更生を深く考えさせられる。

冒頭の”これは、贖罪と復讐の物語である”からはじまる。
重い罪を犯し少年院に入るものたちは、”「普通」になれないもの同士”というが。
これはただ単なる犯人捜しのミステリーではない。
被害者と加害者、そして子を思う親たち。
本気で反省し更生することに問いかけている。
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4041133807
No.2:
(4pt)

なんともやりきれない気持ちになりましたが、一筋の光明が見えたからでしょうか、読後の後味は悪くなかったです。

主人公が調査していく六人の少年のエピソードがごっちゃになったりして、行きつ戻りつ、読み進めるのがなかなかに骨でした。
でも、主人公にまつわるある事実が明かされてからは、頁をめくる手が速くなり、ぐいぐい読んでくことができました。
そして、密告者である少年Bが誰であったのか分かった時、「ああ。そういうことだったのか‥‥」と、しばし、天を仰ぐしかなかったです。

本書を読んで強く思ったのは、殺人事件ていうのは、それを起こした加害者はもとより、被害者、加害者の家族や友人をはじめ、周囲の人間に、どれほどの苦痛と悲しみ、憎しみを呼び起こすのかという、そのことでした。

また、ここに登場する少年たちの、他人とどう繋がっていいのか分からない、ちょっと理解しづらい不器用な生き方に、なんともやりきれない気持ちにもなりました。

本書のなかで、ある人物が漏らす《「なんでそういうふうにしか、人とつながれないんだろう」》て言葉と、そのちょっと後で一人の少年が言う《「僕たちはみんな、欠陥品なんじゃないですか」》て言葉が、胸に刺さりました。
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4041133807
No.1:
(5pt)

少年犯罪とそれに伴う復讐や贖罪について、被害者と加害者の両面から真剣に考えている本。

この本のテーマは一つ。
自分の娘を殺した加害少年の身元を知りたい被害者母に、加害少年の情報を与えたのは誰か?

密告者の可能性がある少年たちが収容されていた少年院での生活の様子・それぞれの入院までの経緯等が詳しく書かれており、それがのちの「加害少年の情報密告者」の解明につながっていきます。

復讐として加害少年を殺害した被害者母と、加害少年だった息子を殺されて(今度は被害者の母となった)人間の間に生じた憎しみの連鎖、復讐が復讐を呼ぶような雰囲気の中で、双方のつらい気持ちがびしびし伝わってきて痛いほどでした。

最初はただの「犯人探し」として読み始めたわけですが、最後に密告者が分かったときには不覚にも涙が止まりませんでした。
憎しみよりも、なによりも、悲しい悲しい物語でした。

最後の最後に、その加害少年の母が、息子を殺害した被害者母に宛てた手紙が載せられています。
ここで初めて、序章にあった「これは贖罪と復讐の物語である」の本当の意味が分かりました。

涙なくして読めないと思いますが、本当に本当にお勧めの本です。
是非ご一読ください。
目には目をAmazon書評・レビュー:目には目をより
4041133807

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