遥かな夏に



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初公開日(参考)2025年01月
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長編小説

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遥かな夏に

2025年01月16日 遥かな夏に

目の前の女性はまっすぐ裕也に訊いたーーあなたは、わたしの祖父ですか? 祖父を探していると女性は言った。祖母は安西早智子といい、未婚のまま出産、何も語らずに亡くなった。裕也はその名を知っていた。古い記憶が甦る。一九七六年ベルリン国際映画祭、祝祭の夏。あのとき彼女に何があったのか。祖父とは誰か。探索の果て裕也が辿りついた真実とは。過去と現在が交錯する人生探しのミステリー。(「BOOK」データベースより)




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遥かな夏にの総合評価:7.25/10点レビュー 4件。Cランク


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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(2pt)

遥かな夏にの感想

映画が好きで ぴあを読み毎週どこかに映画を見に行ってたことを
思い出させてくれただけ。
ダラダラした文章に展開の乏しい描写
読むのがつらい
映画を知らなければ
何もない

jethro tull
1MWR4UH4
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

映画への憧れが詰まったノスタルジー・ミステリー

2023年〜24年の文芸誌連載の加筆、改題作品。幻の作品と思われた映画のフィルムが発見されたのきっかけに、定年退職した老人が自分も関わった50年前のベルリン映画祭での出来事を回顧し、人探しをするノスタルジックな人探しドラマである。
大前提として映画好きであること、時代に翻弄される人生に共感できることが、本作を楽しむ条件となる。突然現れた若い女性から「あなたは、わたしの祖父ですか?」と始まる、現代での人探しと、それをきっかけに1976年のベルリンでの人間模様を紐解いていく過去のヒューマンドラマが交互に語られていく構成で、ミステリー的要素は最後の種明かし部分だけ。
ミステリーを期待すると肩透かしだが、主人公と同年代で歴史的背景をすんなり理解できる人には、ノスタルジックな青春物語としておススメできる。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.2:
(5pt)

70歳以降の人はこの本を読んで時代を振り返ろう

ストックホルムの密使、ベルリン飛行指令、エトロフ発緊急電の三部作とは違う作者のメッセージが伝わる。現在、70歳以上の方は読むべきです。本書は、この年代が生きてきた日本社会がどういうものであって、我々は何をしてきたか自省を促す。在日朝鮮人と韓国人、成田空港反対運動の中での農民と行政、日安全保障条約と沖縄、学生運動と権力の衝突。我々世代はこの時代の中をどこに身を置くかは別にして平等に生きてきた。今の時代にはない葛藤、生きるための少ない選択、決して望まない結果がゴロゴロしていた。本書は心に刺さる。ある意味ノンフィクションとして読み終えた。73歳の人生を振り返ることができました。「そうだったなあ」「いろいろあったなあ」「皆どうしてる?」と思う人も少なからず居ると思います。
遥かな夏にAmazon書評・レビュー:遥かな夏により
4104555134
No.1:
(5pt)

佐々木譲は「映画」を撮り続けている

佐々木譲の著作を読むのは、「秋葉断層 特命捜査対策室」(2024/11月)以来になります。
 「あなたは、わたしの祖父ですか?」
 主人公、本庄裕也は初対面の女性、大宮真紀から祖母の存在と或る映画について教えてほしいと問われます。真紀の祖母、安西早智子はシンガー・ソング・ライターでありその映画の主題歌を歌っていました。その映画「逃げた祝祭」は(本庄はその映画の関係者でしたが)ベルリン映画祭で上映され、或る事情から手続き上のミスがあったとして正式の記録からは削除された映画でした。
 そこから1976年、夏に始まる物語が現在へと繋がり、本庄はまるで<西海岸私立探偵小説>の探偵のように己が過去を回想しつつその当時、その映画に携わった監督、主演俳優等を尋ね歩きます。一人の女性の祖父探しのスリラー。祖父は生存しているのか?誰なのか?正式の記録から削除された映画が作られた時代は、いかなる時代だったのか?
 私はスリラーの読み手ですので、それらの謎解きへと向かう道筋を語ることはできません。また、或る真相が明らかになる<きっかけ>については偶然性に支配されているように感じられてあまり納得のいくものではありませんでした。
 しかし、この一人の女性の祖父探しの物語に重ね合わせるように主人公のアドレッセンスとその終わりが語られることによって、作者自身の(同じ1970年代を過ごしたであろう時代の)「映画」への静かな情熱と想いが語られていることに深く心を打たれました。
 私にとっても「映画」は魔物であり、常に憧れの対象でした。この物語は、その映画を語りつつ1970年代という激動の(不思議な?)時代について或る側面から光を照射してくれています。ヌーヴェル・ヴァーグ以降、学生運動、ロベール・アンリコ、「ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ」、そして或る国家の歴史の流れ。
 私は、或る女性が或る人に或る贈り物をするシーンに涙を禁じ得ませんでした。常に傍に寄り添う人は、寄り添われた人が何を欲しているのかが理解できるのでしょうね。それをこの世界ではなんと呼ぶのでしょうか?

 1976年。私はまだ月2回「キネマ旬報」を購読しつつ、せっせと映画を見ては、極くたまにですが「読者の映画評」に投稿するような映画ファンでした。よって、この時代の「愛のコリーダ」事件、先頭を走っていた一人、ベルナルド・ベルトリッチによる映画群、日活ロマンポルノが引き起こした論争など、よく覚えています。この小説の登場人物たちがその時代の映画について「ベスト・スリー」を挙げよと問われますが、浅薄な知識しか持たない未熟な私がもし問われたとしたらその場の状況に応じて知識人好みの<ヨーロッパ映画>を挙げつつもアメリカン・ニュー・シネマ以降のコッポラ、フリードキン、ピーター・ボグダノヴィッチ映画に走るような気がします(笑)。娯楽性の高い映画の中に確かに在る<霊性>に触れることが好きだからかもしれません。
 その点、佐々木譲は構築する幾多の物語を通して秀れた「映画」を撮り続けています。拝礼。
 □「遥かな夏に」(佐々木譲 佐々木譲) 2025/1/18。
遥かな夏にAmazon書評・レビュー:遥かな夏により
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