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目には目を
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目には目をの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.93pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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『目には目を』(新川帆立著、KADOKAWA)の結末には、あまりの意外さに唖然としてしまいました。 思い罪を犯し、少年院で出会った6人。この中に、10歳の女児を殺した15歳の少年Aが含まれていました。 17歳で退院したAは、被害女児の母親によって刺殺されてしまいます。18歳でした。母親は、Aと同じ時期に少年院で過ごした少年Bの密告の手紙、「xx年x月x日、午後四時半、Y建設の社員寮、xx号室に犯人はいます。北の裏口はいつもあいています。そこから、しきちに入ってください」によって、Aの居所を知ることができたのです。 密告した少年Bとは誰なのか、どうして密告したのか――本書は、仮谷苑子が、これらの疑問を解明すべく、退院した少年たちを訪ね歩いてまとめた証言集です。 被害女児の母親は、情報を得るために、SNSに次のような文章を投稿していました。「xx年x月x日、S県T市xx町三丁目―十六 中央東公園内で、娘の有海(あみ)、十歳が無惨にも首を絞められ、殺されました。犯人をさがしています。犯人は、犯行当時十五歳の少年でした。そのために、氏名も顔写真も公開されず、N少年院で一年三カ月をすごしただけで釈放。今ものうのうと生きています。情報求む。有益な情報には謝礼二百万円」。麦わら帽子をかぶってニッコリと笑う有海の写真が添えられていました。 読み終えて暫くは呆然としていたが、冷静さが戻ってくると、レフ・トルストイの『アンナ・カレーニナ』の有名な書き出し、「幸福な家族はどれも似通っているが、不幸な家族は不幸のあり方がそれぞれ異なっている」(この一節だけ、私が英語から重訳)を思い浮かべてしまいました。少年少女たちが罪を犯す前に、思い止まらせるために何かできることがあるのではないかと思うのだが・・・。 | ||||
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自分の読み方が悪いのか、少年Aが殺した子供の性別が分かりません。序章では美雪は少年Xの母親とのことですが、途中から10歳の少女の母親になっています。懸賞金の文面でも少女となっているので、少年Xとは何なのでしょう。 誰か教えて下さい。 | ||||
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新川氏の作品は楽しくすらすら読めて,かつ弁護士さんの仕事などを垣間見ることができるのが好きだったのですが,今作は違いました。 少年院の教官が,そんなにルポライターに話すかなと思ったり,少年たちの言動が世間が非行少年に持つイメージ通りだったりで途中で少し飽きてしまいました。 半分ぐらい読んだところで後半が察せられてしまったのも残念です。 結論がわかっていても楽しく読後感が良ければ嬉しかったのですが,私にとっては作者の傾向が変わって残念な作品でした。 | ||||
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犯罪を犯してしまった少年たち「欠けた人間」のディテール表現が高いことに驚きました 安易に悪魔化もせず、「みんな同じ人間」みたいな安直な着地もさせない 「この話どこに収束するんだ」とハラハラしながら読み進めました | ||||
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読後少年Bが分かってスカッとという気持ちにはならないが、なん度も「おーそういうことか!」という話の展開がおもしろい。 少年たちの短絡的な行動や、理解不能な言動も仮谷という聞き手の一言で共感でき引きこまれた。 | ||||
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少年犯罪・贖罪・復讐・更生など重いテーマを扱った作品ですが、中盤からの展開が衝撃的で一気に読み進めることができました。また、切なくも感動的な結末には思わず涙しました。 まだ2月ではありますが、早くも2025年を代表する作品に出会えたよう気がします。 | ||||
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ミステリーをいいかげんに書いているという印象。 「少年Aは別の少年Xに暴行を加え、死に至らしめた」 いや、Aが殺したのは10歳の少女では? Aの死後。 「田村美雪という女性が自首したのだ」「美雪は少年Xの母だった」 殺されたのは美雪の娘「有海」。情報を集める文書にもしっかり書かれている。 Aの死体発見の経緯。 美雪の手紙によれば、午後4時半にAの部屋に行き殺した。そして「近くの交番に自首した」。 ところが冒頭、Aの死体発見について、 欠勤が続き理由も言わず、電話にも出ないので、「雇用主は腹を立てながら、寮の部屋を訪ねた」 そこでAの死体を発見し、警察に通報した。 警察への通報と、美雪の自首の時系列はどうなっているのか。 美雪が部屋に行ったのは午後4時半。殺して自首したのはせいぜい午後5時すぎと考えられる。 美雪が殺して部屋を出て、自首するまでのわずかな時間に、偶然雇用主が部屋を訪れた。 しかも美雪が部屋を出るところや近くにいるところは見られていない(このとき美雪は血まみれで目立つはず) 都合よすぎませんか。 しかも、雇用主が無断欠勤に腹をたて電話をして、出ないから訪問しているのだが、それが午後5時近くというのはおかしくないか。 普通、朝出勤してないのを確認し、すぐに電話して出ないので訪問という流れになるだろう。それがなぜ午後5時。 (午後5時と明確に書かれているわけではない。作者は時間について、詳細を書いていない。これもずるい) 雇い主の発見がもっとあと、あるいは翌朝などということなら、もっとおかしいことになる。なぜなら美雪はとっくに自首して、事件は発覚しているから。 したがって、美雪の自首と雇い主の通報は短時間のあいだということになる。冒頭の事件発覚の経過を読むと、どう考えても通報が先で自首がそのあとということになる。 「通報を受けた地元の警察は殺気立った」つまりこの時点で美雪は自首していないということ。 「容疑者はすぐに見つかった」「田村美雪という女性が自首したのだ」。 美雪が部屋を出た時刻、自首した時刻、雇い主が電話した時刻、部屋を訪れた時刻、通報した時刻、これらがまったくあいまい。時間経過を書け、と言いたい。 このへんも実にいいかげん。 そして最大のアンフェアが、仮谷とAとの対談の部分。 この二人の関係がわかってみると、ここの文章はミステリーとしてアンフェアなのだが、そういうことに出版社は気づかなかったのか。 この手記は最終的に美雪に読ませることになっている。とすれば仮谷とAの関係をきちんと書かなければならない。 そこをあえて隠すのは、読者をだますためだけが目的になっている。 そもそもこの手記は誰に向けて書いているのかも不明。仮谷は手記の中で「本書は・・」という表現をしているが、これは書籍として出版されなければ使わない言い方だろう。 出版されてもいない手記を「本書」とよぶ不自然さ。結局は美雪に読ませてるだけ。 しかもAとの関係を最初は隠している。Aとの関係を美雪に伝えた状態で手記を送っているのだから、隠す必要は一切ない。 ミステリとして読まなければ我慢できるということか。 | ||||
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中弛みありますが、ラストスパートは息も尽かせずグイグイ引き込まれましたラストは涙腺が緩みます。 | ||||
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良い小説を読むと、その後数日その事ばかり考えてしまうたちです。この本の登場人物には、共感出来ませんでした。被害者の少年が誰だかは、途中で明かされるのですが、だからといって密告者を探し出すのを、ミステリーだとは思いませんでした。女流作家で桐野夏生さんの場合、登場人物の描写が優れているので、共感出来るのです。 | ||||
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復讐のループがコンパクトに纏まってると感じた …個人的にはこの場合、自分は完全に美幸の考え方だし 一番気持ちが分かるとか同じ立場とか、同じ土俵に勝手に乗ってこられたら 超絶ムカつくだろうなあと思ってしまう そもそも始めたのは誰だよ!?みたいな 法で禁止はされていないが、人を殺めてはいけないって共通認識が成されてるのは 「始めるな」って事なんだろうな 概ね楽しみました | ||||
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これまで映像化作家イメージを払拭しきれないでいたが、ここで完全に化けたようだ。仮にミステリとしての仕立てを除いたとしても、テーマ・文章力いずれもズシンと響く。今年始まってまだ2ヶ月、国内ミステリランキングの有力者が現れたのでは。 | ||||
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冒頭の”これは、贖罪と復讐の物語である”からはじまる。 重い罪を犯し少年院に入るものたちは、”「普通」になれないもの同士”というが。 これはただ単なる犯人捜しのミステリーではない。 被害者と加害者、そして子を思う親たち。 本気で反省し更生することに問いかけている。 | ||||
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主人公が調査していく六人の少年のエピソードがごっちゃになったりして、行きつ戻りつ、読み進めるのがなかなかに骨でした。 でも、主人公にまつわるある事実が明かされてからは、頁をめくる手が速くなり、ぐいぐい読んでくことができました。 そして、密告者である少年Bが誰であったのか分かった時、「ああ。そういうことだったのか‥‥」と、しばし、天を仰ぐしかなかったです。 本書を読んで強く思ったのは、殺人事件ていうのは、それを起こした加害者はもとより、被害者、加害者の家族や友人をはじめ、周囲の人間に、どれほどの苦痛と悲しみ、憎しみを呼び起こすのかという、そのことでした。 また、ここに登場する少年たちの、他人とどう繋がっていいのか分からない、ちょっと理解しづらい不器用な生き方に、なんともやりきれない気持ちにもなりました。 本書のなかで、ある人物が漏らす《「なんでそういうふうにしか、人とつながれないんだろう」》て言葉と、そのちょっと後で一人の少年が言う《「僕たちはみんな、欠陥品なんじゃないですか」》て言葉が、胸に刺さりました。 | ||||
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この本のテーマは一つ。 自分の娘を殺した加害少年の身元を知りたい被害者母に、加害少年の情報を与えたのは誰か? 密告者の可能性がある少年たちが収容されていた少年院での生活の様子・それぞれの入院までの経緯等が詳しく書かれており、それがのちの「加害少年の情報密告者」の解明につながっていきます。 復讐として加害少年を殺害した被害者母と、加害少年だった息子を殺されて(今度は被害者の母となった)人間の間に生じた憎しみの連鎖、復讐が復讐を呼ぶような雰囲気の中で、双方のつらい気持ちがびしびし伝わってきて痛いほどでした。 最初はただの「犯人探し」として読み始めたわけですが、最後に密告者が分かったときには不覚にも涙が止まりませんでした。 憎しみよりも、なによりも、悲しい悲しい物語でした。 最後の最後に、その加害少年の母が、息子を殺害した被害者母に宛てた手紙が載せられています。 ここで初めて、序章にあった「これは贖罪と復讐の物語である」の本当の意味が分かりました。 涙なくして読めないと思いますが、本当に本当にお勧めの本です。 是非ご一読ください。 | ||||
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