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(短編集)

孔雀屋敷



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【この小説が収録されている参考書籍】
孔雀屋敷: フィルポッツ傑作短編集 (創元推理文庫)

孔雀屋敷の評価: 4.00/5点 レビュー 6件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(4pt)

細かいかな?

人物や背景などの設定が細かいので、すごいと思う反面、読みにくい部分もあり、好みが分かれそうです。
孔雀屋敷: フィルポッツ傑作短編集 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:孔雀屋敷: フィルポッツ傑作短編集 (創元推理文庫)より
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No.5:
(3pt)

まあまあ

ミステリ?って感じ
孔雀屋敷: フィルポッツ傑作短編集 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:孔雀屋敷: フィルポッツ傑作短編集 (創元推理文庫)より
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No.4:
(5pt)

イーデン・フィルポッツの6短編を収録したたいへん楽しい短編集。

「孔雀屋敷」、「ステパン・トロフィミッチ」「初めての殺人事件」「三人の死体」「鉄のパイナップル」「フライング・スコッツマン号での冒険」。全部新訳または初訳。クリスマスに読むつもりだったが、1日前に読み終えてしまった。
で、あれこれ書いてみよう。
一、生涯
◯フィルポッツは1862年生まれ、1960年没。享年98歳。ずいぶん長寿である。作品の数も多い。
二、三大長編ミステリー
◯『赤毛のレドメイン家』が1922年(59歳)『だれがコマドリを殺したか』が1924年(61歳)『闇からの声』が1925年(62歳)。
三、6短編の発表年度
◯「フライング・スコッツマン号での冒険」が1888年(25歳)に小冊子発表、「三人の死体」と「初めての殺人事件」1921年6月(58歳)に雑誌発表、。「孔雀屋敷」と「ステパン・トロフィミッチ」と「鉄のパイナップル」は1926年(61歳)の短編集収録。
四、6短編の収録短編集
◯『フライング・スコッツマン号での冒険』・・1888年。「フライング・スコッツマン号での冒険」だけを集録した小冊子。
『Black,White,and Brindled』・・1923年。「三人の死体」ほか10編を収録する。表題作に該当する短編はないようだが、表題はそのまま訳せば「黒、白、まだら」だから、三人の死体を意味しているのかもしれない。
『孔雀屋敷』・・1926年。「孔雀屋敷」「ステパン・トロフィミッチ」「鉄のパイナップル」ほか12編を収録する。
五、6短編の既訳。
◯「孔雀屋敷」、「三人の死体」「鉄のパイナップル」には既訳がある。「ステパン・トロフィミッチ」「初めての殺人事件」「フライング・スコッツマン号での冒険」は本邦初訳のよう。
六、6短編の評判。
◯「三人の死体」「孔雀屋敷」は代表作として、世評高い。「鉄のパイナップル」も人気作で、各種アンソロジーに収録されている。「フライング・スコッツマン号での冒険」小冊子はクイーンの定員の13番目に選ばれた。
七、6短編の私的感想
◯6短編ともよくできていると思う。
◯強引にレッテルを貼ってしまうと、。「孔雀屋敷」は幻想ホラー味のミステリー、「ステパン・トロフィミッチ」は残酷ロシアもの、「初めての殺人事件」は現場警官ミステリー、「三人の死体」は安楽椅子味の心理本格ミステリー、「鉄のパイナップル」はこだわりを最大限に拡大したホラーサスペンス、「フライング・スコッツマン号での冒険」は鉄道ミステリ風味の遺産相続サスペンスとなる。
◯巨匠に対してたいへん失礼ではあるが、6短編を偶然、こだわり、恐怖、幻想、論理、心理、サスペンス、意外性、アクションの9個の要素から採点してみよう。なお、偶然はたいへん重要な要素なので、10点満点とし、他は5点満点として、計50点満点とした。なお、採点の基準は「偶然」の場合、「偶然」をいかにうまく使っているかである。
◯結果
☆「孔雀屋敷」・・偶然8点、こだわり2点、恐怖4点、幻想5点、論理4点、心理4点、サスペンス4点、意外性4点、アクション3点の計38点。
☆「ステパン・トロフィミッチ」・・偶然6点、こだわり3点、恐怖4点、幻想2点、論理3点、心理3点、サスペンス4点、意外性4点、アクション4点の計33点。
☆「初めての殺人事件」・・偶然7点、こだわり3点、恐怖3点、幻想2点、論理3点、心理3点、サスペンス4点、意外性4点、アクション4点で33点になるが、ユーモアを評価して1点プラスし、計34点。
☆「三人の死体」・・偶然9点、こだわり3点、恐怖3点、幻想2点、論理5点、心理5点、サスペンス3点、意外性4点、アクション2点の計36点。
☆「鉄のパイナップル」・・偶然7点、こだわり5点、恐怖3点、幻想3点、論理3点、心理3点、サスペンス4点、意外性3点、アクション3点の計34点。
☆「フライング・スコッツマン号での冒険」・・偶然6点、こだわり2点、恐怖4点、幻想1点、論理3点、心理4点、サスペンス4点、意外性4点、アクション4点の32点だが、作品の若々しさに1点、鉄道ミステリーであることに1点を付加し、計34点。
◯それで、私的順位は、第一位「孔雀屋敷」38点、第二位「三人の死体」36点、第三位「フライング・スコッツマン号での冒険」34点、同じく第三位「鉄のパイナップル」34点、同じく第三位「初めての殺人事件」34点、第六位「ステパン・トロフィミッチ」33点となった。
八、蛇足
◯調べ間違い書き間違い計算間違い独断ご容赦。
孔雀屋敷: フィルポッツ傑作短編集 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:孔雀屋敷: フィルポッツ傑作短編集 (創元推理文庫)より
4488111076
No.3:
(4pt)

翻訳&出版していただきましてありがとうございます。

イーデン・フィルポッツが好きだが、あまり人気がないようだし、新訳や再版はもうないものと思っていました。書店の新刊コーナーに置いてあるのをみて、こおどりしてさっそくキンドルで購入。私の好きな、非情な知性高いサイコパスキャラクターは出てこなかったが、趣向の異なる6つの物語を楽しめました。①孔雀屋敷、④3人の死体、⑤鉄のパイナップルが良かった。「鉄のパイナップル」は、江戸川乱歩の短編に出てきそうな奇人変人の、狂人一歩手前の男が主人公である。ラストは意外にもスッキリしている。
孔雀屋敷: フィルポッツ傑作短編集 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:孔雀屋敷: フィルポッツ傑作短編集 (創元推理文庫)より
4488111076
No.2:
(4pt)

ユニークな古典短編集

『孔雀屋敷』は、ダートムアを訪れた主人公が、その美しい自然の風景のなかに立ちあがった“孔雀屋敷”と呼ばれる館で起こった昔日の事件を幻視するという、不思議な幻想小説風の前半から、ロジックとツイストが効いた本格ミステリらしい後半へと展開する。田園小説作家ともいわれた著者と、ミステリ作家としてのフィルポッツの両面が生かされた、表題作にふさわしい秀作だ。ヴァン・ダインやエラリー・クイーンが、フィルポッツの短編代表作として推したという『三人の死体』は、発見された三つの死体が、物理的にも心理的にも繋がった一つの事件として、合理的に説明できない不可解が鮮やかに謎解かれる、本格推理としては収録作中いちばんの秀作。

その他、残忍で強権的な領主と、その抑圧に抵抗する青年運動家の悲劇を描いた『ステパン・トロフィミッチ』、新米警察官の奮闘を描く『初めての殺人事件』、一つのものに異常な偏愛をもって執着する人物像を描いた『鉄のパイナップル』、思いがけなく遺産相続者となった男の幸運と悲運がスリリングに展開する『フライング・スコッツマン号での冒険』と、それぞれタイプの違った6つの短編が収録されている。

ただ、全作に共通して思えたのは、フィルポッツという作家は、トリックやロジックよりも、何より人間そのものにミステリを見て、人間を描こうとした作家であったこと。『医者よ自らを癒やせ』や『極悪人の肖像』などの倒叙形式で犯罪者像を描き込んだ長編は無論のこと、謎解き捜査形式の代表作『赤毛のレドメイン家』でも、犯人の人間像が強く前面に押し出されて書かれている。『赤毛のレドメイン家』の名探偵は心理学的探偵法なるものを提唱し、『孔雀屋敷』や『三人の死体』でも、被害者や容疑者の性格分析の重要性が執拗に説かれている。 それは、心理学だの性格分析というよりも、フィルポッツ自身が創作活動のなかで追求した、人間学のようなものではなかったかと筆者は理解している。
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No.1:
(4pt)

アガサ・クリスティーの師匠、日本で初めての個人短編集

イーデン・フィルポッツ。江戸川乱歩に世界の探偵小説ベスト10の第一位に選ばれた『赤毛のレドメイン家』の著者としてミステリ界では古くから有名作家であり、まだハイティーンで創作を始めたばかりのアガサ・クリスティーに助言を与えた師としても知られている。だがその割に日本で出版された作品は少なく、特に短編は『世界推理短編傑作集 3』(創元推理文庫)に収録された『三人の死体』(『三死人』として収録)ぐらいしか読んだことがない、という方も多いのではないだろうか。それが我が国はじめての個人短編集が出る、ということで、早速購入してみました。

全体的な印象としては・・・推理小説(Detective Novel)として考えるより謎を中心に扱った小説(Mystery Novel)と考えるべきかな、という感じですね。
そもそもこの短編集全体で事件解決に”推理”を用いるのは『三人の死体』だけで、あとの作品は偶然により事態が解決に向かう物がほとんど。本格推理小説を期待して読むとがっかりされる方が多いと思います。

けれども謎の事件とそれを取り巻く人間を描くドラマとしてはなかなか読ませます。
おすすめはやはり巻頭の『孔雀屋敷』。
ヒロインが教父(ゴッドファーザー)の退役将軍に招待されて館を訪問するところから物語が始まる。さほど面識があるわけでもなく、会うのが気づまりにさえ思えた将軍は年齢差にもかかわらず意外に気の合う人で、田園での休暇を楽しむ心境になった彼女は散策中、孔雀の形に刈り込まれた庭木のある不思議な屋敷に迷い込み、ある惨劇を目撃してしまう。それは現実ではなく、特殊な「才能」を持つ彼女が何十年も前にその屋敷で起きた事件を幻視したのだった。世間に伝えられている事件の内容と幻視したヴィジョンとの違いが気になった彼女は将軍と討論して真相に迫ろうとするのだが・・・・。
後年の推理作家なら超能力探偵ものとして不思議のないところを、「意外な犯人」を全くの偶然で明らかにしてしまい、むしろ推理でも超能力でも解き明かせない「謎」を残して物語は幕を閉じる。
ヒロインの胸に残る余情がなんとも言えない後味を残します。

この作家は謎の論理的解決(推理)よりそこにいる「人間」そのものに興味があるのだろう。作品の多くが日本であまり翻訳されなかった理由はそのあたりにあるのではないかな?
推理小説ファンならおなじみの「消えた兇器」をトリックとしてではなく、何もかも奪われ追い詰められた人間の最後の復讐の牙として描いた『ステパン・トロフィミッチ』、エスカレートする異常心理が事件によってむしろ自己完結してしまう『鉄のパイナップル』など、普通の推理小説ではないアプローチを楽しめる方にはおすすめです。
孔雀屋敷: フィルポッツ傑作短編集 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:孔雀屋敷: フィルポッツ傑作短編集 (創元推理文庫)より
4488111076

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