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最後の刑事
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最後の刑事の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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久~しぶりのラヴゼイでした。随分昔に単発物はほぼ全て、それに〈殿下シリーズ〉を何冊か読んだっきりご無沙汰していました。 このピーター・ダイヤモンド警視のシリーズは存在は知っていましたが、読んだことはなく、今になってふと見かけて、手に取ってみましたところ… のっけから主人公のキャラに愕然! 全然ラヴゼイの書く主人公のイメージじゃない。何だこのゴーマンなデブハゲおやじは!?……と、最初の内はパニック気味でした。 が、読み進める内にどんどん引き込まれていって、デブもハゲも気にならなくなって(恰幅が良くて禿げ頭の皆さん、ごめんなさい。単純に好みの問題で、他意はありません)最後まで一気に読み切ってしまいました。 語りの上手さ、展開の巧みさ、どんでん返しの鮮やかさはやっぱりラヴゼイだなぁ! と感心させられました。 でも一作目でいきなりクビになっちゃって、このシリーズ、この後どうなっちゃうんでしょう? | ||||
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読むのがとてもしんどかった。容疑者の供述に2章もさかれていてそこがまたしんどい。ダイアモンド警視もいまひとつピンとこないし。これを面白いって言う人は読書の達人と見た。私は役不足でした。 | ||||
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ピーター・ラヴゼイのダイヤモンド警視もの『地下墓地』を少し前に再読してから、未読だった『処刑人の秘めごと』を過日読んだからダイヤモンドシリーズを、未訳で出版されていないものを除いて全作読んだことになった。 そんなことから、もう大昔に読んだダイヤモンド警視ものの第一作『最後の刑事』も読んでみることにした。 読み進むうちデジャブのようにストーリーを思いだすのだが、前に読んだ記憶からすっかり欠落しているところもあり、シリーズ9作目の『処刑人の秘めごと』を最近読んだばかりだからダイヤモンド警視のキャラクターも微妙に変化してきているように感じてしまった。 イギリスの作家で有名なジェーン・オースティンがバースに住んでいたことから、本書のなかで彼女がストーリーのなかでかなり重要なテーマとして扱われている。 例えば彼女が伯母に書いた手紙や第一容疑者だった大学教授のグレゴリー・ジャックマンが、大学の企画でジェーン・オースティンをテーマにした文芸展の運営責任者を学部長から押し付けられ、いやいやオースティン文芸展開催に向けて準備してゆくエピソードなどである。 評者もかってジェーン・オースティンの『高慢と偏見』など読んだことがあり興味深くこの場面を読み進んだのだが、本書巻末の解説で若島正氏が、法廷場面で弁護士のアン・バーゲナーが、ジョン・ウィングフル主任警部を証人尋問するとき「分別、それとも感性?」とか、「自負と偏見」といった、オースティンの小説の題名から拝借した言葉を使うラヴゼイの手腕に感じ入っていたが、評者など気が付かずに読み進んだから、ページを繰りその尋問場面を読み直してしまったのである。 最近再読した『地下墓地』では、メアリー・シェリーの遺品などを登場させたことも思い出しながら本書を楽しみながら読ませてもらった。 評者は、『偽のデュー警部』『マダム・タッソーがお待ちかね』『殿下とパリの美女』『煙草屋の密室』などなど、ラヴゼイのものを多く読んできたが、やはりこのダイヤモンド警視ものが評者の一番好きなシリーズである。 ダイヤモンド警視シリーズは、各作品とも読者を楽しませてくれるが、特に『バースへの帰還』『猟犬クラブ』の二作が秀逸であるからお勧めしたい。 | ||||
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事件関係者の1人称の供述というか状況説明に比較的頁をさいており、探偵役と容疑者たちのやり取りの中で事件解決が進んでいくという普通の推理小説とは若干趣が異なる。 この進め方はともかく、相変わらずのアイロニーとユーモアはこのシリーズの持ち味を充分発揮している。 ただこの作品は事件そのものがいただけない。 序盤〜中盤あたりで既に犯人の目星はついてしまうし、最後にひとひねりくるのかなと期待したら、そのまま予想通りの展開で終わってしまった。 原文のタイトルからすると「最後の刑事」というタイトルは直訳そのもので、話の内容からしても的を得ているのであるが、いかんせん魅力がなさすぎのタイトル。 自分はラヴゼイファンだからこのタイトルでも本書を購入したが、ラヴゼイを知らない読者にこのタイトルではベタでアピール力に欠ける気がする。 | ||||
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サマータイム・ブルース ゴースト・カントリー わたしのボスはわたし サラ 《誰かが迫害を受けているときに背を向ければ、その残虐行為に加担したのと同じこと》 いまは逢うことも叶わぬ昔の恋人サラの書物の森を彷徨い、島島を流浪していると、ひとフレーズごとにあのひとの息吹きに触れて、《彼女こそスター=マリーアだ!》いつしか心も癒されていく。だから[……]もここ数日間は止っているのかも知れない。肉体の癒しが瀬音の湯で得られるのなら、あたしの心の癒しはサラの書物の森と島島に任せておこう。 「あたしはキース・ジャレットのサマータイムが好き」 「へっ、サマータイムなら、ビリー・ハリディだぜ」 「ビリーなら、なんたって、マイマンよ!」 「ヒーズ・ローエスト・マン・アイヴ・エヴァー・メット、なんて、おれのことかい?」 「ひがむな、ひがむな、ただあの唄声が無性に好きなだけ」 「ふん、そういやぁ、あんたの『ゴーストタクシーズ』も結構いかしたよ」 「ありがと」 「だけど、ラヴゼイには負けるけどな」 「あたりまえでしょ、狙いがちがうんだから」 今日はナイト。夕方5時から朝5時までの0.5日分の出番だ。出掛けに郵便受けを覘くと、『わたしのボスはわたし』が届いていた。胸に抱きしめる、幸せばかなあたし。鳥居坂を下ると、「遠回りじゃない」とほざく新橋から六本木ヒルズまでの嫌味な女客を落とすなり、晴海に直行する。アキテーヌで震える指先で堅固な包装を剥しにかかる。ふと見あげると、レインボーブリッジの電飾が白から緑に変わっていた。 『ゴーストカントリー』はサラの作品群に在って、なぜか、カルヴィーノの『蜘蛛の巣の小道』(白夜書房)第9章を想起させる。作家としての述志の気配が濃厚に漂うからだ。ヴィクは不在でも、これはサラにとって、重要な作品、いや書き終えねば前に進めない作品だったに違いない。 『わたしのボスはわたし』 I get to be my own boss... ヴィクからは少し離れるけれど、「鬼婦長」の話もいい。ヴィクには合気道の達人になって欲しい。そうすれば、襲いくる巨漢・悪漢を指一本触れずに投げ飛ばせるし、八十五歳になっても、矍鑠たる現役女探偵だろうし、体術・頭脳ともにますます冴え渡り、凄みを増すことだろう。誰か、サラに親しく、談じ込んでくれないものか。 「おはよう、サラ、愛しいサラ、きみの花言葉はやっぱし〈昔の恋人〉?」 と、目の前の西洋オダマキの花にぼくは問いかける。 「いいえ、あたしの花言葉は〈必ず手に入れる〉よ」 と、ぼくのサラ=西洋苧環が応える。 「カタリ」 と、澄んだ音がして、宿命の歯車がまた一つ駒を進める。 「きみのくれた風船蔓の種‥…」 「花言葉は〈あなたと飛びたい〉」 「うん、ぼくもきみと飛びたい」 「いま?」 「いま」 「二頭の黒と白の蝶のように」 「漆黒の翅のオルフェウスの蝶と」 「白い大きな翅に赤い斑点のアポロン蝶と」 ……そうだ、最新刊の「ブラッディ・カンザス」も早く読まなくては…… サラの書物の森と島島を流浪し、ひたすら西へと流れゆく果てに出会ったのは、碧色の大海原にも似た《カンザスの大草原に浮ぶ三つの小さな帆船》たちの物語、そう、『ブリーディング・カンザス』だ。机竜之介のいない『大菩薩峠』中の一巻を読むにも似て、ヴィクのいないこの長編小説を、期待に多少の不安を交えながら読みだす。この大冊を書いて訳した著者と訳者の労苦が偲ばれる。そしてその労苦の中に見出される密やかな喜びも。なぜなら、書いて訳す者たちの端くれだから、ぼくもまた。 昨日は終日、人の引越しの手伝い、せめて今日、明日は読書に専念したいのだが、…… (『本と恋の流離譚』http://koiruritann.blogspot.com/) わたしのボスはわたし 蜘蛛の巣の小道 (1977年) | ||||
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1993年に出た単行本の文庫化。 ダイヤモンド警視シリーズの第一作。有能だが気むずかしいダイヤモンド警視。彼を好きになったら、このシリーズにはまることは請け合い。どの巻もかなりの厚さだが、一気に読み進めてしまうだろう。 ストーリーテリングの巧みさはさすがラヴゼイ。 | ||||
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由緒正しき英国現代本格推理作家・ラヴゼイ作品でも私のイチオシはこの“ダイヤモンド警視”シリーズ。1991年から始まった、現代イギリスの古都バースが舞台の“最後の刑事”ダイヤモンド警視の活躍。彼は頑固で無骨だが誇り高い、“刑事魂”にあふれた “最後の刑事”である。彼の性格はそのまま、本格推理と警察小説の境界線上にあるこのシリーズを象徴している。ともすればハイテク・科学偏重になりがちな現代の警察捜査の中で、この警視は昔ながらのやり方を大事にし、時には強引だが粘り強い捜査で「人間」を探り、刑事魂を堪能させてくれる。紛れもない現代警察を舞台にしながらも、魅力ある主人公で、推理小説の祖国イギリスの名に恥じない新たな本格推理の地平を打ちたてたのではないだろうか。ピーター・ダイヤモンド、50代、警視。短気で自分の捜査方針を余り部下に知らせず、頑固でハイテクは嫌いではないが頼りたくない、誇り高き昔気質の刑事。この人もまた世渡り下手で上司の受けも悪く、プライドの高さ故にこの第1作で辞職してしまうほどだ。肥満で髪も薄い。怒ると上司にも噛みついてしまうし下ネタも大好き。だが本当に刑事という仕事を愛していることは言動の端々から伝わってきて憎めない。妻ステファニーとはとっても仲良し、子供はいないが2人共とても子供好きだ。ダイヤモンドとは折り合いの悪い上司のスパイ?で、有能な上に世渡り上手で捜査では何より手順にこだわる部下・部長刑事ジョン・ウィグフル、ダイヤモンドをなだめるのがうまく、その美貌もかすんでしまうほど有能な頼れる部下・女性刑事ジュリー・ハーグリーヴズなど、ダイヤモンドを取巻く組織の人間関係も魅力的かつリアル。毎回毎回全く雰囲気が異なるので、全作品が読みたくなる。まずはこの第一作でダイヤモンドの剛直ぶりに溜息をつくもよし、応援するもよし! | ||||
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由緒正しき英国現代本格推理作家・ラヴゼイ作品でも私のイチオシはこの“ダイヤモンド警視”シリーズ。1991年から始まった、現代イギリスの古都バースが舞台の“最後の刑事”ダイヤモンド警視の活躍。 彼は頑固で無骨だが誇り高い、“刑事魂”にあふれた “最後の刑事”である。彼の性格はそのまま、本格推理と警察小説の境界線上にあるこのシリーズを象徴している。ともすればハイテク・科学偏重になりがちな現代の警察捜査の中で、この警視は昔ながらのやり方を大事にし、時には強引だが粘り強い捜査で「人間」を探り、刑事魂を堪能させてくれる。紛れもない現代警察を舞台にしながらも、魅力ある主人公で、推理小説の祖国イギリスの名に恥じない新たな本格推理の地平を打ちたてたのではないだろうか。 ピーター・ダイヤモンド、50代、警視。短気で自分の捜査方針を余り部下に知らせず、頑固でハイテクは嫌いではないが頼りたくない、誇り高き昔気質の刑事。この人もまた世渡り下手で上司の受けも悪く、プライドの高さ故にこの第1作で辞職してしまうほどだ。肥満で髪も薄い。怒ると上司にも噛みついてしまうし下ネタも大好き。だが本当に刑事という仕事を愛していることは言動の端々から伝わってきて憎めない。妻ステファニーとはとっても仲良し、子供はいないが2人共とても子供好きだ。 ダイヤモンドとは折り合いの悪い上司のスパイ?で、有能な上に世渡り上手で捜査では何より手順にこだわる部下・部長刑事ジョン・ウィグフル、ダイヤモンドをなだめるのがうまく、その美貌もかすんでしまうほど有能な頼れる部下・女性刑事ジュリー・ハーグリーヴズなど、ダイヤモンドを取巻く組織の人間関係も魅力的かつリアル。毎回毎回全く雰囲気が異なるので、全作品が読みたくなる。 まずはこの第一作でダイヤモンドの剛直ぶりに溜息をつくもよし、応援するもよし! | ||||
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