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赤い館の秘密
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赤い館の秘密の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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1921年当時としては完成度が高い。 犯人や真相を知った上で読むと、構成上無駄が全くなく淀みなく自然に筋が流れていることにも気がつく。ほぼ完璧である。 ここで書きたいことは、犯人も事件の真相も知った上で再読する際に現れてくるものについてです。 各所での作者による登場人物のいじり方、動かし方が非常に読者に向けてのおちょくり、おふざけになっているのです。読者を想定しながら作者が遊んでいるのが手に取るようによくわかるのです。「どうです?」と笑みを隠しながら人形を自在に動かしてくる人形使いのようなサーヴィス、ヒューモア精神がこの作品には込められています。 マーク・アブレットもですが、特にマシュー・ケイリーのいじられ方は爆笑。英国で盛んなお笑い寄席での人物いじりを思わせます。 この旧訳はすごく出来が良い。(推理小説の新訳シリーズにはおおむね思わしくない感想を持っている。ぶつぶつと文章が切れていて用語も日常的すぎ、文学的な端正さや薫りとか長い文章がもたらす対称性やリズムが無いのである。近年は文章は簡潔に短くしましょう、といった誤った国語教育が蔓延したらしく、どうも若い世代とは国語に対する感性が180度逆なようである。) 中学生の時の初読の印象は「まぁまぁ」くらいでしたがそれから五度、六度と読み返すたびに、よくわかってきた作品。初読の頃は無駄に思えていた部分もイギリスの当時の暮らし方や階級社会についてある程度知るようになった今ではよく描けているなという感想になりました。(創元推理文庫旧版 - 大西 尹明訳) | ||||
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くまのプーさんの作者A.A.ミルンの唯一にして傑作の推理小説です。シリーズになってないのが残念だと思うくらい、面白かったです。一気読みしました。ホームズ役とワトスン役の掛け合いが何ともほのぼのした雰囲気を出していて、こんなにふんわりした感じの推理小説読んだことないと思いました。やはりミルンの為せる業ですね。館ミステリーが好きな人にはもちろん、おどろおどろしい描写は苦手だという人にもおすすめです。 | ||||
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「くまのプーさん」シリーズは読んだことがないのですが、有名な小説なので挑戦しました。 探偵役は本編の途中から意外なかたちで登場します。日本でいうところの高等遊民でしょうか。 犯人やトリックは、現代の読者にとってありふれたものかもしれませんが、英国の地方ののどかな情景の描写や、登場人物に対する優しさに満ちた視点は、この小説を特別なものにしています。 また、犯人の動機はむしろ今日的なものかもしれません。読後感は爽やかです。 | ||||
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15年振りに帰郷したお屋敷の兄が殺され・・・というお話。 推理小説を30年近く読んでおりますが、今回が初読です。今まで読まなかった理由として、 チャンドラーが批判した。 瀬戸川さんの「夜明けの睡魔」で、父親の為にだけ書いた作品。 というネガティブな評価を聞いていたので、何となく読まないで済ませてきてしまいました。感想ですが、今100年くらい経つと、流石に古いかもとも思いますが、殺人を扱いながらもあまり殺伐とせず、のんびりとした雰囲気は得難い物だったという感じでした。テロ等で人が大量に死ぬ時代を生きていると、こういうのんきな推理小説を一服の清涼剤にしたくなるというのも真実です。それと、推理小説としての評価はまた別ですが。 著者は童話等の方が知名度が高いそうですが、ジュブナイルや童話が読み物として一番難しいと聞くので、こういう小説を書く才能、面白い物を書く才能はかなりあった様ですが、今の進化した推理小説を読んでいると、やはり物足りない部分もあるし、いい点数はあげられないですが、楽しめたので一応こういう評価にしておきました。人によっては甘いと言われるかもしれませんが。すいません。 ミルンは父親との関係を良く出来たそうですが、自分の息子さんとはあまりうまくいかなかったそうで、冷酷な父親だったと言われてしまったそうで。うまくいかないものだなぁとか思います。 あと、横溝正史にも影響を与えたのは有名ですが、館が舞台になるので、日本の館ミステリにも少なからず影響を与えたのかも。 長閑さが心地良い推理小説。機会があったら是非 | ||||
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BUNKAMURAで開催されていた「クマのプーさん展」を見て、図録を手に入れて眺めているうちに、創元推理文庫から「赤い館の秘密」("The Red House Mystery" 作:A.A.ミルン)の新訳が出ていることに気がつき、数十年ぶりに読んでみました。 あの頃、加納朋子さんの解説にもあるように江戸川乱歩の「探偵小説黄金時代ベストテン」に触発されてすべて読んでみようとしたことを思い出します。残念ながら、未だに「ナイン・テイラーズ」だけは読めていません。 英国のカントリー・サイド、「赤い館」と呼ばれる屋敷で主であるところのマークの兄ロバートが殺されます。ロバートは15年ぶりにオーストラリアからマークを訪ねてきた矢先でした。ワトソン役が、その館に滞在中のベヴァリー。ホームズ役は、友人ベヴァリーを偶々訪ねてきたギリンガム。 1921年に書かれたミステリーですから、現代のパズラーと比較するとシンプルで、メイン・トリックもほぼ一点に絞られます。帰納的推理と厳格なロジックを守りながら、英国のカントリー・サイドののどかさ、その時代の雰囲気を伝えて、そして飽くまでも「知的遊戯」としてのパズラーらしい存在意義を有している古典なのだと思います。殺されてしまう?ロバートは<持て余しもの>としてのキャラクターで描かれてはいますが、まあ可愛いものだと思います。今回、ドン・ウィンズロウを読んでいるわけではありません(笑) 作者ミルンは、探偵小説に<ロマンス>の要素を絡める必要はないと言っていますね。飽くまでロジックにこだわり、不必要な展開を削ぎ落そうとする潔さに深く敬意を表したいと思います。 不思議なものだと思いますが、ミルンが描いた赤い館、森、湖、そのすべての佇まいがE.H.シェパートが描いたイラストのようなイメージを喚起します。そして、プー(ギリンガム)とピグレット(ベヴァリー)が解決するもう一つのミステリーができれば読みたかった。 上品で読みやすい山田順子さんの翻訳も素敵でした。 | ||||
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さすがに100年近く前の作品とあって、ミステリをある程度読んできている人なら、半分も行かないうちにトリックはほぼわかってしまう筋立てではあるものの、それでも最後まで楽しく読めてしまう所は、ミルンのふわっとした軽めの筆致によるところだろう。 単に謎を解くだけの物語ではなくて、古き良き時代のミステリ(ドイルやルブランのような)ならではの、主人公2人のちょっとした(危険のない)冒険譚要素が最後まで飽きることなく楽しめるので、ミステリに重厚さよりもウィットを求める人は充分満足できる出来。 チャンドラーがこの作品を現実的でないとして批判したことはあまりにも有名だが、ハードボイルドが苦手な身からすれば、じゃあお前はパズラー的な知的好奇心を純粋に満足させるものを書けるのかよ、と逆に言いたくもなるわけですけれども、そこはミステリに何を求めるかって人それぞれの部分なので、古典ミステリが好きな人やミステリ初心者の方にはチャンドラーの評論など気にせずにまっさらな気持ちで読んで下さい。ということを主張したい。間違いなくそれなりに満足して最終頁を閉じることができるはず。 | ||||
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読んで楽しかったです。犯人は気の毒でしたが。犯人との対面の勝負でしたね。でも牧歌的でいかにも午後に「蜂蜜を縫ったクッキー」がおやつに出そうな田舎の町の話でした。 当時検死もなかったし(検死があれば一発でばれるのでしょうけど)矛盾 もありますが、名作といわれるゆえんも解ります。当時の背景と、そのトリックが。 一番重要なのは本当に殺された人が実在するかだったのですね。 ネタ晴らしになりますが、犯人と疑われる人と殺された人との関係ですね、これは結構ほかの作品に使われていてここから始まっているような気がします. 真犯人に同情します。 | ||||
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冒頭にある挑発的な前書き(!)を 裏切ることのない推理小説。 初心者でも読みやすいミステリーとなっていて、 ひねった犯人設定じゃなく 本当に思っていた人が犯人になるので、 非常に安心して読めるはず。 ところどころで犯人の やったことを探すため かなり危険な行動をとったりします。 決して派手さはないけれども読みやすくて 面白かったです。 | ||||
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英国の著名な劇作家で童話作家のミルン唯一の長編探偵小説である本作は、かのレイモンド・チャンドラーが、ある評論家(失念しました)の絶賛した書評に反発して、詳細な分析をして、こき下ろされた事でも有名です。チャンドラー先生は、元々本格ミステリが嫌いとは言え、いちいち嫌みな小姑みたく、リアリティの観点から、本作のメイン・トリックを批判しているんですが、何か大人げなくて不快なんですね。 大体時たま矛盾があったりする、弛緩したプロットを、探偵マーロウの言動で持たしている、あんたに言われたくないよ!とツッコミを入れたくなりますけどね…ともあれ、そのチャンドラー先生も本作の文章の暖かみや愉快さは、 「漫画を読んでいるようだった」と認めています。 この作品の真価は、正にその点にあって、トリック云々は二の次で、楽しめる事間違いなしです。 | ||||
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唯一の推理小説にして、間違いなくこの人が開拓しこのジャンルに送り出したトリックを含んだ名作です。日本では乱歩が黄金時代のミステリー のベスト10に挙げている作品であり、横溝正史が金田一耕助の初登場作となる『本陣殺人事件』において、本作品で活躍する素人探偵の アントニー・ギリンガムを金田一耕助のイメージに重ねていたりします。 さて、本作品の魅力としてはやはり最後に明かされる衝撃のトリックが素晴らしいと云いたい訳ですが、残念ながら今となっては数々の推理小説 の設定こそ違えど様々な場面でデフォルメされてる感があるので、それだけをお薦めたる理由にはあげれない。ただ、ただですよ?何が好いって ミルン独自の軽妙洒脱で流れるような文体は本当に特筆。独自のユーモアもまったく取って付けた感や厭味がない。登場人物にしろ、超人的な 奴はまったく皆無で、誰もが人間味あふれているのもこのジャンルとしては本当に珍しいのです。そういう意味で、ミステリーとしての完成度に 縛られず楽しめる読み物だと思いますね。興味ある方は是非一度手にとってみて下さい。 | ||||
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「熊のプーさん」で御馴染みの童話作家ミルンが書いた唯一のミステリ。乱歩が選んだ黄金時代のミステリ・ベストテンに選ばれている。ミルンが本書を書こうとした際、周囲は「読者が待っているのはミステリなんかじゃなく童話です」と止められたそうである。それが、本書発表後は「読者が待っているのはミステリです」と豹変したとか。本書は殺人を扱っていながら、陰惨な所が微塵もなく、作者の人柄が良く出ている。 本書のメイン・トリックは今でこそ姿を変えてあちこちで使われているが、私の記憶ではこのアイデアを使ったミステリ作品の嚆矢だと思う。それが、全篇を覆うメルヘンティックな雰囲気とうまく調和していて、違和感を感じさせない。作者の力量を感じさせる。 黄金時代の香りも高く、斬新なアイデアを暖かい雰囲気で包んだ傑作。 | ||||
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この人は、長編推理小説をこれしか書いてないらしい。親愛なるお父さんに捧げた作品みたいですね。さすが児童用の童話を得意とする作者らしく、文体が軽快で明るくとても読みやすいです。陰惨な雰囲気となりがちな殺人現場で、こういった明るめのムードはそれでそれで面白いです。事件も館内で男が銃殺されたというものだけど、そのときに客人たちが取った行動にいちいち疑問がわいたりと、読ませます。ホームズ役とワトスン役の2人の掛け合いも楽しいです。こういった古典ミステリーは面白いです。 | ||||
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『熊のプーさん』の作者である英国の劇作家ミルンが書いた唯一の推理小説です。ディズニーでしかプーさんを知らない人も多いでしょうが…。内容は、「赤い館」を15年ぶりに訪れた兄が殺され、その弟も姿を消すという事件が起こります。偶然その場に居合わせたギリンガムは友人のベヴリーと一緒に捜査に乗り出すというお話です。探偵役の2人が捜査を楽しんでいることもあって、人が死んでいるのに深刻な雰囲気は微塵も感じられず終始軽いノリで進んでいきます。死体はもはや完全に記号でしかないわけで、パズラーと称される一群の特徴をよく表しています。冒頭には当時この小説が版を重ねるにあたってミルンが加えた「はしがき」もあって、ミルンの推理小説に対する考え方・好みが分かるのも面白いです。 | ||||
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くまのプーさんの作者が、人生の中でたった一冊だけ書いたという長篇推理。ということで1921年の古い作品だが、まずまず楽しく読めた。目立ちたがりでもてなし好きな地元の金持ち、マーク・アブレットが住む通称『赤い館』。いつものように館に客人を招いていたとき、事件は起こる。ならず者といわれる兄が15年ぶりに館に帰ってくるが、ものの数分と経たないうちに殺されてしまったのだった・・・。常連の客と、偶然居合わせたその友達がホームズ&ワトソンとなって事件解明に望む姿はちょっとユーモラス。最後に謎が解明される手法には古さを感じるが、全体的にのんびりしたムードで血なまぐささもない。古き良き時代を感じる良作ではないだろうか。そういえばあの人物、最後まで一度も登場しなかった。 | ||||
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んむむ・・・。あまり悲しむ人もいない殺人事件に集った愉快な仲間達・・・って感じでしょうか。たまたま居合わせた青年が、友人をワトソン役に添えて、殺人事件の謎解きを自らすすんで行うのですが、さすが本業でないだけあって、のほほんとした雰囲気が漂っています。 | ||||
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