■スポンサードリンク
赤い館の秘密
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
赤い館の秘密の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書は江戸川乱歩が名作推理ベスト10の8位に推した作品で、いわゆる「古き佳き時代」の名作ミステリーである。 また『クマのプーさん』の作者だけあって、その文章はユーモアにあふれており、またまさしく「古き佳き時代」の英国という感じのゆったりとしたテンポで進行する作品なので、「プーさん」のファンならずとも、日ごろミステリー作品に縁遠い人でも抵抗なく楽しめる作品である。 しかし、本書を純粋にミステリー作品として見た場合には、確かに発表当時においては画期的な作品であっただろうが、現代においては別にとりたててこれが素晴らしいというものは感じられない。 思うに乱歩は、ベスト10に掲げる作品群の作者を見るに、イーデン・フィルポッツ、ガストン・ルルー、E・C・ベントリー、ドロシー・セイヤーズと、推理作家が本業ではない文学作家や詩人、もしくはそれらに近い「文学色」の強い作家の作品に高評価を与える傾向が強く、本書もまた、同じ理由で評価されているに過ぎないのではないかと思う。 そして、日本人は権威に弱いだけに、乱歩が高く評価しているからと、その評価だけが今日まで一人歩きして、ミステリー作品としての客観的評価抜きに、「名作」として語り継がれてきているだけではないかと思う。 ただ、本書で素人探偵として活躍するアントニー・ギリンガムは、横溝正史の『本陣殺人事件』の中で金田一耕助が初登場するシーンにおいて、その飄々乎とした風貌がギリンガムに例えられているので、横溝ファン・金田一ファンには一読の価値はあると思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「熊のプーさん」で御馴染みの童話作家ミルンが書いた唯一のミステリ。乱歩が選んだ黄金時代のミステリ・ベストテンに選ばれている。ミルンが本書を書こうとした際、周囲は「読者が待っているのはミステリなんかじゃなく童話です」と止められたそうである。それが、本書発表後は「読者が待っているのはミステリです」と豹変したとか。本書は殺人を扱っていながら、陰惨な所が微塵もなく、作者の人柄が良く出ている。 本書のメイン・トリックは今でこそ姿を変えてあちこちで使われているが、私の記憶ではこのアイデアを使ったミステリ作品の嚆矢だと思う。それが、全篇を覆うメルヘンティックな雰囲気とうまく調和していて、違和感を感じさせない。作者の力量を感じさせる。 黄金時代の香りも高く、斬新なアイデアを暖かい雰囲気で包んだ傑作。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
特筆するは、やはりこの雰囲気ですね。殺人事件だってのに、妙にほのぼのしてて、探偵とワトスン役コンビのコンビネーションが軽やかでいいです。掛け合いも軽快なノリで存在感がありますね。ディズニーの熊プーは、短編のを1個見た限りですが、さすがにそういったのを手がけてるだけあって、このほのぼのした雰囲気を生み出せるのでしょう。良質な児童向けストーリーを作るには、卓越した大人のセンスを要するといいますが、その辺でミルンは1級だと思います。 肝心の事件だけど、確かにアイデアはいいのだが、やはりれっきとしたミステリー作家ではないという点で、ちょっと杜撰さが真相に露呈されてしまってる。ちょっとネタバレになるから詳しくはかけないが、警察の捜査をバカにしてるというか無視してるというか、そういうのが目立つ。もう後半には警察自体がまったく活動してないみたいだし・・。そこらが甘い。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この人は、長編推理小説をこれしか書いてないらしい。親愛なるお父さんに捧げた作品みたいですね。さすが児童用の童話を得意とする作者らしく、文体が軽快で明るくとても読みやすいです。陰惨な雰囲気となりがちな殺人現場で、こういった明るめのムードはそれでそれで面白いです。事件も館内で男が銃殺されたというものだけど、そのときに客人たちが取った行動にいちいち疑問がわいたりと、読ませます。ホームズ役とワトスン役の2人の掛け合いも楽しいです。こういった古典ミステリーは面白いです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『熊のプーさん』の作者である英国の劇作家ミルンが書いた唯一の推理小説です。ディズニーでしかプーさんを知らない人も多いでしょうが…。内容は、「赤い館」を15年ぶりに訪れた兄が殺され、その弟も姿を消すという事件が起こります。偶然その場に居合わせたギリンガムは友人のベヴリーと一緒に捜査に乗り出すというお話です。探偵役の2人が捜査を楽しんでいることもあって、人が死んでいるのに深刻な雰囲気は微塵も感じられず終始軽いノリで進んでいきます。死体はもはや完全に記号でしかないわけで、パズラーと称される一群の特徴をよく表しています。冒頭には当時この小説が版を重ねるにあたってミルンが加えた「はしがき」もあって、ミルンの推理小説に対する考え方・好みが分かるのも面白いです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
くまのプーさんの作者が、人生の中でたった一冊だけ書いたという長篇推理。ということで1921年の古い作品だが、まずまず楽しく読めた。目立ちたがりでもてなし好きな地元の金持ち、マーク・アブレットが住む通称『赤い館』。いつものように館に客人を招いていたとき、事件は起こる。ならず者といわれる兄が15年ぶりに館に帰ってくるが、ものの数分と経たないうちに殺されてしまったのだった・・・。常連の客と、偶然居合わせたその友達がホームズ&ワトソンとなって事件解明に望む姿はちょっとユーモラス。最後に謎が解明される手法には古さを感じるが、全体的にのんびりしたムードで血なまぐささもない。古き良き時代を感じる良作ではないだろうか。そういえばあの人物、最後まで一度も登場しなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
んむむ・・・。あまり悲しむ人もいない殺人事件に集った愉快な仲間達・・・って感じでしょうか。たまたま居合わせた青年が、友人をワトソン役に添えて、殺人事件の謎解きを自らすすんで行うのですが、さすが本業でないだけあって、のほほんとした雰囲気が漂っています。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!