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樹林の罠
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樹林の罠の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
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「雪に撃つ」を読んだのが、2020/12月。マイルス・デイヴィスの"Bye Bye Blackbird"が聞こえたような気がした清潔な警察小説でした。 佐々木譲を読むのは「闇の聖域」(2021/11月)以来になります。「北海道警察10 樹林の罠」(佐々木譲 角川春樹事務所)を読み終えました。 舞台は<Covid-19>禍の札幌。マイクル・コナリーといい、アクチュアルな警察小説の書き手はパンデミックを無視してストーリーを構築することができません。 大通警察署では小さな三つの事件が発生します。佐伯は新宮と共に市内のホテルで発生したデリヘルがらみの窃盗事件に出動しますが、その後或る法律事務所の事務所荒らしを捜査することになります。生活安全課の小島百合は、旭川方面から父親に会いたくて札幌へと迷い込んだ少女を保護し、一方巡査部長・津久井が(待ってました!)、大通公園傍で発生した事件が単なる轢き逃げではなく被害者が拉致され、解放されたにも関わらず車にはねられた疑いがあるため<事件性>ありと判断し、捜査を開始します。 あまりストーリーを深追いしてはいけませんが、次第に或る不穏な人物たちの存在が明らかになっていき、それらの小さな事件が(ネタバレのような(笑))タイトルでもある「樹林の罠」へと向かって何らかの関連を持ちながら収斂していきます。読者はその巧みなストーリー展開に乗って、サクサクと読み進めることができると思います。 佐伯は「父親の介護」という重圧が加わってなかなか苦しそうですね。そのリアリズムに心打たれながら、過去の事件によってメイン・ストリームを歩けない刑事たちの閉塞感と矜持がそこはかとなく描写され、この<北海道警察シリーズ>を際立たせているような気がします。 とは言え、今回は全体的に小ぶりな印象があって、まあ<87分署シリーズ>でも俯瞰するとメリハリが存在していましたから、これはこれで楽しかったという私なりの感想になります。 <Covid-19>があろうとなかろうと酒場「ブラックバード」は清潔な警官たちの居場所としてそこにあるのだと思います。 | ||||
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