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1793
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1793の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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賛否両論ありますが 歴史ミステリー小説として新しい切り口が良かったと思っています。中世ヨーロッパのお話が好きな方は読んでいて、名もなき人々の生活が目に浮かび実体験しているようで新鮮でした。 | ||||
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スティーグ・ラーソンの『ミレニアム』三部作やヘニング・マンケルの『刑事ヴァランダー』シリーズなど、北欧ミステリーは愛読しているが、この歴史ミステリーは今ひとつだった。 確かに、フランス革命当時のストックホルムの様子はよく調べて再現されているし、革命の波及を恐れる政府の対応もさもありなんと思わせる。 しかし、ミステリーの中心である殺人があまりに猟奇的で嫌悪感を免れないし、それが物語のプロットに必要だったとも思えない。 同様に、売春婦や浮浪者を引っ立てて奴隷労働させるサディスティックな描写もやりすぎ感が強い。 第2部のブリックスの物語と第3部のアンナの物語は最終的には本筋と交錯するのだが、途中までは全く別の主題を扱う物語として展開されていて、本筋の推進力と緊張感を削いでいる。 フランス革命の扱い方も、民衆煽動と恐怖の伝播という側面のみが強調され、それが大団円のオチにつながるのだが、疑問の残る終わり方である。 | ||||
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非常に残酷なシーンがでてきまして、何度もたじろぎました。でも最後まで読み切ったのは、冬のストックホルムの暗さを思い出し、その石畳の情景や教会と王宮横の坂などが現在と変わっていない(もちろん今はとても綺麗ですが、その位置や作りが)と感じ、230年、タイムマシンで戻ったような気持ちになったからです。探偵ものというミステリーというよりも北欧の冬の小説・・として読みました。ミレニアムの舞台とも重なり、スルッセンなどの地名の由来がわかりました。今では新しい環境の街となっているハマンビーがかつてはこんなところだったのかとも・・。また旅をしたくなりました。 | ||||
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北欧小説は以前よりハイレベルだと思っていたが、本書もやはりなかなかのもの。 長編で非常に重くて暗い。18世紀末のスウェーデンは実際こうだったのかと、生々しい描写に絶句する。 よく調べられており、とても興味深く読むことができた。 ストーリー自体も退屈させられることはなく、ページをめくる手は止まらなかった。展開が上手で、各部門で評価されただけの作品であると納得できる。 ただ、難というほどでもないが、遺体のあまりにも残酷な殺害方法や、一旦は死にかけていたヴィンゲがあれほど体力を取り戻すところなど、何か所かは読者の目を引き付けるための過剰な演出だと感じた。 反面、紡績所のくそ管理人は何らかの苦しませる方法で処分してほしかった等々、すっきりしない点もあったり…。 とは言っても、全体的にはおもしろく読み応えのある内容だった。 この秋に続刊が続けて2巻刊行される予定なので、読んでみようと思う。 | ||||
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この時代を深堀しているのか興味をそそられたが、単なるつまらない小説。 | ||||
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描かれている時代や情景、人物描写はリアルだが内容がグロテスクすぎて、面白くなかった。途中で読むのをやめた。 | ||||
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題名通り、1793年に起こった四肢切断という猟奇殺人で幕を開けるが、北欧ミステリとしては珍しく警察小説ではなく、警察に協力するヴィンゲという労咳持ちで余命幾ばくもない法律家が探偵役を務める。文体は「死」を意識したかの様な鬱々としたものであると同時に高踏的(作者はスウェーデンの名門貴族の末裔の由)で、物語の進行も謎解きを目指して直線的に進む訳ではなく、正直、とっつきづらい。死体の発見者でもある相棒のカルデルが戦争で左腕の肘から先を失って幻肢痛で苦しんでいるという設定にも含意を感じる。本作は四部構成で、各部を「秋→夏→春→冬」として時系列を転置して綴られる。 北欧ミステリの特徴として、事件を通して当時の社会(問題)を映し出すという点があり、本作もその趣きが濃い。18世紀終盤の上流階級から下流階級まで腐敗した社会、カルデルが従軍した戦争で無為に亡くなった何千人という兵士、処刑場での残虐な死刑、上流階級の支援を受けて蔓延る売春宿。ヴィンゲの容体(の描写が多い)と合わせ、こうした社会で生きる事の意味に疑念を抱かざるを得ない内容である。第二部は医師志望の享楽的な若者がある男の四肢切断に至る経緯が書簡体で一転して躁的に綴られる。ただし、若者に命じた真犯人と被害者の正体は不明。第三部はある無垢な少女が女工として紡績所(収容所)に入れられ、強姦されながらも脱出するが、妊娠した事に気付いた時に上述の若者と出会う経緯が語られる。第四部は第一部の続き。第二部の書簡が被害者のヒントになっているのだが、貴族でもなければ気付く筈がない。即ち、被害者も真犯人も読者には分らない創りになっており、初めからミステリではなく、ある意味で"愛と保身の物語"なのだ。 評価は難しいが、フランス革命を背景に、猟奇殺人をダシにした腐敗・瘴気・汚濁・権謀術策に満ちた当時のストックホルムの歴史研究書という印象を受けた。 | ||||
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1793年のスウェーデンが舞台ですが、当時の状況などが感じられる歴史的な重さと、発端となる溺死体の謎、 当時の人が置かれた状況の暗さなど、色々な要素が上手く混ざった作品でした。 雰囲気が暗く、主人公も暗い感じで、終始重い感じですが、一つずつ明らかになっていく事実に引き込まれます。 | ||||
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歴史物が好きなのとミステリー好きが高じて購入しました。翻訳物は、翻訳される方により好き嫌いが生じてきますので迷いましたが、面白さと相まって久しぶりに夢中になって一晩で読み上げました。1793年というフランス国王が処刑された激動の年がミソになっていて、当時の風俗等がリアルに描写され、フランス革命がヨーロッパ諸国にどれほどの影響を及ぼしたのか、窺い知ることが出来ます。流れ着いた陰惨な遺体。腐敗した貴族、おぞましい館、逃れるような快楽、堕落、酸鼻を極める四肢切断の描写と重々しい展開。推理物として読むには、ご都合すぎないか?と首を傾げてしまいますが、何故、犯人がここまでしなければならなかったのか、ヤンデレBLと言ってしまったら、軽すぎでしょうか。 | ||||
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北欧系ミステリーが人気なので何冊か読んだのですが、本書がというよりは北欧系そのものが合いませんでした。 全ての、とはいいませんが残酷な殺害方法で読者の興味や正義感に訴えるが中身(推理要素)がない。 北欧系にはそういった作品が多いと思います。 本書もご多分に漏れず、推理が(探偵と読者も)全くと言っていい程ありませんでした。 ヒントが散りばめられ、探偵と読者が同じ情報を共有し最後に犯人を名指しする。 そういった作品ではありません。かなり偶然が左右しています。 それぞれの章の主人公がどうなってしまうのか?という展開は確かにドキドキしますが (話が進むごとに過去に戻っていくという構成も面白かったです) それはミステリーと言うよりサスペンスかスリラーではないでしょうか? 期待していたものとは違いましたがそれでも小説としては面白かったと思います。 以下ネタバレ ・ ・ ・ ・ ではどこが偶然かというと 犯人にたどり着いたのは被害者の腹中から指輪を見つけたからですが これはブリックスの日記を読んだからで、この日記も彼がアンナと出会わなければヴィンゲの元には届きません。 ではなぜ2人が出会ったかというと、アンナが無実の罪で紡績所に送られ、しかも脱走しなければ出会えません。 その脱走もヨハンナがいなければ(いろいろな意味で)無理です。 これは探偵たちの行動とは全く関係がありません。ただの偶然(作者の都合)です。 指輪についても、その紋章が決め手となるのですが、ヴィンゲがなかなか思い出せないのも不自然です。 この紋章の元になったものは42ページで一度見ていますし、彼の職場?なのでそれ以前にも見ているはずです。 いくら弱っていてもなかなか思い出せないのはおかしくはないでしょうか。 また犯行の動機についても 被害者が手紙が燃えているのを確認せず、それを犯人に読まれたからです。 野心家のスパイがその程度の確認もしないのは不自然です。 これも偶然ではないでしょうか? 瀕死の探偵というのは過去にもいたかと思いますが、その設定には惹かれるものがありました。 それだけに惜しいなと思います。 | ||||
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正直、途中まではとまどいがあった。 この作品は全4章に別れているのだが、主人公の探偵コンビ、ヴィンゲとカイデルの調査に感情移入し始めたところで猟奇的な殺人事件を巡るミステリはいったん中断し、彼らが再登場するのは実に292Pからになってしまうのだ。 2章は流れ者の医者見習いブリックス少年のほの暗いビルドゥンスクロマンとして展開し、3章は無実の罪で刑務所同様の紡績所に押し込められた娘アンナ・スティーナの脱走と逃亡の物語になる。 本格的なミステリを期待して読んでいると「アレ?」という気分になるし、途中までは汚穢と残酷に満ちた時代背景もあって読むのがつらくなるほど重苦しい描写が続く。 状況が変わるのはアンナが脱走を計画し始める3章の後半から。 それまでに登場した人物が結びついて事件の全貌が明かされる4章は正に一気読みでした。 登場人物に本当の意味で無垢な「罪なき者」は一人もいない。ただ一人、「理性の人」として生きるヴィンゲは余命幾ばくもなく、そして彼が自らある「罪」を背負うことで物語は完結する。 読後感は「さわやか」と言うような軽い物ではありませんが、決していやな後味を残す物ではありません。 結局、この小説は本格ミステリと言うより、1793年のストックホルムという混沌の時代を生きる人々の「罪と罰」の物語なのだと思う。ひょっとしたらミステリファンよりディケンズやドストエフスキーを好む方にむいているかもしれません。 | ||||
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1793年スウェーデンはストックホルム。享楽に溺れる貴族、貧困にあえぐ庶民、酒と博打にあけくれるゴロツキ、娯楽と化した公開処刑、し尿と廃棄物のあふれた湖、その描写は、むせるような人いきれと漂う悪臭が感じられるほどです。そんなストックホルムの湖から凄惨な男性の遺体が発見されます。重い結核に冒され余命幾ばくもない法律家ヴィンゲは、知己の警視総監の依頼を受け、風紀取締官カルデルと共に捜査に乗り出します。常に嫌な予感がつきまとう展開は「どうなっちゃうの?」「もう勘弁して!」とハラハラし通しで、でも、先が気になりページを繰る手が止まりません。この作品はミステリを解く楽しみより(けしておろそかというわけではありません)、殺伐とした世の中で見せる人の心情が胸を打つ作品です。それは病に蝕まれながらも被害者の無念を晴らそうとするヴィンゲの信念、被害者を思うカルデルの怒り、誇りを捨てない人たちの行動です。最後に真相を知ったヴィンゲがとった行動とは…。三部作とのことで、続編が待ち遠しいです。 | ||||
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