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(短編集)
爆発物処理班の遭遇したスピン
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爆発物処理班の遭遇したスピンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 1~20 1/2ページ
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佐藤究の作品群に一通り目を通したが、どの短編にも一貫して感じられるのは、圧倒的な知的深度である。 科学的視点、心理的洞察、本質への鋭い眼差しが物語の各所に張り巡らされており、読み応えに満ちている。 とりわけ特筆すべきは、表層プロットと深層テーマとの緻密な連動である。 娯楽性の高い展開で読者の手を止めさせない一方、物語の底には人間存在や社会構造に関する硬質な問いが流れており、読後にじわじわと深層を侵食してくる。 その構造的美しさにおいて、飽くことなく頁を繰らせる巧妙さが際立っている。 また、暴力描写においては佐藤究らしい特徴がある。 あえて詩的感性を排し、乾いた文体で淡々と描写することにより、その生々しさが際立つ。 そこには、「暴力は人間の深層に確実に存在するものである」という冷徹な認識があり、それを読者に突きつける。 そして、暴力の露呈したその瞬間に、あえて物語を遅延させたり、停止させたりする演出がある。 その間に挿入される沈黙のような余白が、読者の想像力を喚起し、感情や思考を深部へと導く。 佐藤は、暴力や攻撃性という誰もが目を背けたくなる主題を、人間の普遍的構造や社会の理不尽さ・不平等の象徴として描き出す。 それを最後まで解決せずに残し、「これはあなたにとってどうなのか?」という問いを差し出して物語を閉じる手法には、深い尊敬の念を抱かざるを得ない。 | ||||
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ネタバレあり 表題作は爆発物処理班がSF設定の解除不可能と思われる爆弾に挑む小説 現代の設定なので、こういう爆弾が本当に作れると誤解する人が出るかもしれない しかも結果として解除はできず、爆弾と一緒の人も毒ガスで安楽死 処理班は左遷されバーで酒飲んで終わり テロリストグループについても、何も明かされないまま 読者に喧嘩売ってるのか?という内容 もしかしたら続きがあるのかもしれないがこれ以上読む気にはならなかった これまでの人生で読んだ最低の短編と言える | ||||
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初めて読む作家さんです。短編集が好きでカバーとタイトルに惹かれて購入しました。 タイトル作品はとても興味深く楽しめました。 他はどこかで同様のストーリーを読んだか観たいようで何も感想が浮かんできません。 | ||||
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個人的にはタイトルになってる短編が唯一イマイチでそれ以外はものすごく面白かった。佐藤究の独特の世界観に引き込まれた。 | ||||
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8編の短編集。どの短編も作者らしい驚きが味わえて面白い。 表題作は量子力学の話が出てきてやや難解でした。 単なるミステリーの範疇を超えてSFやバイオレンス系などバラエティ豊か。 星5ではなく星4であるのは、ややグロいホラー的な作品が多く、苦手な人にはお勧めしない。 | ||||
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SFに怪奇小説、ミステリー、猟奇小説、バイオレンス小説等、佐藤究のテイスト全部盛りです。 色々と微妙にジャンルが異なる短編を並べたことで、人によっては「これとこれは良かったが、これとこれはイマイチだった」となるかもしれません。 私は、『ジェリーウォーカー』と『スマイルヘッズ』がハリウッド映画っぽくて途中で早めにネタが割れ、まあまあに感じました。 しかし、夢野久作をオマージュした『猿人マグラ』と江戸川乱歩をオマージュした『九三式』はラストまで気が付かず、センスオブワンダーを堪能しました。 表題の『爆発物の・・・』は最新の量子力学である重ね合わせをモチーフにしており、不可能を可能にする処理が面白く読めました。 あと、唯一主人公に感情移入して「頑張れ」と思ってしまったのが、最後の一遍『釘』ですね。 その他のいずれの物語も一定以上のレベルに達しているので、読み応えのあるかなり豪華なセットメニューではないでしょうか。 | ||||
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個人的にはミステリーというよりサスペンス。 このミスにランクインしているので見てみたが正直肩すかしを喰らった感じが否めない。 全編において、謎も何もなくただ暗い雰囲気の話が時々スプラッターを交えながら淡々と救われない結末に向かっていく話。 表題作の話も題材としては面白いが物語の根幹を「全て」専門家に説明させるのはちょっとセンスが無いなと思わざるを得なかった。 話のアイデアを活かすために都合よく設定された登場人物が都合よく物語に巻き込まれてる。奇跡かな? でも情景描写と雰囲気描写は凄い作者さんなんだなと思った。 でもこれはミステリーじゃないよ。 | ||||
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テスカトリポカで魅了され、その読後感をもう一度味わいたく、この短編集を購読。最後の「くぎ」はまさにテスカ…に繋がる感動の一編、その他も作者の読ませる力量を存分に摂取した読み応えある小品ばかりです。 是非、一読を! | ||||
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SFの短編集です。 どの作品も一捻りあり、読み進めるのがとても楽しい。 秋の夜長におすすめの一冊です。 | ||||
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基本アイデアと設定は面白いが、周辺の説得力が不足していないか?引き込まれる感じはしなかった。 | ||||
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寡作な作者なので、作品に触れられるだけでも楽しい。 | ||||
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佐藤究氏の短編集です。 表題作の「爆発物〜」をはじめ全8編がいずれも水準以上の面白さでした。 昨年の直木賞受賞作「テスカトリポカ」が、あまりにもインパクトが強く面白かったので 今回もそれなりの期待をしつつ たぶん良くも悪くもそっち系だと思ってましたが、今作はSF・クリーチャー物・怪異譚・ヤクザ・バイオレンスなどなど各編バラエティに富んだ内容です。 しかしながら、それぞれ読むまで各タイトル見てもどういう毛色のものなのか想像がつきませんでした。 読み始めると「え、こういうお話なの!」と感じつつストーリーがどっちへ向かうのか分からない不安感みたいな…が、面白い!たまらなく面白いっ。 個人的に特に気に入った3作だけ紹介しますと… 「爆発物処理班が遭遇したスピン」ー「量子論」が要となるSFテイストの一編。これが爆発物処理班とどう絡むのかな、と思っていたら…お、おおっ!そーきたかっっっと感嘆。 「猿人マグラ」ー昔の昭和の「新青年」や「宝石」あたりを彷彿させるような感じで、個人的にあの辺の空気感が好きなのですが、人によってはオチとか「ん〜?」な一作かもしれませんね。ですが、それも含めてなんというか「憎めないヤツ」的な感じで好ましくて、見世物小屋的なタイトルも惹かれます。 「ボイルド・オクトパス」ー引退刑事のその後を取材するライターの体験談。主に日本国内を取材対象としていた主人公が、番外編としてアメリカの引退刑事に取材しに行くことになるのだが…「え、(なんで)そ〜なるのっ?」とストレートな感想。ちょっとヤバイ展開なのだが、どこか笑ってしまいたくなるようなブラックなユーモラスさ?とでも言いましょうか…そこが面白かったです。 ぜひ、各タイトルページをめくりつつ「え、こういうストーリーなの!」と、 趣向の意外さを楽しんで下さい。 佐藤究氏の引き出しの多さ、懐の深さを堪能できる一冊だと思います。 ん〜っっ、これはもう次回作が凄く楽しみでなりませんね。(うんと分厚い長編も待ってます。) | ||||
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表題で語りつくした。それ以外の表現が無い。 | ||||
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唯一無二の作風の作者らしい手の込んだ短編集。 大きく言えばエンタメなのだが、ホラー要素やサスペンス、やくざモノなど様々なシチュエーションを網羅している。 はっきり言ってどれも読了感が良い作品ではない。 ただこれで終わりなのかという物足りなさと、この先の展開を気にさせる部分で後味の悪さがさらに余韻を感じさせる部分で作者の力量を感じさせる。 題材的には一部難しく読みずらい人もいるであろう。 | ||||
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直木賞受賞作「テスカトリポカ」の圧倒的な質と量とは一味違った短編集。長編とはまた別の切れ味を感じられる作品です。長編だけでなく短編もチェックする必要がある作家さんであることがよくわかりました。 量子力学に基づいた起爆装置の無力化、CGで作ったはずのキャラクターたちの真実、裏稼業の悲惨な現実、子どもたちに伝承されていた都市伝説、猟奇的コレクターの末路(これは予想できました)、狂気の人種差別(これもなんとなく予想可)、敗戦後の大混乱、更生少年の活躍とそれぞれがこの作者独特の雰囲気を十分に醸していて読み応えあり、です。 | ||||
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●本書は8篇の短篇から成り、そのどれもが文芸作品のような丁寧な情景描写で始まっている。これからの 展開を予感する雰囲気を醸している。個人的には、この中では表題作「爆発物処理班の遭遇したスピン」 が最もインパクトの強い作品だった。量子のもつれをモチーフにしたもので、多くは宇宙SFやスペース・ オペラにみられる。 しかし表題作はそのどちらでもなく、爆発物処理班のお仕事小説である。量子の相補性を利用した爆弾 の特異性を、重厚な筆致と緊迫感あふれるストーリーに仕立て上げ、読む者を圧倒する。加えて現実世界 を二元論で見立て、量子エンタングルメントのメタファーで哲学の世界へと誘っている。 ラストのアインシュタインの独白も印象的。天才の苦悩をみた。この1篇を見出しただけでも購入した価 値はあった。 | ||||
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『テスカトリポカ』で直木賞を受賞した佐藤究氏による、短編の傑作集です。 『QJKJQ』『Ank:mirroring ape』『テスカトリポカ』の長編三作で、エンタメ作家としてその才能を示してきた佐藤究氏は、短編においてもそれを惜しげもなくに発揮している。奇抜なアイデア、常人では思いつかないような展開、優れたキャラクター造形、息を呑むようなストーリーテリング……もはや世界に十分に通用する作家であることは、本作を読めばわかるだろう。 前述の佐藤究氏の長編三作品は如何せん長い(そこが良さであり、願わくばもっと長くあってほしいと個人的に思っているが……)。『テスカトリポカ』で注目を浴びた佐藤氏だが、その重厚さ(単行本にして600p近くもある!)から勿体無いことに手を出さなかった方も多かったのだろうと予測する。もちろん、今までの作品を読んできた方は言うまでもなく本作も心意気なく楽しむことができる。現に私がそうであり、すでに二周目を終えた。しかし、もしあなたが一度も佐藤氏の作品を読んだことがなかったのなら、ぜひ本作を手に取ってほしいと思う。本作は佐藤究文学の入門書としてピッタリである。長編で味わえる雰囲気は、本作でも十分に堪能できる。 個人的におすすめなのが表題作、ジェリー・ウォーカー、九三式、くぎである。佐藤氏の作品の特徴は、綺麗な文体と、緻密なリサーチに基づいてあることだといえる。簡潔で読みやすく、引き込むような文体、そして巻末にある多くの参考文献。得た情報・知識を氏の脳内でミキサーにかけて抽出し、綺麗なコップに注いだドロドロとして得体の知れないスムージーがいわば佐藤氏の作品である。他では得難い極上の読書体験を得ることができる。 とは言いつつ、やはり佐藤究の長編には唯一無二の魅力があると個人的に思う。本作で初めて佐藤氏の作品に触れた方は、是非とも長編を手に取っていただきたいと思う。どれも優れたエンタメ小説であり、佐藤氏独特の世界観を味わうことができる。 | ||||
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先を中々読む気になりません。 読後感が悪いだけです。 | ||||
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「シヴィル・ライツ」や「くぎ」の方がよかった。表題作が一番の力作なのはわかるけど、およそありえないうえにほったらかしの謎が多すぎました。夢野久作が好きなので、読んでいる間は「猿人マグラ」にもそそられましたが、オチがわかると再読に耐えません。著者の作品は3冊目で、これが一番楽しめました。 | ||||
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この作家さんのテスカトリポカががあまりに面白くて、離れて住む娘に本を郵送しました。 LINEで感想会を設けたところ、ツボが私と似通っていたため嬉しくなり、以来すっかりこの作家さんの虜です。 短編集のなかの表題である「爆発処理班の遭遇したスピン」 は、 正直に申し上げますと、 専門用語が沢山出てくるため私には少し難解でした。 でも、その後に続く7話には我を忘れ時間を忘れて読み耽りました。 とくに印象深いお話は「シヴィル・ライツ」でした。 幻想的、かつ残酷、 がしかし本当に幻想的なのだろうか? これはフィクションなのだろうか? 現実とは一体。 … いずれ出版されるであろう文庫でなく単行本で購入したことをこれほど幸せに思ったことは テスカトリポカ以来です。 | ||||
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