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祖父の祈り
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祖父の祈りの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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| 社会経済が麻痺(まひ)した格差(かくさ)社会に生きる祖父とその娘と孫の少年の日々の日常とそこからの脱出が必要最小限の言葉で語られるきわめて”現実的”な物語は嘘みたいなモンスターもヒーローもそれを希求(ききゅう)する空想もなくじわじわと迫(せま)ってくる欠乏(けつぼう)といつ起こってもおかしくない襲撃者(しゅげきしゃ)に対する不安家族それぞれが抱える嫌な過去の思い出すら心の拠(よ)り所(どころ)とはならないだからいやます家族に対する愛情と思いやりと日々を乗り越えるだけで精一杯の貧窮(ひんきゅう)した一般市民の人々の物語。冷酷でも冷淡(れいたん)でもなく常にニュートラルな視点のマイクル・Z・リューインの筆致(ひっち)が静かであるからこそ読んでいて彼等登場人物たちとその世界がとてもリアルに身近に感じると同時に読み手であるこちらも色々考えさせられる静かな傑作。 | ||||
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| キャラがたち過ぎの「夜勤刑事」くらいしかほぼ作品覚えていないが、マイケル・Z・リューイン久々の作品ということで、試し読みの部分を読み、そのハードボイルド的カッコよさに、ほれぼれし、購入したものの、その後は、のんびりしたおじいちゃん、その娘、その息子、そして犬、その後流浪の少女も加わるが、その4人と1匹の、コロナを思わせる病気の蔓延した未来の世界の、ある意味ほほえましいサバイバル、そこにはアメリカらしく、分断された、金持ちたちの世界もあり、その連中を守る警官たちとの、わずかなスリルもあるし、貧乏な連中が済むエリアにもスリルがある、けれどそれは読む方にリズムを持たせる程度のスリル、昔ハードボイルドを描いていました。・・というくらいの、スリル、登場人物をほほえましいととらえるか、作家としてのリューインの枯れた姿が透けて見えるか、それは人それぞれ。 | ||||
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| 今月創元推理文庫の新刊の『図書館の死体』(マーティ・ウィンゲイト)の舞台はバースの図書室だが、本書はそのバース在住のマイケル・Z・リューインの新作である。ただし、舞台はウィルスのパンデミック後の荒廃したアメリカの町。 原著は2021年で、ミステリというよりは、ディストピア小説で、家族の絆を描くという意味では家族小説である。 解説の北上氏は過去のリューインの類似作(家族小説という意味での)として、『探偵家族』と『カッティングルース』をあげるが、私などは作者の名前を教えられずにこの『祖父の祈り』を読んだとしたら、ヒントをもらったとしても、作者が誰かを当てるのはまず不可能である。 このディストピアの全貌は不明だが、老人は娘と少年(娘の子で、老人の孫)の三人で、廃墟の元毛糸店に潜り込んで暮らしている。そこには老犬がいて家族に加わる。娘の夫はウィルスの第二波で、老人の妻は第四波で死んでいた。 町にはフードストアがあり、最低限の衣食は提供されていたが、通信手段は一切なく、警察の取り締まりは厳しい。三人は物の入手のために、時に非合法なこともして、危ない目にも合うが、何とか切り抜ける。ある日、少年が13才の少女を連れて帰ってくる。少女は赤ん坊を金持ちに売るための繁殖農場から脱走してきたのだが、すでに・・。 私的感想 ○読みやすい小説。難しいところはほとんどない。 ○主人公の老人は過去の思い出に浸る一方、現在の家長としての責任を背負い、活躍する。老人活躍小説である。 ○娘のキャラクターが面白い。しっかり者で、美人で、強い。過去を見ずに、現在を比較的クールに生きているが、少年の無謀な行動を案じる母親でもある。レイプされ妊娠した過去もあり、脱走してきた少女を思いやる。男性警官から誘惑されると・・。 ○これは、感傷的で、時代遅れになりながらも、やさしく、責任感が強く、家族と一緒にいられるために戦う老人のハードボイルドミステリーかな。 | ||||
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| マイクル・Z・リューインを読むのは、アルバート・サムスン・シリーズ「眼を開く」(2006/11月)以来と書こうとしましたが、「神様がぼやく夜」(2015/1月)という小品もありました。 「祖父の祈り "Whatever It Takes"」(マイクル・Z・リューイン 早川書房)をサクッと読み終えました。 <Covid-19?>後の米国。分断された社会。富めるものが姿を現さない、廃屋だらけの貧しきものたちの世界。<フードバンク>だけが生きる"よすが"。「金バッジ」と呼ばれる警官たちによる度重なる職務質問。ポスト・コロナ。或る種のディストピア小説と言えばいいのか? 食料雑貨店から始まるイントロダクション。その探偵小説作家らしい物語の切れが、まずは見事でした。 米国の現実に覆いかぶさるもう一つのパラレル・USA。その世界を生きる一つの家族。老人。その娘。老人の孫。そして、"パンジー・ヴァリアント"という名の一匹の犬。彼らのサヴァイバルが淡々と、行間に多くの含みを持たせながら語られていきます。 生きるためには銃を持たざるを得ない分断化された米国。そして、その問題から目を背けようとする富裕層たちによる国家は今と何ら変わらない。<Covid-19>があろうがなかろうが、政権が変わろうが変わるまいが、現在の混沌とした米国は果たして変わり得るのだろうか? 老人の孫が出会った少女・マンディが、静かに、そして大きくこの物語の<舵>を切ることになりますが、それもまた「希望」へと向かうのだろうか?悲愴な考えに囚われるのはやめにしましょう。たとえどんな世界が待ち受けていたとしても、家族がいることで齎される暖かさは何物にも代えがたいのだから。一瞬のエンディングが、物語後も続かないとは限らないのだから。 1995年当時、私の会社の先輩(彼は、欧米の冒険小説のファンでした)が突然、私が持っているマイクル・Z・リューインの著作をすべて貸してほしいと言って、一時期、借りていきました。何故だったのだろう?マイクル・Z・リューイン的世界の男らしさに触れたかったからなのでしょう。おそらくですが、その時点でのサラリーマン生活が辛く苦しいものだったのかもしれません。私は、今ではそのことを少しだけ理解できるような気がします。 | ||||
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