■スポンサードリンク
殺した夫が帰ってきました
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
殺した夫が帰ってきましたの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.53pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全64件 61~64 4/4ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
題名通りの内容の4章構成の作品。まず、プロローグで茉菜という女性が夫を崖から突き落とした事が綴られる。5年近く経った第一章で、夫(?)の和希が記憶喪失の状態でアパレル勤務の茉菜の元に戻った事が綴られる。和希は記憶喪失と称しているが、"事故"に遭った事は覚えている。"事故"に関して警察の取り調べを逃れたらしい(ここを記述しないのは不親切)茉菜は戸籍上は夫婦のままにしている。既にこの時点で、戻って来た男は和希の一卵性双生児の兄弟、和希が記憶喪失のフリをして復讐のために戻って来た、罪悪感が生み出した茉菜の夢想という風な様々な可能性が考えられる。警察に通報出来ない茉菜が和希と同居するのは止むを得ないが、「茉菜の過去を知っている」という手紙が届いたり、茉菜が誰かに尾行されたりする(らしい)チョットした波乱があり、唐突に、茉菜が母親から虐待された子供時代の回想譚が挿入される。 第二章で、茉菜は警察官の修斗と話をしている和希を見かけた上に、2人は友人らしい。という事はオトリ捜査の線も考えられる(ミス・リードかも知れないが)。そしてまた唐突に、茉菜が母親の相手や義兄に凌辱されていた16歳の時の回想譚が挿入される。第三章で物語が動き出し、今度は「オマエが殺した」という手紙が茉菜に届いた上に、宮城県警の西垣から和希の白骨死体が山中で発見された(歯の治療痕で本人確認済み)との連絡が入って茉菜は仙台に行く。西垣は"捜索願"が出ていない点を追求するが、結局は事故死として処理される。茉菜は16歳の頃に住んでいた岩手へと向かうが、そこに"偽"和希が現れる。"偽"和希は佑馬と名乗るが、本当の夫と区別が付かないなんて有り得るだろうか ? そしてまた唐突に、茉菜が東京に出て来てDV夫のために流産してしまった友人を持つ20歳の時の回想譚が挿入される。最終章で全ての伏線が回収されるのかと思いきや、佑馬が修斗と顔見知りの警察官である事も含めてバリンジャー「消された時間」型の"書き方次第"方式の作者のご都合主義の塊でガッカリした。第一、これでは題意から外れているでしょう。 むしろ、茉菜の人間ドラマに絞った方が良かったとさえ思う程のミステリとしては見るべき所の無い駄作だと思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
正直自分には合わなかったなぁと思った作品。 伏線回収の仕方、どんでん返しの構想は思いもよらないことばかりで面白さを感じた。 だけど最後の駆け足感や中途半端な感じが腑に落ちない。落とすならとことん落としたり内容をもう少し膨らませられなかったのかなぁとか思いました。 タイトル買いしましたが、ちょっと期待しすぎた感じがします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ホラーかと思うタイトルですが、ちゃんとしたミステリーです。 5年前、崖から突き落として殺した筈の夫が「ただいま」と帰ってきました。 ひどく暴力的だった彼。人が変わったように穏やかになって。そっくりだけど記憶喪失と言う彼は、本当に夫なのか。 主人公茉菜の幸薄い過去パートと現在パートを行き来しつつ、除々に明かされていく状況。 なるほど、と納得とともに、切なくて、でも未来に希望の持てる終わり方。 読後感も良い、秀作。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
タイトルに魅かれて「殺した夫が帰ってきました」(桜井美奈 小学館文庫)を読み終えました。 都内のアパレルメーカーに勤務する主人公・茉菜。彼女はそれまでにも言い寄られていた穂高に待ち伏せされ、間一髪、夫・和希に救われます。かつて、茉菜が崖から突き落とし、殺したはずの夫によって。再会した和希は記憶を一部なくしており、茉菜と一緒に暮らしたいという和希を受け入れ生活を始めます。そして、「茉菜の過去を知っている」という一通の手紙が届くことで、茉菜は「過去」を追うように夫・和希の存在を探り始めます。彼は誰なのか?なりすましているのか?物語はどのように終息するのか? ストーカー。心に病を持った家族によるDV。ハラスメント。生み落とされる機能不全。「何者でもない」茉菜の失われたアイデンティティ。2019/10月に読んだ「わたしがわたしであるために」(E・ロックハート)などを想起したりもしました。 実は、それらの背景が語られる前半は、現代の病的な状況をなぞって見せているだけのシノプシスを読んでいるような味気無さを感じて困惑しましたが、後半はテクニカルなミステリ的興趣がはじけて読ませるスリラーとして着地しているとは思いました。 但し、具体的に言うことは叶いませんが、はじけるためだけに集め、扱われたマテリアルと或る<出来事>を物語に安易に使用してしまうことについて、私は最後まで受け入れがたかったと述べておきたいと思います。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!