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ミカエルの鼓動
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ミカエルの鼓動の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.53pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 1~20 1/2ページ
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『ミカエルの鼓動』は、第166回直木賞候補にもなった読み応えのある長編医療小説である。 物語の舞台は北海道の札幌にある大学病院。主人公は手術支援ロボット「ミカエル」を使った心臓手術の第一人者である心臓外科医の西條泰己。病院長が招聘したドイツ帰りの天才外科医真木一義が、同じ病院にやって来る。難病をかかえたある少年の手術方法をめぐって、二人は対立してしまう。西條が主張する手術支援ロボット「ミカエル」を使った手術か、真木が主張する従来の開胸手術か。 物語は西條の視点で進んでいく。500ページを超える長編の作品であるが、内容が面白く文章も読みやすいので、サクサクと読んでいける。心理描写が巧みで、主人公西條の医師としての心の葛藤や生き方、そしてライバル真木への嫉妬心などが見事に描かれている。 方法は異なるが、「命を救う」という強い意志を持っている点においては二人は同じである。手術の場面では、緊迫した状況の中で西條と真木がお互いの医師としての力量を認め合い、力を合わせて少年の命を救うために全力を尽くす姿に心を打たれる。 いきなり登山の話から物語が始まるのには驚かされたが、それにはきちんとした理由があった。最後まで読むと、なるほどと納得できる。 大学病院を辞めた主人公の西條は、このあとどうなってしまうのだろうか?再び医師として復帰するのだろうか?そして、真木は?読み終えた後、二人の医師のその後がどうにも気になり、続きが読みたくなる。ぜひ続編が出ることを期待したい。 著者の柚月裕子氏は、検事、警察官、弁護士、ヤクザ、棋士、臨床心理士、そして今回の医師など様々な世界の人間を描いてきている。その作品の幅の広さに驚かされる。そして、どの作品も面白く読み応えがあり、人間ドラマが見事に描かれている。 蛇足になってしまうが、私は半年ほど前に手術支援ロボット「ダヴィンチ」による前立腺の手術を受けた。開腹手術に比べて出血量が極めて少なく身体への負担が少ないので、手術の翌日には病室や廊下を普通に歩くことができた。さすがにベッドから起き上がる時は腹筋が痛かったが。 手術の傷も腹部に1~3cmの小さな傷が6カ所あるのみ。その傷も今ではほとんど目立たなくなり、とても全身麻酔下で大きな手術を受けたようには思えないほどである。個人的には、ロボット手術を選択して本当に良かったと思っている。 ちなみに、ネットで調べてみたところ、世界中でかなりの数の手術支援ロボット「ダヴィンチ」が使用されているが、現在まで誤作動は報告されていないようである。 | ||||
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後書きで一気に読み切ったとかいていまさたが…確かに! 読み進めたくなる作品でした | ||||
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ダヴィンチ手術みたいなロボット手術のミカエル。 ロボットの手術が怖くなりました。 手術の描写がかなりリアルですが、棒を突っ込むのに胸骨に穴を開けないといけないと思うのですが、その描写がなかったように思います。ちょっと残念。 主人の西城の信念がすごくよかったです。 オーディブルで聴きましたが、ボリュームが小さかったです。時折、ナレーターの人が大声を出すと声が太くなっていてチグハグ感がありました。 ここらへんはどうにかして欲しいです。 | ||||
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文庫本まで待てなかった | ||||
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『孤狼の血』『盤上の向日葵』の原作者・柚月裕子による初の医療モノとなる最新作『ミカエルの鼓動』! 北海道中央大学(北中大)病院で最先端の医療技術を導入した手術支援ロボット「ミカエル」。それは執刀医の操作で遠隔手術を行なう医療用ロボットであった。その実績から話題を呼び、「ミカエル」のスペシャリストとなった心臓外科医・西條泰己。病院側からの信頼も厚く、将来を嘱望された彼だがある日、人事において外部からドイツ帰りで心臓外科医の天才医師・真木一義が就任する事を知る。曾我部病院長の強い推薦に懸念を抱いた西條だが……。 医療小説といえば、山崎豊子『白い巨塔』を始めとする数々の有名小説があるが私自身、映像化された作品を見る事はあっても原作を読む事はあまりなく、むしろ医療マンガ(『ブラック・ジャック』『ブラックジャックによろしく』『Dr.コトー診療所』『JIN-仁-』『コウノドリ』『医龍-Team Medical Dragon-』)の方を好んで読んでいた。 今回、本書が私にとっての記念すべき初の医療小説の読書となる。『孤狼の血』以降、柚月先生の小説はいくつか好んで読んでおり、『孤狼』以外では『盤上の向日葵』がお気に入りだ。 これまで散々書き尽くされたと思われるジャンルで柚月先生がどのような医療小説を描くのだろうと思ったが、科学的医療をテーマにした物語と聞いて『ブラック・ジャック』の「U-18は知っていた」や瀬名秀明著『小説 ブラック・ジャック』の第一話「B・J vs. AI」を連想したが内容は完全に柚月節ともいえる人間関係に構築した物語だ。 近年、医療の世界にどれほどオートメーション化が進んでいるのかは分からないがイメージとして十数年先を進んだような近未来の物語のように思えた(取材はされているのであながち現実性がないとは言えず、本当に「ミカエル」のような遠隔操作の医療マシーンが存在すれば手術の正確性や効率性、利便性が高まるだろう)。 また同じ大学病院を舞台とした名作『白い巨塔』のような人間関係を思わせるところもあるが(西條が財前五郎なら真木は里見ともいえる)、ただ西條は財前ほど露骨な野心家ではなく、そこまでドロドロした人間関係ではないのだ。 ただ、真木の登場により西條の身辺も慌ただしくなる。真木が従来の手動オペにおいて右に出る者がいない孤高の天才医師として描かれ、まるでブラック・ジャックのような人物なのだ。 難病の少年の手術方針を巡って西條と真木が対立するのだが、どちらにも肩入れしたくなり、何故なら二人とも似たような貧しい境遇から蛍雪の功の末に医者として大成したという点では共通しており、何よりお金や地位よりも医師として患者の事を大前提に考えるところに根っ子の部分は同じなのだ(患者だったらこういう医師に診てもらいたいと思う)。 だからこそ少年の手術の執刀をしていた西條がアクシデントによって真木と交代し、二人の連携プレイによって手術を成功させたところはよかった。 物語としては西條を慕っていた後輩医師の死や周辺を嗅ぎまわるジャーナリストの登場によって大学病院の闇に迫ったミステリーが描かれるのだが、個人的には西條と真木の二人の医師に惹かれたし、医師として対比的でそれぞれ方向性が違いながらも患者に対する心情は同じであり、本来ならこの二人が中心になって病院を盛り立ててほしかった。 最後に西條は医師としてこれからどうするのか気になるところだが自分の中で何かを見出したような余韻を残すラストはよかった。 | ||||
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「ミカエル」は手術支援ロボットのこと。それを利用した手術を推進している西條という医師が主人公。西條の対立構造となる真木医師や院長、妻との関係にハラハラする。生まれながらにして心臓に疾患を持つ航くんの手術方針で、西條と真木、航くんと両親との対立の中で、ミカエルにも不具合の疑惑が出てくる。手術シーンが最大の見せ場だろう。物語の展開としては先が読めてしまう感じではあるが、作者の筆力で読む側に安心感を与えている。450ページを超える長編であるが一気に読んでしまった。おかげで寝不足だ。 | ||||
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今回の作品は医療。それも、最新の医療機器を駆使する名医と、医療現場ならではの、医院長やライバルとの確執や、背景にある過去。柚月裕子氏は、いろいろなジャンルの作品を世に出しますね。興味深い作品でした。 | ||||
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(ご注意!!! ある意味ネタバレです) 女「横山秀夫」さんの最新刊。 自分の仕事に圧倒的なプライドと正義感を持つ主人公の心臓外科医が、自分と同じかそれ以上のプライドと腕と正義感を持つ同じ分野のライバル医師と対立しながらも彼のことを認めて、図らずも一人の患者に二人で向かうことになる「対立と協調」の物語と、自分が絶対の信頼を寄せている医療器具に対するかすかな疑問とそれを取り巻く様々な人間模様(若干『白い巨塔』に雰囲気が似ている)と疑問の広がり、手術中に自らそれが実現して苦悩する物語が同時進行していく。 2日間で一気に読みました。実に面白かった。 が。。。’(期待高めたがまだ読んでいない方はここから先を読んではいけない)。 詰めが甘いと思った。 結月さんの小説にいつも感じるのだけれど、設定と話の運びが実に見事なのに、お話の最後がどこか尻切れトンボなのね。本書中にさまざまに蒔かれていた種が回収しきれなかったとでもいうか。そういう残尿感みたいな感じがした。そこが常に完璧な横山秀夫さんに今一歩劣る点、かな。最後の30ページぐらいで「どうしてそっちへ行くの?」と思い、「な~んだ」と若干失望しました。 以上を踏まえ、総合評価は5点満点の4.5(四捨五入して5点)ということで。 | ||||
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柚木裕子氏の作品は、殆ど読んでおりましたが、この作品は、ようやく巡りあったというべき力作だと思います。このところ良い作品に巡り遇わず半ばやけくそになって購入しましたが、私の期待を良い方に裏切ってくれました。久々に感動しました。これからも私達を唸らせる作品を書いて下さい。これぞ柚木裕子氏だと言うような名著を待って居ます | ||||
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綺麗で読みやすかった 面白い | ||||
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全体としては分かりやすく面白かった。でも二つのことが気になった。 一 手術支援ロボットの故障のメカニズムが完全にブラックボックス化されていて、どこか納得できない。 二 中心人物の西條の、妻との関係・義母との関係が伏線回収されないまま尻すぼみに終わっている。 良かったのは、心臓手術シーン。迫力ある描写で、光景が迫ってくるようだった。 | ||||
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この著書は、「医療ミステリー」のジャンルだと思うが、登場人物それぞれの背景が、しっかり書き込まれている。誰しも、いろんな事情を抱えながら、職場に立っているのは、万人共通のことだ。それが丁寧に書かれているのが良い。 | ||||
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先ず現在主流になりつつあるロボット手術を題材に取り上げたのは良い発想であるが、ロボットというイメージで手術支援システムが暴走するという設定はありそうで無いです。 ロボット手術の先駆者であるダヴィンチの日本での普及に携わったものの一人として言わせて頂くと、ロボット手術支援機は人間の動きをワイヤーやモーターで動きの尺度を変えて先端の手具に伝えているだけで、謂わば外科医が持っているメスや鉗子と同じ道具に過ぎません。動きのスケールを小さくして細かな動きができたり、また手振れ補正の機能も付いておりより正確に手術ができるメリットがあります。 道具なので使う人いかんで事故も起きる事は開腹手術と変わりません。また、問題が起これば開腹手術に移行する体制も取られています。 と言う風にロボットをセンチメンタルに捉え過ぎているきらいはありますが、ロボット手術を病院の柱にしたいと言う多くの日本の病院の思いはその通りです。 但し多くの外科医の皆さんは患者さんの予後にダメージの少ないロボット手術を普及させる為に自分の手術法を新しい外科医へ教授する為に日本中を走り回っており、白い巨塔の様に権力争いばかりしているわけではないという点も強調したいです。 その一方で権力をめぐる争い、その心情は本書でひしひしと伝わって来て、その意味では良い読み物になっていると思います。そして最後には勧善懲悪的な幕切れと、この後どうなるんだろうかと言う期待が残りました。 | ||||
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直木賞候補になる作品なので 読み応え満点。 描写も細かく映像が次から次へと浮かんできますので、一気に読める作品だと思います。 | ||||
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医療支援ロボットの第一人者が活躍する大学病院を舞台にストーリ展開される。 大学としてもロボット手術を推し進めると信じていたが、圧倒的な手技を持つ外科医がドイツから来たことにより心臓手術を巡り対立が起きる。 反発から協力への手術シーンのリアリティある描写は惹きこまれる。 医療用語が多く難しいと思われる部分も丁寧に説明が加えられるので、専門知識がなくても楽しめる医療ドラマに仕上がっている。 プロローグやエピローグ含め家族との関係など、やや投げっぱなしの印象が残り、すっきりしない点は残る点が残念。 著者の作品の特徴でもあり、丁寧に調べたと思われるその業界ならではの知識とそこで生きる専門家の心の葛藤を描くスタイルは本作品も変わらなく魅力であった。 | ||||
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子どもの心臓移植に人工弁を使うか。豚の心臓弁を使うかで意見が分かれていた。医師は説明責任において人工弁と豚の弁と比べて副作用がないかどうかも説明している。ロボットが人間の手術(ミカエル=神の手)をする時代にロボットのミスを人間がどうカバーするかも書いていて面白かった。 心臓の弱い子どもが「僕はずっとあやまりながら生きている」「皆が僕に優しいのは可哀そうと思われているから」「僕は普通じゃない」と話した時に、秘書の女性が「普通って何?健康でも手が不自由な人は居る」「躰が健康でも心が傷ついている人も居る」「生きるのが苦手でも泳ぐのが得意な人も居る」など人間は色々な人が居て同じ人は居ないと話している所が印象的でした。 | ||||
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生きる希望を失いかけている心臓病のこどもに向日葵畑を見せることそして手術の前日向日葵の種を小さな巾着に入れて持たせたこと。ミカエルの不具合が見つかったときには開胸手術に、切り替えられるようライバルの医師を助手に選んで事なきを得たこと。医師として素晴らしいと思いました。 | ||||
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心理描写が素晴らしい | ||||
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とても面白かった。医療用語等難しく思いましたが、作者の筆力は流石です。とてもすんなり入り込めました。プロローグとエピローグの繋がりは良かった。柚月作品は常に正義と向き合う者を見事に描きます。感動的なラストでしたq | ||||
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