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ミカエルの鼓動
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ミカエルの鼓動の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.53pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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北海道中央大学病院の外科医・西條泰己は医療用ロボットのミカエルを駆使して心臓手術を執刀することで名を挙げつつあった。病院長の曾我部はそんな西條を高く評価しながらも、なぜかドイツの心臓病専門病院から日本人医師・真木一義を引き抜いて連れてくる。そして西條と真木は、心臓に難病をかかえる12歳の少年の手術にミカエルを使うか否かをめぐって鋭く対立する。そこへ黒沢と名乗るフリーライターが西條に近づいてきて……。 --------------------- 2022年上期の直木賞候補作と聞き、初めて柚月裕子氏の著作を手に取りました。 リーダビリティの高い文章ですので、中途で詳細極まりない心臓手術の術式の描写はあるものの、すいすい読み進めることができます。ロボット化が進めば、地方と大都市との格差や、外科医の能力の高低に関わらず、広く人命を救うことのできる「医療の平等化」が実現できる、という西條の熱い信念の言葉には胸を衝かれるところが大いにありました。 そして医術の差異をめぐって対峙する真木もまた「命の前では、誰もが平等だ」と叫び、手段こそ違(たが)えても、目的は同じであるという人物対比も明快であると同時に魅力的に感じられます。 ただその一方で、辛口の評価をしたくなるのは、ひとつには文章配置に少々肯んじられない癖がある点です。500頁になんなんとする長編小説ですが、頁を繰りだしてすぐに気づいたのは、一文章一段落がずっと続く点です。つまり短い段落が延々と続きます。改行のタイミングがどうも肌に合いません。改行されてしまった複数の文章を集めてもう少し濃密な段落を構成することができたのではないか、そうすればおそらく総頁数は現行の70%以下になったのではないか、という気がしてなりません。 またミカエルをめぐる謎めいた展開も、黒沢との接触によって最後に西條が下す決断も、着地点はいささか予定調和的すぎる気がします。おそらくこういう展開になるのだろうな、と素人目に予測できる範囲内で物語がまとまってしまった印象が拭えません。作者の策にまんまとはめられた、という驚愕のストーリーを期待していただけに、こぢんまりとした話に終わったように思えました。 . | ||||
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心臓外科医西條の葛藤。ミカエルという医療ロボットで、心臓手術をする第一人者だ。 病院長の曾我部が、権力をうまく使いながら、コントロールしようとする。 ドイツ帰りの天才医師・真木が、病院に来る。そして、とてつもない速さで手術をする。 西條と真木のワタルの治療方針に対して意見が違う。術式が違うのだが、助けたいと言う気持ちは一緒なのだ。権力闘争のようだが、真木は三年間だけの契約で、権力争いに加わっていない。 しかし、病院長の曾我部の動きが怪しい。 そんな中で、ミカエルの不具合の報告が上がり始める。その原因がわかっていない。 その報告を隠蔽しようとするものがいたり、ジャーナリストがミカエルの不具合を週刊誌に掲載しようとする。その中で、西條は苦しみ、妻と疎遠となり、さらにミカエルの誤作動を自分で体験する。 ミカエルを扱っていた若い医師が、自殺する。その原因は何かを探る西條。そして、真木のバックボーンも知ることになる。医師として、どうあるべきか?を問う。 | ||||
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手術支援ロボット「ミカエル」をめぐる先端医療と大学病院の闇を描いた物語。 理想と現実、命の重みなど、正義と平等を目指した医師の葛藤は楽しめたが、話が一人の手術をめぐる議論に特化しすぎていたのが物足りなかった。 様々なケースにおいて、ミカエルと開胸手術がそれぞれのよい部分を生かしたり、足りないところを補ったりしながら切磋琢磨していく展開を期待していのだが、西條の一人よがりの展開がだらだらと続いたのがもったいなかった。 また、病院内の出世争いや勢力争いも中途半端だったし、西條の家庭の話もよく分からないままこじれたのも残念。 テーマはおもしろかったのだが、展開がいまひとつに感じた。 | ||||
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西條と雨宮の前提がいまひとつピンと来なかった 患者の負担が減る手術は良い事だが、どっちにしろ順番待ちは免れないし、時と場所の運はなくならないし ロボット支援下手術でしか処置できないってなら分かるんだが… ついでに言えば覚えてようと覚えてまいと死んだ人は死んだ人だし、どんな姿でもいいから生きてて欲しいって人はおそらく多分本人が余程健康な人で、病人の痛い苦しい辛いへの想像力が希薄なんだろうとしか思えない 未成年は精神がまだ柔軟だから変化を勘案して保留、子を持つ親はとりあえず子が望むなら子が成人するまでは我慢しろとは思うが、それを過ぎたら好きなように選ばせたれや …技術が進歩したら、操作ミスでもメカの不具合でも事故発生時にリカバリできない人が施術する案件増えるんだろうなあー… 程々に楽しめると思います | ||||
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この本の帯の煽り文詐欺じゃない? 感動巨編でもないし、難病の少年、白石航の手術がメインみたいに書いてるけど全然そんなこともない。 全編に渡って繰り広げられるのは、一台三億5千万の医療機器ミカエルを巡る人間のエゴと汚さ、醜い争い、主人公の西條と真木の救いようのない生い立ちの過去話といい、どこに感動できる要素があるのかと。 話自体の展開は特に二転三転することもなくストレートに始まりストレートに終わる、病院長や雨宮の言動理由や布施の死の真相も想像の域を出ないもので逆に気付かなかった西條が鈍く見える。 頭を使わずに一気に読める分にはいいけれど、複雑な推理話を期待した人にはがっかりかも | ||||
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