■スポンサードリンク
砂に埋もれる犬
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
砂に埋もれる犬の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全58件 1~20 1/3ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まだこの社会には答えはない。 生々しいDVとネグレクト、貧困の実態を描いている552P。 それは”「うち」という名の牢獄だった”と。 愛情に飢えて、心は捩じれていく。 心の飢え。 手を差し伸べる里親。 何の解決策もないのが現実なのだ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この歳になって「本とは何か」を 考えさせられました。 私は「坂の上の雲」で勇気をもらった世代ですが、読んだ後「ありがとう」もう一度読みたいと思ったものです。 一方この本は 読み始めたらやめられないほど 惹きつけられる本です。 でも、この読後感のあと味の悪さは どうにもなりません。 この本に使った時間が惜しまれるほどです。 ですから、お年寄りにはお勧めできません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今月、この書籍の文庫本が出たばかりです。購入しようと思いましたが、単行本が安価で出品されていたので、注文してみました。早々、手元に届きましたが新品同様の書籍で吃驚です。また、是非、欲しい書籍を見つけてお願いしたいと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
育児放棄や虐待の負の連鎖について知ることができました。子どもはどうしても身近な大大人から、いいことも悪いことも影響を受けてしまう。問題のある子どもを見た時、親が悪いから子どもも悪いとか子どもがかわいそうというところで思考停止していましが、この本により、また違う視点を得たように思います。また自分の子どもがつまづいた時に、他人との関わりを通じて何年もかけて少しずつ立ち直っていったことを思い出したりもしました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
優真が過酷で劣悪な環境を生き抜いてきて その後里親に引き取られ衣食住揃うようになっても 今までの生活からくる社会性の欠如や精神の成長が伴わないことで学校では疎外感や渇望感がうまれ家庭でもそれを上手く表現できない。 ワーカーの忙しさによって優真のケアが後手後手になったり、担任の事なかれ主義で親との連携が不全になっていく。 優真の母もその母から虐待が連鎖されてきたようになっている。 この物語は漠然とわかったつもりのことではもうない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読みながら身近な人々の顔が浮かんだ 特別でなく日常にある悲しさと寂しさと どうして良いかわからないもどかしさ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
さすがの筆力で一気に読ませるが 小説としてのストーリーは破綻しているような? 本筋とあまり関係ない描写が延々と続いたかと思うと 肝心の大きな問題が幾つも残ったまま唐突に終わる。 もうちょっと筋立てを練って欲しかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
その結果、虐待というシビアなテーマに対してのリアリティが薄れ、感情移入が難しい。 今時窓開けて入浴する10代の女子はいない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
文豪桐野夏生さんの長編を読み終えると、その後数日その小説の事ばかりを考えてしまうほど影響を受けてしまうのですが、今作は特にそうでした。主人公の優真少年、母親の亜紀、目加田夫妻などのキャラクター構築が優れていて、続き(その後)が書かれていなくても、何となく「こうなるな」、と想像出来てしまいます。 それは、必ずしも希望のある未来ではないのですが。桐野さんは新聞のインタビューで、「小説は正しさをいうためのものではありません。解決策も提示できない。でも、苦しむ人の声や痛みを描くことはできるんです」とおっしゃっていましたが、そのお言葉とおりの作品でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
高3の孫も読みだしたら止まらずでした。 「キツイ内容だけどいろんなことがわかってよかった」そうです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ネグレクトや虐待を扱った社会派小説。空腹に喘ぐ少年とその母親、コンビニ店主等の様々な目線で物語が語られる。 負のループを断ち切れない貧困家庭の実態が描かれ、また仮に少年がそこから抜け出せても別の苦しみが待ち受けていることに息苦しくなりました。 筆者の、重いテーマだけど読み易く鬱屈しているのに溢れ出すような感情の表現がリアルで生々しく、流石だと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
p88 それだけで、今の自分のキャパシティはいっぱいだ。今でも表面張力で保たれているような状態なのだから、何か別の事態が起きて水が揺れたら、絶対にこぼれ落ちてしまうのは、間違いない。 救いようのない話でした。 後半の学校を舞台にした話は「グロテスク」に似ています。 「不条理」なことは世の中にたくさんある。 もし、この世でいい生き方ができなければ、生まれ変わりに期待するしかない。 毎日平和に暮らせている、今の生徒、学生に読んでもらいたい本です。 桐野さん、ありがとうございました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
思いの外、どんどん重たくなる内容に陰鬱な気持ちが増幅しつつ、目が離せなせずに一気に読みました。どうこの物語が終わるのだろうと気になっていましたが、終わり方が秀逸だと思いました。なんとも言えない読後感ですが、読ませる著者はさすがだと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
似たような環境で育ち今人生の後半にいる者ですが、 ラストはつい ありがとう という言葉とともに涙が出ました | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
桐野夏生の作品を久々に手に取った。なぜかこの作品は読みたいと思った。桐野夏生を久々に読みたいと思った。その後、どのように変化したのか、今はどんな作品を書いているのか。 腹をすかしているらしい男の子に気づくコンビニ店主の描写から物語が始まる。汚れた服。匂い。痩せた男の子。 そう。これは心の痛みを伴う物語である。一言でいうとネグレクトをテーマにしたストーリー。主人公は男の子だ。彼を取りまく環境は最悪なもので、再婚、再々婚、何人もの男を当てにしては転がり込んでゆくという生活が当たり前になっている若い女が母親である。 主人公の男の子優真には父を異にする幼い弟がいる。彼ら兄弟は、母とその男に放置されて飢えている。必死に生きようとしている。母とその男(職業=ホスト)が、ゲームセンターや夜の酒場で遊び惚け家にはなかなか帰らないからだ。 彼ら二人がどうなるのか、社会は彼を救えるのか? を作家は冷徹に描く。物語として語る。正直、救いは見えないが、救おうとする心は世の巷にないわけではない。救われない兄弟と、彼らを救いたいと思う夫婦の荒療治とその行方を描いた物語である。 桐野夏生はダークな印象の作家である。それは今でも一歩も変わっていなかった。表紙の帯には<予定調和を打ち砕く圧倒的リアリズム>とある。まさに、それがすべてだ。数々の問題作を書いてきたこの作家。この作品は何とも無力感を感じさせる。人間の罪と罰。愛とそうではないものの違い。それらは一体何なのだろうか。作家は答えを提示しない。それらは良く研がれた矢じりのようにぼくらの正面に突きつけられる。 この物語で、母はなぜ子育てを放棄するのだろう? その答えはやがて得られる。愛情の欠如。そしてモラルの欠如。それなしに育てられた子供はどうなってしまうのだろう。不快だがリアリズムに基づいた答だけが提示される。否、果たして答えは提示されたのだろうか。 最後の最後にページを閉じた瞬間の自分の心を明確に蘇らせるのは難しい。社会の闇に光を当てる残酷物語であると同時に、優しい他人という初老の夫婦の存在はもう一つの本書の主人公として悲しくも救いであろう。 なぜこの本を手に取ったのだろうか。桐野夏生という作家の他にないあのダークなワールドが今どうなっているかを垣間見たかったのだ、きっと。これまでの彼女の作品同様に、今のその作品も、やはり忘れ難い力作だった。 ちなみにこの不思議なタイトルはゴヤの『砂に埋もれる犬』から。その絵の一部分がカバーとなっている。絵の全体像を検索して見た。砂から脱出しようと足掻く犬の絵であった。なるほど、この作品と響き合う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
自己が存在する理由の原因である「親」とういうものから、存在をむげに扱われ否定され続けると 生涯の劣等感となってその人間の一生にに影響を及ぼします。 子供を産むだけでは「親」になれない連鎖を、優真と母親の亜紀、そして亜紀の母親を絡めて冷徹に描写しています。 モノとして扱われた人間は、他者もモノとして見なしていくようになる優真の心情を考えると、暗澹たる気持ちになります。 終わり方は賛否両論ありますが、ここで終わったのは 「親ガチャ」で、不遇な境遇で生きざるを得ない人間への、作者の眼差しだと思うのです。 物心ついた頃から壮絶な生活を送っていた優真が、今後どのような人生を送るのか想像に難くない。 「目加田夫妻の愛情に信頼を抱くようになり、徐々に一般社会に馴染んでいく」 などというキレイ事は、施設にいたサリナの「親なんか信じるな」の忠告や、優真の底知れない絶望感からもあり得ないでしょう。丁寧に積み重ねた今までのリアルさが全て嘘になります。 それとも破滅に進むしかない人生を、同情しながらも対岸から読んでみたいですか? 小説は架空の物語ですから何を望もうと自由です。 しかしこの話の背景には、今も数知れない実在の優真が存在しています。 作者はその事を訴えたいのでは? また数知れない実在の優真やサリナ、亜紀に読んで欲しいのでは? という私も実際は、生き方のはっきりとした正解が欲しい人間の一人です。だから小説を読んでしまうのかも知れません。人生に正解などないと理屈ではわかっているのですが・・・ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まだ読み始めたばかりだが本の破れもなく割と綺麗な状態で届きました。分厚い本なのでびっくりしました!何より迅速な発送ありがとうございます | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
育児放棄される子供の絶望感と、場当たり的な親のクズさにどんどん読みすすめられました。 最後はえっ?という中にも希望が持てる終わり方でなんだか安心しました。これからだよね…と | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
終わり方があっけないとか、中途半端だとかいう意見が多いけど、じゃあどんな終わり方なら満足なのかと思う。あの少年がいきなり改心するはずもなく、周りの大人が上手く対応できるはずもなく、予想されるのは悲惨な末路でしかない。そこまで描かないのが作者からの唯一の情けなのだろう。読後暗澹たる気持ちにしかならないし、救いも希望もない。虐待の連鎖はどうにもならないのか。一気に読んで、ひたすら無力感に打ちひしがれました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
久々に面白くて読破した。それぞれの立場からの心の中の動きが丁寧に繊細に描かれていて引き込まれた。最後が呆気ないという感想もあるが、私はそうは思わず、主人公が吐露した言葉に、そして里親が返した言葉に、虐待の連鎖が生む途方もなく答えもでない悲しみや無力さようなものを感じて、とても納得した。続編があるとしたら、弟の視点だろうか。期待したい。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!