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砂に埋もれる犬
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砂に埋もれる犬の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全58件 41~58 3/3ページ
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つらすぎる。 サインを見逃さないこと、つながり続けること、関係機関につなぐこと。 | ||||
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子どもの貧困、虐待、性暴力、DVなど現在の深刻な社会問題の背景にあるものを背景に子どもの成長に伴う精神的な軋轢を描いている。そしてその課題の解決への希望をラストで私たちに問うている。 久しぶりに希望の見えるラストに思わず落涙してしまった。 福祉関係、特に子ども、児童福祉関係の人にぜひ読んでほしい。 教員にも薦めたい。 | ||||
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桐野夏生は,もっと幼児虐待の現状を書きたかったのだと思う.しかしどこかでストップがかかったのではないかと想像させるような終わり方である.これならまだ柏木ハルコの「健康で文化的な最低限度の生活」の方が福祉の実態に迫っていると思う.実際の事件をフィクション化した方が余程良かったのではないか.文章は読ませるが,取材がいまいち,という典型だと思う.乱歩賞,直木賞が泣く. | ||||
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格差社会を多方面から描いた力作 最初は虐待され見放された主人公の少年に同情するばかりでした。が、後半は破滅に向かっていく少年の心理描写が具体的で、まさに砂に埋もれる以外に道はない運命を読むのが辛くて、早く読み終わりたかった いろいろ議論はあるが、最後は中途半端ではなく、作者の愛情が伝わってきた | ||||
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途中までは、とても丁寧に重要登場人物の心象風景を描いていた。そのあまりのリアルさに、ずっと心の中がザワザワして居心地が悪かったくらいだった。 本当に最後の方になって、“新たな問題”が次々と露呈している(ように見えた)と思っていたのに、それらを完全置き去りにして本作は終わった、、、としかわたしには思えなかった。 最後。微かな希望と読めなくもないが、わたしのザワザワに対する応えにはならなかった。 | ||||
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息子を持つ身としてドキドキしながら読んだ。ただただ優真が愛おしく、最後に洋子のとった行動が全てを代弁してくれた。もやもやしていた私も救われた。 | ||||
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前半はドキュメンタリー番組のような感じ。途中から急に推理小説のような感じに変わったと感じた。 最後がしりつぼみというか、少し残念な終わり方だった。ネグレクトされた兄弟が不幸過ぎて後味が悪い。 | ||||
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「日没」が期待外れだったので迷ったけど、やはり見かけると買ってしまう。一気に読んだ。 やはり目が離せない作家だ。本作のテーマは、育児放棄である。 12歳の少年・優真は、今日も4歳の弟・篤人と共に空腹を抱えている。 母親の亜紀は男友達の北斗と出かけて帰ってこない。優真と篤人の父親は違う。北斗はどちらの父でもない。ストーリーの進行につれて、亜紀の屑っぷりが明確になる。 亜紀の母もシングルマザーだった。婚外子あるいは望まれない子だ。世襲制の底辺人種というべきか。 優真にはセイフティネットによる救いの手が伸びる。だが、飢えから逃れれば良いというものではない。幼少期の人格形成に決定的な悪影響があった場合、取り返しがつかないことがある。 ただでさえ難しい思春期の仲間探しや性の目覚めへの対応が、できるはずもない。重いテーマが迫力ある筆致で語られ、夢中でページをめくった。 周囲の大人は、ステロタイプのTVドラマみたいな発想しかしない。 「子供は母を慕うものだ」「弟なんだから、心配だろう」 慕うどころか牢屋にブチ込んで欲しいし、可愛げのない弟には何の関心もないのだが。 誰にでも覚えがあるだろう。「そういうことじゃないよ」と言いたくなったことが。 しょせん他人にはわからない、という絶望的な気分が込みあがる。 作者はパート労働者や夢破れた革命家など日の当たらない人たちを書き続けてきたが、親に育児放棄された子供というのは今までで最も深刻で絶望的な問題ではないか。 現代日本の暗黒面を生々しく描き出した力作だ。 | ||||
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え!?ここで終わり!?他の方も書いていらっしゃいましたがラストが突然すぎてあっけにとられて下巻があるんじゃないかと探してしまいました…。これがオチってありですか??ある意味衝撃のラストなのかもしれません… | ||||
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人間は後天的な動物とはよく言われるところだが、 どう教育・躾をされるかでその人の人格が決まる。 結局劣悪な環境から逃れられてもそれまでの環境にいた時間が相当な期間あった場合、 基本的人格は形成されてしまい、それを変えるのは難しく、 兄も弟も結局人格は同じになった、ということか。 惜しむらくは最後まであるいは読者に最後どうなるか予想できるほどの 材料を与えずに物語を終わらせたところだと思う。 本来の桐野氏の作品であれば、どん底に落としまくる所だろうけど、 題材が子供だけに、それができなかったのではないか。 それ故、この後どうなるのか読者に道筋を与えることも無く、 中途半端に終わった感じだけしか残らない。 ま、本来なら星1つ2つだけど、 余りにも評価が低くて次回作が出版されなくなると困るので4つ入れときます。 | ||||
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①下層社会の現実をリアルに描く。性と金と暴力。いつ犯罪が起きてもおかしくない。コロナ禍は犯罪を助長させる。 ②誰もが抱く社会への不満と憤り。京王線の乗客を刃物で刺し、車両に火を着けた若者もそんな人の一人であったろう。 ③金がないのは、収入が足りないだけではない。身の丈に合った生活が出来ない人が多いのではないか。 暮らしの激変に対応出来ず、借金を重ね、返済出来ない人は多い。 ④政府は特別定額給付金として国民一人に10万円支給したが、貯金した人が多かったのは、生活に不安を抱える人が多いことを物語る。乱費は借金地獄への契機である。 貧困問題を照射した著者の力量に頭が下がる。 前作の国家による思想統制に続き、今回は貧困問題の告発である。ますます社会批判・政治批判の舌鋒は鋭さを増す。 傑作長編としてお勧めだ。 | ||||
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これは凄かった。すべてが執拗にどこまでも地獄につながっていく。 皆が皆全員、違う方向に歪んでいる。噛み合わない。 善人らしく見える人も、悪人らしく見える人もいる。皆がそれぞれの正義と正当性のもとに言動している。 まさに地獄。 ラストに光明を取り付けようとしているが、これは作者の意図ではないだろう。おそらく編集部の意向だか連載の都合とかなんとか下らない理由がある。なぜなら、この小説は地獄を書いているのだから。ずっと、地獄を書き綴っていたのだから。そこだけリアリティーが著しく欠如している。 文庫化時に改稿を望む。 | ||||
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久々の500pはあろうかの長編。 相変わらず心の悪意や機微をかかせたら存命作家では日本一の桐野氏。 まぁ、優真の人の心の様子を読み取る力はわからないでもないけど、本来他の13才ってもっと無邪気では。。。 それは良しとして、物語の運びも読んでいてハラハラして、ホント痺れます。 残り25p程のところで用事で出てしまって、その間に内容反芻したのですが、どうしたら終われるのか考えてもあまりにページ数少なくて想像出来ない。 緑の毒のようなあっけなくスピーディーに終わるのかとも思ったが、そこまでの流れがそうではない。 本に戻ると、気づいたら終わっていました。 いやいやいやいや、ちょっと待ってくださいよ。 まだ終わらないでもいいでしょう。 あと100pくらいは必要じゃ。。。 結果として優真の心は解放の糸口を掴んだ訳ですから結果は見えたわけですが、他の問題なんかも放置で終わってしまい「もっと読ませてよ!!」ってのが率直な感想です。 連載だったので、契約の都合なんかもあったのかと思います。 大好きな作家さんなだけに、もっと読みたかった。 面白かっただけに。 | ||||
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終わりがあっけなくて、とてもがっかりした。きちんと最後まで書けないのなら、作品として世に出さないで欲しい。 | ||||
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アメリカで、本格的な黒人差別が始まったのは、奴隷制が廃止されてからという話を聞いた。 主人公の優真も、里親と衣食住という「勝利」を勝ち得たあと、圧倒的な疎外感と敗北感に襲われる。「まだ友だちができないの?」や「これからは常識を身に着けないと」と優真を諭す里親の言葉、その様は、「自由と民主主義を与えてやったのに、なぜうまく国家運営できない」とアフリカの新興国を攻め立てる元宗主国の態度に似ている。優真が失ったもの、それは「自由」だった。桐野夏生の小説のラストには、それがどんなに悲惨なものであれ、どこか爽快感があったのだが、この小説にはそれがない。 | ||||
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(※若干のネタバレ含みます) すべての登場人物が魅力的でした。もちろん、良い意味でも悪い意味でも、ですが。(個人的にはスズキが良い味を出していたと思います)。 醜悪な生き様の連鎖に垣間見える、火花のような瞬間は美しいです。 前半、本を叩き付けたくなる程の筆力でした。終盤にかけて、残りのページ数で終わってほしくない、もっと長く読んでいたい気持ちに駆られつつも、一気に読み終えましたが、ラストシーンは、ここで終わるべきだと、しみじみ反芻させられるものでした。 | ||||
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辞書ほどもある分厚い本書だが、休日の丸一日を費やして一気読みした。いつも通りグングン惹き寄せられ、ページをめくる指が止まらなかった。そう、十分の九くらいまでは… 十分の九辺りまで読んで、残りのページ数が気になった。ここまで盛り上がっているのに、この僅かなページ数で一体どんな結末を迎えるのだろうか。どう考えてもページ足りないだろ…と、不安になったが、その不安は的中した。 ラストを読んだところで、心の中で呟いたセリフは「えっ、ウソ!これで終わり…?」 十分の九までは圧倒的に面白いのだ。なのに、まるで「これ以上書くの疲れるから、強引に終わらせちゃおうか」とでもいうような、中途半端でいい加減な結末は一体なんなのだ…! これで終わりでいいはずがない。続編を期待します。 | ||||
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家庭内暴力やネグレクトが 小説よりも頻繁に世の中にはびこりすぎていて、 フィクションのほうがよっぽど救いがあるような今。 リアリティを追求するなら、 より激しい虐待の描写になるんだとぼんやり思っていたけれど、 桐野夏生は違った。 彼女が描くのは、 虐待の程度の重さではなく、 そこで傷ついた人々が生きる現実の重さ。 比較的早い段階で 困難な状況から脱したかに思えた主人公は、 むしろそこから行き詰まり、堕ちていく。 後半のハラハラする展開に固唾を吞み、 こんな分厚い本なのに読み終わるまで一瞬でした。 いつもの桐野節、でも確実に現代にアップデートされている。 今作も「さすが」の一言です! | ||||
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