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ヨルガオ殺人事件



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ヨルガオ殺人事件の評価: 4.19/5点 レビュー 32件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.19pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全32件 21~32 2/2ページ
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No.12:
(5pt)

とことん楽しめました!

上下巻あって、ミステリーが二重になっているうえに、登場人物が多くて複雑。絶対犯人を当てたい謎解き好きとして、最後にたどり着くまでに4回は読み返しました!!そのかいあって、部分的に謎解きに成功!!充実した時間がたっぷり持てて、満足感が半端じゃないです。しかも、最後に、読み終わったミステリーをもう一度読む楽しみ方のヒントまで書かれている・・・ホロヴィッツさん、本当にサービス精神旺盛です。感謝!!
ヨルガオ殺人事件 上 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ヨルガオ殺人事件 上 (創元推理文庫)より
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No.11:
(5pt)

喜んでおりました♪

頼まれた母親は楽しそうに読み耽っておりました♪
ヨルガオ殺人事件 下 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ヨルガオ殺人事件 下 (創元推理文庫)より
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No.10:
(5pt)

気に入りました

気に入ったが、贅沢すぎるディナーの気もする。
楽しかったが、疲れた。
ヨルガオ殺人事件 下 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ヨルガオ殺人事件 下 (創元推理文庫)より
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No.9:
(5pt)

華麗な伏線の技巧、ファンの琴線をくすぐる趣向、『カササギ』を凌駕する出来栄え

作中作「愚行の代償」は見事なクリスティ風のフーダニットだが、もしクリスティ自身の作品だとしても最上といえないまでも水準以上の内容だろう。アティカス・ピュントが活躍するパートがあまりに魅力的過ぎて現実の事件がいささか見劣りする欠点は前作と変わらずだが、その乖離は明らかに縮まり、全体の出来栄えは『カササギ殺人事件』を凌駕する。全編に張り巡らされた華麗な伏線のテクニック、ミステリファンの琴線を見事にくすぐる趣向の数々。多作家でありながら、このアヴェレージの高さは驚異的。
ヨルガオ殺人事件 下 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ヨルガオ殺人事件 下 (創元推理文庫)より
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No.8:
(5pt)

速く速くと読んでいくと、残りのページ数の少なさにもったいない気もする!

どんどん読めます!楽しみは長い方がいいに決まっているけど、あっという間に下巻です。上下巻で二つのおいしさというか楽しみを堪能してください!
ヨルガオ殺人事件 上 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ヨルガオ殺人事件 上 (創元推理文庫)より
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No.7:
(3pt)

作者とは相性が悪いのか(「メインテーマは殺人」(傑作)を除く)、本作も世評が高い様だが、意外性が全く無い期待外れの凡作

全体の感想。上巻では「愚行の代償」の途中で終わったが、下巻ではその続きから始まる。まず、「カササギ」と比べて、クリスティ風の作中作と事件解決とが遥かに有機的に結び付いている構成に感心した。リサとフランクの立場を入れ替えたその作中作は実在の古典ミステリ作家名を散りばめた"遊び心"満載の良く練れた大作だが、示唆に富んでいるとも言えるし、事件に全く関係が無いとも言える内容(人物配置が異なっているため)。スーザンは作中作と現実世界との"対照表(読者へのサービスでもあろう)"まで作って事件を追求する始末。

この後、各登場人物毎に容疑を掛ける様々な記述がなされ、本格ミステリらしい錯綜した創りとなっているが、真相を聞けば何の事は無い、上巻のレビューで"気になる点"として記した、「アランとフランクが共にゲイだった」事及び「リサはステファンと寝ていてセシリーと険悪だった」事に由来するもので意外性が全く無い。第一、この犯人なら作中作の結果そのもので味気ない。

作者とは相性が悪いのか(「メインテーマは殺人」(傑作)を除く)、本作も世評が高い様だが、意外性が全く無い期待外れの凡作としか思えなかった。
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No.6:
(4pt)

「カササギ殺人事件」の続編と言うよりは、「メインテーマは殺人」(傑作)の香りが漂っていて、下巻への興味を喚起する魅力ある上巻

上巻を読んだ時点での感想。「カササギ殺人事件」で編集者としての犠牲者(?)となったスーザンを一人称のヒロインとした「カササギ殺人事件」の続編。スーザンはエーゲ海のクレタ島の小さなホテルの共同経営者となっているという設定。イギリスのサフォークで高級ホテル&lt;ブランロウ・ホール>を経営している老夫妻がスーザンを訪ねて来るのが発端で、8年前に&lt;ブランロウ・ホール>で起こった殺人事件の犯人ステファン(収監中)が冤罪だと老夫妻の娘のセシリーが主張している事、スーザンの担当作家だったアラン(この辺は「カササギ」を読んでいないと分らない)がその事件を模したモノを自身の作品「愚行の代償」として発表していて、「愚行の代償」中に事件の真相が書かれている"らしい"事、そして、セシリーが失踪した事が綴られる。勢い、スーザンはイギリスへと戻る訳だが、「カササギ(世評に反して私は評価していない)」よりも「メインテーマは殺人」(傑作)の香りが漂っている印象を受けた。

クリスティ風の上巻(作中作)と現実世界を描いた下巻とでキッパリ区別が付いていた「カササギ」とは異なり、本作では初めからスーザンが捜査に乗り出すという創りとなっている。そのため、スーザンが&lt;ブランロウ・ホール>やフランクの関係者を捜査する姿がメール・書簡形式を含めてかなり衒学的・私的に描かれる。この中では事件の被害者のフランクとアラン(ここでも登場)が共にゲイだった事、フランク殺害に強い動機を持っていた妹夫妻の存在、老夫妻の夫ローレンスとセシリーの姉リサ(セシリーと険悪の仲)とでステファンに対する評価が食い違っている点(リサはステファンと寝ていたかも知れない)が特に気になるが、他の関係者の秘密めいた態度も書き込まれていて、決定打は不明。

そして、ラストで「愚行の代償」が披歴される。"読者への挑戦状"と言って良い。遊び心に富んでいて様々な示唆を含んでいるが、途中で打ち切られ、下巻へのお楽しみという構成。「メインテーマは殺人」(傑作)の香りが漂っていて、下巻への興味を喚起する魅力ある上巻だと思った。
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No.5:
(5pt)

どちらの殺人事件も面白く、しかも読みやすい。

前作「カササギ殺人事件」のラストでパートナーのアンドレアスと共にギリシャのクレタ島に旅立った主人公スーザン。新天地で始めたホテル経営ですが、クレーマー対応や日々の雑務に追われて心身共に疲弊し、内心ではギリシャに来たことを後悔し始めていました。そんな時、イギリスから裕福そうな夫妻がスーザンを訪ねてきます。スーザンが編集者時代に担当したアラン・コンウェイの小説「愚行の代償」の中に、夫妻の経営するホテルで起きた殺人事件の真相が書かれているというのです。しかもその事を指摘した夫妻の娘セシリーは行方不明になっていました。スーザンは夫妻の提示した報酬1万ポンドに惹かれて、独りイギリスに飛び立ち調査を開始します…探偵でも知己でもない一般人のスーザンに調査依頼が来ることに少し違和感がありましたが、スーザンに感情移入できたので楽しく読み進めることができました。中盤に「愚行の代償」が始まりますが、その物語世界にも没入できました。犯人を見つけようと、本筋のストーリーの登場人物と愚行の代償の登場人物の対照表をノートに書きだしたりもしましたが、作中に親切に書いてありました。アランによって各所にほのめかされているあの言葉は、日本人には残念ながら見つけにくいのではないでしょうか?
ヨルガオ殺人事件 上 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ヨルガオ殺人事件 上 (創元推理文庫)より
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No.4:
(5pt)

『カササギ殺人事件』と比較するレビュー。

以下、できるだけネタバレないように努力してレビューを書きます。私はキンドルで読んでいます。
レビューのメインテーマは、『カササギ殺人事件』(以下『カササギ』)との比較です。
概要
〇「小説編」と「現実編」から成る点は『カササギ』と同じ。『カササギ』では「小説編」が終わってから「現実編」が始まるが、本書では「小説編」は「現実編」の間に挟み込まれている。分量的には、『カササギ』は「小説編」のほうがちょっと多く、本書は「現実編」のほうがちょっと多い。
〇共通の登場人物は、「現実編」が主人公スーザン、恋人アンドレアス、妹ケイティ、作家アラン・コンウェイ、アランの妻メリッサ、アランの同性恋人ジェイムズ、警視(正)ロック、弁護士カーンである。「小説編」は名探偵アティカス・ピュント。
〇スーザンの追う事件は、『カササギ』では自身が編集を担当したベストセラー確実の人気推理作家アランの原稿の結末の消失であり、原稿が見つからないとスーザンの編集者人生も会社の存続も危うくなってくる点で、スーザン自身に関わる事件である。一方、本書のスーザンは、アランの本を読んで失踪してしまったセシリーの行方を捜すことを、家族から高額の報酬で依頼され、クレタ島からイングランドに戻ってきた素人私立探偵である。つまり、本書は「小説編」も「現実編」も、私立探偵ものになる。
〇起きる事件は、「カササギ」の「小説編」は死亡事件1件と殺人事件1件、「現実編」は原稿消失事件1件と死亡事件1件、本書の「小説編」は殺人事件1件と死亡事件1件、「現実編」は殺人事件1件とその8年後の失踪事件1件である。つまり、各2件ずつ事件が起きる。
私的感想
〇『カササギ』では、「現実編」での大トリック、「小説編」での大動機が輝いていた。本書の「小説編」は大トリック、大動機はないものの、中技小技を組み合わせて、面白いミステリーになっている。
〇本書の「現代編」の趣向は、8年前の高級ホテル宿泊客殺人事件の真犯人を見抜いていた作家アランがモデル小説風に書いた「小説編」と、関連人物の8年後の事情聴取(なかなかしつこい)から、スーザンが真相を突き止め、最後は関連人物を集め、真相を披露する。定石通りといえば定石通りだが、そこに至るまでは、あまり定石通りではない。
〇個人的には、『カササギ』には及ばないが、全編楽しく読め、十分傑作であると思う。ただ、『カササギ』に比べると、癖が強い(マニアック?)感があり、「カササギ」ほどの広い愛読者は期待できないかもしれない。年末のベストテン類がどうなるか、大変興味深い。
〇個人的感想としては、本書には、フェミニズム的家族批判が取り入れられているように思う。スーザンとアンドレアスはロンドンの別居時代は、何でも話せる恋人同士であったのに、スーザンがクレタ島のアンドレアスのホテルの共同経営者になってからは、仕事のしてあまりの忙しさに、まともな会話のできない事実婚状態になってしまう。スーザンは私立探偵の依頼を受け、脱出のようにクレタ島からイングランドに出るが、動き回って目にしたのは、いくつかの家族の実質的崩壊であった。そして・・。
〇ロマンティックラブ解析、ロマンティックでないラブ解析も大変興味深い。
ヨルガオ殺人事件 上 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ヨルガオ殺人事件 上 (創元推理文庫)より
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No.3:
(5pt)

極上のフーダニット

黄金期本格ミステリの香りを甦らせた秀作。
手札を晒した後で作中作に移行し、謎解きの興趣を二層で引っ張る構成は「カササギ殺人事件」よりも良く出来ていると思いました。伏線の張り方、レッドへリングの泳がせ方も手練れの上手さ。特に作中作における犯人の隠し方は秀逸。散らばったピースを在るべき場所に嵌め込んでゆく終盤の展開も胸のすく鮮やかさです。
英語の言葉遊びが重要な鍵になっている小説ですが、それをこなれた日本語で表現した訳者の腕前にも感心しました。
アガサ・クリスティへのオマージュが強く出た作品でもあり、クリスティファンなら思わず頬が緩むこと請け合い。
遊び心溢れる細かい目配せも実に楽しく、至福の時間を過ごすことができました。
ホロヴィッツ、やはり凄いです。
ヨルガオ殺人事件 下 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ヨルガオ殺人事件 下 (創元推理文庫)より
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No.2:
(5pt)

素晴らしい

カササギ殺人事件の読みにくい(翻訳上の原文を生かすテクニックらしい)、しかし、惹きつける力の強い作品が、高度に洗練された、またしてもピュントものを入れ子作品にして、鋭い推理ものになっている。アンソニー作品には、推理の信義を重んじるような評価が多いが、この作品はまるでバッハの音楽のように、美しく緻密で、整った構築物である。
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No.1:
(5pt)

パズラーの持つ<森羅万象>に出会う

2020/9月に読んだ「その裁きは死」以来のホロヴィッツ。そして、今回は〈カササギ殺人事件〉シリーズと銘打たれた最新作、「ヨルガオ殺人事件 (上・下) "Moonflower Murders"」(アンソニー・ホロヴィッツ 創元推理文庫)を一気読みしました。「カササギ」以降、「メインテーマ」、「その裁き」と傑作パズラーを上梓し続けているホロヴィッツの新作もまた、読者の期待を決して裏切らない傑作パズラーと言っていいでしょう。
 2016年。主人公はまたしても、スーザン・ライランド。編集者を辞め、ロンドンからパートナー・アンドレアスと共にクレタ島に移りホテルを経営する彼女の下へ、リッチなトレハーン夫妻が訪ねて来ます。夫妻が経営するイングランド、サフォーク州にある高級ホテル<ブランロウ・ホール>で8年前に起きた殺人事件。既に犯人は収監されていますが、夫妻の娘・セシリーがアラン・コンウェイによる<アティカス・ピント>シリーズ「愚行の代償」を読んだことで、或る事に気が付いてしまいます。そして、そのまま彼女は失踪してしまいます。"The Lady Vanished"(笑)。夫妻は、高額の報酬をチラつかせながら、「愚行の代償」の編集者だったスーザンにセシリーが何に気が付いてしまったのかを調査してほしいと依頼します。クレタ島からイングランドへ。スーザンは、コンウェイの跡を辿るように8年前の殺人事件を調べ歩くことになります。そのあたりは、<一人称私立探偵小説>のようですが、ある程度手ががりが揃った後、いよいよ彼女は自分が編集に加わった「愚行の代償」の再読に取り掛かることになります。ここから以降、そのストーリーの詳細を明かすことは控えたいと思います。メタミステリ。物語の中にダイナミックに埋め込まれた物語。そして、その埋め込まれた物語に仕掛けられた曰く言い難いもう一つの小さな物語。またしても、パズラーの持つ<森羅万象>に出会うことになりました。
 サー・ケネス・ブラナー。
 「まさに衝撃の一冊。――xx・チャイルド」(大いに笑った)。
 「ダイヤルMを廻せ!」。
 もはや、私はアティカス・ピントの姿にポアロの亡霊を見ているようで胸が詰まりました(笑)。「そうは思いませんか?わが友よ」。
 ホロヴィッツは、パズラーの"よきもの"を"Re-Use"して、"Scrap-And-Build"して、常に新しい世界を"Re-build"していますね。今回もまた、それは優れた成果として結実しています。

 「文学にさまざまな種類はあるけれど、謎解きミステリほど再読の喜びが少ない形式もないだろう。」(上巻 Kindle の位置No.4009-4010)とスーザンは言ってのけますが、そんなことはありません。傑作は、再読の価値がある。二度であれ、三度であれ、読みたいだけ。(私は、そんなには読まないと思いますが(笑)。)
ヨルガオ殺人事件 上 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ヨルガオ殺人事件 上 (創元推理文庫)より
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