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ざわめく傷痕
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ざわめく傷痕の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.80pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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現代の”Kisscut”の意味が分からなかったので調べると、こういうことわざかららしい。 Many kiss the hand they wish to cut off. 「多くの人が斬り落としてやりたい思う相手の手にキスをする」 ああ、そうかと。虐待された子供は「愛」の意味を異なる形で吹き込まれて、それに捕らわれたまま成長していく。そして、それはいつか決壊するのだ。 カリン・スローターが描く世界は現実離れしているのだろうか? むしろ、アメリカの歪んだ、正論、建前だけが大手を振って歩く世界をそのまま映し出しているだけじゃないだろうか? 彼女が描けるということは、それを実行できる人物がいるに違いないと思わせるアメリカの病んだ世界を垣間見ている気がする。 そして、その世界をあえて描くことで対比させるのが、サラやジェフリーの不器用な愛情表現やハンクとレナの微妙な距離感じゃないだろうか? ミステリーなんだけど、近しい間の愛憎劇とも読める本作は、読む人を選ぶけどはまる人にはまるんだろうなあ。 | ||||
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グランド群シリーズ2作目! 待ってました。サラとジェフリーのその後が気になってました。 今回はある少女の残虐な殺人事件からそれぞれの登場人物の辛い過去が明らかになる とりわけ話の中心はレナである。 レナのレイプ事件のその後とレナ自身をどうやって救うのか。 サラとテッサ(妹)との関係性 サラとジェフリーとの関係性 事件で犠牲になった子供たちをどうやって救っていくのか、ここまで大人が愚かだと 犠牲になる子供たちが不憫、とういうか地獄である。 真犯人の一人は野放し、後味は悪いが、とにかく考えさせられる作品である。 | ||||
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<グラント郡>シリーズ2作目。 今作は、極めて悪質な大人によって、誤った方向に導かれたティーンエイジャーがテーマになっている。 最初は性欲に目覚めた十代の子供たちの乱交かと思ったが、事件を追及していくとその背景には…絶句する。 こうなると教育ではなく飼育だろう。虐待、倒錯、小児性愛、近親相姦。 そんな中でもこれは間違っていると気づいた少女、気持ちのやり場がなくなった少年……その末路があまりにも不憫だ。 1作目『開かれた瞳孔』から4か月後の設定で、女刑事レナは前作で負ったPTSD(心的外傷後ストレス障害)から立ち直っていない。気丈にふるまいつつも、折に触れフラッシュバックを起こす。自尊心を失うそのつらさはあまりあるもので、誰にも打ち明けることができない心境を人知れず語る終盤のシーンには心が動かされた。 終結もリアルだった。終わりのない悲劇。レイプされることがその人の人生にどれほどの影響を残すのか、カリン・スローターならではの女性目線による社会問題の提起だと感じた。 本作はサラやジェフリー等レギュラー陣のこれまでの経歴など、事件とは無関係な内容も多いが、<ウィル・トレント>シリーズを既読している読者にとっては興味深いところもあった。 一瞬だが、ジェフリーがかつて交際していたネルとその息子ジャレドに出会う場面がある。互いに全く気づいていないよう。 …これについては後日譚『ブラック&ホワイト』へ。 サラとジェフリーは離婚後2年経ているが、互いへの想いが再燃している。<ウィル・トレント>シリーズで後日のサラの新たな人生を知っているため違和感が若干あるが、そこは切り離して、本シリーズの今後の展開を早く知りたい(次の出版を心待ちにしています)。 加えて、あとがきによると<ウィル・トレント>シリーズ最新作が2021年初夏に出版予定とのことで、待ち遠しい。 | ||||
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