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ざわめく傷痕



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【この小説が収録されている参考書籍】
ざわめく傷痕 (ハーパーBOOKS)

ざわめく傷痕の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

あまりにも悲惨な事件背景に戦慄させられた

著者の初期を飾った「グラント郡」シリーズの第二作。13歳の少女が引き起こした事件を、検死官兼務の小児科医であるサラと元夫で警察署著のジェフリーらが解明していく、サスペンス・ミステリーである。
スケート場でジェフリーを待っていたサラは、トイレで生まれたばかりの赤ん坊の死体を発見する。一方、スケート場に到着したばかりのジェフリーは駐車場で少女が少年に銃を突きつけている場面に遭遇した。説得を試みたジェフリーだったが少女が銃を発射する気配を見せたため、射殺してしまった。少女はサラの患者でもあったジェニーで、殺されていた赤ん坊はジェニーが産んだものと推測されたのだが、ジェニーの死体を解剖したサラは、ジェニーが出産できない体だったことを発見し、さらにジェニーの体に虐待の痕があることにも衝撃を受け、自分は重要なことを見逃していたのではないかと自分を責めるのだった。またジェフリーは赤ん坊は誰の子供なのか、ジェニーはなぜ少年を殺そうとしたのか、という二つの事件の解明を担うことになり、しかもジェニーを撃ってしまったことにも重い責任を感じて苦悩するのだった。
殺された赤ん坊の親は誰なのか? ジェニーはなぜ少年・マークを殺そうとしたのか、二つの謎を解いて行くメインストーリーに、サラとジェフリーの復縁を巡る関係の変化、前作「開かれた瞳孔」で深刻な心の傷を負ったジェフリーの部下であるレナの動揺、ジェニーとマークをはじめとする少年・少女たちの不安定な関係と複雑な背景などが加えられ、物語は最後まで予断を許さない。視点は主に警察側、捜査側に置かれているのだが、単なる事件捜査ものではなく、サイコ・ミステリー的でもあり、アメリカの病を暴き出した社会派ノワール的でもある。
「ウィル・トレント」シリーズをはじめとするカリン・スローターのファン、残虐な場面に耐えられるサスペンスのファンにオススメする。

iisan
927253Y1

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