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白日



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【この小説が収録されている参考書籍】
白日

白日の評価: 3.43/5点 レビュー 7件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.43pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(3pt)

「白日」というタイトルほどすっきりした真相には感じられなかった

いじめや不登校に苦しむ子どもたちが心から安心できる居場所となる学校を作る教育事業である黄道学園。そのプロジェクト進行のリーダーを務める梶原局長の中学生の息子が謎の転落死をするという事案が発生。

社内、社外の調整や派閥争いに巻き込まれる教育事業推進部第一課の課長である秋吉の視点で物語は展開されていく。

社内の誰を信用してよいか分からない状況や、自己保身に走る上司、社長派と専務派の調整などは読んでいて楽しめたが、「白日」というタイトルほどすっきりした真相には感じられなかった。

転落死の事実究明についても中途半端に感じられたし、部下との腹の探りあいもしつこく感じてしまったのが残念だった。
白日Amazon書評・レビュー:白日より
404109884X
No.2:
(3pt)

焦点ぼやける

出版社が進める教育事業が、局長の息子の死をきっかけに停滞。
担当課長が事業継続のために、死の背景について調べ始める。
というような概要からすると、少年の死についての大きな謎の解明が主でありようだが、動機としてはあくまで出版事業への執着。

正直一般的な会社基準からすると突飛すぎて、会社論理も登場人物にも共感できず物語が上滑りしている。
サラリーマン小説として定番のスカッとする部分も微妙。

中間管理職としての社内政治に翻弄される部分も通り一遍であり、このあたりがもっと盛り上げればよかったが、何より教育事業の進みを止めるという肝心な点で違和感が強い。
白日Amazon書評・レビュー:白日より
404109884X
No.1:
(3pt)

<月村了衛>ブランドの中では、非力な物語

<月村了衛>を読むのは、私にとっては2020/6月の「奈落で踊れ」以来になります。「白日」(月村了衛 角川書店)を一気に、サクサクと読むことができました。
 ある出版社の教育部門で課長を務める秋吉が主人公。事業を率いる局長の中3の息子が、謎の転落死を遂げます。大手進学塾と合併し社を独立させ、最新技術を駆使した「引きこもり・不登校対策」を打ち出すべく新時代の高校を開校しようとしていた矢先、そのプロジェクトは一時中止を余儀なくされます。果たして、少年の死は、自殺か?事故か?秋吉は部下と共に密かに調査を開始します。
 <月村了衛>は、アクチュアルな題材(引きこもり・不登校、ITを使った教育、サラリーマンたちの倍返し(笑)に端を発する企業エンタメ、パワー・ハラスメント、居場所)を駆使して、法執行機関が一切登場しないサラリーマン小説を書き上げています。(<Covid-19>後の世界の中、オンライン授業のあり方にも当然のごとく注目が集まっていますね)
 ゲシュタポと呼ばれる人事、対立する派閥、上司の顔を伺うことでしか生きられない現代の企業戦士たち。就中、忌むべき「保身」のオンパレード。それらのファクターを通して、この国の「現代社会」の或る一面を描こうとする作者のプロフェッショナル・ワークは認められるものの、いつもの<月村了衛>ブランドの中では、少し非力な物語だと思います。「理想」を思い描くそのテーマ性の高さに比して、物語があまりにも整然とスッキリし過ぎているが故に私には伝わらなかったと言わざるを得ません。何故なら、この国のサラリーマンたちはより過酷で、酷薄な「居場所」の中で生かされているが故にこの程度の物語ではファンタジーのように思えてくるからでしょう。
 期せずして、2020/11/9、大分の中学校にて男子生徒が血を流して倒れているのが見つかり、死亡が確認されたという新聞記事を読むことになりました。その記事は生徒が校舎から転落した可能性があることを示唆していますが、果たしてその背景にはどのような事情が、情念が隠れているのでしょう。現実の事件の方がよりミステリアスなのではないかと感じたりもしました。
白日Amazon書評・レビュー:白日より
404109884X

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