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パリ警視庁迷宮捜査班 魅惑の南仏殺人ツアー



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パリ警視庁迷宮捜査班 魅惑の南仏殺人ツアーの評価: 3.67/5点 レビュー 6件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.67pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(3pt)

はみ出し刑事たちのドタバタコメディー

1作目に比べてドタバタ感、各刑事達の団結力というかアットホーム感は増幅しており、とても楽しく読めます。
ただミステリーとしてはまるで読みどころがなく、副タイトルの「魅惑の南仏殺人ツアー」は内容に全く合っていない愚題。ページ数の割に刑事達の人数が多過ぎるのもやや混乱を招く可能性はあり。
ユーモア、喜劇、軽めのミステリーが好きな方は是非どうぞ。
パリ警視庁迷宮捜査班 魅惑の南仏殺人ツアー: 魅惑の南仏殺人ツアー (ハヤカワ・ミステリ 1960)Amazon書評・レビュー:パリ警視庁迷宮捜査班 魅惑の南仏殺人ツアー: 魅惑の南仏殺人ツアー (ハヤカワ・ミステリ 1960)より
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No.2:
(3pt)

エスプリに富んだ軽妙洒脱なフランス「喜劇」映画風です

警察組織になじむわけもない脛に傷を持つ個性豊か、といか破天荒なメンバー(本文中では「みにくいアヒルの子たち」といわれています)が織りなす群像劇。事務所にビリヤード台を設置したり、なぜか世界アイロン選手権に出場するための練習をずっとしてたり、というやりたい放題の警察官たちが大活躍します。この手の「落ちこぼれ突然覚醒系」はもちろん日本、アメリカ、イギリスものはよくありますが、フランスものは初めてでした。

「ハヤカワポケットミステリー」の「ミステリー」部分には予想どおりあまり重きが置かれておらず、「恋愛」「家族」「ドタバタ」「(ちょっとした)アクション」「社会悪」「風刺」「ギャグ」などがちりばめてあります。

残念ながら憧れの南仏プロヴァンスは真冬のため「太陽さんさん、風光明媚、美食、美男美女」ではありませんが、パリの路地裏まで網羅した描写はお見事でした。
パリ警視庁迷宮捜査班 魅惑の南仏殺人ツアー: 魅惑の南仏殺人ツアー (ハヤカワ・ミステリ 1960)Amazon書評・レビュー:パリ警視庁迷宮捜査班 魅惑の南仏殺人ツアー: 魅惑の南仏殺人ツアー (ハヤカワ・ミステリ 1960)より
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No.1:
(3pt)

魅惑の破天荒ツアー、「蛇使いの女」カペスタン

前作「パリ警視庁迷宮捜査班」を読んだのが、2019/5月。次の翻訳を待ち望んでいましたが、2020/5月に「集結 P分署捜査班」(マウリツィオ・デ・ジョバンニ)(イタリア版87分署!)を読んだ時点では、その翻訳が途切れたのかと思っていました。
 「パリ警視庁迷宮捜査班-魅惑の南仏殺人ツアー」(ソフィー・エナフ、早川書房)を読みました。
 パリ司法警察局長・ビュロンから<特別班>リーダー・カペスタンが殺人事件の現場に呼び出されます。何故、<特別班>が呼び出されることになったのか?それは、事件の被害者・リュフュスが、元警視正でありながらカペスタンの別れた夫の父親だったことにありました。しかしながら、組織の厄介者、はみ出し者たちが、よんどころなく集められた<特別班>ですから、本来の捜査部署からは、つまはじきされ、邪魔者扱いされることになります。よって、<特別班>のメンバーたちは、独自のルートから手がかりを求めて捜査を開始します。現場に残された殺人予告のような標識。同時期に起きた南仏プロヴァンスの事件。そして、もうひとつの殺人事件が起こります。<Who-Done-It>と<Why-Done-It>が物語を牽引しますが、特筆すべきはメイン・プロットよりも、はみ出し警部たちの愛すべきキャラクタリゼーション、均等に描かれているかのように見えるそれらのエピソード、いくつかのスラップスティックがあって、今回は2名?のニュー・タイプの警部が加わり、チャーミングな仲間も胸元から顔を出しますよ(笑)
 前回の「パリ警視庁迷宮捜査班」をレビューした時、エド・マクベインを引き合いに出しましたが、少し私の見立ては違っていたようです。本シリーズは、すべての愛すべきメンバーが時々でタッグを組みながら、<特別班>全体として行動していきます。その楽しさを明かしてしまうことは、パズラーの仕掛けを紐解くことと同じことになりますので、あまり書かずに済ませたいと思います(笑)。ポルシェ、魅惑のクリスマス・イブ、押し寄せるフーリガン、立ち上るアイロン・スチーム、そして特別な団欒(笑)。読後、これらが欠かせない映画のTrailerのようにフラッシュします。
 但し、今回はミステリ的興趣については特筆すべきことはありません。何故かユーモアの裏側にある「悲しみ」も浅く(勿論、浅くとも構わないのですが)、パズラーとしてはアベレージだと感じました。「魅惑の南仏殺人ツアー」というサブタイトルもまた、そぐわない。
 とは言え、さり気なく登場するオルセー美術館、「蛇使いの女」(アンリ・ルソー)に触発されて思うことは、アルコール依存症者、ギャンブル依存症者、スピード狂、作家業が本業の片手間警部、元交渉人、サイバー・オタク、ゲイ、「死神」、ダルタニアン、そしてロッククライミング警部たちを操る「蛇使いの女」カペスタンの融通の効いた、愛すべきリーダーぶりにあります。次作も楽しみにしたいと思います。
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