ボンベイのシャーロック
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大部のため、思いの他時間がかかりましたが、「ボンベイのシャーロック "Murder In Old Bombay"」(ネヴ・マーチ ハヤカワ・ミステリ)を読み終えました。インド発のミステリと言えば、最近では、「ブート・バザールの少年探偵」(2021/4月)があり、2020/5月に読んだ「ボンベイ、マラバー・ヒルの未亡人たち」(小学館)は、1920年前後のボンベイを舞台にしたパールシーの物語でした。 そして今回。東インド会社解散後、英国がインドを統治しようとしていた頃、1890年代?主人公のジム・アグニホトリ大尉は、戦線で大怪我をし、その入院中に妻と妹を同時に亡くしたアディの手紙を(新聞紙上で)見つけます。 ボンベイの時計塔から女性二人が転落死し、容疑者が挙がったものの立証できず、結果、自殺と判断されてしまいます。その事件にシンパシーを抱いたジムは、アディを訪ね、その真相を究明すべく、調査に乗り出します。「四つの署名」のシャーロック・ホームズのように。 とは言え、邦題に惑わされがちですが、この物語はシャーロック・ホームズのパスティーシュのようなものではなく、また私はシャーロッキアンではありませんので、細かい点が見える読者ではないことを前提に言えば、邦題タイトルはただの"キャッチ"だと思えます。 パズラーとしては、<Who-Done-It>も<Why-Done-It>も特筆すべき内容のものではありませんでした。 しかし、その美点は、十九世紀末から二十世紀前半のインドのローリング・ストーンのような歴史的背景と風俗がきめ細やかな筆致で描かれており(セポイの反乱、奴隷貿易、藩王国・・・)、パールシー、イスラムなど混在する宗教的背景を丁寧にこの<冒険行>に織り込んでいることにあるのでしょう。 ジムを支えるパールシー、フラムジー家族の「よき考え、よき言葉、よき行いを」が物語全体を支えており、もう一つの物語でもあるジムとアディの妹、ダイアナのロマンスもまた(歯痒いとは言え(笑))、好ましいものでした。 よって、今回の評価は「物語」に対してのものだとご解釈ください。パズラーとしては、★★。 | ||||
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