その少年は語れない
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少し読書を休んでおりましたが、「その少年は語れない "The Quiet Boy"」(ベン・H・ウィンタース ハヤカワ・ミステリ)を読み終えました。ベン・H・ウィンタースと言えば、「地上最後の刑事」(2013/12月)の惑星"衝突"後の地球を舞台にして繰り拡げられる静かな"衝撃"が忘れられませんが、今回の舞台はL.A.。 2008年。少年ウェスが、落下事故により脳手術を受け、感情表現が失われてしまった"The Quiet Boy"として生存しています。弁護士・ジェイ・シェンクは、それが「医療過誤」により引き起こされたことに固執しながら、そのプロセスを法廷で明らかにしようと試みます。 そして、2019年。少年ウェスの父親・リチャードが殺人事件を起こし、起訴されることになりますが、その弁護をジェイ・シェンクが担当することになります。二つの時系列で解き明かされる二つの事件。「医療過誤」の原因は?リチャードは、何故、テリーサ・ピレッジ博士を殺害したのか? 物語のおよそ40%を超えたあたりから、大きな二つの謎に向かってストーリーは動き始めます。メビウスの環のように二つの時系列がよじれながら循環しますので、決してサクサク読めるというわけではありません(笑)。私も思った以上に時間がかかりました。 「医療過誤」に関する(米国の)弁護側のアプローチを知るいい機会でもありましたが、このミステリを型にはまったリーガル・スリラーとして読みすすめてしまうといい意味で裏切られる結果になるかと思います。 弁護士・ジェイとその息子、「探偵」でもあるルーベンの関係性(ルーベンは、確かに"西海岸私立探偵小説"の探偵の心を継承している)を思い、感情を喪失したウェスの母・ベス、父・リチャード、妹・イービーの不確かに見えて、実は確固とした「家族」の絆に思いを寄せる時、この野蛮で過酷な世界で生き抜くために封じ込められたものがこれからの未来に向かって解き放たれたとしても、「善き黄金の時代」が到来するのかどうかなど実はどうでもよいことなのだと思ったりもしました。 静かな秀作として記憶されることでしょう。 | ||||
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