かくて彼女はヘレンとなった



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初公開日(参考)2022年09月
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長編小説

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かくて彼女はヘレンとなった (HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS No. 1)

2022年09月02日 かくて彼女はヘレンとなった (HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS No. 1)

ヘレンが隣家で見つけたガラスパイプは、麻薬密売に関する重要な証拠品だった。もし警察が隣家へ捜査に来てしまったら、バレてしまうかもしれない――かつての罪から逃れるためにヘレンという偽名を名乗っていることが。窮地を脱すべく彼女は策を練るのだが……(「BOOK」データベースより)




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かくて彼女はヘレンとなったの総合評価:9.33/10点レビュー 3件。Bランク


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(8pt)

なかなか読ませる、高齢者ミステリーの新パターン

ヤングアダルト小説をベースに活躍するアメリカの女性作家が73歳で発表した、長編ミステリー。裕福な退職者たちが暮らすシニアタウンで起きた殺人事件の犯人探しと、事件を発見してしまった女性が隠してきた秘密を明らかにするサスペンス・ミステリーである。
住民同士の交流が盛んなシニアタウンに暮らすヘレンが、いつも安否確認のためにメールを交換する隣人・ドムから連絡がなかったため、預かっている合鍵を使って隣家に入ってみると本人の姿が見えなかった。家の中を探し歩いているうちに、ガレージに奇妙なドアがあり、ドムのガレージが別の隣家・コブランド家に繋がっているのに気がついた。好奇心に駆られたヘレンが、いつも住人不在のコブランド家に入るとテーブルの上に美しいガラスパイプがあり、ヘレンは思わず携帯で写真を撮り、姪の子供たちに送信した。ところが、パイプはマリファナ吸引道具であり、麻薬密売に関わる品であることが分かった。当然、警察に通報すべきなのだが、実はヘレンには現在の名前は盗んだもので警察にバレると50年前の事件に関与していたことが明らかになってしまうという秘密があった。窮地を脱するためにヘレンは策を巡らすのだが上手く行かず、次々と難問に直面することになる…。
70代の女性が主役で最近目にすることが多い高齢者ミステリーの一つと言えるが、ヘレンの抱える過去が複雑でインパクトがあり、単なるお婆ちゃん探偵で終わっていないのがいい。作者自身が生きてきた60年代のアメリカの暗黒面と、現在のシニアタウンに暮らす高齢者たちの元気溌剌さが好対照を見せ、フーダニットの面白さと軽やかなユーモア小説の二面性が調和している。
謎解きサスペンスとして、また老人が主役のユーモアミステリーとして、幅広いジャンルのミステリーファンにオススメしたい。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.2:
(5pt)

面白いというよりは興味深い

なかなかページが進みませんでした.文章が読みにくいという訳ではなく,内容がなかなかにきついのです.ただし,そのきついシーンはすべて回想なので,いわゆるえぐい描写ではないのですが,読中感は良くないです.

ミステリとして良いところもあれば悪いところもあるのですが,それを書けばすぐに重要なネタバレになってしまうような作品です.視点がとても興味深かったです.

しかし,最も興味深かったのは1950年代のアメリカの風俗で,玄関に鍵を掛けないのが普通だったとか,訪問して来た人には誰であってもドアを開けるとか,高校の教師をやっているとケアの行き届いた引退者用の街であるサンシティに家を建てられて,車を持って,遊び暮らしていられるだけでなく,マイアミに別荘が持てるとか.一方で,女子高校生がレイプされたらそれはその女子高校生が誘ったからだと親からさえも判断されるとか.
かくて彼女はヘレンとなった (HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS No. 1)Amazon書評・レビュー:かくて彼女はヘレンとなった (HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS No. 1)より
4150019835
No.1:
(5pt)

"シニア・モーメント"がレッド・へリング?

かなり面白い(笑)。
 「かくて彼女はヘレンとなった "Before She Was Helen"」(キャロライン B クーニー ハヤカワ・ミステリ)を一気に読み終えました。
 タイトルから女性視点のかなりドメスティックな心理スリラーを読むことになるのかといささか身構えましたが、最良の意味で違っていました。
 舞台は、サウスカロライナ州のシニアタウン”サンシティ”。主人公は、その小さな袋小路にあるテラスハウスで暮らす七十代の独身女性・クレミー。小柄な彼女は、定年後も非常勤でラテン語を教える教師ですが、近隣住民たちとトランプゲームをしながら気ままに、気楽に暮らしています。(気楽に暮らしているように見えました(笑))
 或る夏の朝、毎日安否確認をしている隣人のドムにショートメールを送り、返信が来なかったことから彼女は預かっている合鍵を使って隣家を覗き込むことになります。果たして、そこから何かが起こり始めます。スリラーですから話せるのはここまでになりますが、クレメンタイン(クレミー)の現在の名前がヘレンであることに気づく時、スリルが、サスペンスが、一人の女性の生涯が幾倍かに膨れ上がります。あとは、坂道を駆け降りるゴルフカート(笑)の勢いで最後までスリリングなストーリーテリングを堪能できると思います。
 <Who-Done-It>とクレミーの過去に纏わるストーリーがこの物語を最後まで牽引するファクターにはなりますが、それ以上に米国の米国らしい土地を生きた一人の女性の「凄み」に心打たれ、ただただこれからも健康で、今までもそうであったように独立した女性として生き抜いてほしいと願うことにもなりました。
 何箇所か、ご都合主義が垣間見えたりもしましたが、私もまたクレミー同様"シニア・モーメント"に悩まされていると考えれば、そんなこと都合よく忘れてしまってもいいことなのだと思います(笑)。
 個人的には、コロンバス、オハイオのこと、アトランタの車線変更が容易ではない片側8車線道路のこと、「社会保障番号」のこと等を語りたがる自分がいますが、ルールに抵触するような気がしますのでこの辺でやめておきます。
かくて彼女はヘレンとなった (HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS No. 1)Amazon書評・レビュー:かくて彼女はヘレンとなった (HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS No. 1)より
4150019835



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