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かくて彼女はヘレンとなった
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かくて彼女はヘレンとなったの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点5.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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なかなかページが進みませんでした.文章が読みにくいという訳ではなく,内容がなかなかにきついのです.ただし,そのきついシーンはすべて回想なので,いわゆるえぐい描写ではないのですが,読中感は良くないです. ミステリとして良いところもあれば悪いところもあるのですが,それを書けばすぐに重要なネタバレになってしまうような作品です.視点がとても興味深かったです. しかし,最も興味深かったのは1950年代のアメリカの風俗で,玄関に鍵を掛けないのが普通だったとか,訪問して来た人には誰であってもドアを開けるとか,高校の教師をやっているとケアの行き届いた引退者用の街であるサンシティに家を建てられて,車を持って,遊び暮らしていられるだけでなく,マイアミに別荘が持てるとか.一方で,女子高校生がレイプされたらそれはその女子高校生が誘ったからだと親からさえも判断されるとか. | ||||
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かなり面白い(笑)。 「かくて彼女はヘレンとなった "Before She Was Helen"」(キャロライン B クーニー ハヤカワ・ミステリ)を一気に読み終えました。 タイトルから女性視点のかなりドメスティックな心理スリラーを読むことになるのかといささか身構えましたが、最良の意味で違っていました。 舞台は、サウスカロライナ州のシニアタウン”サンシティ”。主人公は、その小さな袋小路にあるテラスハウスで暮らす七十代の独身女性・クレミー。小柄な彼女は、定年後も非常勤でラテン語を教える教師ですが、近隣住民たちとトランプゲームをしながら気ままに、気楽に暮らしています。(気楽に暮らしているように見えました(笑)) 或る夏の朝、毎日安否確認をしている隣人のドムにショートメールを送り、返信が来なかったことから彼女は預かっている合鍵を使って隣家を覗き込むことになります。果たして、そこから何かが起こり始めます。スリラーですから話せるのはここまでになりますが、クレメンタイン(クレミー)の現在の名前がヘレンであることに気づく時、スリルが、サスペンスが、一人の女性の生涯が幾倍かに膨れ上がります。あとは、坂道を駆け降りるゴルフカート(笑)の勢いで最後までスリリングなストーリーテリングを堪能できると思います。 <Who-Done-It>とクレミーの過去に纏わるストーリーがこの物語を最後まで牽引するファクターにはなりますが、それ以上に米国の米国らしい土地を生きた一人の女性の「凄み」に心打たれ、ただただこれからも健康で、今までもそうであったように独立した女性として生き抜いてほしいと願うことにもなりました。 何箇所か、ご都合主義が垣間見えたりもしましたが、私もまたクレミー同様"シニア・モーメント"に悩まされていると考えれば、そんなこと都合よく忘れてしまってもいいことなのだと思います(笑)。 個人的には、コロンバス、オハイオのこと、アトランタの車線変更が容易ではない片側8車線道路のこと、「社会保障番号」のこと等を語りたがる自分がいますが、ルールに抵触するような気がしますのでこの辺でやめておきます。 | ||||
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