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(短編集)
まどろみ消去
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まどろみ消去の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.61pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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当時森博嗣は人気絶頂だっただけに、書けば売れる、出せば売れるという状態だったのでしょう。ブームに乗せられ、目先の売上に目が眩んで品質をないがしろにした出版社と作者による共犯の上に生み出されたのが本作のような駄作集。 本作は推理小説というよりは文章や視点といったちょっと変わった点にトリックが仕掛けられたミステリ風味の短編集ですが、一読しただけでは著者の意図や思惑が理解できず、しかしながらベースとなる物語自体に魅力がないために読み返すのも気が滅入るというどうしようもなくクオリティの低い作品です。 オチがないのがオチ的なメタ作品まで混じっているとあってはもう読む気も失せてしまいます。 森博嗣が大好きで森博嗣の書いた一言一句については裏の裏まで分析しないと気が済まない、といった同人的ノリで読める人であれば楽しめるのかもしれませんが、間違っても一般商業ベースにのせられるべき作品ではありません。 こうして求められるがまま、完成度の低いままとにかく物量作戦で世の中に送り出してしまった結果、森博嗣は未だに代表作が『すべてがFになる』であり続けているのでしょうね。 | ||||
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純然たるミステリ―と言えるのは「誰もいなくなった」だけであり、ふわふわとした雰囲気の幻想小説のような趣きの作品が多い。大学での研究生活や先生の思い出を綴った作品も含まれている。個人的なお勧めは、「悩める刑事」。「誰もいなくなった」は犀川&西之園コンビが登場、「ミステリィ対戦の前夜」は西之園が登場。 「虚空の黙禱者」 五年前に夫が失踪したミドリ。夫は寺の住職殺害の重要参考人。寺を引き継いで、住職となった和史。 和史はミドリにプロポーズするが、ミドリは保留のまま静岡に引越しする。故郷に帰郷したミドリは和史のプロポーズに応じるが、お互いに隠し事をしていたことが判明する。 『どんな汚いものも、時間が綺麗にしてくれる』という結末。 「純白の女」 田舎の保養地に静養のためにやってきた女。作家の夫は出版社の担当者を殺害。女はその担当者の弟の面倒をみる。その弟が保養地にやってきたので、泊めてやることになるのだが……。 信頼できない語り手による不条理な真相。 「彼女の迷宮」 作家の夫が海外出張中に、勝手にその代筆をした妻。物語は解決不能の迷宮に陥り、妻に真意を問い質す夫。妻は意外な解決方法を示す。 「真夜中の悲鳴」 博士論文のために大学に泊まり込みで実験を続ける大学院生のスピカ。測定中にノイズが見つかり、発生源と思われる地下室を調べに行くと、サスペンスフルな展開へ。「石阪効果」なるものは実在しない模様。 「やさしい恋人」 スバル氏というペンネームの人物と大阪で会い、名古屋に一緒に戻って下宿に泊まらせる話が、喋り口調で綴られる。最後の1行で読者は勘違いしていたことに気づく。作者の作家としての本音も垣間見える。 「ミステリィ対戦の前夜」 西之園モエがミステリィ研究会の合宿に参加し、部長の密室殺人に遭遇する話だが……。 「読者が探偵で、読者が犯人」という真相。 「誰もいなくなった」 ミステリィ研究会主催のミステリィツアーの最中に、閉鎖空間の広場で踊っていた三十人のインディアンが消失するという魅力的な謎が提示される。解決はやや安易だし、そんな短時間で○○することが可能なのかと疑問には感じるが、焚火をしたことには意味があった。 「何をするためにきたのか」 主人公フガク、その友人のワタル、教授の予告通りに知り合ったフミエ、フミエの予告通りに現れた坊主のゲンジの4人で空地の地下室を探検する話。 ふわふわとした幻想的な進行の中で、人生に対する哲学的な思索、問いかけが示されている。 「悩める刑事」 仕事が自分に合っていないことを悩む夫。夫が悩んでいることに気づき、自分の仕事が配置転換になったことを告げるのに躊躇する妻。 なるほど、そういうことだったのか。見事に騙された。 「心の法則」 登場人物は、精神科医を目指す「私」こと板橋、「心の法則」という理論を論じるモビカ氏、その姉の三人。「心の法則」によって、「私」が葬り去られるという不条理な話。 「キシマ先生の静かな生活」 キシマ先生という、典型的学者肌の変人ではあるが味わいのある人物の思い出が綴られている。 | ||||
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森氏の97年にリリースされた初の短編集である。 当時S&Mシリーズの最中にポンと出たので、犀川先生や西之園 萌絵が登場する短編推理集かと誰もが思うわけだが、そうはなっていない。 一番のメインとなる誰もいなくなったには犀川先生や西之園 萌絵が登場するいわゆる短編推理なのだが、他も一編だけ楽屋落ちのような話で西之園 萌絵が登場する他は特にS&Mシリーズとは関係のない話となっている。 ミステリイ短編集と銘打っているが、ほぼ9割はミステリーというよりは小話のようなテイストである。決してS&Mシリーズのテイストの短いバージョンを期待してはいけない。あくまで別の趣向として位置づけられている。どう落ちているのかさっぱり分からないような話もある。 森氏の長編も本来なら短編くらいで使うようなトリック一つだけで長々と400ページくらいやっているものが殆どであるので、収録作の誰もいなくなったくらいのボリュームでまとめてもらった方が本来の姿のような気がする。 監視下での屋上からの30人の突然の消失!と壮大な不可能状況だが、トリック自体はなんてことのないもの。まあ、森氏は長編でもトリック自体はいつも他愛ないものばかりなので短編でもそういう感じなのだが、長々とひっぱらないだけ短編の方が印象は良い。 | ||||
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森博嗣は長編になればなるほど良い作品を書くような気がします。 でも短編はダメですね。 実際に読んだのは1年以上前ですが、ぼんやりとしか記憶に残っていません。 ほとんどの作家の場合は、まず短編を読んでみてよ、と人にオススメするのですが、森博嗣に関して言えばいきなり長編読むことをオススメします。 | ||||
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ミステリアスな印象を抱く11の話から構成される短篇集です。S&Mシリーズの作品が2つ収録されており、それぞれ限られたページ数の中で、1つの物語として良い意味での裏切りをもたらしてくれます。 「学問には王道しかない」 | ||||
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森さんの短編はシリーズ物とかなり雰囲気が異なり、詩的というか、文学的というか、 一度読んだだけではわかりにくいところがあります。ことば遊びのような作品があったり、実験的なものだったり。私的にはちょっとにがてです。 | ||||
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森先生といえば研究者としても作家としてもとても尊敬する方のひとり.彼の大学,研究に対する独自の視点も,好感が持てる. 森ミステリィといえばやはり真賀田四季博士と犀川先生なんだけど,僕はこの短編集『まどろみ消去』を推したい.森先生自身も「たぶん、これが一番、森らしい作品です」とおっしゃっている. 特に素晴らしいのが『キシマ先生の静かな生活』.キシマ先生の学問への徹底した傾倒に凄い.研究者というものを突き詰めた究極の姿だろう.僕でもあそこまでは研究を愛せない.愛したいのに,愛せない.研究者のあるべき姿として,心にとめておきたいのだ. | ||||
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1日1編、気楽に読もうかと思いましたが、甘かったです。 気楽にいけたのは『ミステリィ対戦の前夜』『誰もいなくなった』くらいで、 他の物は「ああ・・なるほど。」「あれ?あそこどうだったっけ?」みたいに、読後もいろいろと考えさせられてしまいます。 その、考えさせられるのが不快なわけではなく、 僕はそこがとても楽しめました。 『彼女の迷宮』『やさしい恋人へ僕から』『悩める刑事』 がオススメ。 | ||||
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ミステリ的なオチは微妙だし、短編集なので別に続きが気になるわけじゃないから、途中で読むのやめようかとも思ったし、随所で見られる数学的な笑いは僕が数学不得手だからどこがおもしろいのか分からないし、とにかくもうなんだだこの森なんとか(漢字読めない)って作家は!って憤慨したんですけれども、文体だけは好きになれたし、何より読みやすいのが好印象だったので、とりあえずこの作家の評判の良さも兼ね備えたデビュー作「すべてがFになる」を読んでみようと思います。('-,_ω-`)プッ | ||||
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前編書き下ろし(!)短編集。 読んでいて面白いは面白いし、気楽に読める作品なのではないか。 何ヶ月かたつとほとんど忘れるけど。 | ||||
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薄っぺらいキャラクター描写、自己陶酔した変な文体、面白くも何ともない謎解き。どこが面白いのか教えてほしい。 | ||||
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1997年リリース。森博嗣第一短編集。短編集は書き手のこれから試みたいと思っている世界のラボラトリーの要素を秘めている。森博嗣の場合はその傾向が特に顕著に感じられる、というか試技実験と彼の持つファクターが一挙に体感できる。読んで最初に感じたこと、それは森博嗣とは実は小鳥遊練無である、というものだった。根本的な性格は小鳥遊練無なのである。彼が短編集を書いていると考えるとこの第一短編集のイメージが容易に構築できるのでは、と思う。(●^o^●)いずれも傑作ぞろいだが僕が一番気に入ったのは『やさしい恋人へ僕から』である。ここに登場する『スバル氏』はおそらくは奥様のささきすばる氏のことだろう。氏は第二短編集『地球儀のスライス』では挿し絵も担当されている。それ以外にもS&Mシリーズの『誰もいなくなった』の最後の部分など実に見事で一人ニヤニヤしてしまう・・・・。オススメの傑作である。 | ||||
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初めて読んだ森作品です。とりあえず、最初に思ったのは、「こんなのもありなのか」。 どれもこれもそうですが、特に純白の女。詩的な文体で進行していく話は、私には思いもよらないというか、こういう小説もありなのかというラストを迎えます。 やさしい恋人へ僕からの、話しかけるような文体も魅力的で、最後でにやりとさせられます。 ミステリーなのかそうでないのか、ミステリーの定義はなんなのか、初めて読んでから3年ほどが経つ今でも、著者の意図したことが全てはわかっていないかもしれない。また、新しい発見があるかもしれない、宝箱のような本です。 | ||||
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文章によってしか作れないメカ。森氏の短編にはそんな印象を与えるものがあります。熟練工の手になるこの精密機械は、きっと、今の自分では感知不能な部分のネジ一つひとつまできっちり締められている……。読めばきっとそんな畏怖を感じるはず。絵も音もない文章でしかできない、そしてだからこそ有意な技巧。それを森氏は見せてくれます。そして、その対極にあるはずなのに、しかし同時に実現し得ている、豊かな詩的世界観。ポエジィに読者はまどろみ、メランコリィのうちに何かが消去され、やがて覚醒してディスカバリィの時が訪れる…。この短編集は、森氏の小説の入門編として最適です。(私のお気に入りは『キシマ先生の静かな生活』)いざ 夢のつづき☆ | ||||
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森博嗣の今までのイメージとはまた違った雰囲気に仕上がっています。特にオススメなのは・・・、・ミステリィ対戦の前夜・誰もいなくなったの2作品です。この2作品にはS&Mシリーズの萌絵、「誰もいなくなった」には犀川が登場します。今までの森ミステリーとは違った形のミステリー(では無い気もしますが・・・)をぜひ一度お読み下さい。 | ||||
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ミステリというと抵抗がありますが軽いタッチのクライムノベルです理系ミステリでもないですね | ||||
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これまでにも幾度か森氏の本を読んだ。もちろん、森氏の作品を非常に気に入っていたためであるが、この短編集は私の頭の中にある森氏の枠を軽く飛び越えてしまった。テンポ良く読める作品の数々。独特の言い回し。そして、ついニヤリとしてしまうラスト。まさに森氏のテイストをふんだんに盛り込んだフルコースである。これを読まずして森氏の作品は語れない。 | ||||
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この作品は、森作品を(シリーズ物だけ)かなり読んだあとに買って、読んだのですが、シリーズ物とはまた違った雰囲気を醸し出している作品集ですね。ひとつひとつの世界観がとてもすばらしく、独特の世界が作り出されている感じでとてもステキですよ。ぜひ、読んでみてください。きっと森先生の世界にどっぷりとハマってしまいますよ! | ||||
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