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氷点
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【この小説が収録されている参考書籍】
氷点の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.47pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全157件 101~120 6/8ページ
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人間の存在とその関わりは、多くの不幸を含んでいる。 しかし、それでも生きるのはなぜか。どう生きたらよいのか。 物語を通じて、落ちついた口調で語られていくように思う。 印象に残った言葉、 “一生を終えてのちに残るのは、われわれが集めたものではなくて、われわれが与えたものである” | ||||
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なんどもテレビドラマ化されている原作ですが 映像作品はいずれも未視聴です。 面白いです。 意外にも、文壇での評価は“通俗的”ということで 低いということですが、逆にその通俗性が古さを感じさせず 『読ませる』力となっていると思います。 小説の冒頭、いきなり人妻に魅了された若い医師のシーンで がっちり心をつかまされます。 他のレビュアの方が、『昼メロ』と書いてますが まさに設定からすると、そんな感じ。 時系列的には、むしろこの氷点を参考にしたのかと思うくらい “俗っぽくてキャッチーな状況”が、冒頭のシーンのみならず どんどん続きます。 一般的にいって、“そんな偶然ねぇだろ!”っていうシチュエーションと そこに対峙する登場人物の“通俗的”な欲望と苦悩でぐいぐい引き込みます。 そこら辺が、純文学と違って文壇に嫌われる所以かもしれません。 この作品、作者がクリスチャンだったり 40年以上も昔の作品ということもあって、 なんとなく難しそうで読むのに億劫でしたが 上記のような理由で読み始めると、どんどん楽しく読めました。 娯楽小説としての読ませる力と、クリスチャンらしい作者の 深いテーマが両立する、素晴らしい作品です。 この小説は、懸賞小説でもともとはこの作品で完結と考えていたようですが 新聞小説で人気となり『続・氷点』を執筆したそうです。 ただ、本書を読んだ方は『続・氷点』もオススメしますし、両作品をもって 完結と考えたほうがよいと思います。 | ||||
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ヒロインの描写が抽象的で、また、あまりにも美化しすぎでリアリティーがありません。また、視点が定まらない物語で、少し苛々してしまいます。感動的に描こうとする姿勢は感じられますが、宗教の匂いが強くて、文に理論性が感じられずあまりに情緒的で、頷けないです。 | ||||
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確かに優れた作品ですが、善人、悪人を極端に書き分けている感想を持ってしまうので、頷けない部分を少なからず感じます。宗教色が鼻につき、なじめないのです。果たして、ここに出てくるようなヒロインのような方が現実に存在するとは思えません。読ませる作品ですが、理想論が鼻につき、現実離れ観の否めない佳作です。 | ||||
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ヒロインの陽子は殺人者の娘であるという思い込みから、自分自身にその血が流れ罪で汚れているという解釈(旧約聖書においてアダムとイブが神の掟に背いた事から、その子孫である全人間は、この世に生誕した時よりその罪を負っているという元々の意味)により自責の念に陥るが、陽子には全く罪は無い。妬み、嫉妬、嫌がらせ、悪口、人の悪を思う、嫌味等、そういうものが、根本的・基本的な罪である様に思います。 | ||||
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大ベストセラー作。下巻まで一気に読みました。ヒロイン陽子は清廉潔白でありますが、養母である夏枝は市井によく居るような方だと思います。続きのレビューは下巻にて。 | ||||
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ギラギラするように娯楽的で、昼メロ的、そして 人間の内面の複雑さに対する鋭い洞察が感じられる作品です。 作品は、啓造、夏江という医者と美しい妻の一見幸福で、そして 欺瞞に満ちた家庭を舞台にしています。 物語は夏江の浮気とも呼べないような小さな浮気から始まります。 この出来事を起点として、この二人は、誤解しあい、心ならずも 共同して継子いじめを行ってしまうのです。 啓造は、夏枝を愛しながら憎み、何度も何度も哀れに思い、 許さなければと思い、そして許せないと思い返します。夏江は 内省的な面を持たない愚かしい母親ではありますが、その愚かさは、 母親らしい盲目的な愛に基づく人間的な愚かさなのです。 この普通の人々がもつ普通の人間の自己愛、わかりあえなさこそが 「原罪」であり、この作品のテーマなのかと思います。 他の三浦綾子作品にくらべて、ずっと大衆的であり、 信仰、北国の叙情、中産家庭上流の暮らしぶりのすべてが 協調的にはたらいて、この一見ドロドロと汚い物語を 美しいものにしているように感じられました。 ただ、ほかの方も書かれているように最後のあたりの陽子の 心情は、唐突で、ちょっとわからない感じでした。 原罪がテーマというならば、すべてにおいてイノセントな 陽子の中にも誰かを殺したいほどの憎しみが生まれて・・・とか、 そういう展開のほうがわかりやすいですね。 | ||||
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登場人物の心がころころと変わる上に、心情描写が上手いとはとても思えない。素人が書いたものだからと思って読みましたが、なぜ評価が高いのか不思議。 | ||||
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なんか下巻に入ってからの昼メロ的ドラマ展開にウンザリしました 私がクリスチャンでないからなのか?ラストもいまいちよく理解できなかったです | ||||
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陽子のただひたすら前向きな姿が心を締め付けます。 人の持つ原罪を、性悪説を初めて真剣に考えるきっかけとなった作品で す。 続編があってよかった。 無ければタイトル通りの哀しいだけの作品だったのかと。。。 | ||||
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登場人物それぞれの心理描写が適切かつ巧みであり、それぞれのシーンで共感しながら読むことができた。 ルリ子を殺した犯人の娘が陽子だと知った夏江が、果たしてそれでも陽子を愛さなければならないのか、そしてそんなこと人間にできるのか。長い長い生物の自然淘汰によって憎しみや怒りを持たない個体は淘汰されているわけなので、啓造の理想とする「汝の敵を愛せよ」を実行できる人間なんて存在しないのではないか。 もしそんなことできる人間がいたとしたら、その人はただ心の奥底に無理やり憎しみを閉じ込めているだけなのではないだろうか。 そして本書では人間は完璧ではないからこそ生まれながらに罪深い生き物なのだとも書かれている。確かにそうなのかもしれない。 陽子は自分が犯罪者の娘であることに耐えられずに死を選んだ。 このように人間は自分が完ぺきな人間であることを望むばかりに、ついつい自分の欠点については認められなかったりまた過剰な劣等感にさいなまれたりしてしまうものである。 そういった欠点も含めて自分は一人の人間なんだと自覚して生きていくことが大切だと再認識させられた。 | ||||
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大学の図書館でなんとなく文庫・新書コーナーを歩いていたときに発見して借りた。 たしか高校時代、国語の先生が好きな本(?)としてあげていた作品であるとそのとき思い、どんな本なのか興味を持ったからである。 とても昔の作品であるが読みやすく、5日で2冊読み終わってしまった。 登場人物の多くが、陽子に対する自分の振る舞いを正当化するので、中盤は誰を軸にこの物語を読みすすめればいいのかわからなかったが、とてもおもしろく、こういう昔の小説もまた読んでみようと思うようになった。 とにかく夏枝は自己中すぎると思った。 とりあえず続・氷点も大学で借りなくてはw | ||||
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昭和39〜40年に新聞連載された小説で、「人間の原罪」をテーマとした作品です。 何の罪もない主人公は、自分の生い立ちから自分の罪の可能性を感じてしまいます。 人の良心と残虐性を丹念に描いています。 どんな人間にも心の弱さがあって、その弱さが悲劇を招いてしまうのでしょうか。 発表から半世紀近く経っていますが、色褪せることのない名作だと思います。 | ||||
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昭和39〜40年に新聞連載された小説で、「人間の原罪」をテーマとした作品です。 何の罪もない主人公は、自分の生い立ちから自分の罪の可能性を感じてしまいます。 登場人物の良心と残虐性を丹念に描いています。 どんな人間にも心の弱さがあって、その弱さが悲劇を招いてしまうのでしょうか。 発表から半世紀近く経っていますが、色褪せることのない、読むべき名作だと思います。 | ||||
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最近、大映製作の映画の氷点がTV放送されたので、読み返しました。 キリスト教における、原罪、汝の敵を愛せよ、が主題の小説です。 若く美しい、病院長夫人が夫の留守中に、彼女に想いを寄せる青年医師と会っている最中、愛娘が誘拐され殺されてしまう悲劇がストーリーの発端です。 娘を亡くして嘆き悲しむ妻に、妻への復讐心を込めて、犯人の娘を自分の養女に引きとる夫。 そうとは知らずに、養女の陽子を溺愛する妻。真実を知ってからの、陽子への氷のような視線と残酷な振る舞いが怖ろしい。 氷点とは、見事な題名をつけたものだと、改めて気付かされます。 TVドラマや映画で、美しくけなげなヒロインの陽子役を演じた女優達は、後に人気女優になりました。内藤洋子(喜多嶋舞の母)、島田陽子、安田道代(大楠道代)達です。 冬の旭川の描写も美しく、人間がどうしても乗り越えられない業や憎悪や欲望についても、考えさせられる名作だと思います。 | ||||
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啓造が夏枝への復習のためにルリ子を殺した左石の娘、陽子を養女として引き取った、そして夏枝が陽子が7つの時に事実を知って陽子に冷たくなる。その後、兄の徹は陽子の出生の秘密を知って恋心を抱くようになる。これだけの話に700ページは長過ぎ。この話の舞台が終戦直後から昭和40年辺りまでだから啓造と高木医師や病院の医師達との会話には一々ドイツ語らしい(ドイツ語のつもり)単語が入ってくる。今こんな会話をする医師はいないから時代の違いを感じたな。今ではドイツ語の代わりに英語が入るけどこれは面白い。日本語で言うと分かりにくくなるから仕方ないが日本の医師の本質は変わっていない。 | ||||
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15歳の頃に初めて読んで、当時の私に大きな影響を与えた小説です。自分も愛されている存在、ゆるされている存在なのだと思いました。 真実な生き方とはどんな生き方か、考えさせられる本です。 | ||||
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いつまでも若いままでいたい、年を実感したくないって気持ちはすげーわかる 母性って言うのはやっぱり腹を痛めた子でないと感じられないのか。 心情描写が細かくて人間の残虐性や弱さもよくあらわれていた。 人間ドラマで魅せる傑作です。 76/100点 | ||||
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この作品で一番感動したのは陽子の健気な生き様でした。背景は省略しますが、養母である夏枝からいじめを受けながらも明るく前向きに生きようとする姿には目を離せませんでした。陽子のいじらしく健康的な姿勢にはこの本のやや暗い背景も忘れさせて新鮮な感動を与えてくれます。このように強く気高く生きることのできる陽子を非常に愛しく思いました。 義理の兄である徹との心の交流もさわやかな印象を与えてくれます。 最後に陽子はある理由から自殺を図りますが、続・氷点ではその試練を乗り越えていく様子が描かれています。 陽子の生き様には人を恨まず、強く生きるということの大切さを教えてもらいました。 | ||||
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この本が書かれたのは60年代とのことです。その時代の古さを感じさせないほどの巧みな筆致ですんなり読み進むことができました。この本のテーマはキリスト教の原罪ということです。その重いテーマの通りに様々な事情を抱えた登場人物たちが愛憎劇を繰り広げます。 その心理描写も作者の三浦綾子氏の女性らしい繊細な視点からなされていて見事だと思います。特に幼い陽子の心理描写に目を離せませんでした。陽子が自分の出生の秘密を知ったり、母親の冷たい仕打ちに遭って心を揺り動かされる様には目を離せませんでした。陽子の将来についてはまた続編で詳細に語られることになります。 また本作品の舞台となっている旭川の自然の描写もみずみずしい感動を与えてくれます。 テーマの重さは別にして非常に読みやすく、面白い作品です。 | ||||
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