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(短編集)
亜愛一郎の狼狽
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亜愛一郎の狼狽の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全35件 21~35 2/2ページ
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本業は紋章上絵師だが、奇術の腕前はプロ並み、そして小説家という 泡坂妻夫氏。もう新作を読めないのかと思うと本当に残念ですが、 こうやってKindle版で読み直す機会が与えられたのはうれしい限りです。 泡坂氏の小説はとにかくどれも、言葉の魔術師、と呼ぶにふさわしい 小説ばかりで、この人ほど言葉の隅々にまできめ細やかな配慮をする 小説家はそれほどたくさんいない。その上、亜愛一郎シリーズのような ユーモアミステリーも特級品で、文庫本はページがばらけてしまうまで 読んだものです。Kindle版ならいつでも読めるし、ページがばらけて しまう心配もない。一人でも多くの人に味わってほしい小説です。 | ||||
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八件の事件を見事名探偵亜愛一郎が解決します。 登場の仕方は全てすこし間抜けな感じで探偵とは思えない程のかっこ悪さ。 しかし推理となっても自ら出しゃばらず周囲から突かれて申し訳なさそうに見事に解決する様が面白い。 又叙述トリックが冴えわたり、なるほどと唸らせるトリックです。 作者が奇術師の為か発想が独特な印象を持ちました。 | ||||
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高校時代に読んだ本、すーっと面白かったのを 覚えてて、又アマゾンで発見し、買っちゃいました。 すごーくおもしろい。傑作だと思います | ||||
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目ん玉が飛び出るほど巧妙な伏線。脳ミソがひっくり返るような奇抜なトリック。奇矯な舞台設定に楽しい人物キャラ。それらを、甘いユーモアのジャムやクリームを合わせて一つにデコレーションした、まるで極上のスイーツのような連作短編集。収録作がどれも傑作でハズレなし。ユーモアと驚愕でお腹も脳ミソも飛び跳ねる。『掌上の黄金仮面』は、逆転の発想という概念を、小説の形に具現化したような作品。『掘出された童話』は、暗号ものを面白いと思ったことがない私を、夢中にさせた暗号ものの傑作。『黒い霧』は、パイ投げドタバタコメディに大笑いしてると、ちゃ〜と巧妙な謎解きに連れて行かれ唸らされる代物。『DL2号機事件』は、日常的な人間の行動のなかに驚くべき狂気を発見する、最後はちょっとブラックでもある怪作…。語り出したらどの作品も凄くて、いくらスペースがあっても書き足りないくらい。とにかくオススメです。とにかく傑作です。とにかく極上の職人技! 日本の短編推理小説集のベスト1です! | ||||
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著者が「幻影城」誌上で新人として「DL2号機事件」でデビューしたとき、そのつかみどころのない作風に唖然としたことを、昨日のことのように覚えている。 私は当時、大学生だったが、まだミステリのマニアとしてはその玄関に立った程度のものだった。 しかし、それでも、著者の作品のミステリ度の高さ、論理の飛躍、そしてなにより徹底的なロジックの展開にしびれたものだった。 その第一回新人賞の、入賞と佳作の受賞者の中では、やはりピカ一の存在だった。 入賞者の村岡某の作品なんて、まったく眼じゃなかった。 だから、著者がすぐに亜シリーズの短編作品を同誌上に掲載し、さらには「11枚のとらんぷ」なる長編作品を刊行したことに喜んだものだった。 その後の著者の活躍は、周知のことである。 その著者の、「幻影城」に掲載された亜シリーズの初期の作品が、本書に収載されている。 本シリーズも後半になると、掲載誌が「野性時代」になったり、著者の創作志向が「湖底のまつり」以降、かなり文学的になったせいもあって、かなりゆるいものになる。 しかし、初期の作品では、もちろんそんなことはない。 ユーモアの皮を被ってはいるが、ガチガチの本格ミステリである。 バラエティに富んだ作品群なので、ひとそれぞれに期すな作品があるだろう。 私は、非常にヴィジュアルな「掌上の黄金仮面」が一押しだ。 不可能興味満点な「右腕山上空」もいい。 とにかくこの一冊、読んで損はない。 短編のガチミステリのお手本としても、十分なものである。 | ||||
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ユーモラスにしてトリッキー、奇怪な好奇心と遊び心に満ちた連作短編集です。奇術師としても知られた泡坂先生の作品はミステリ=推理小説 としての側面もさることながら、ミステリ=ワクワクするような謎という側面がとても前面に出てるのが特徴だ。 本書にはデビュー作となる「DL2号機事件」を始め、色彩豊かな独特の世界観がタップリ。その独立独歩の世界観を文字通り狼狽する探偵役の 亜愛一郎(あ あいいちろう)は誰にも愛されるナイスガイだ。 全部面白いけど、個人的に「掌上の黄金仮面」は尋常じゃないなぁ。。理屈じゃないフィーリングで、ただただ素直に純粋に愉しんでみて! | ||||
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チェスタトン張りの逆説、丁寧な伏線、魅力的な探偵、達者な文章、意外な結末、日本の推理小説も捨てた物じゃないと思わせて来くれる良作。読むべし!! 日本の探偵の中でいの一番に来るようにと命名された「亜愛一郎」シリーズの記念すべき第1作。作者の意図通り、日本で一番魅力的で、日本で一番頭の切れる探偵であろう。 お奨め作品は「G線上の鼬」と「掘出された童話」。 「G線上の鼬」は日本史上最高の密室物(これを短編に惜しげもなく使うというのが凄い)と言って良く、読んだ時思わず膝を叩いてしまった。 「掘出された童話」は、最初に長々と脳天気な童話が掲載されていることから暗号物と分かる作品である。と言ってまず解読した人はいないと思うが、半ばまでは大抵の人は到達できる筈。作品の中で亜愛一郎が「そこからが大変」と言っている様にそれからが難しいのだが、幾つかの手がかりは用意されており、解読の道程は納得出来る物だ。 その解読された内容の(暗号文たる童話は脳天気であるだけに)に、大抵の人はぞっとするはず。暗号物として、日本史上屈指の傑作。 | ||||
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二枚目だがドジでかっこわるく、しかし推理力は抜群という探偵が主人公。 亜という苗字もしだいに違和感がなくなって、むしろ魅力的に思えてくる。 これ、ジャニーズの人が主演すればぴったりじゃないかと思う。 | ||||
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◇「掘出された童話」 偏屈で知られる会社社長・池本銃吉が、76歳になった時、喜寿の祝 ならぬ「詫寿の祝」をするということで、盛大なパーティが開かれた。 そこで、引出物として配られたのが、池本が自費出版した童話。 その童話は、辛うじて文章として成立しているものの、意味不明な上、誤字まであり、 編集者がそれを訂正して印刷すると、元の原稿に戻して刷り直せ、とまでいう始末。 なぜ池本は、そこまでその童話にこだわるのか? 《暗号ミステリ》の傑作。 暗号作成者の性格や過去の職業から、亜は見事に暗号を解読してみせます。 《暗号ミステリ》という理知的な物語に、超自然的要素を巧みに 絡ませ、読者を最後まで惹きつける作者の手際は流石です。 | ||||
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◆第一話「DL2号機事件」 爆破予告された飛行機に、あえて乗る男の真意は? 「常識」に安住することの危うさ。 「常識」が非常識に反転する構造が描かれます。 ◆第四話「掌上の黄金仮面」 巨大弥勒菩薩像の手の上に立つ怪人―。 乱歩テイスト溢れる舞台設定は、 決してこけおどしではありません。 この状況だからこそ犯行に至ってしまった犯人の 心理の形成過程が無理なく説得的に描かれています。 ◆第五話「G線上の鼬」 市道G号線で、タクシー強盗が殺害された事件。 強盗を「鼬みたいに陰険〜」と表現したタクシー運転手。 なぜ「狐みたいに」ではないのか? 不可解にみえて、実は単純な 人間心理の機微が暴かれる、集中の白眉。 ◆第七話「ホロボの神」 戦時中、南アジアの小島ホロボで原住民の 酋長が日本兵の拳銃を使って自殺した。 しかし、はたして彼らに「自殺」という概念があるのか? 異なる文明の邂逅によって生み出される密室状況と、 犯人の犯行動機の設定の見事さに舌を巻きます。 ◆第八話「黒い霧」 早朝の商店街にばら撒かれた大量のカーボン。 スケールの大きなトリックの必然性が説得的に解明されると 同時に、亜によって、見事な犯人限定の論理が展開されます。 冒頭と結末が美しく円環を結ぶかのように収束する佳編。 | ||||
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日本の探偵名鑑の最初に名前が載る(50音順)男、亜愛一郎のキャラクター が抜群に良いです。見た目と中身のギャップの大きさは、京極夏彦が描く榎津 に勝るとも劣らないものです。 本書は、キャラクターに負けないくらい謎解きが面白いので、是非読んでみて 下さい。笑いどころもたくさんあります。 どの作品もかなり良いのでお勧めを挙げるのは難しいですが、「掌上の黄金仮面」 「黒い霧」が気に入りました。 | ||||
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探偵役が、出てきた事実のなかから、事件の真相を推理する。 そんな正当な推理小説が短編で8つ載っています。 文章が美しく、出来事には無理がなく、「なるほど、これが伏線だったんだ!」とどのお話でも感心させられました。 「このトリックを短編で使っちゃうなんて贅沢」と思う面白さでした。 私が一番面白かったのは気球を使った殺人事件のトリックでした。 でも、どれも甲乙つけがたいです。 続きものではありませんので、気に入ったところから拾い読みも出来、気軽に読むことができる本です。 こんな、面白い本があるなんて知らなかったので読めてうれしいです。 | ||||
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図書館を利用して借りたがあまりに面白いので買ってしまった。やっぱり主人公が魅力的である。また他のキャラクターもしっかりと性格が書かれているので、短編集といえども愛すべき登場人物が満載だ。トリックの方はメンタル面から攻めるものが多いが、パズルのように細かな仕掛けが綺麗に組みあわさる推理は見事。笑いどころも充分だ。本著では「掘出された童話」が特に気に入った。文字通りトリッキーな一冊。棚にそろえて損はない。 | ||||
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気弱なカメラマンだが事件が起こればたちまちにして解決してしまう、謎の青年・亜愛一郎(ア・アイイチロウ)。虫だの珍しい雲だのばかり撮っている地味地味カメラマンだが、カメラマンのくせにファッションは常にパリッとした一流品で恐ろしく美形。そして格闘になれば何故かバカ強く、一体どこの誰なのかもわからない。そんな彼が活躍する短編集の第一弾。魅力的なキャラクターだが残念なことにこの「狼狽」、「転倒」そして最終作「逃亡」の三部作で終了。「逃亡」最後では愛一郎は実は○○の××だったことが明かされ、遂には△△に・・・(書けないのが残念です!)。う~ん、こんな終わり方をするシリーズは多分世界でも唯一でしょう。マジックにも詳しい作者の見事なトリックに脱帽。地味㡊¨!いうべきかシンプルというべきか、私にはどれも十分満足できる短編だった。 | ||||
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著者の亜愛一郎シリーズはどれも丁寧な謎の提出と明快な解明とを兼ね備えているので、その点で決して裏切られることがない良編ぞろいである。 もっとも、もう少し本格の骨子以外の部分に深みが欲しいというのは、贅沢すぎる注文だろうか。 | ||||
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