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笑う死体: マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ



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【この小説が収録されている参考書籍】
笑う死体 マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ (新潮文庫)

笑う死体: マンチェスター市警 エイダン・ウェイツの評価: 4.63/5点 レビュー 8件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.62pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(5pt)

とても綺麗ですね

有難うございます。
予定の日に届きました。
思っていた以上に綺麗で、これから読むのが楽しみです。
笑う死体 マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:笑う死体 マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ (新潮文庫)より
4102401520
No.6:
(5pt)

久しぶりに面白い個性に出合いました。

本書の著者ジュセフ・ノックスの紹介は素っ気ない。
 「英国のストークとマンチェスター周辺で生まれ育ち、書店やバーで働く。ロンドンに移って執筆活動を開始し、『堕落刑事』で作家デビュー、一躍注目を集める。シリーズ第2弾『笑う死体』も好評を博し・・・云々」とのこと。
 評者はあえて第2弾の『笑う死体』から読むことにした。
 なぜなら話題になった二作目でその作家の才能を伺うことができるからです。
 評者の癖として巻末の解説からまず読み始める。
 杉江松恋氏の解説で本書の主人公エイダン・ウェイツのことを多少前知識として知っていたから助かった。
 評者は、第一作の『堕落刑事』を読んでいないから平巡査の夜勤勤務ウェイツの訳ありな顛末をもどかしいく思いながら読み進んだ。
 その顛末で警察内部の冷ややかな目線を浴びながら屈折した性格描写に著者の手腕を感じることができる。
 この物語に少年が悪事を働く男に利用されている描写が挿入されている。
 が、この少年が幼いころのウェイツなのはすぐだれでもにわかるだろう。
 ウェイツのパートナーで上司のサティ警部補の性格設定も面白い。
 一見頭の悪いマッチョで事なかれ主義の潔癖症の男だ。
 サティとウェイツはお互い嫌っていることを隠さないが、サテイの「仮説」で始まりウェイツの「反論」で始まる捜査上の会話でウェイツも頭の悪いただのマッチョではないことを著者はさりげなく描写している。(P252~256)
 ウェイツ刑事がパーズ警視に何故これほど嫌われるのかなどの過去を知るために第一作の『堕落刑事』をとにかく読むことにして本書を読み終えた。
 イギリスの警察小説では、ウィングフィールドのフロスト警部やラブゼイのダイヤモンド警視などそれなりの地位の主人公が警察ものには多い中で訳あり平巡査を主人公にした著者の発想にユニークさを感じながら読み終えた。
 最近外れの多いミステリ小説を読んできたが、久しぶりに面白い個性に出合いました。
笑う死体 マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:笑う死体 マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ (新潮文庫)より
4102401520
No.5:
(4pt)

どこのページを見ても作家の熱気、渾身の力のようなものが感じられる

一作目よりさらに爆発力をアップさせて、マンチェスターのネガティブ刑事が、厄介な事件に挑む。そればかりか、もう一つ過去のどこかで起こってきた物騒な出来事の数々にまで作家のペンは及ぶ。

 優れた小説だなと思うのは、全編、丁寧かつ個性的な文章で綴られているその筆力にある。手を抜かぬ主人公一人称語りでの出来事と当人の個性を描き切る描写力が凄い。過去の話での三人称の不気味な物語の暗い情念のような世界がまた凄い。

 一作目でも、どの人物も個性が与えられ際立つノワール性を感じさせてくれたのだが、二作目は確実にパワーアップしている。ジェイムズ・エルロイの黒い裏世界を思わせるリズムと空気が全編を支配している。それでいて謎解き小説としての迷宮性をも抱えた作品である。どこのページを見ても作家の熱気、渾身の力のようなものが感じられるのだ。だからこそページのすべてが緊迫している。

 個性的な相棒や上司、事件の関係者たちの複雑に絡まり合う怪しさも個性もどこをとっても凄みを感じさせる。

 前作の読書会で聞いた感想では『堕落刑事』は堕落していないじゃないか、いい奴じゃないかと本シリーズの主人公エイダン・ウェイツを評する声が大かったのだが、本編でもそうだが、堕落というより、状況的に追い詰められる感覚が強いように思う。ちょっとしたしくじりをきっかけに夜勤専門の刑事として、上司から退職を期待される維持の悪い人事を施され、署内の半端者としての生きづらさを日常的に感じさせられるエイダンの根っこの部分については本編でより深く語られる。

 作者のサービス精神は前作のキャラクターまで登場させることで、エイダンの生きる世界が相変わらず真っ黒な闇の世界であることを想い出させてくれるのだ。

 本書は、タイトルの『笑う死体』として放り出された何者かの正体と、その死の原因をめぐっての騙し合い、化かし合いを描きながら、同時にエイダンの悲惨な境遇と、彼の内部をさらに深く抉る刃物の切れ味を兼ね備えている。エイダンの物語は、三部作として閉じる物語らしいが、二作目の本書は非常に重要かつ充実した作品とみてよいだろう。この作品の持つ質量は何なのかと思えるほどに、深さと濃厚さを味わえるストロング・ドリンク。心して味わって頂きたい。
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4102401520
No.4:
(5pt)

エイダンは好きになれないけど惹かれてしまう、この矛盾

若い頃は憧れるような人物が主人公の小説が好きだった。だが、歳を食うと自分と同類の人物に惹かれてしまうようになる。それの典型のような作品だった。自分をコントロールできない、暴力の衝動を抑えられない、そんなエイダンにどこか自分を重ねるところもある。幸いにもエイダンのように一歩踏み出していないだけ^^; 謎解きもきちんとできているし、青酸カリを盛られてもすぐには死なないことを正確に描き出しているし(とは言え、毒を盛られたと気が付いて、あれだけのことができるかは疑問)、消し屋の心情も理解できるし、P625の「その瞬間を噛み締めたかった。ストローマーに認められた感慨にもう少し浸りたかった」という下りは特にわかるよ。そのカタルシスのために私もエイダンの軌跡をたどったのかもしれないと思ったくらい。
また、ウォリーと言う名の少年について語られる部分は本作では大事なポイント。虐待が虐待を生むという流れの中で掉さしていた少年を思うと・・・P643に描かれる二人の小さなうなずきは・・・私にとっても救いだ。
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4102401520
No.3:
(5pt)

なぜかエイダンに惹かれる

私が惹かれるタイプのノーベル。次の翻訳は9月くらいでしょうか〜?待ってまーす!
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4102401520
No.2:
(5pt)

前作より圧倒的に面白い(原題:The Smiling Man)

堕落刑事エイダン・ウェイツシリーズの第2弾。

営業停止中の老舗ホテルから見つかった不気味な死体。その謎を解きつつ、エイダンならではの女性に対する弱みを軸に、彼の綱渡りの操作と警察人生を描く。

幾つもの輻輳した謎を解きながら、物語はダークかつスピーディーに展開します。

アクション要素はほぼ皆無ですが、ボリュームもあり非常に楽しめます。

1作目はあまり好みじゃなかったですが、皮肉の利いた2作目はかなり面白かったです。

お勧めです。
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4102401520
No.1:
(5pt)

市警巡査エイダン・ウェイツ 再登場

待望の第2弾。複雑に歪んだ怪事件を、所々に見え隠れする解決の糸口を見事に連鎖させ結末、自身の歪んだ過去とも折り合いをつけるこの主人公の生き様に今回も魅了される。主人公エイダンは、自身を形成する幼き頃の環境が幸せなものではなく時に堕落してきた自身と、人生をかけて向き合い折り合いをつけようと尽力する。悪徳というレッテルを剥がすことはなかなか困難だか、正当化しようともがいていないところに信頼性を感じる。嘘がないのだ。次第に味方も増えつつある。人として最大限に善悪を問われる瞬間に善行を貫いてきた行動を恩に着せ、時に悪徳市警巡査時代の古い友人カーヴァーやフィスクを利用し、妹をつけ狙うかつてのならず者を排除する頭脳派且つ正義的な冷酷さに、パズルが一つ残らずピタリとはまるような快感を覚える。「完璧な世界があるなら、そこの俺たちはいまもあの街角に立って見つめ合っているはずだ。その世界の俺たちはそれ以上近づかず、それより離れることもなく、いまも見つめ合っている」の結びに離れ離れのままの妹への想いが溢れていて、本当に刹那である。ぜひ一作目からお薦めします。
笑う死体 マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:笑う死体 マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ (新潮文庫)より
4102401520

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