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時計仕掛けの歪んだ罠
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時計仕掛けの歪んだ罠の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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こう言う終わらせ方がどうよ! | ||||
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スウェーデンでおきた連続少女誘拐事件を追う刑事の話です。 前半までは抜群にいい。今までの犯罪小説にはなかったような人間の心理を読み解いていく知能戦がスリリングで新鮮です。尋問しているほうが、いつのまにか逆転して尋問されている、なんてプロットが凝っていて大変面白い。 で、この作品に対する期待値がどんどん上がった後半からがグダグダになります。シーンがコロコロ変わり、細かすぎる伏線を必要以上に張り巡らしたと思ったら、気の抜けるようなクライマックス。 で、最後は、この本がシリーズになりますよーという宣言とともに呆気に取られるほどの消化不良で終了。 作者のアルネ・ダールは映画化を望んでいるんじゃないかという気がします。少なくとも売れるシリーズを作りたいという気持ちがかなりハッキリ出過ぎた作品です。 | ||||
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ドラゴンタトゥーでヒットし、特捜部qで決定打を得た北欧ミステリ(他にもいっぱいいるんだけど名前が長いから省略)。特徴として、 1 緻密で重厚なキャラクター設定 2 容易にわかんない伏線 3 心理描写を絡めたストーリーの錯綜 4 一切のステレオタイプの排除 その北欧ミステリに対する全ての信頼を覆す一冊です。 お話ですが、サイコ搦めの稚拙な伏線が延々と続き、ダールさんも頑張ってるからと無理して読むと、 中盤で「予想をはるかに超える驚愕の事実」に達してしまい、ええっ、早くね?とそこに驚愕! だけどこっから何とかなるんだ!と思いきやまさかのツンデレ話に展開します。 ジェンダーの書き方もノスタルジーを覚えるほど。公安警部部長が「〜よね」「〜だと思うのよ」「〜じゃないかしら」 ってゆうのかしらね?火サスか赤川次郎を彷彿とさせます。 長期拉致監禁された10代の被害者に対して、「彼女たちなら元気だ」ってセリフ…(それこそ驚愕)。 肝心カナメの終末も、ツンデレに紛れてうじゃむじゃ。 シリーズ化に向けての著者の強い意志だけが伝わります。 山場で生死沙汰があるのですが、ミスリードを通り越してミステリの文章としてレッドカード、 ベリエルの目線で描写されているのですからあとで何度そこの箇所を読んでも規則違反でしょう。 北欧ミステリファンの方々にはオススメしません。 とくに、ローサやリスベットファンには鬼門かも。 | ||||
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北欧モノの例にもれず、陰鬱なトーンが全体を支配している。そして残酷な殺人事件…。 文章が細密で、序盤の取り調べシーンの濃厚な描写は迫力満点。しかもそこからのプロットの展開も見事で、ラストまで一気に楽しめる。 比喩や暗喩が多いうえに緻密な文章で読み応えあり。 しかし、完全に事件は解決しておらず続編に続く、かな? | ||||
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最初は連続殺人犯を追うミステリーか?と思いながら読み始めたのですが、話は少しずつ予想を超えた展開になって行き、最後は・・(これは読んでのお楽しみなので書けません) 読んだ後は、これはもしかしてミレニアムに匹敵するのかも?と思いました。 もちろん、内容は全然違うのですが、ミステリーっぽく始まりながら、物語が別の方向に進んでいくところや、話の展開のこ気味良さなど期待以上でした。 5つ星でも良いかな?と思いましたが次作を含めた評価の方が良いかと思い、4つにしました。 | ||||
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スウェーデン発の警察ミステリー。とにかく雨が多いんですね10月のスウェーデン。 捜査する側とされる側が交錯したり逆転したり最後は協働したり、その展開が極めてよくできていてスリリングで一気に読んでしまう(特に第二部)。まあ、〇〇〇の復讐譚という主題はモラル的にどうなの?、時計をそこまでからませるという違和感(作者の趣味?)、なんでも調べてくれる情報便利屋の存在は都合よすぎ(最後は靴下)、など後から考えると、なんだかなあと思う部分もあるが、それはまあ創作なので。 スウェーデンはわたしの子供時代は高福祉国家で「良い国」の代表みたいに考えていたが、時代はかわり寛容な移民政策(2015年まで)のために中近東やアフリカからの移民難民も多く社会問題にもなっているし、ロシアマフィアやイスラム国のような勢力の浸透という問題も抱えている・・・という社会情勢がミステリーにも反映してる。 (追記)いま、この本の続巻「狩られる者たち」を読み終わりつつあるところだが、ほぼ絶対に「時計仕掛けの歪んだ罠」を読み返したくなるので、本書を読んでも手放してはいけません。 | ||||
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章だてが細かく、そのたびに新たな引きが用意されているので、読み続けるのが大変楽しかった。このあたりは海外ドラマに相通ずるものがある。主人公の立場が入れ替わりながら話を進めていくスタイルは「その女アレックス」にも似ているが、これは多分偶然だろう。 面白く読んだが、最後のあれはどうなんだろうとも思う。海外ドラマのシーズンフィナーレにあるクリフハンガーそのものだ。ドラマではともかく、ミステリ小説では蛇足ではないかと考えた次第。 | ||||
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子供の頃の話や現在の話が混在するが、その伏線がわかるのが後半以降。そこまでの読書量は少なくない。読むボリュームがある。またストーリーの展開が面白い。 | ||||
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(ネタバレしています) 途中まではさくさく読めたが、二部の終わりで犯人像が浮かび上がってきたあたりで、げんなりした。またぞろ子ども時代のトラウマに端を発する話かと。近年この手の設定のミステリを何冊読んだことか。さらに言えば、何十年も経ってから復讐するという動機そのものにあまり真実味を感じられない。 犯人の本来の目的からすれば、やっていることがあまりに迂遠で、無駄な手間をかけすぎる。しかも捜査側の行動を“こうするだろう”という前提で仕掛けていて、相当無理がある。主人公らがそのとおり動いてくれるおかげで物語が成立しているが、そうじゃないケースをまるで想定していない。電子ロックの音声解除のくだりなどご都合主義の極みだ。 マネキンを損壊する場面も何がしたいのか、ただのこけおどしとしか思えない。高木彬光の「人形はなぜ殺される」の爪の垢でも煎じて呑んでほしい。 | ||||
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北欧って、どうしてこんなに実力のある作家が輩出するのかと感嘆する。原語で読めないのが残念。ミステリ評論家たちも原語で読めないせいか、北欧ミステリの全貌を語った解説書がなく、読者は手探りの状態だ。アメリカン・ハードボイルドの小鷹信光みたいな人が出てくればいいのだが。スエーデンは穏やかな国だと思っていたのに、この小説でみると、公安警察は不気味な組織らしい。hollyleafさんに言うように、p478の「死んでいた」はルール違反ですね。シル、アリシア、それに黒い靴下と並べてみると、続編でニルス・グンダーセンが暴れ、公安も絡んでくること間違いなしと思う。この本、さっさとAmazonで買えば簡単だったのに、外出のついでに買おうと、有隣堂、文教堂、大盛堂、紀伊国屋と回って、やっと啓文堂で見つけた。お疲れさま。 | ||||
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連続少女誘拐事件の犯人に迫る人物をとらえて尋問を始まるがまったく一筋縄ではいかない。それがあっというまに尋問する側とされる側が逆転し、さらに、そのふたりが警察組織に反抗して大脱走。ふたりの接点から犯人を割り出して追跡につぐ追跡、というジェットコースター的展開に北欧独特の季節、天候や地理による陰鬱さ、人間の精神状態の闇、最近の世界情勢などが加味されてスピードと重厚さが確保されます。 ふたりの大車輪の活躍でハッピーエンドかと思いきや・・・。ますます謎が深まっていったいどうなるのか?という寸止めというかモヤモヤ感絶頂のなかが本編終了です。ぜひぜひ至急続編を刊行願います。 | ||||
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本作はただの連続誘拐犯を追う警察小説、ではない。 物語は行方不明となっている少女が目撃されたという通報を受けた警察が現場に駆け付ける場面から始まる。 その現場で発見された不可解な事実や、何故か主人公だけが知る情報、そして随所に挿話される二人の少年の物語。 それらの謎が明かされないまま物語は驚愕の第二部へと向かう。 この第二部が本作のターニングポイントでもあり、物語の本当の幕開けとなっている。 その幕開けに至るまでの描き方や構成の巧さが本当に素晴らしい。 第二部ではとある人物の尋問シーンが描かれているのだが、そこで物語の本当の顔が明らかとなり、 そこでの緊迫感や二転三転する真相に読む手を止めることができなかった。 続く第三部・第四部でも二転三転する展開や、五里霧中かつ四面楚歌の状況下の中で何としても真相に辿り着かなければならない焦燥感など ミステリーやサスペンスに求める要素が全て詰まっていた。 序盤から緻密に張り巡らされた伏線が回収されていく展開や謎が謎を呼ぶエンタメ要素だけでなく、 人間の持つ醜さや歪んでしまった倫理観なども容赦なく描写しており、その部分も個人的には好みだった。 また本作のユニークな点はアイテムの使い方にも見られる。 題名にもなっている時計が重要な役割を担うのはもちろんのこと、黒い靴下がとても印象に残った。 黒い靴下がここまで強烈なインパクトを残す作品は他に類を見ないだろう。 一刻も早く続編を読みたい・・。 | ||||
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人物や北欧らしく寒そうな背景の描写は、好きですが、 ストーリーは、うんと古典的ミステリの見地からはちょっと反則気味だし、 犯罪の動機が、分かりやすくしたかったとしても、ちょっと差別的で、 最近のものとしてはやや意外。 でも、構成がひどく乱れることもないので、それなりに読めます。 | ||||
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ペリエルという警部を主人公として猟奇連続少女(全て15歳)誘拐殺人を扱った北欧ミステリ。最後の被害者エレンはまだ生きている可能性がある。かなり早い段階で、事件の内、3つの犯行現場・監禁場所で撮影された写真に共通に映っていたナタリーと名乗る身元不明の中年女性が特定されるが、主犯か共犯か偶然かは分らない。スウェーデンのID制度で、ナタリーのID番号、住所、生年月日も判明するが、中年女性が本物のナタリーか否かも分からない。 しかし、猪突猛進型のペリエルはピッキングでナタリーのアパートに押し入り、彼女を連行してしまう。最初の尋問の際、ナタリーには全く生活感がない。そこで、ナタリーの小学校に連絡すると、ナタリーは10歳の時に自殺したと言う。やはり、"なりすまし"であって、その可能化の背景として、中年女性がモローと言う公安の潜入捜査官である事が分かる。公安の関与が判明した時点で、ペリエルは身を引くべきだったが、ペリエルは公安に捕まってしまい、先とは逆に、モローから尋問される。驚いた事に、公安の目的は当時スウェーデン内で戦士を募っていたISの活動阻止で、誘拐殺人の(最初2人の)被害者はイスラム系の少女だと言う。そして、ペリエルとモローは同じ学校に在籍していて(強引な設定だが)、モローが15歳の時にヴィリアムという男から受けた屈辱をペリエルが見捨てたと言ってペリエルを責め、犯行現場に残された時計の歯車などから最後3人の犯人がペリエルだと糾弾する。そして、2人はエレンのために"非公式"合同捜査という茨の道を進む。紆余曲折に富んだ小説で別の"なりすまし"等の騙しも入れている手腕には感心した。 最後、ヴィリアムの父親はサダム・フセインの傭兵で、ヴィリアムも訓練を受け公安の依頼で"監視"をしていた事が示唆される(公安の闇)。主人公の警部とヒロインの公安潜入捜査官と犯人候補が同一学校に在籍していたという型破りの設定だが、公安の闇を掘り下げ、ミステリとしての切れ味も鋭い読み応えのある秀作だと思った。 | ||||
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一部、二部・・・と読み進めるにつれ世界が一変する面白さと映画的な場面展開に引き込まれます。ただ、スウェーデンの作品なので、非常に多い登場人物の名前と地名に馴染めず、私にとっては読みづらいところがありました。 一点非常に気になったのがクライマックス四部での描写(37及び38)です。これはミステリーとしては「反則」です(例:p.478 「その反対側はもう少し明るく、そこにモリー・ブロームが横たわっている。死んで横たわっている。」、これがヴィリアムの視点で書かれていればOKですが、三人称視点なのでNGです←もし私の認識が誤りであればご指摘下さい)。 それと次作への引きがどきつく、これまたとっても映画チック(エンドロールの後に次回作への引きが用意されている)。 久々に一気読みした小説でした。 | ||||
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日本では8年前に『靄の旋律 国家刑事警察 特別捜査官』一冊しか邦訳されていないが、スウェーデン本国では大御所の作家であるようだ。複数捜査官による警察小説を得意としつつ、別名義で純文学を書き、文芸評論家であり詩人でもあるいわゆる表現のプロ。そのイメージはページを開いたところからがつんと来る筆力を見ると、なるほどごもっとも。 冒頭、二人の少年の印象的なシーンから、いきなり犯罪現場らしき場所での警察突入シーンに視点が移る。読者はこれですぐに持っていかれるだろう。 少女たちの連続失踪事件を追うベテラン刑事の目線で語られる一部から、マークされた怪しげな女性の事情聴取と尋問が始まるが、その辺りから本編は逆転に次ぐ逆転という驚くべき展開を見せる。すべては見た通りではなく、錯綜した裏がある。 そう。最初に見えたのがすべてではなく、次に見えてくるものも不確かと思えてしまう捩じれた世界。事件の全体像が見えるまでの緊張はラストまで途切れることなく続くが、作中の世界は変容を重ね、真実が幾様にも姿を変え、人間たちは見たままではなく、意外な展開を見せてゆく。 挿入される少年たち少女たちのシーンが驚きの展開を見せ、作品に重要な光を投じる。現在と過去は複雑に繋がる。フーダニットのミステリーから、プロットを楽しめる全体像となってゆく。何よりもこれは新シリーズの第一作なので、この事件のその後まで気になるという驚くべきシーンで終わりを迎える。いや、始まりを迎えるのか? 登場人物の多さも、この後の作品への布石になるのかもしれない。予想外の死体発見シーンが読者を混乱させ、何一つ確信させてくれないところが、日本語タイトルにも反映された何ものかであるのだろうか。 印象的な部分は、主人公と犯罪者の双方の、時計へのこだわり。各章が月日と時刻でしっかり刻まれる。仕掛けへのこだわり。組織同士の化かし合い。時に過去が入り込むこと、などなど。 二人のヒーロー&ヒロイン像の個性とパフォーマンスが良いので、今後のシリーズに期待ができる。次作の邦訳も進められているという巻末の解説に少しほっとするし、これは二作以降も読まざるを得ない。決着のついていないことが多いように思う。次作まで持ち越しの宿題なのか? 全体的にエンターテインメントとして申し分のない読書時間を供給してくれた作品である。次作が待ち遠しい。 | ||||
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ネタばれになってしまうので内容については触れないでおくが、久しぶりに最高のサスペンスを満喫できた。今から、第二作が楽しみだ! | ||||
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スウェーデン警察小説。作者アルネ・ダールは八年前に日本上陸体験があるが、一冊お試しで終わってしまったらしく、新シリーズでの再上陸。事件は連続少女失踪事件。主人公はストックホルム犯罪捜査課サム・ベニエル警部。キャラクターはさほど目新しいとは言えないが、同僚の女刑事ディアは少々魅力的。しかし、彼女は早々と消えてしまい、最後に別の立ち位置で現れる。四部構成。このミステリのユニークなのは第二部で、こんなど派手な入れ替わり劇は見たことがない。宣伝にある「予想を遙かにこえる驚愕の事実」の通りで、誇大宣伝ではない。その後は犯人は誰かよりも、犯人はどこにいるか、公安vs警察の問題になり、少年時代の心の傷にこだわり過ぎではあるが、活劇調で、最後まで面白かった。シリーズ第二作も翻訳されるとのこと。サムvsディアはどうなるか。 | ||||
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