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錦繍
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錦繍の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.41pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全179件 161~179 9/9ページ
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手法としては手紙のやり取りで古典的だそうですが、最近の小説の中では逆に新鮮な感じで、すらすら読めました。当然手紙のやり取りですから、普通の小説よりも、情景を描くのが難しい中で自分がこんな手紙を書けるだろうか?書いてみたいと読者を思わせながら、小説を見ることができました。意外な結末はありませんが、常識的な内容は納得できると思います。 | ||||
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宮本輝の本をほとんど読んだ私にとって、この本は宮本輝のベストの本です。 人生についてを深く考えるきっかけを与えてくれる本です。 もっと多くの人に読んでほしく思います。 | ||||
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小説の内容としては、全く面白くありません。 この内容は、単なる、だらしない男と女が傷を舐めあう事柄を手紙をで 出し合って、自己満足しているだけです。 この内容で感動する人の気がしれません。 この小説で感動する人は、ただ単に傷を舐めあう男女関係に憧れて いるだけなのでは?と考えてしまいます。 この小説は、私の今までで読んだな中で、最低の部類に入ります。 | ||||
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本書のなかで女性主人公は,「生きていることと死ぬこととは,そんなに違うことではないのかもしれない」あるいは「生きることと死ぬことは,同じことなのかもしれない」と,別れた最愛の人への手紙に記す。その思いは,言葉よりむしろ,モーツァルトの交響曲第39番がもっともよく表現してくれているものだという。 この作品に触れてはじめて,自分でも39番を聴いてみた。そうしたら,生きていることと死ぬことは同じことなのかもしれないという思いをもってこの曲を繰返し聴きく主人公に,理屈抜きで共鳴できるように感じた。主人公の日々の情念の基調を単純に喜怒哀楽に分類すれば,間違いなく哀であろう。悲しみ,と言い換えてもいいかもしれない。そして,哀や悲には,喜に劣らず,生きて在ることを肯定する力があると,主人公の女性は教えてくれるように思う。 この作品をはじめて読んでから十数年たったいまでもときどき,39番の旋律とともに,「生きていることと死ぬことは,同じことなのかもしれない」という彼女の言葉を思い出す。 宮本輝は一流のストーリテラーだから,どれを読んでも楽しいけれど,他方で『錦繍』に彼の人生に対する構えや考えの精髄すべてが表現されつくしているので,これさえを読めば,あとは読んでも読まなくても同じという気もする。 | ||||
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これは、宿命とか運命とかに、流されずに、 大波が来たからこそ、乗り越えて行けるのだという 人間の持っている力を、信じた人の話です。 小説だからあり得るんだろうと、言う友人もいましたが 私は実際に、こういう生き方をしている人を数名知って います。小説であっても、決して夢物語ではなく、表面的に 良いことを書いてあるだけでもなく、宮本輝さんのどの作品 にも通ずる、生身の人間の世界の、太さ、強さ、熱の様なもの が全体を通して感じられる作品です。 人生だから、色々あるし、人間だから弱い部分も当然ある。 でも、その色々に流されて、宿命や運命のせいにして生きるか、 それに負けずに、その色々を燃料にして、自分を前進させるか? 本当の幸・不幸の分かれ目って、そこな気がします。 宮本輝さんは、以前から大好きで、この素晴らしい作品を読む のが遅すぎたぐらいですが、とにかく出会えて、読めて、感動 出来てよかった。 たんなる「良いお話し」などではなく、力のある、作品です。 大人と呼ばれる年代の方に、強力にお薦めします。 | ||||
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運命的な出来事により、愛し合いながらも別れなければならなかった男女が10年ぶりに再会したことから始まる往復書簡。 元妻は男の見るからにおちぶれた姿に筆をとる。元夫は思いあぐねた上、一度は返書するが、もう送ってくるなと謝絶する。別れる原因となった過去の事件に対する双方の告白。別れた後もふたりがお互いを思いあっていた。10年ぶりに明らかになる真実、そして和解。 だがふたりにはすでにそれぞれの生活があり、元に戻れるわけではないという現実。 いつかは終わらなければならない、と予感しつつ1月に始まり11月まで10ヶ月間に交わされる14通の手紙。手紙で伝えられること、伝えられない思い。終わらないといけない時がきました、と最後の手紙に記す男。新しい生き方をしますとしたためる女。お互いの多幸を祈りつつ、筆がおかれる。 わかりあえたにもかかわらず、迎える再度の別離のせつなさがつらい。 しっとりとした端正な文章とあいまって、人の生き方、人生といったことを考えさせられます。 | ||||
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書評では絶賛されていることの多い作品だが、 個人的には「現実的には、ないよな」と思ってしまう部分もある。 発表された時代を考えれば納得できるのだが。 多くの人は、過去、何らかの理由で別れてしまった大切な相手に対し、 伝えたい、或いは交し合いたい思いを抱いていると思う。 この作品は、そういう意味では、共感を呼ぶだろう。 だが、手紙は怖いものでもある。 それが、特定の相手だけのために、時間をかけて書かれ、 時間の「ずれ」を持って、その分だけ「ずれて」読まれるものだからだ。 何度か再読しているが、腑に落ちない感覚が残る。 | ||||
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生、死、出会い、別れ、過去、未来…。 それらが二人のやり取りの中で美しく力強い存在として完成されて行く…。 生きることや愛することを心が自然と肯定して行く。 別れを真摯に受け止める。 それが人にはきっとできる。 そして人は「現在」をきっと力強く生きていける。 本を閉じた時そう感じました。 そしてこう考えました。 愛する人と生きていけることはもしかすると奇蹟かもしれない、と。 あなたもそう感じるかもしれません。 | ||||
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何年も前に読みました。今でも、私の、かなりお気に入りの本の中の一冊です。書き出しから泣きそうになりました。文体からにじみ出てくる切なさが伝わってきて、すぐに入り込んでしまいました。宮本輝さんの作品ではナンバーワンです。そのときに、恋愛をして切ない思いを抱えていたとしたら・・・。そんな時に読むのにはもってこいの一冊だと思います。 | ||||
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大切なあの人に、想いを伝える手段。 手紙形式のやりとりだけで構成されている本書は、 メールでやりとりをする私に「ちょっと待った」を掛けてくれました。 日本女性の古風な言葉遣いもさることながら、 本書を読み終え、「ふたりの手元には沢山の、手書きの、封筒と便箋の山が、想い出として、残っているのだなあ…」と思うと、 私たちの過ごしている時間の早さに、あさはかさと軽さ、寂しさを感じました。 パソコンを立ち上げないと見られない、メールの数々より、 いかに手紙が意味を持ち、重いものかということを、 頭ではなく、ココロから実感させてくれました。 私も便箋と封筒を買いに走ったひとりです。 これを読んで、実際に大切な彼や両親に手紙を出したくなった方も多いのでは!? 非常に美しい言葉遣いです。 特に女性の、ちょっとおちゃめな、昔風に言えば「おきゃん」な部分が覗けます。真似したいけれど、簡単にはできないなあ。なんて思いつつ、声に出しながら読んでみたりしています。 | ||||
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今時珍しい手紙のやり取りだけで綴られた物語。偶然再会した夫の変わり果てた姿に胸を痛める妻の手紙から始まる。ゆっくりとした語り口で、昔夫婦だった二人の今の近況、離婚時には語れなかった真実が明らかにされる。描かれている人物、一人一人が心の強い、優しさあふれる人間性を持っている作品。 | ||||
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これは理想です。 小説だから、こんな結末なんだと頭でわかっていても、この心地よい読書の余韻はさすが宮本輝作品だといわずにいられない。 ほんの偶然と、ほんの一度の過ちが、お似合いの夫婦の仲を引き裂いてしまい、それは時間が経っても、それぞれの人生の修正にはならなかった。 それが現実だと思います。 その現実に負けて不倫に走ってしまう結末でないというところが好きです。 | ||||
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誰しも、別れたあの人にもし長い歳月の後に再会したら…、と思うときがあるだろう。そのことを思いながら、読み進めるのは、心に痛みを伴う。 しかしこの小説に登場する主人公二人は、時を経たお互いを今一度見つめなおして、そしてまた新たに分かれ道を歩んでいく。その分かれ道をゆくそれぞれにとって、かつて共にした時間は、もう振り返ってばかりの過去ではない。それはいまや、生きる支えとすべき記憶に姿を変えている。 そういう一歩前に踏み出す二人の姿が清々しい一作だ。 | ||||
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懸命に真摯に生きることが何であるか良く分かる一冊でした。 | ||||
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私達は普段生きていても過去を振り返って後悔することが多いと思います。 この本では、離婚したある夫婦の手紙のやりとりが主になっています。 夫が昔の同級生と浮気をしたことから、悲劇は始まりました。 離婚して10年経ったある日、偶然蔵王で会い、手紙のやりとりが始まります。 過去のことを後悔しても、それを次へつなげれなければ意味がない。 過去のことばかりを思い出してもしょうがない、 「今」を一生懸命生きて、未来につなげていきたいと思いました。 いろいろと考えさせられた一冊です。 しかし!男は浮気するものだというのには、納得できません!! また、結婚に夢がなくなってしまいました・・ | ||||
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私の中に、日常にある無意識の気持ちがこの一冊で形のあるものになった気がします。 日常と非日常の気持ちを深く考えさせてくれる一冊です。 | ||||
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この世で一番好きな小説です。本当に誰かを心から愛するとはどういう事を静かに、じんわりと教えてくれるそんな話です。小説全体に流れる、優しく穏やかでありながら力強い空気にいつも勇気付けられる思いがします。 | ||||
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紅葉した木々の葉が織り成すように、成熟した男と女の間の手紙のやりとりから構成されている国内では珍しい書簡小説。激情だけが愛情ではないと優しく、穏やかに納得させてくれる格調高い名作。 | ||||
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夫の愛人との無理心中をきっかけに別れた二人が、 紅葉の美しい秋の蔵王で偶然再開し、 そこから始まる書簡のやり取りでこの小説は進行します。 過去から背を向けたい夫と、事件の真相を知りすべてに納得して受け止めようとする妻。 粛粛と真紅の葉叢が流れていきます、 二人や二人を囲む人々のそれぞれの生きる苦悩を乗せて。 ハッピーエンドではないけれど、 美しい蔵王の錦繍とこれからの出発にわだかまりの曇った一点を感じないのは、 大人の関係とか、そういう上滑りなことばではなく 書簡のやりとりで過去を埋め合い、 結婚生活をもってさえ交わることのなかった二人の接点に、ようやくたどり着いたからなのかな。 | ||||
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