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錦繍
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錦繍の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全191件 121~140 7/10ページ
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| 元夫婦による手紙形式で綴られるお話 手紙のみで進行されているからこそ、読み取れる相手の心情や思慮 それが、寂寥感だけが漂うのではなく、暖かくて優しくて心がこもっている 生きる意味を再確認したい時に、読みたくなる一冊 | ||||
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| おそらく有馬と勝沼亜紀は相手の手紙を繰り返し読み直したでしょうし、自分の手紙を書くときは何回も下書きを重ねたに違いありません。 どうしようもない過去を振り返り、決して幸せとはいえない現況を伝えながらそれでも素直に心情を吐露する姿勢だけは貫きました。 そうして、2人はただの手紙のやり取りだけで確実に新たな一歩を踏み出したのです。 令子みたいな人に出会えればそれだけで幸せです。 | ||||
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| 本当にここまで美しい文章で、ここまで鮮やかに人間の感情を鮮やかに描き出す小説はないと思います。 例えば川端の文章や鴎外の文章はそれはそれで美しいのですが、現代の感覚に適しているかと問われれば疑問に感じます。 その点本作は現代の感覚においても「美しい」文章と言う評価を下されるべき、秀作中の秀作と言えます。 なぜ由加子は靖明に頬寄せたのか、そして靖明と心中を図ったのか なぜ勝沼は浮気をしたのか なぜ亜紀は勝沼に愛情を感じつつも、別れを決意したのか。。。 そういったひとつひとつの「なぜ」を追いかけても意味はありません。 そこにある瑞々しい感情、ともどもなくあふれ出る思い、それらがまさしく「綾」のように 幾重にも折り重なって生まれる「からくり」が本作の主題です。 不幸に直面した時、人間はいつも理由を求めてしまいます。 なぜ、こんな子どもが生まれるのか、なぜ、あの人は去っていくのか。 理由もない、業などもない。 ただそこにある生命の綾に思いをはせる、味わい深い一冊です。 | ||||
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| 恋愛小説における座右の銘となるだろう。 恋愛において辛いことは数多くあり、乗り越えるられないと思うことは多いだろう。 二人は手紙のやりとりを通じて、過去を消化し未来へと進んでいく。中盤の「生と死」というキーワードから未来への希望が見えはじめる。 人生は最終的には個人的なものでしかありえない。そのことを知るのは「生と死」について何かを理解したときである。 私が最近悩んでいる恋愛において、辛いとしか思えなかったが、何か前向きな希望が見えはじめた力のある作品だった。 | ||||
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| 『男運が悪い』という言葉があるが、この物語の亜紀こそ、 まさにその通りではないだろうか。 最初の夫はよその女と心中未遂事件を起こし、 現在の夫も長年浮気を続け、子供までもうけている。 いくら両方とも自分の意思で決めた結婚とはいえ、これではあんまりだ。 それでも亜紀と元夫の靖明との手紙からは、 二人の当時の懊悩が苦しいほどに伝わってくる。 手紙というものは、たとえそれがどんなに稚拙な文章であっても、 その人の素直な感情や、その人自身が確実に表れるものである。 そして亜紀が最後に父に伝えた決断は、まさに今後、もう未来にも過去にも 縛られずに生きていくという彼女の意思の表れである。 彼女の父が言った「人間は変わっていく」という言葉そのものに。 | ||||
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| 素晴らしい本だと思いました。 離婚した男と女の手紙のやりとり。過去に縛られる男、 離婚するときにいえなかったこと、恨みやつらさを お互いの手紙で綴りながら、前向きに生きていくことに目覚めた二人。たとえ一緒にいなくても、手紙は途絶えようとも 永遠につながっている、こんな愛もあるんだなと私は信じます。 一番印象に残ったのは、令子が亜紀からの手紙を読みつく 何でもない一言 「私、この人嫌いになれへん」 この言葉に泣かされました。 同じような経験が過去にあったからでしょうか。 | ||||
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| 男の人は読んでいいと思うのかもしれません。 評価が高いので読んで見ましたが、男視点の女性の描き方にどうしても共感できませんでした。 結局、男はまた新たな女がいるし、女の方は救いがないまま。 こういう本を読むと、私、男にげんなりします。 女性が今の夫(この夫の描き方も変…もっと性格の穏やかな辛抱強い良い人に描いて欲しかった) と子供と共に再出発するというのなら救いがあってよかったのかもしれません。 女性の強さを示したかったのでしょうか?否、結局女性だって、最後まで父親頼りじゃないですか。 現実的にもありえないし、んじゃあ、父親がお金持ちじゃなかったら、女性は今の夫とは別れないの? 子供は父親がいなくていいの? 私ならその子供を愛してくれる夫を愛しますよ。 (愛する守るべき子供がいてよそに子供を作る男も変。) 愛は意思だと信じている私にはこの女性は最後まで理解できませんでした。 登場人物の男ばっかりが救いがあるんですよね。 読まなきゃよかったです。 再生の物語?私には再生の強さの源が全く見えませんでした。 | ||||
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| この本に書かれた内容は 小説だからあり得た話だと言う人に 伝えたい。 私の周りに充分あった。 今もなおある。 この本の評価を最悪だとあえて言う必要があった人に 伝えたい。 誰が自分を否定しようとも 自分の「今」を 「今」受け入れていなければ 「死」の瞬間に 壮大で痛切な「今」をようやく垣間見たって そこで あなたに何が残されるというのだ。死の直前に訪れるのは 強烈な「今」だ。 今 は 二度と 帰っては来ないのに。 | ||||
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| 離婚したふたりが、偶然再会したことをきっかけに 交わしはじめた往復書簡。 すべてはこの手紙のやりとりだけで物語が進行していきます。 手紙で語られる二人の過去、現在、そして未来。 過去にはお互いが充分に語れなかったことを 打ち明けはじめるのが素敵。 時間が経ったからこそ語ることのできる想いは確かにあると思うのです。 そして、これだけの長い手紙を交わしながらも お互いが決して元いた場所には戻れないことも知っている・・・。 切なくて哀しいけれど、ふたりにはそれぞれの希望も見えているんですよね。 誰かを想うということ。 大切な人のことを想うということ。 静かだけれど、深い愛情を感じます。 | ||||
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| 宮本輝先生の作品を初めて読んだのですが、 先生独特の空気感があってとても面白かったです。 若い頃に読んだらあまり響かなかったかもしれませんが 読み終わった後、しばらく残りました。 | ||||
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| この作者の小説にはしばしば見られる手法ですが、ある事件があったことを暗示しておいて、徐々にその事件の内容等が語られる、という形式になっているため、謎解きのような趣きがあり、夢中になって読み進めてしまいます。 しかし、この小説の素晴らしさは、こういう手法のうまさ、物語としてのおもしろさだけではなく、付随して語られる深遠な世界観、人間という存在に対する厳しくも優しい洞察、それから、なんと言っても美しい文章です。特に小説の最後のミモザアカシア…のくだりは、息をのむほどでした。 この小説のタイトルは蔵王のダリア園を表現したものだと思いますが、この小説のすべてを象徴していると言えます。 | ||||
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| 錦繍という美しい言葉に惹かれて購入しました。 離婚した夫婦が十数年ぶりに紅葉の綺麗な蔵王で再会した。その後、二人の間に文通が始まり、手紙のやりとりだけで構成された小説になっている。会って話したのでは伝えようもない過去の心の傷や、現在の自分を往復書簡で語る事によってお互いの気持ちが埋められていく。そして最後は、お互いのしあわせを願い文通に終止符が下ろされるのだが、一歩前に進み出た二人の未来が見えてくるようだ。 二人の手元にある、手紙の束を想像すると現代のメール時代には、貴重な重さを感じ、手紙はいいなあとしみじみ感じた作品だった。 | ||||
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| 錦繍とは、2つ意味があります。一つは錦と刺繍を施した織物の事。もう一つは、 美しい詩文、そして、紅葉、花などのたとえです。 この2つの意味、両方ともこの小説の中のテーマになっていると感じたのは、 この小説を読み終わった時でした。建設会社を経営する父を持つお嬢様育ちの勝沼亜紀、その夫、有馬靖明は他の女性と心中し、女性は亡くなり、靖明は生き残るという残酷な事件にあいます。亜紀は、夫と離縁し夫靖明は、胸の深い傷と共に孤独と罪の深さに苦しみます。亜紀が夫に綴った手紙、そして、靖明からの返信。この小説は、二人の手紙の往復の文章によって構成されているめずらしい小説です。その手紙によって、二人が癒され、1つであった夫婦が別れ別れになって、業という宿命を携えて各々異なった人生を織りなしていきます。 手紙でのやりとりの中で、2人とも同じ思いを抱きます。それは、「生きる事と死ぬ事は同じ事かもしれない」という複雑な命のからくりです。靖明は亜紀への手紙の中で、臨死体験を通じて得た不思議な体験を語ります。「すべての人間が、死を迎える時、それぞれがそれぞれの成した行為を見、それぞれの生き様による苦悩や安穏を引き継いで、それだけは消失することのない命だけとなって、宇宙という果てしない空間、始めも終わりもない時空の中に溶け込んで行くのではなかろうか‥」命のからくりとは、生きている間も死んでいる間もその業を伴ってずっと続いている、そんな気になります。 秋の紅葉、錦の刺繍、命、人生、それらがひとつの大きい主題となってこの小説は終わります。木は秋になると、自ら栄養を遮断して、葉を紅葉させ枯れさせます。それは木が永遠に生きる命としての生き残るための手段なのです。秋の木々の紅葉は、この世の生と死そしてどこまでも続く命の象徴として描かれ、更に二人の紅葉のごとくに変化していく人生は、宿命という錦の刺繍糸で織りなされ、ひとつの美しい錦繍という織物になって心に深く残ります。読み終えて、ぐっと心に残る作品です。 | ||||
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| 生きていることと死んでいることはもしかしたら同じことかもしれへん。そんな生命の不思議なからくりをモーツァルトの音楽は奏でている。という本の根底に埋められているテーマを男女の愛別離苦を通して物語にされている。人間の生命のすべての善悪の行為は自身の生活や動作や考え方に返報され、その重なり合った行為が姿が業となり現在の個人の反映される。 仕事をしたいのに無かったり、うまくいかなかったり、結婚したいのにできなかったり等。その正体がこの小説のなかにえがかれている。甘く切ないが溌溂とさせてくれる自身と向き合わせてくれる小説です。 | ||||
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| 読み終わった最後に辞書で「錦繍」の意味を調べ、納得しました。 話としては、別れた男女の手紙のやり取りのみが書かれたお話ですが、心に染み入る感じで、恋愛の愛だけではない、心の奥底からグッと感じられる愛情にあふれた話でした。 宮本輝さんの作品を読むのはこれがはじめてでしたが、他の作品も読んでみたいと 思えるきっかけを与えてくれる本でした。 | ||||
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| “業”という言葉の意味について考えされられました。 「あの時もし・・」と過去を恨むより、 自分の業と割り切って、未来へ目を向けることの 大切さを感じました。 過去に深い関係を持った男女が偶然再会し、 ただ手紙のやり取りだけですべてが物語られていきます。 二人の男女の手紙のことばだけで、すべてが語られ、 現在、夫婦でなくとも、愛情というものは いろいろな形となり、決して二度と交わることが ないとしても、お互いの幸せを思い合えるような そんな関係も存在するのだな、と思いました。 少し哲学的な物思いにもふけってしまいそうな、 とても濃い内容の作品でした。 | ||||
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| 近年の作品では珍しく書簡体の作品である。 ある出来事をきっかけに離婚した二人は手紙のやり取りをする。当時は語れなかった気持ちを手紙にたくしお互いの思いを伝える。決してきれいな話ではないがそのどろどろした愛憎劇に何故か気持ちのいいものを感じた。それは生きる二人を描いているからであろうか。 宮本輝の作品では最も好きな作品です。こういった作品を創り上げるところに作家としての力量を感じます。 | ||||
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| 大学の授業の題材でした。命についてがテーマで選ばれた本だったと記憶しています。 主人公の男は、事業に失敗して女のアパートにもぐりこんでいるような負け組の典型みたいだし、ヒロインはワガママな会社令嬢、この二人のかつての結婚生活の破綻について、じっくり描かれていますが、はっきりいってつまらなそうな夫婦の物語なのにどうしてこんなに引き込まれるんだろうと不思議に思います。 大きな会社の令嬢と恋愛結婚し、社長の後継者として生きてきた男が、婚外恋愛の果てに無理心中未遂に巻き込まれ、すべてを失う。また妻のほうも一度目の結婚に破れたあと、再婚するも、生まれてきた子が知的障害を負っており、夫の心は自分にはない。 そんな物語なのに、読後感はさわやかで、後味よく終わります。 いろんなことがあるけれど、それでも生きていこうと思える本です。 | ||||
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| 書評がすごいのでかなり期待値が高かったのか悪かったたのでしょうか、、、 そんなに面白いと思いませんでした。 「五千回の生死」や「流転の海」、「優駿」など 宮本さんの作品は好きなのですが、、、。 「星宿海への道」や「森のなかの海」の不人気作品のほうが 私的にはすんなり読めました。 唐突なモーツアルトのエピソードや 甘ったるい過去の恋愛に浸る女性心理描写が どこかリアルに感じなかったです。 書簡体も好きにはなれなかったです。 | ||||
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| 宮本輝氏の本は何冊も読んでいますが、この本も また素晴らしい本でした。 作家としての力量の素晴らしさに感服しました。 人間というのは 過去のことをあやふやにしたままでは 先に進めないものだと再確認しました。 男と女とは何か 夫婦とは何か 人間のつながりとは何か 人生とは何か 生きるとはどういうことなのか いろんなことを考えさせられ 教えられます。 30代 40代以降の大人の人に是非読んでいただきたい内容です。 自分の人生になぞらえながら 非常に共感できる本でした。 過去を受け止め それを力に変えて 明日を明るく力強く生きていく気力をくれる本です。 | ||||
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