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錦繍
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錦繍の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全191件 21~40 2/10ページ
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| ・人はそんなにも寛大になれるだろうか。5年の熱い恋愛を経て結婚した夫が、新婚2年少しなのに、1年もの間昔知った女と密会を繰り返し、挙句に女の仕掛けた心中に巻き込まれて事件となった、また後に再婚した夫も、障害を負って生まれた子がありながら、愛し得なかったにしろ、他の女に走り子まで成した、それら男たちを、自分にも至らぬ点があったと思えたからとして。 怒りや憎しみを抱いて生きるのは、如何にも辛い、故にもうそんな男たちは忘れた、それならまだ分るが、愛しく思ったり、許せるとは。 更にモーツァルトのシンフォニーを聴いて、「生きていることと、死んでいることは、もしかしたら同じこと」のフレーズが、この小説の主題でもあるかのように繰り返されるが、此れもまた不可解。 結局、割り切れぬままに、この小説を終わった。 | ||||
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| 恋愛結婚のこの後始末小説は「手紙」形式を採り、[夢破れて青山あり、心虚(うつ)ろにして後悔深し]を地で往く離婚した元夫婦の男女二人を主人公とする。住まいのある阪神香櫨園と大阪市内は電車で一時間圏内なのに、二人の心理的距離感は相当なもの。だから「手紙」が活躍する。 十年一昔、年月を隔て陸奥(みちのく)の地で偶然再会した男は落魄苦悩を滲ませ、再婚した女は脚の不自由な子供を連れる。三十路半ばに至った男女は挨拶のあとは無言。「思いがけぬ再会が、私に例の少女じみた空想癖を呼び醒まし」た騒(さざ)めきから、女は手紙の筆を執る。無粋なスマホや電子メールが無いこの時代が懐かしい。 予期せぬ返信で、離婚を招いた無理心中事件で死んだ女が、十四歳の頃に転入先の舞鶴の中学校で知り合った初恋相手だったと元夫から告げられる。懺悔を迫る手紙の遣り取りを拒む元夫に、心の澱(おり)を愚痴や嫉妬と一緒にぶち撒ける元妻は「手紙」攻撃を止めない。未練なのか、強迫観念ゆえか。 「モーツァルト」喫茶店の火災焼失、鼠を弄び尻尾を残して喰い千切った猫、男の同棲相手が語る祖母の奇形の左手、気立ての良さが取り柄の無口な同棲女が預金を叩(はた)いても男に勧める新商売(美容院向けPR誌)の提案、主人公たちの行方にすべて繋がろうとは…。 同棲女は不平をこぼす男を眺めて破顔一笑、「うちはあんたを一年間飼(こ)うて来たんや」と冗談めかした口振り。「やっぱり、あんたはたいしたもんやわ」と男の成果に大いに感心し、「そやけど、月末の配達は、あんたがしてくれるんやろ?」とちゃっかり追い撃ちを掛ける。俄然、面白うなってきた。救いは関西弁とともに来ぬ、か。 「手紙」は書き手の過去、現在、そして未来をも描き出す映し鏡のようなもの。艶やかな着物も、一本一本が細い撚糸の交錯で生まれる。目には見えない赤い糸や運命の糸が組み合わさり、こんがらがったりして、人生はより複雑に彩(いろど)られる。 実りの秋に読み耽るべき本作で作者は、不幸の連鎖と決別し再生への意欲に目覚めた男女の未来を読者に仄めかしつつ、手紙の往還を昇華された愛情交歓のうちに見事に締め括った。 | ||||
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| 希望ある結びであるにも関わらず、とても哀しくなりました。 限られた時間を生きる我々は現在・未来・過去それぞれに於いて、どのくらいの尺度を見つめながら生きれば幸せを掬い上げ愛でる事ができるのでしょう。 | ||||
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| 手紙の交換という手法での小説です。この手法の小説は他にはなく面白いと思います。 | ||||
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| 昭和60年から再読に再読を重ねているお気に入りの1冊です。 主人公の父が言う「懐かしい字やった。有馬はどうしているんや」。ここで号泣です。 モーツァルトのジュピターも聴きたくなります。 | ||||
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| 本自体はキレイでした。内容は好ききらいがあると思います。 | ||||
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| 自分にとっての錦繡の中のモーツルトの交響曲39番は今のとこ、どうもフルベンなんだけど、まだ知らない場所を訪ねてみたいな。そんで41番は誰なんやろと、色んな土地や楽団を訪ね歩いている、まだ楽しい旅の途中。ほんとはケルテスの25番が一番好きなんだけど。あきらめと執着と、排泄と嘔吐、そしてため息と死(詩) | ||||
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| 昭和生まれのみならず、Z世代の方もぜひ読んでみて! | ||||
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| 文字の判読に苦労するくらい、日焼けの度合いが大きい。 | ||||
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| 今の小説にはない素晴らしさがある。文学的で難解でなく、日本的 | ||||
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| 手紙のやり取りを一つの作品に仕上げた発想と文力に感嘆。他の作品も読みたくなる事必至。 | ||||
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| 〇 宮本輝さんの小説のなかでも多くの人に愛されている作品らしい。外国語にも翻訳されている。わたしもぐいぐいと惹き込まれた。あっと言う間に読み終えて、さてこの小説の魅力の源はどこにあるのだろうと考えた。 〇 書簡体であるために読みやすいのはまちがいないと思う。妙に凝った文学的表現は出てこないし、文章は流れるし、素直に文字を追っていけば物語がすうっと頭に入ってくる。 〇 内容に目を向ければ、幼馴染との再会と浮気、浮気による夫婦の破綻、九死に一生を得た元夫の臨死体験、彼の経済的転落、障がいを持って生まれた子供に注ぐ母の愛情、モーツアルトの音楽に見出す慰めと、山あり谷ありのストーリーをつくりあげる材料がたっぷりと揃っている。物語は次々と展開を見せて飽きるひまがない。 〇 こうした材料は扱い方によっては通俗的なメロドラマになってしまいそうだが、そこは宮本輝さん、元夫と元妻をして、これらのでき事をきっかけに人の本性や運命について思いをめぐらせ、考えたところをお互いに語らせる。こうした内省的な語り合いによって作品の品位がぐっと高くなり、奥行きも増していることは確かだと思う。 〇 人間の罪とは何か、業とはどんなものか、人生とは何か、死後も魂はあるのではないか、生と死は根本的に違うのか・・・ここで展開されている議論は立派なもので、どこまでその議論に共鳴するかは別として、外国の人も含めた多くの読者がここに手応え読み応えを感じているのではないかと思う。 〇 はじめて出版されたのは1982年と古い小説だが、令和の時代に読んでも少しも古さを感じなかった。 | ||||
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| 宮本輝にハマっていたのはもう数十年前。久しぶりに読了し、文学の持つ美しさを思い出しました。ありがとうございます。 | ||||
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| かつて夫婦だった男女の間で交わされる手紙だけで描かれている。とにかく面白く美しい。読みだすとなかなかやめられず、時折、震えそうに感動した。 | ||||
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| 期待していた小説とは少し違い、ラブストーリーではなく、互いの心にある過去のしこりや事実やらを手紙にて告白し、そこから現在と未来に目を向け人生の再出発を図るストーリーと言った方が適切なように思いました。 女性側からの男性に対する捨てきれぬ愛や執着といったものは強く感じましたが、男性から女性への愛情の描写(夫婦当時)が物足りなく感じました。 手紙でも男は浮気するものだ云々言っていたように、この男性根本は10年経っても変わっていないような… どうも女性を下に見ていますよね。(現在も令子に対してなど)これも時代のせいでしょうか。端々にそう感じたので、いまいちこの小説に入っていけませんでした。 また主人公の女性も、生まれながらのお嬢様で金銭的に苦労したこともなく(就職すらしていない?)、未だに精神的に父親頼りな部分が大きいようで、私は魅力を感じとることができませんでした… あと障害のある子供を産んだのは〜のくだりなどは、確かに綺麗事で済むことではないとは充分承知ですが、手紙に文章としてはっきりと記すのか…とモヤモヤしました。 (もし清高くんが読んだらどうするんだ…と) 私も幼い子供がいる身としては、なんだかあまり好きになれない人物かなと。まぁ、子供への愛情は手紙の節々から確かに感じ取れますが。 あと、どうして現夫をそこまで好きになれないのだろうという疑問です。子供は愛してくれているし稼ぎも良いし、悪い旦那ではなさそうだが。それほどまでに前夫に対する想いが強すぎた? もう少し掘り下げてほしかったです。 全体的に男の力が強い、女性を少し下に見たような雰囲気を感じざるを得ない小説でした。私は20代後半ですが、もっと上の年代の方ですと、すんなりと受け入れられる小説なのでしょうか。 感涙必須というふうにも聞きましたが、どこでグッとくるのでしょうか。いまいちピンときません。これがもっと純愛ラブストーリーに偏ればそうであったかもしれませんが、前述したようにどちらかと言えば人の生き様を書いたような作品に感じましたので涙を誘われるよりは考えさせられるといった感じではないでしょうか。 文章に関してはとても美しかったです。 このように日本語を操れたら文章を書くのも楽しいだろうなと。 あと、テンポは良く淡々と読み進められました。疑問は多々生じるが、読書としてはそこそこ面白かったです。 宮本輝さんの他の小説も読んでみて合うか判断してみようかと思います。 | ||||
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| 有馬と大学時代に知り合い、その後結婚するも中学生時代の女性瀬尾由伽子との心中事件で離婚することになり、障害を持つ清高と星を見に行き、有馬と10年ぶりに山形県の蔵王で見掛けて、手紙のやり取りが始まる。そして、行きつけの喫茶店のシューベルトの主人の姪と父の薦めもあり勝沼と結婚したが、夫には女子大生といい仲になる。有馬との手紙のやり取りで過去の経緯を知る。そして、過去を引きずるのではなく、息子の字の練習帳に書かれていた「みらい」の字で過去ではなく未来を見るようになる。そんなストーリーが手紙というツールを使って描かれている。 | ||||
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| 切ないストーリーからスタートしたが、読み終えた今は、晴れやかな気持ちになれた。名作、納得です。 | ||||
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| まず、ありえない話。 リアリティを求めると、こんな話はない。 金持ちのお嬢さんの手紙を経済の底辺で生きる男が本当に文通という形で生き様を語り合うか?メルヘンでもあり、作者の希望でもある人間のあり得る姿かと思う。 最後にお互いが希望を持って生きていこうという姿がまぁ良かったかな。 | ||||
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| 社会の規範や道徳を超越した善と悪、人間の持つ業、輪廻、そして因果・・極めて仏教的な世界観が物語の底流にあるような気がした。 「人間は変わってゆく。時々刻々と変わってゆく不思議な生き物だ」・・「今」のあなたの生き方が、未来のあなたを再び変えることになるに違いありません。過去なんて、もうどうしようもない、過ぎ去った事柄にしか過ぎません。でも厳然と過去は生きていて、今日の自分を作っている。けれども、過去と未来の間に「今」というものが介在していることを、私もあなたも、すっかり気がつかずにいたような気がしてなりません。(P192より) 何気なく読んでしまう一文だけれども、じっくり読み返してみると慄然とさせられる。人生は苦である、と言ったブッダの言葉通り、この物語の主人公(二人)もそれぞれ苦しみを背負って生きている。しかもその苦しみは二人が離婚する原因となったある事件が出発点となっている。少なくともそう思っている。なぜならば二人は愛し合いながらも離婚せざるを得なかったから。しかし、果たして本当にそれが苦しみの原因なのだろうか?離婚して十年後に偶然再会した二人は手紙のやり取りを始める。手紙の内容は生きることへの根源的な問いかけであり、やり取りを重ねるうちにやがて二人の間で何かが変わり始める。いや、変わるというよりも何かが取り払われてゆく。まるで曇った窓ガラスがきれいに拭き取られるように。そこで見えてきたものは?うまく表現できないが、それは人生の「秘密」あるいは「真実」のようなものではなかったか。生きることは依然として苦しい。しかし、その「秘密」、「真実」を知った後では、日常の何気ない光景でさえもがこれまでとまったく違って見える。すべてが愛おしく思える。主人公の女性の最後の手紙の末尾はこう結ばれている。 私たちの生命とは、何と不可思議な法則とからくりを秘めていることでございましょう。(P216) 「あーすべてが必然なんだと、教えてるの」と歌ったのはたしか竹内まりやだった。一見、世の中には偶然の出来事というのがたくさんあるように思える。けれども、実はそれらはすべて原因と結果の連なりによって生じた「必然」なのだ。それが人生の「秘密」、「真実」であり、生命の不可思議な法則、からくりなのではないか。二人の男女の過去と現在が幾重にも絡み合いながら展開する物語はまさに題名通り錦繍のようであるが、このことによってさらなる深みと彩りが加わっていると感じた。 | ||||
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| 【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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