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錦繍
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錦繍の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.41pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全179件 41~60 3/9ページ
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流転の海シリーズの少し前の時期に書かれた比較的短い作品。往復書簡形式の持つ意味や効果について慮ることができたのはよかった。過去から未来へという方向の転換点、現在を生きることをどう表現するかを、形式の面からも模索する筆者の姿を個人的には見ました。 | ||||
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一度は読んでおくべき本だと思い、手に取りました。一気に読んでしまい、読んだあとも誰かと感想を言い合いたい気持ちになりました。おもしろいとか深いとかそういう類いの本ではないですが、なんだか自分とはまったく違う人の人生を覗き見ているような感覚でした。 | ||||
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まずは、星五つをつけさせていただきます。この本を購入したのはつい先日のことで、説明書きの内容が少し気いなった・・・ということにしておきます。 私(昭和19年10月生まれ)がまだ学生だった頃友人と信州を旅行しました。妻籠か馬籠だったか忘れましたが、そこで帰りのバスを待っているときにふと目についた土産物店で見つけたのが四反田五郎さんの「邂逅」という本でした。バスが到着するまでの短い時間に立ち読みしました。今は「殉愛」というタイトルで出版されています。まだ私が青かった時代の本です。 前置きが長くなりましたが、錦繡の説明書きを読んで、邂逅に似た書き方の本だろうと思って購入しました。 まだ50ページほどしか読んでいませんが、自らの思いをしたためた手紙という手法は、会話文のものとは随分異なり、読む人の胸にとても大きなインパクトを与えるものだと思います。人それぞれの経験や思い、考え方があると思いますが・・・ 読み終えたら、またこの場所に立ち戻ってレビューを深めたいと思います。冒頭に「まずは、星五つをつけさせていただきます。」と書きましたのはそのためです。 もしよろしければ、押しつけがましいようですが、四反田五郎さんの「殉愛」をご一読いただければと思います。 | ||||
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離婚した2人の手紙のやり取りで物語が進んでいくのが面白い。 夫と別の女性との無理心中、そこから再生した夫、離婚して孤独の道を歩んでいく夫婦、と過去の回想から始まり現在、未来へと進んでいく哀しいロマンスでした。 | ||||
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普通 | ||||
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若い時、読んだ本です。内容もよくて文章が素晴らしかった事を覚えています。 再度読みたくなり購入しました。 往復書簡形式で男女の10年間の過去がわかっていきます。何故離婚したかの本当の意味も わかっていきます。何度も泣けるシーンがあります。読みだしたら止まらになくなる小説の一つで すが途中、霊魂や生命と死の話は難しくよく解りませんでした。 読み始めたときは、「別れた男女が最後一緒になるのかな、なればいいな」と思っていましたが、 一緒にならなくてもそれぞれの道を探し出し歩みだそうとする姿に納得してしまいがんばって ほしいと願う小説でした。 なお、錦繡の意味は、美しい織物や美しい紅葉や花の事を言いますので、この小説では 再会した紅葉に染まる蔵王の事を言うと思いました。 | ||||
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偶然再会した男女の、約一年間にわたる手紙のやりとりである。理由あって離婚した二人の間にあった過去の溝が徐々に埋められていき、そこからそれぞれの道を踏み出していくまでの物語である。モーツァルトの音楽が重要なポイントになっている。人生の苦渋を味わった二人は、割り切れない生活を揺らぎながら続けていく。そして、再生への道を探っていく。二人のなんとも安定しないどっちつかずな状況の中で、人生をつかもうとする姿がとても現実的であると思った。ドラマティックな展開ではなく、情緒纏綿としていて「大人」の物語である。うならせる仕上がり。 | ||||
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年齢を重ねるごとに行間の深さが変わるまさに錦繍の書。 青が散ると並ぶ傑作。 | ||||
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何回も読んでいる。僕の一番好きな本ですとプレゼントしている。 | ||||
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本書(単行本)初版が出版されたのは 1982年3月です。その後 NHKラジオ「朗読の時間」 (第一でしたか第二でしたか)で 『錦繍』(きんしゅう) つまり本書の朗読が放送されました。 何回か連続でした。 本書は書簡体小説ですから 書き手が男性である手紙は 俳優の加藤剛(1938-2018)が朗読し 書き手が女性である手紙は 女優(名前を失念しました)が朗読する という形式でした。朗読が気に入ったので 単行本を買って読んだのを覚えています。 加藤剛と言えば 「大岡越前」のイメージや 「平将門」のイメージがあります (私は演劇や舞台にはほとんど 造詣がないので恐縮です)。 その朗読は癖がなくて聴きやすく 加藤剛のキャラクターイメージである 誠実さ・率直さ・知的な感じが 出ていたと思います。 今でもNHKラジオは 朗読の放送をやっています (連続何回か)が 加藤剛に「遥かに及ばない」ので 聴くのをやめました。 俳優・女優による朗読が多いようですが どうも癖があって耳に障ります。 読み手に過剰な思い入れがあったり 何かユニークさを出そうとしている 演出的努力が伝わってくるのですが かえってそれが嫌味になっています。 加藤剛のように自然体で淡々と 読んでいただければ最善に思います。 あるとき西洋の翻訳ものを 関西弁のイントネーションで朗読するのを 聴いたときにはすぐに電源を切りました。 またNHKラジオでは 各アナウンサーが朗読する時間帯 (40分程度で1回読み切り形式) もあります。何年か前までは 土曜の朝8時頃の放送でしたが 今では「深夜便」の時間(未明)に 移動したようです。 この時間帯は あまり重厚な文学作品の朗読はなく 比較的最近の軽い小説が多いようです。 朗読のうまい下手はともかく 中身がスカスカなことが多いので やはり聴くのをやめました。 作品のチョイス(選択)が culture ならぬ 「軽チャー」路線のような気がします。 その昔のNHKラジオの朗読といえば 堀田善衛(1918-1998)の 自伝的な小説 『若き詩人たちの肖像』 (新潮社1968 → 集英社文庫) という重厚な作品を取り上げて いたこともあります。 小説の時代設定は戦前・戦中です。 「今日スターリングラードがおちたわ」 という登場人物のセリフを覚えています。 1943年1月31日 旧ソ連の旧スターリングラード (現ボルゴグラード) をいったん占領したナチス・ドイツの 国防軍第6軍(パウルス元帥麾下)が ソ連の赤軍に降伏した というニュースを聴いた 登場人物たちの反応です。 これくらい深みのある朗読ならば また聴いてみたいものですが 絵に描いた餅に終わるでしょう。 さて本書は 離婚した夫と妻が10年後 宮城-山形県境の蔵王で たまたま再会するところから 物語がスタートします。 かつて大手建設会社の選良社員だった 「夫」は社会的に「転落」し 借金とり(ならず者・チンピラ)に 追われ蔵王に逃げて来ました。 その会社社長の一人娘だった「妻」は 再婚し再婚相手との間に一人息子を もうけました(元夫との間には 子はありません)。 その子が8歳です。 ハンディキャップを背負っている のですが星を見るのが好きなので 蔵王に来たのでした。 元「夫」と元「妻」とその子の3人が 同じ「ゴンドラ・リフト」に乗り合わせます ロープウェイのことです。 タイトルの『錦繍』とは 「錦」と「刺繍をした着物」のことで 転じて「きれいな衣服」を意味し さらに転じて「紅葉の美しさ」を 「きれいな着物」にたとえた比喩です。 つまりロープウェイから眺めた 蔵王の紅葉の美しさを言語化したのが 『錦繍』です。 再会した元「夫」と元「妻」は どうなるのでしょうか? それは手紙(書簡)の往復によって 明らかになって行きます。 手紙の中の時間は「過去」に さかのぼります。 なぜ離婚しなければならなかったのかが 記憶によって明らかにされます。 また手紙の中の時間は「現在」をさします。 元「夫」と元「妻」は今いったい どのように暮らしているのでしょうか? そして 手紙の中の時間は「未来」を暗示して 終わることになります。 結末は本書の中にあります。 このように 「過去」→「現在」→「未来」 という時間つまり記憶や意識の中で 「物語」が構築されていきます。 書簡体小説というのは古典的手法です。 古典的なだけに危うい手法ですが 本書はそれで成功した小説となっています。 そう言えば若かりしころ 万年筆で白い便箋に何枚も書き 封筒に詰めてはほぼ毎日 女に手紙を出していました。 女からの返信は2回か3回に 1通程度でしたが それでもダンボール箱いっぱいの書簡が 私の手元に残っていました。 親が死んで実家を整理したとき 「燃えるゴミ」か「雑紙」類の日に ゴミに出したのを覚えています。 私はその2~3倍の量の手紙を 書いたことになります。 自分で自分が信じられません。 今となっては 女どころか 誰に対しても もう何十年も手書きの手紙を 書いたことがありません。 それどころか最低ここ5年は 「キャリアメール」 (各携帯会社のドメインのついたメール) すら1通も出していません。 誰にもアドレスを教えていないので 1通も受け取っていません。 さらにここ3年は LINEも ショートメール(電話番号で送れるメール) も送信受信していません。 不要なアカウントは電光石火で 削除する習慣だからです。 (ビジネスメールは別です)。 やはり「愛」であれ「憎」であれ 手紙を書くという行為は 若くないとできないのかもしれません。 心的エネルギーを必要とするからです。 さて本書にもどると 「蔵王」で始まった物語は 「往復書簡」の中で いろいろな土地に行きます。 京都市・嵐山 同・四条河原町 同・祇園 同・岡崎 京都府・舞鶴市 兵庫県西宮市・香櫨園 大阪市生野区 などです (必ずしも時系列ではありません)。 本書のどこかで 「生きていることと 死んでいることは同じことかもしれない」 と登場人物が考える所があります。 その点につきましては やや観念的に過ぎるかもしれないと 思います(個人の感想です)。 逆に たいへんヴィヴィッドに (つまり生き生きと) 姿が目に浮かぶように書けている と思ったのは次の箇所です。 (ある登場人物が) 【泣きながら、冷や奴を食べ、マヨネーズを 塗りたくったハムにかぶりつき、 御飯を頬張りました。そうしながら、 手の甲で涙をぬぐい、 鼻をすすりました。 ぬぐってもぬぐっても、 ○○(登場人物の名前が入ります)の 丸い目からは涙が流れ、 白い頬を伝ってテーブルの上に 落ちて行きました。】(pp.246-247) 何の根拠もない憶測ですが 著者はこのような情景を 目のあたりにしたことが あったのかもしれません。 きっとあったのではないか と感じさせるような迫力です。 男は シーリアスな話をしていると 食欲がなくなりますが 女は 泣きながら 御飯を食べます (それはそれ、これはこれ、です)。 もちろんあくまで個人の感想です。 | ||||
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「前略 蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で、まさかあなたと再会するなんて、本当に想像すら出来ないことでした」運命的な事件ゆえ愛しながらも離婚した二人が、紅葉に染まる蔵王で十年の歳月を隔て再会した。そして、女は男に宛てて一通の手紙を書き綴る――。往復書簡が、それぞれの孤独を生きてきた男女の過去を埋め織りなす、愛と再生のロマン。 | ||||
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離婚した夫婦が手紙によって生きる力を得ていくなかに、決して元には戻れない哀しみが流れる。 | ||||
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手紙文での交流が目新しい感じでした | ||||
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ある時間をきっかけとして別れてしまった夫婦。10数年ぶりに偶然再会を果たし、それから始まる手紙のやり取り。その中で当時の思いと現在の状況を赤裸々に語り、やがて未来へと歩んでいく心と時の物語である。 僕もこんな手紙が書けたらと思う、とてと綺麗な文章でした。 | ||||
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学生の私からすれば、昔の作品だと思いました。難しそうな印象を持っていましたが、すごく読みやすかったです。内容は置いといて、すごく完成された日本語だと思います。文の癖のようなものもなく、ストレスを感じることなく読了しました。オススメです。 | ||||
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生きていくとは 死んでいくこと…過去が今を作り、今が未来を作っていく…。 深い悟りの境地に達した作者の 名作だと思います。 | ||||
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今の生活にはない時間の流れ。もどかしさ。なつかしくて時々読み返したくなる佳作だと思います。 | ||||
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美しい日本語で描かれる手紙は一読に値する。こんな手紙をしたためることができれば、筆をとるのがどんなに楽しいか。情景描写がすばらしく、写真を見るより美しい景色が広がるのは写真家としては悔しいところ。 物語自体は平坦で、再会した元夫婦が二度と会わずに終わる。結局、今手の中にあるもので頑張りますという劇的な場面のない本でした。一気に読み進められる文体の美しさ以上には魅力を感じませんでした。 | ||||
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状態もよく、安く購入できました。 もう何度も購入して人にプレゼントしています。 すばらしい本です! | ||||
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すれ違ったまま、主人公二人の言葉が噛み合うことなく展開する物語。どこかに着地点があるのではと待ちながら読み進めましたが、消化不良のまま終わってしまいました。女性の描かれ方が前時代的、雑で、後味が悪かったです。 | ||||
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