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錦繍
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錦繍の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.41pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全179件 1~20 1/9ページ
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ここまで話せる人との出会い 同士 人生は哀しみと感動 この先の何年もこの余韻は続くのだろうなと思える小説 高校生の頃読みたかったと思う反面あの頃の私なら理解できなかっただろうと | ||||
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なんというか、切ない読後感である。人生なんて思うようにいかないことばかりだし、愛と幸福が必ずしも両立するとは限らないよな。。そんなことを感じた作品。 かつて、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリが 『人間の土地』 の中で「愛とは、お互いに見つめあうことではなく、ともに同じ方向を見つめることである」と書いていたのを思い出す。離婚した元夫婦が交わす書簡には人生の哀しみが溢れているが、同時に深い愛も感じられる。離婚して10年が経ち、それぞれに全く別の人生を歩んでいたとしても、見つめる先にあるものがお互いの幸福であるならば、そこには深い愛が存在するはずである。その愛の表象として、本作ではモーツァルトの交響曲第39番が鳴り響く。 『錦繍』は、愛の抑制的なひとつの在り方を表現した素晴らしい傑作だと思う。 | ||||
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全て手紙で綴られた小説、男女のその時の思い、愛情を書簡で表現して、中々素晴らしい。 | ||||
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タイトルに惹かれて初めて宮本輝を読んでみたが、何でこんなに高評価なのか理解できなかった。出だしはわくわくさせるものがあったけれど、昭和っぽい男女(かつての夫婦)が偶然の再会をきっかけに手紙のやりとりをしながら、過去を振り返り気持ちの整理をし、最後は未来志向になりましたみたいな話で、あまり面白くない。 | ||||
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知り合いに進められて読んでみた。文章を読んで情景が浮かんで来るし、こんな事て人生で起こりうるよなと現実性も高い。が、現代にマッチしてない感性かもとも思う。 主人公の有馬靖明と由香子、亜紀、玲子という3人の女性の物語が書簡形式で進んでゆく。ヒロインは亜紀。個人的には由香子との防波堤の部分を記述した手紙がが好きだけれど、ひとそれぞれだろう。「錦繡」という題名を付けているんだから、「人生も縺れ絡まりあい」、「宇宙・人の生死のからくり」とかを主題にしたんだろうなとか思う。 | ||||
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新聞の今週の本棚というページになつかしい+一冊を俳優の南沢奈央さんが選んでいました。紅葉に染まる蔵王での元夫婦の十年越しの再会。14通の往復書簡。辛いお話でしたが、最後には力をもらえたような気がした一冊です。 | ||||
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言葉が美しく、主人公は、社長令嬢に生まれ、結婚式もさぞ立派なお式をあげたのでしょうね でも本人の知らざるところで状況が一変して、また次の結婚も….お父さん助けてください そこが私はこの物語で、一番好きですしお父様もそうなさるでしょう | ||||
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泰明と亜紀が仲良く暮らしていたら幸せだったのにそうならなかった、この小説はロミオとジュリエット的な古典的な悲恋。 不倫相手の由香子はファムファタルというべき魅力的な女性で、運命的に泰明を翻弄する。 一方の泰明は誘惑に弱く、優柔不断で、それが由香子にこの男を手に入れたい、でも手に入れられないと葛藤をさせ、事件を起こさせてしまった。 そういう意味で泰明もオムファタルというべき存在になっている。 ファムファタルとオムファタルが出会えば、破滅的になるのは必然。 泰明は書評で叩かれがちだけど、女性としてこの男性の魅力はよく分かる。色気がある。 由香子に強く惹かれる、でも亜紀も穏やかに愛している。 これは女性を狂わせる。 由香子、亜紀、令子はそれぞれ魅力的で、泰明は惹かれたり、居心地よさを感じていたりはするけれど、では一番愛している、愛していたのは誰と考えるとどの女性でもない。 罪な男。だけど、現実にこの手の男性はいて、関わる女性を苦しめる。 生きていることと死んでいることは・・のくだりは、テーマと絡めてよく取り上げられるけれど、特に意味はないと感じた。物語を飾る綺麗な刺繍の一つ。 「人間の業」についても、それほどのことが書かれているとも感じなかった。 美しい文章で綴られた悲恋物語。 それ以上でもなくそれ以下でもない。 | ||||
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・人はそんなにも寛大になれるだろうか。5年の熱い恋愛を経て結婚した夫が、新婚2年少しなのに、1年もの間昔知った女と密会を繰り返し、挙句に女の仕掛けた心中に巻き込まれて事件となった、また後に再婚した夫も、障害を負って生まれた子がありながら、愛し得なかったにしろ、他の女に走り子まで成した、それら男たちを、自分にも至らぬ点があったと思えたからとして。 怒りや憎しみを抱いて生きるのは、如何にも辛い、故にもうそんな男たちは忘れた、それならまだ分るが、愛しく思ったり、許せるとは。 更にモーツァルトのシンフォニーを聴いて、「生きていることと、死んでいることは、もしかしたら同じこと」のフレーズが、この小説の主題でもあるかのように繰り返されるが、此れもまた不可解。 結局、割り切れぬままに、この小説を終わった。 | ||||
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恋愛結婚のこの後始末小説は「手紙」形式を採り、[夢破れて青山あり、心虚(うつ)ろにして後悔深し]を地で往く離婚した元夫婦の男女二人を主人公とする。住まいのある阪神香櫨園と大阪市内は電車で一時間圏内なのに、二人の心理的距離感は相当なもの。だから「手紙」が活躍する。 十年一昔、年月を隔て陸奥(みちのく)の地で偶然再会した男は落魄苦悩を滲ませ、再婚した女は脚の不自由な子供を連れる。三十路半ばに至った男女は挨拶のあとは無言。「思いがけぬ再会が、私に例の少女じみた空想癖を呼び醒まし」た騒(さざ)めきから、女は手紙の筆を執る。無粋なスマホや電子メールが無いこの時代が懐かしい。 予期せぬ返信で、離婚を招いた無理心中事件で死んだ女が、十四歳の頃に転入先の舞鶴の中学校で知り合った初恋相手だったと元夫から告げられる。懺悔を迫る手紙の遣り取りを拒む元夫に、心の澱(おり)を愚痴や嫉妬と一緒にぶち撒ける元妻は「手紙」攻撃を止めない。未練なのか、強迫観念ゆえか。 「モーツァルト」喫茶店の火災焼失、鼠を弄び尻尾を残して喰い千切った猫、男の同棲相手が語る祖母の奇形の左手、気立ての良さが取り柄の無口な同棲女が預金を叩(はた)いても男に勧める新商売(美容院向けPR誌)の提案、主人公たちの行方にすべて繋がろうとは…。 同棲女は不平をこぼす男を眺めて破顔一笑、「うちはあんたを一年間飼(こ)うて来たんや」と冗談めかした口振り。「やっぱり、あんたはたいしたもんやわ」と男の成果に大いに感心し、「そやけど、月末の配達は、あんたがしてくれるんやろ?」とちゃっかり追い撃ちを掛ける。俄然、面白うなってきた。救いは関西弁とともに来ぬ、か。 「手紙」は書き手の過去、現在、そして未来をも描き出す映し鏡のようなもの。艶やかな着物も、一本一本が細い撚糸の交錯で生まれる。目には見えない赤い糸や運命の糸が組み合わさり、こんがらがったりして、人生はより複雑に彩(いろど)られる。 実りの秋に読み耽るべき本作で作者は、不幸の連鎖と決別し再生への意欲に目覚めた男女の未来を読者に仄めかしつつ、手紙の往還を昇華された愛情交歓のうちに見事に締め括った。 | ||||
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希望ある結びであるにも関わらず、とても哀しくなりました。 限られた時間を生きる我々は現在・未来・過去それぞれに於いて、どのくらいの尺度を見つめながら生きれば幸せを掬い上げ愛でる事ができるのでしょう。 | ||||
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手紙の交換という手法での小説です。この手法の小説は他にはなく面白いと思います。 | ||||
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昭和60年から再読に再読を重ねているお気に入りの1冊です。 主人公の父が言う「懐かしい字やった。有馬はどうしているんや」。ここで号泣です。 モーツァルトのジュピターも聴きたくなります。 | ||||
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本自体はキレイでした。内容は好ききらいがあると思います。 | ||||
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自分にとっての錦繡の中のモーツルトの交響曲39番は今のとこ、どうもフルベンなんだけど、まだ知らない場所を訪ねてみたいな。そんで41番は誰なんやろと、色んな土地や楽団を訪ね歩いている、まだ楽しい旅の途中。ほんとはケルテスの25番が一番好きなんだけど。あきらめと執着と、排泄と嘔吐、そしてため息と死(詩) | ||||
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昭和生まれのみならず、Z世代の方もぜひ読んでみて! | ||||
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文字の判読に苦労するくらい、日焼けの度合いが大きい。 | ||||
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今の小説にはない素晴らしさがある。文学的で難解でなく、日本的 | ||||
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手紙のやり取りを一つの作品に仕上げた発想と文力に感嘆。他の作品も読みたくなる事必至。 | ||||
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〇 宮本輝さんの小説のなかでも多くの人に愛されている作品らしい。外国語にも翻訳されている。わたしもぐいぐいと惹き込まれた。あっと言う間に読み終えて、さてこの小説の魅力の源はどこにあるのだろうと考えた。 〇 書簡体であるために読みやすいのはまちがいないと思う。妙に凝った文学的表現は出てこないし、文章は流れるし、素直に文字を追っていけば物語がすうっと頭に入ってくる。 〇 内容に目を向ければ、幼馴染との再会と浮気、浮気による夫婦の破綻、九死に一生を得た元夫の臨死体験、彼の経済的転落、障がいを持って生まれた子供に注ぐ母の愛情、モーツアルトの音楽に見出す慰めと、山あり谷ありのストーリーをつくりあげる材料がたっぷりと揃っている。物語は次々と展開を見せて飽きるひまがない。 〇 こうした材料は扱い方によっては通俗的なメロドラマになってしまいそうだが、そこは宮本輝さん、元夫と元妻をして、これらのでき事をきっかけに人の本性や運命について思いをめぐらせ、考えたところをお互いに語らせる。こうした内省的な語り合いによって作品の品位がぐっと高くなり、奥行きも増していることは確かだと思う。 〇 人間の罪とは何か、業とはどんなものか、人生とは何か、死後も魂はあるのではないか、生と死は根本的に違うのか・・・ここで展開されている議論は立派なもので、どこまでその議論に共鳴するかは別として、外国の人も含めた多くの読者がここに手応え読み応えを感じているのではないかと思う。 〇 はじめて出版されたのは1982年と古い小説だが、令和の時代に読んでも少しも古さを感じなかった。 | ||||
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