■スポンサードリンク


堕落刑事: マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
堕落刑事 :マンチェスター市警 エイダン・ウエィツ (新潮文庫)

堕落刑事: マンチェスター市警 エイダン・ウェイツの評価: 4.50/5点 レビュー 8件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.50pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全8件 1~8 1/1ページ
No.8:
(4pt)

テンポの良い作品で、私はとてもよみやすかったです。

読みやすい作品だと思います。主人公の性格は全然ハードボイルドではなく、最初は今時の若者だったのが時間を重ねるごとにやることがハードボイルドぽくなってきて、しまいにあんまりぼこぼこにやられてて、大丈夫なのかしら、と心配になるほどでした。でも、とても好みの作品です。
堕落刑事 :マンチェスター市警 エイダン・ウエィツ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:堕落刑事 :マンチェスター市警 エイダン・ウエィツ (新潮文庫)より
4102401512
No.7:
(5pt)

今後が楽しみな作家の登場!

評者は、警察ノアールの新鋭ジョセフ・ノックスの第二作目の『笑う死体』から読み、処女作の本書『堕落刑事』を時系列を逆にして読んだのです。
 二作目から読んで第一作を読んで楽しめたことも多くあった。
 エイダン・ウェイツ刑事がパーズ警視の命令を唯々諾々と受けて麻薬組織の牙城に潜入捜査することを拒否することがなぜできないかを知ることができたこともそのひとつである。
 主人公は格闘技に優れているわけでもないし、明晰な推理を行使して謎を解いていくプロトタイプの刑事でもないところが魅力になって読者は感情移入することになる。
 スピードという薬やアルコールの誘惑にも弱くたよりにならない平巡査の刑事なのだ。
 が、一線を越えるところで踏みとどまり身を挺して悪に立ち向かうのがウェイツの信条なのだ。
 著者は幼い頃から不眠症で本を読んだりものを書いたりしていたということを「訳者あとがき」で池田真紀子氏が披露していた。
 本書も7年かけて書き終えたものの、後半の仕上がりがいまひとつ納得いかず、その半分をばっさり削除して書き直したそうである。
 評者が先に読んだ第二作『笑う死体』はすんなり1年後に書き終えたから、エイダン刑事の構想に戸惑うことがなくなったのかも知れない。
 第三作でこのエイダン・ウェイツ刑事ものを終えるようだが、評者は三作目を読んでいないからなんとも言えないがシリーズものにしたほうがよいように思えた。
 著者の作風は、マイクル・コナリーのハリー・ボッシュものに似たところもある。
 キャラクターが180度異なるところを強みにしてシリーズ化したら面白いと思えたのです。
 ザ・バグなど変わった登場人物にもウェイツが施設で育った経歴で無理なくストーリーに挿入していることから著者が細部に拘ることが伺える。
 ボッシュとウェイツに共通する正義を違った形で物語化したら今後が期待できそうだ。
 第三弾の『スリープウォーカー』をまず読んでみようと思いながら本書を読み終えたのです。
 池田真紀子氏の優れた流れるような訳で読ませてくれたことも付記しておきたい。
堕落刑事 :マンチェスター市警 エイダン・ウエィツ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:堕落刑事 :マンチェスター市警 エイダン・ウエィツ (新潮文庫)より
4102401512
No.6:
(5pt)

次も待ってます

次も待ってます、夏には翻訳出るのでしょうか〜⁉︎
堕落刑事 :マンチェスター市警 エイダン・ウエィツ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:堕落刑事 :マンチェスター市警 エイダン・ウエィツ (新潮文庫)より
4102401512
No.5:
(4pt)

イギリスのマンチェスターのダークサイドが判るミステリ

イギリスのマンチェスターの刑事がドラッグの潜入捜査を任され・・・というお話。

ドラッグの捜査と平行して、政治家の娘を捜索する任務も持たされた主人公が両方の捜査が絡まっている事を知り・・・という展開はよくあるパターンですし、実際に既視感もありますが、マンチェスターという都市のダークサイドを知ったり、読んだりするのは一読の価値があります。

イギリスのマンチェスターにはロックとフットボール(サッカー)に長い歴史があるそうで、ロックはここで使われているジョイ・ディビジョン、フォールからストーン・ローゼスやオアシスと知っている人は知っていると思いますが、知らない人は全く判らないかもしれない、長い伝統があるそうです。

この小説の章題で使われている、前述のジョイ・ディビジョンですが、知らない人の為に少し記しておくと、ゴスとエレクトロを足した様な暗い感じのバンドで、リーダーのイアン・カーチスはアルバム2作で自殺してしまい解散したバンドです。

また、欧米の人は日本では考えにくいくらい音楽が日常生活に溶け込んでおり、営為と言っていいくらい聴く人も多いので、この著者やイアン・ランキン氏の作品はそこら辺が判っていないと理解しにくいかも。

と書き込みましたが、ロック等に興味がなくても楽しめる刑事もののミステリでした。

マンチェスターのダークサイドが判るミステリ。機会があったらご一読を。
堕落刑事 :マンチェスター市警 エイダン・ウエィツ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:堕落刑事 :マンチェスター市警 エイダン・ウエィツ (新潮文庫)より
4102401512
No.4:
(5pt)

一気読みできる。作品

ドラックで降格し脱落した刑事、潜入捜査........ありがちな刑事物の作品と思い読んだが、ストーリーにテンポがあり一気読みへと導く、作者の力量を感じました。    次回作も期待できる作家の一人に加わりました
堕落刑事 :マンチェスター市警 エイダン・ウエィツ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:堕落刑事 :マンチェスター市警 エイダン・ウエィツ (新潮文庫)より
4102401512
No.3:
(5pt)

生き延びるためのただ一つの道は、暗闇の中の曲がりくねった隘路

イギリス生まれのノワール、というのが意外だ。誰かが本書をレビューして馳星周のようだと書いていたが、なるほど日本でのノワールだって他所の国の人には意外と思われていたかもしれない。ノワールは出所は、フレンチ、やがて大西洋を渡り、アメリカではジム・トンプソン、ジェイムズ・エルロイへと受け渡されてゆく。そのエルロイにべた惚れし、その文体やリズム感を受け継いで才能を開花させたのが馳星周だということは、作家以前の彼から惹き出したぼくの私的類推。

 さて、そうした流れとはきっと何の関係もなく、一匹狼のマンチャスター市警の警察官が、ヤクザ組織に潜り込み、そこである重要人物が殺害されるという事件に巻き込まれ、四方八方から追われつつ、真相を究明するという凄くスリリングなストーリーである。本書の解説では残念ながら殺害されてしまう重要人物までも明らかになっており、これ自体が中間章ネタバレなので、未読の方は是非解説を先読みしないよう留意されたい。

 とにかく主人公の潜入刑事エイダンが救われる可能性はあまりにも低いように思われるところが本書の凄さだ。生き延びるためのただ一つの道は、暗闇の中の曲がりくねった隘路のようにしか思えない。それほどスリリングで危険で、命からがらの旅がエイダンと読者とを待ち受けている。

 悪党どもの個性と癖の強さも本書の売りと言っていいだろう。裏切りと暴力と血と暗闘に満ちた、警察と暴力組織と。一見泥にまみれた誇りもくそもない負け犬刑事のエイダンが、誇り高き騎士に見えてくるほど、世界は汚泥に塗れ、暗闇の中で若い男女の血を啜ろうと待ち構えるまるで吸血鬼みたいなのだ。

 まさに社会の裏側を走る暗黒小説であり、そこをタフに泳ぎ抜けるか否かを見極めるスリルに満ちたアクションと駆け引きの物語。エンターテインメント性でともかく群を抜いたシリーズの登場にまずは文句なしの喝采を贈りたい。若き書き手として楽しみな英国作家の登場である。彼が本作を仕上げるのに八年を費やしたと聞いただけで眩暈がしそうになる。作家的資質の他に、なみじゃない根性の持ち主でもあるということだ。なるほど!
堕落刑事 :マンチェスター市警 エイダン・ウエィツ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:堕落刑事 :マンチェスター市警 エイダン・ウエィツ (新潮文庫)より
4102401512
No.2:
(5pt)

胸に迫る刹那さと圧倒的スリリングな力作登場!

圧巻の一言。グイグイ読み込ませるスリリングストーリー。かの陰鬱な英国で邪悪な闇の世界に踏み入れる堕落刑事。しかし決断力に溢れ、ここぞという場面で思わぬ策略で危機を回避、懐疑に迫り、自らの手で紐解く様は、読み手を惹きつけてやまない。著者の異色な経歴も新鮮、妥協を許さないデビュー作、久しぶりの大物の予感。翻訳の池田真紀子氏の腑に落ちる訳も引き立ち溜息が出る。初めと終わりに繰り返される、とある文体が何とも刹那で、秋の夜長に相応しい一冊。ぜひに。次作も期待。
堕落刑事 :マンチェスター市警 エイダン・ウエィツ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:堕落刑事 :マンチェスター市警 エイダン・ウエィツ (新潮文庫)より
4102401512
No.1:
(3pt)

"セイレーン"の歌声を聞いた愚かな男の物語

原著タイトルは、直感的に「サイレンズ・イン・ザ・ストリート」(エイドリアン・マッキンティ)を想起させますね。北アイルランドに轟くサイレンズの呼び声に呼応するように、「堕落刑事:マンチェスター市警 エイダン・ウエィツ "Sirens"」(ジョゼフ・ノックス 新潮文庫)を読む。今回の舞台は、イングランド北部、マンチェスター。
 押収品のドラッグをくすねて停職になった刑事エイダン・ウエィツは、選択の余地なく麻薬組織への「アンダー・カバー」へと巻き込まれていきます。国会議員からは家出した娘の動向を監視するよう依頼され、「堕ちた刑事」はマンチェスターのストリートにある闇より暗い闇へと深く、深く潜入していきます。開巻、マンチェスターという都市を描く作者の筆致は魅力的です。ダークサイドを描くべく、ダークサイドに寄り添った心。そして、潜入捜査の中でいくつかの殺人事件が起き、「ダークサイド」にどっぷり浸かったもう一人の腐敗刑事の存在が明らかになっていきます。蔓延するドラッグ、違法薬物、汚染薬物、不正行為、窃盗、喪失したID、引き起こされる機能不全。

 登場人物たちが肌理細かく描かれ、細部へのこだわりが感じられますが、それらを整えようとするあまりに物語を多面的に弄り回している印象が強いですね。よって、中盤は少し退屈です。必要な「退屈さ」なのかどうか?エイダンは若きアンチ・ヒーローです。彼が、アルコールとセックスとドラッグに塗れながらその奔放さによって「捜査」をかく乱させ、傷だらけの自分をさらけ出すことによってある<真実>を導き出します。自分だけではなく、そのすべてを傷つけながら。問題ある<はぐれもの>は常に<はぐれもの>たちを引き寄せてしまうのでしょう。
 <陰鬱な英国>を浮き彫りにするマンチェスターの若きアンチ・ヒーローの登場。作者のデビュー作だそうですね。余韻の残るいい結末だと思います。いつの世も"セイレーン"の歌声を聞いた男たちは、愚かな世界の中、何も学ぶことなく「愚かな」ままそこに残されます。
堕落刑事 :マンチェスター市警 エイダン・ウエィツ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:堕落刑事 :マンチェスター市警 エイダン・ウエィツ (新潮文庫)より
4102401512

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!