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時空旅行者の砂時計
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時空旅行者の砂時計の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.80pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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かなり以前に読んだが、その時の素直な感想を発見したので、ここで述べたい。 第29回鮎川哲也賞受賞作。 最愛の妻伶奈が特殊な肺炎になって死にそうになる。その原因は龍泉家の呪いにあるらしい。過去の忌まわしい事件さえ解決すれば伶奈の病気は良くなるはず。そこで、都市伝説の砂時計が現れ、2018年から58年前にタイムトラベルして当時の事件を解決することになる。 タイムトラベルものによくあることだが、時系列などが複雑で、頭を整理しながら読む必要がある。本格推理としてのロジックの中にタイムトラベルという「魔法」を使うのはアンフェアだが、ちゃんと説明した上で少し使っている。読むのにかなり苦痛を感じた。 最終的には伶奈の病気はなく、流産したはずの赤ちゃんが生まれたというハッピーエンドであり、その部分では涙するほど感動的ではある。しかし、全体的にリーダビリティーが悪く、あまり読みたい部類の作品ではなかった。もう少しシンプルに出来ないものか。 なお、登場人物の関係性が分かりにくく、系図を頻繁に参照しないと理解しにくいのもマイナス要素。また、せっかく別荘の間取りの図が書いてあるのに、空白があるにも関わらず、それぞれの部屋に誰が宿泊していたかが書かれていないのも不親切。 | ||||
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SFを前提とした本格ミステリ。クローズドサークル・見立て殺人・バラバラ死体・呪い・不可能犯罪・読者への挑戦状という、いやが上でも本格ミステリファンが盛り上がること必至の要素がてんこ盛り・・・ですが、タイムパラドクスなどタイムトラベルものにつきものの物語の複雑さ、難解さが読んでいてちょっと大変でした。探偵役によって真犯人が指摘され不可能な犯行状況のトリックや事件全体の謎が解明されても、全然スカッとしない(笑)。あと、主人公はともかく、1960年代の皆さんがあんなに簡単にタイムトラベルを信じるの?と。あんな状況で誰一人パニックにならず冷静に推理しちゃっているのもクローズドサークルものあるあるとはいえあまりに現実味がなくイマイチでした。しかし一番気になったのは人物の口調が特に理由もなく急に変わる(同じ相手との会話なのに「私」だったのがいきなり「俺」になったり、丁寧語だったのがタメ口になったりするので誰が喋っているのか混乱)部分です。 | ||||
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キャラクターやストーリー、構成力は及第点なのでしょうが、描写力が浅薄で印象に残りませんでした。 冒頭の地図や登場人物票を何度も見つつ、部屋割りも頑張って把握して読み進めたのですが…解決編では「これは何について説明しているんだろう?」という箇所が何度も出てきました。提示された謎の答えが示されているはずなのに、今一つよく分からない。結局、「え?それで解決されたことになっちゃうの?」と微妙な読後感を残したまま、あの驚愕のラストシーンに至りました。 例えば東野圭吾の作品だと、今作よりもはるかに複層的で入り組んだ人間関係や事態の変遷が、解決編では全く何のよどみもなく頭に入ってきます(だから彼の作品が全て良作だ、と言い切れないのがまたミステリーの難しいところですが)。おそらく描写力に秀でた作家であれば、事件の提示に具体性と色彩的な意匠が施されるので、解決編で探偵役が放つ言葉は容易に読者の脳内に残っている事件場面にリンクするのでしょう。 時計にまつわるあまりにもあからさまなヒントが途中で提示されていたので、犯人自体は誰でも(細かい理屈抜きに)分かってしまうと思います。だから、つらつらと主人公が理屈をこねて犯人当てをするシーンでスペクタクル感は皆無です。そもそも、主人公は何か起こるとすぐワンパターンに震えてばかりで、「出荷直後のAIか?」とツッコミを入れたくなりました。主観寄りの3人称だから、なおさら主人公が何を考えているのか?(あるいは何も考えていないのか?)判断できず、同調もできませんでした。 最後に、驚愕のラストシーンについては一言書かずにはいられません。 (以下ネタバレ)「ストレスがなくなったから、改変された未来で奥さんは間質性肺炎から解放されているだろう」はあまりにもフザけ過ぎです。私は内科医ですが、よりによって京都大学出身の作家がSF素材を扱った小説で、これはないだろ!と唖然としました。信じる読者が出たらどうするんだ!と。…でも、多くのコメントで「ラストシーンが爽やかで良かった」と書かれているので、「ストレスがなければ難治性疾患である間質性肺炎にはならない」という俗説が流布してしまったのだろうな…。 医師として、悲しいです。 | ||||
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けど、何度も読み返したいとは思わない。 | ||||
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