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落日
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落日の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.68pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全47件 21~40 2/3ページ
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令和最高の衝撃、感動の長編という言葉につられてしまったのか、 著者の作品は、これまで、学園もの、イヤミスということで、 それほど興味を持てなかったが、本作は少し違うようなので読んでみた。 新進気鋭の映画監督・長谷部香と下積み中の脚本家・甲斐真尋という2人の女性 その2人の思いが15年前に真尋の故郷で起こった事件をきっかけに交錯する。 2人の家族、事件のもととなった家族、そして、それぞれの関係者 多くの登場人物が織りなす場面は、ドラマ化を待つまでもなく、 幾つもの名場面として目に浮かんでくる。 時にはシックであり、時には丁々発止の場面であったりする。 映画監督と脚本家ということで、最後に物語の総まとめのように そこまでのドラマが短い脚本骨子として示されるが、 復習には良いものの、なんとなく、小説の結末としては物足りない と思ったが、その先にもう一つの物語があり、 小説として、見事に完結した。 心を形に示すことは難しいが、味わい深い名画のように提示した作品だと思う。 | ||||
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二人の主人公に、プロットされた点の数々が曲線を描いて落陽していく。 それはこころが再生していくためにある物語のごとく。 事実と真実。 「実際に起きた事柄が事実、そこに感情が加わったものが真実」と語っている。 真実から逃げて、知ろうとせずに、事実だけで解釈していることに一石を投じている。 時には知ろうとすべきだと。 遠く淡い記憶を遡っていき、真実を求めていくことも大切だと力説している。 | ||||
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大変楽しく読まさせて頂きました | ||||
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‘22年WOWOWでドラマ化決定。配役が決まる前に原作を読んでみた。エピソード1の19枚程度を読んだだけで心が揺さぶられ、大変な本に出会ってしまったと、一瞬後悔し、すぐに思い直し、結末が知りたくて一気に読んだ。読み終わってもずっと考えている。この世には、生まれなかった方が幸せだったのでは‥と思える人がいるということ。虐待を受けた子である。それとは逆に、愛されて育ったのに人間関係で破壊を繰り返すクラッシャーもいる。その両方ともがこの本の登場人物として鍵を握る。冒頭にある“白い指先”‥これが誰なのか探っていく過程で想像を超えた展開が待っている。作者がインタビューで言っていた『日は沈むからこそ昇る』のだと。それを信じて読み進めてほしい。お勧めできる秀作である。 | ||||
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溜息というのは、思いがけず出てしまうものだ。 『落日』というとあまりいい響きではない。 それは、物事の勢いが衰えたり、落ち目だったりするたとえとして使われる表現だからだ。 でもね、夕日てきれいだよね。特に、水平線に沈んでいく太陽は何もかも真っ赤に染めて、それこそ溜息が出るくらいに美しい。その真っ赤な色が茜色に変わり、徐々に暗くなっていく時間はとても贅沢な時間だ。 太陽が沈み切って、まだ辺りが残光に照らされているようなほんのわずかな最も美しい時間帯のことを「マジックアワー」と最初に呼んだ人は天才だなと思う。そしてしばしの暗闇の後には、また新しい日が、未来という夢を抱いたまま、太陽とともに昇ってくる。そのように考えてみると『落日』も決して悪くはないと思えてくるから不思議だ。 およそ芸術とか表現というもの、誰かのために、誰かに合わせて行うものではない。自身がやりたいことをやりたいようにやる。納得するまでとことんやる。やりきる。その結果として生まれてくるもの。それが芸術であったり、表現だったりする。映画制作だったり、ドラマ脚本執筆だったり、ピアノなどの音楽だったり。 いや別に芸術に限ったものでもない。ある一つの方向から見た視点だけでは事実を外してしまっていることが多い。さまざまな観点で見、時間を置いて頭を切り替えて見、そのうえで自分の頭で考え、他人の意見も聞き、そしてまた何度も確認し。その結果として導き出されたものが正しい、、、とも限らない。 ただ、自分自身がその時点でそれなりに納得できる結論であるならば、それはそれで一つの答えなのではないか。 --- 今回決して「イヤミス」ではない。 湊さんらしい、時間軸を複数に据え、さらに別々の登場人物の物語を互い違いにまるで縄を編んでいくように構成する。最初、なかなか頭に入ってこないかもしれないが、何度か行っては戻りしているうちに、頭の中に立体的な世界が形造られていく。きっと、一読した後でもう一度読むとまた別の感じが生まれてくるのだろうな。 ラスト60ページ、第6章~エピソード7で怒涛の展開。読み終えた後は唸るしかない。 溜息というものは、やっぱり思いがけず出てしまうものだ。 | ||||
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湊かなえさんの本は殆ど読んでいる。 何と言っても文章のリズム感が良いのか読みやすい。 今回も死に関して考えさせられた。 人は他人が亡くなる時の本当の想いを知る事は難しいのだろう。 | ||||
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流石、湊かなえですね。ただ 分かりにくい部分もあり、二度読みしてやっとわかった | ||||
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面白い。流石 湊かなえ! | ||||
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意味深な作品でした。映画監督と脚本家が、同じ街の出身で、幼少時代に起きた殺人事件を題材に映画を撮ろうとする。関係者の過去が浮き彫りとなり、真実なのか脚本なのか、点が線になっていく。第三者としてストーリーを眺めているんですが、気づくと当事者としても共感してそうな気分にもなる、不思議な興味深い作品です。 | ||||
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本書は現在(いま)や大ベストセラー作家となった湊かなえによる最新作である。 湊かなえといえば10年前にデビュー作『告白』が話題となり、その後、松たか子による映画が大ヒットして一躍時の人となったが、それからの彼女の活躍ぶりには凄まじいモノがあり、発表した作品が次々と話題作・受賞作となり、それぞれドラマ、映画化されるという昔の松本清張なみに活躍され、この10年で最もメディア化された売れっ子の人気作家だ。 私も過去に『告白』『贖罪』を読んだが、池井戸潤的な王道とは違うミステリアスな作風を得意とする作家のイメージが強く、私的には湊作品は苦手であり、長年敬遠していたきらいがあった。今回、たまたま話題になっている事を知り、久々に最新作を読む気になったのだ次第である。 引きこもりの男性が高校生の妹を自宅で刺殺した後、放火して両親も死に至らしめた「笹塚町一家殺人事件」! 15年前に起きたこの事件を題材にした新作を新進気鋭の有名映画監督・長谷部香がこの町の出身者である新人脚本家・甲斐千尋に依頼するのであったが…。 本書も初っ端から湊ワールド全開であり、登場人物が何者なのか把握するまで時間がかかり、後で過去の人物と現在の人物が一致した時に納得するような作りになっているのだ。 本作でも15年前の事件の関係者とそれぞれつながりがある香と千尋だが物語が進行するなかで徐々に真相が明らかにされていく展開は上手だなと思う。 主人公の千尋、映画監督の香、殺害された立石沙良(サラ)にそれぞれ過去に因縁があり、過去の心の傷が引き出されるのも本作の特徴なのだ。 今回、驚いたのが普通に生きている者と思って読んでいたある人物が実は死んでいたというシックスセンス的な展開にはビックリしたΣ(゚Д゚)。湊先生の作風にこういうサプライズを入れるから読んでいて油断がならないのだ。 読後感として物語の伏線の回収には相変わらず手際よさがあるのだが、真相を明かされてもあまりカタルシスを得ないというのが正直なところだ。 湊作品(といっても本作を入れて三作しか読んでいないが)は独特のスタイルがあり、サプライズやどんでん返しを楽しむ人にとってはたまらない展開だろう。好みの問題にもよるが私には性に合わず、同じベストセラー作家である宮部みゆき『クロスファイア』『スナーク狩り』が描くミステリーの方が(内容にもよるが)好みであったりするのだ(近年では柚月裕子が好みだが)。 その要因として登場人物(主人公)に入りきれないというのがあるのかもしれない。池井戸潤小説みたいに主人公があらかじめ明確にされていて読むことによって感情移入して読めるのだが湊作品は後で人物が一致したり、真相が明かされるパターンの展開が多いのでそこはどうしても難しいところではあるのだ。 10年ぶりに湊作品を読んでみたが、これが“湊節”でもあるのだから湊先生はこのような作品でイイのだと思う。 追伸…湊作品の特徴からいって韓国で映画化される方が相性がイイと思うのだが、一度見てみたいものだ。 | ||||
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一度読み終わってからもう一度第一章~第六章(長谷部香目線)とエピソード1~7(甲斐真尋目線)を別々に繋げて読み直すと、二つの話の同時進行が整理されて理解し易いですね。上手い構成だと思いました。最後で香の父の真相が解明されてトラウマが救済されるのも爽やかでした。お姉ちゃん宛てメールや彼氏の正体は勘の良い読者は直ぐに気が付きそうですね。白岩動物園の事件で妻子を失った男性が千穂の事故の時の運転手と想像したんですが、そこの答え合わせはありませんでした。 | ||||
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心に傷を持つ登場人物たち 映画監督、シナリオライター、殺人者、そして、その家族たち 果たして魂の救済は訪れるのか? 中弛みしましたが、4分の3過ぎからは一気読みでした。 | ||||
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著名な映画監督である長谷部香から無名な脚本家の千尋のところに脚本の依頼がくる。題材は「笹塚町一家殺害事件」。笹塚町で引きこもりの長男が妹を刺殺し、放火をして両親まで殺害した事件である。千尋は笹塚町にいたことがあるが、そこで父親を亡くし、母親も亡くしている。姉は交通事故で亡くなった。香は刺殺された家族の隣の部屋に住んでいた。香は映画製作を通じて真実を明らかにしようとする。千尋は姉の事故の真相を探る。登場人物の誰もが笹塚町や事件の犯人である力輝斗を中心に、過去と現在がつながる。登場人物の事件への執着度にばらつきはあるが、異なる考え方で真実にたどり着くさまが面白い。さくっと読めるが、それなりに重いテーマの小説だった。 | ||||
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梱包もしっかりしており、中身もきれいでした | ||||
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気になるほどの汚れはなかったです。 | ||||
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中古の中で値段が安い物を頼んだのにとってもきれいでビックリしました。ほぼ新品でした。 | ||||
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『告白』や『夜行観覧車』を昔好きで読んでいたが、しばらく彼女の作品は手にとっていなかった。 久しぶりに面白く、読み始めて終わったら朝になっていた。 いい意味で変わらない、湊かなえさんの作品という気がする。 優しく微笑む女性が、同時に腹にナイフを突き立ててくるような、背筋がヒヤリとする話を書く人だと思う。 人間は決して善い生き物ではない。かといって完全に悪いものではないが、それを忘れるなと言われている気がしてとても好きだ。 『落日』のストーリーもまた、人間の汚さ、弱さ、醜さによる事件が関わってくる。 隠されたまま消えていきそうだった純粋な想いを探す、映画監督と脚本家のふたりの女性。 知ることととは何かと、表現者としての生き方を模索していくのがよかった。 脚本家の女性の師匠が言う、“世間とは、裏やネットで好き勝手に批判する人ではなくて、直接自分に意見を言いにくる人だと思ってる”という言い分にはなるほどと思った。 サバサバ系女子を自称する女子が嫌いというのにも、かなり同意した(笑) | ||||
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綺麗で早めに届きました。ありがとうございます。 私は精神を病んだ母親に思春期悩まされたので、その描写のリアリティはよく理解できました。 好き嫌いはあるでしょうが、湊さんの臨場感ある描写は素晴らしい。 | ||||
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WEBコーナー『その本に音楽をならそう。』というページがある 読んだ本 湊かなえ 落日 合わせる曲 スターライト・オーケストラ&シンガーズ サンライズ・サンセット (屋根の上のヴァイオリン弾き) 湊かなえがインタビューでこの本にはこの曲のイメージ! と語っていた。 「落日という言葉は 斜陽:みたいに、暗いイメージもある。 けれど、この物語やこの曲のように、 沈む夕陽を見ながら明日登る朝日に想いをはせたり 次の日+未来への希望の道筋がかすかに繋がるように、 夕陽の最後の灯火に託すことができるようなものでもあるはず。 そんな存在にこの本がなって欲しい 」 出張の移動中の電車で最後のエピソードと最終章を読み終わった。 自分が経験したこともない出来事なのに、自分が当事者の一人に いつの間にかシンクロしていて、胸が息苦しくなっていることに気づく。 湊かなえらしいミステリ風味もイヤなテイストも健在でありながら 本屋大賞や直木賞を、この本にならあげてもいい。そう思う人たちが 決して少なくなかったことも今なら納得できる。 一言で言えば「なるほど、そういうことだったのか、という深いうなずき」だ。 幸せな過去を持てた人も、そうでなかった人も、 それでも、ありがとう。そう言えるようになる物語だと思う。 | ||||
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殺人事件のストーリーが二つの視点で進んでいきます。 あっという間に惹きこまれていきました。 読み進めていくにつれ意外なところで人間関係がつながっていて深く考えさせられました。 読後感もなかなかで著者の作品として久しぶりに楽しめた。 心に刺さるセリフも多々あり、以下の二つが特に印象的でした。 「お母さん、泣く子が一番嫌い。頭の悪い子ほどすぐに泣くのよ、言葉で説明できないから」 「胸の中には幸せをため込むコップがある。その大きさは人それぞれ違って、コップが小さい人はすぐに笑いが溢れだす。コップの大きな人は、幸せを蓄積するタイプなだけ。」 | ||||
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