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悪魔はすぐそこに
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悪魔はすぐそこにの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.16pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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帯に「クリスティも絶賛のパズラー」とある。舞台はイギリスの二流大学で、主人公は天才数学者デズモンドを父に持つ数学講師ピーター。ピーターは天才の父と独占欲の強い母のため気弱な性格で、能力も見劣りする。恋人のルシールは正反対に能力も高く、性格も強い経済学講師。デズモンドは8年前、ヴェラと言う堕胎した女子学生との醜聞の噂が元で狂死する。そして、ピーターは横領容疑で免職の危機にある年長の講師ハクストンに助力を乞われる。だが審問の場でハクストンは、教授達に「8年前の真相をバラす」と仄めかした後で変死する。事務員のカレンはピーターのかつての恋人で、ルシールと同居している。カレンは8年前の調査資料を自宅に持ち帰った直後、何者かに襲われる。次いで図書館で学生ケネスが殺される。大学を舞台にしているためか、これだけでは説明出来ない程、登場人物とその関係は多彩。 ここまでは静かな進行。主人公の性格の弱さも含め、「ウォリス家の殺人」同様、作者の作風らしい。パズラーに徹しているとも言えるし、アクが無さ過ぎるとも言える。だが、ルシールがヴェラの妹だった事が判明し、しかも、ルシールとケネスは姻戚関係にあった事から、一転ルシールは容疑者の筆頭に。ピーターとカレンの努力もあってルシールの容疑は一応晴れるが...。そして、カレンが事務局として奮闘する次期名誉学長就任会宛に脅迫状が届く。そこには、8年前の関係者が揃う。ここまで来ると、問題はヴェラの相手が誰だったかに収斂するだろう。デズモンドか、それ以外の人物か ? 結末で明かされる真犯人は拍子抜けする程予想通り。途中で不自然なシーンがあるし、強力なミス・リードも無いので、必然的とも思える結果。だが、奇を衒わず、英国ミステリの香気を感じさせる作品で、一読の価値はあると思う。 | ||||
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帯に「クリスティも絶賛のパズラー」とある。舞台はイギリスの二流大学で、主人公は天才数学者デズモンドを父に持つ数学講師ピーター。ピーターは天才の父と独占欲の強い母のため気弱な性格で、能力も見劣りする。恋人のルシールは正反対に能力も高く、性格も強い経済学講師。デズモンドは8年前、ヴェラと言う堕胎した女子学生との醜聞の噂が元で狂死する。そして、ピーターは横領容疑で免職の危機にある年長の講師ハクストンに助力を乞われる。だが審問の場でハクストンは、教授達に「8年前の真相をバラす」と仄めかした後で変死する。事務員のカレンはピーターのかつての恋人で、ルシールと同居している。カレンは8年前の調査資料を自宅に持ち帰った直後、何者かに襲われる。次いで図書館で学生ケネスが殺される。大学を舞台にしているためか、これだけでは説明出来ない程、登場人物とその関係は多彩。 ここまでは静かな進行。主人公の性格の弱さも含め、「ウォリス家の殺人」同様、作者の作風らしい。パズラーに徹しているとも言えるし、アクが無さ過ぎるとも言える。だが、ルシールがヴェラの妹だった事が判明し、しかも、ルシールとケネスは姻戚関係にあった事から、一転ルシールは容疑者の筆頭に。ピーターとカレンの努力もあってルシールの容疑は一応晴れるが...。そして、カレンが事務局として奮闘する次期名誉学長就任会宛に脅迫状が届く。そこには、8年前の関係者が揃う。ここまで来ると、問題はヴェラの相手が誰だったかに収斂するだろう。デズモンドか、それ以外の人物か ? 結末で明かされる真犯人は拍子抜けする程予想通り。途中で不自然なシーンがあるし、強力なミス・リードも無いので、必然的とも思える結果。だが、奇を衒わず、英国ミステリの香気を感じさせる作品で、一読の価値はあると思う。 | ||||
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数学講師のピーターは、亡父の友人であったハクストン教授から助力を乞われる。なにものかが自分を大学から追い出そうとしているのだと。 横領の容疑をかけられたハクストン教授は大学の審問の場で、今まで大学の事を思って口にしなかった事を公にすると脅迫まがいのことを言ったあと、自宅で死体となって発見される。 1966年の作品でありながらも古さを感じる事なく読み終えました。 人物描写がとても巧みで、それが古さを感じさせなかった要因の一つかも知れません。 パズラーとしてもサスペンスとしても人間ドラマとしても楽しめました。 | ||||
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物語の舞台は大学だ。ここで描かれる殺人は決して派手なものではない。きわめてオーソドックスな殺人でそういった意味ではそこに奇妙な謎もトリックの妙味も存在しない。 いわゆる本書の眼目はフーダニットである。いったい誰が犯行におよんだのか?最終的には容疑者は五人にまで絞られる。しかし、わからない。いったい誰が暗躍している犯人なのか?誰もが犯人に見えるなんていうクリスチアナ・ブランドが得意としたファルス的状況に陥らなかったのが残念だが、決め手となる事実が最後の最後まで出てこなかったので、やっぱりぼくにはわからなかった。ミステリとしてのカタルシスはいささか弱めなのだが、犯人の意外性はなかなかのものである。解説で法月綸太郎がいうように、本作は二度読むのが一番正しい楽しみ方なのだろう。真相がわかってから読みなおすと作者の仕掛けたミスディレクションや犯罪者心理の妙味が存分に味わえるというわけだ。そうするとタイトルの「悪魔がすぐそこに」という意味が十二分に理解され、あらためて背筋が寒くなるということなのだ。 仰々しいトリックの妙味や雰囲気で酔わせるケレン味はないけれども、純粋な推理物としてのおもしろさは期待以上だった。驚いたのは本書が書かれたのが1966年だというのに、いま読んでもまったく古臭さを感じさせなかったことだ。たとえ本書が今年書かれた新刊書だといわれたとしても、まったく違和感のない読み応えだった。 | ||||
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