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(短編集)
船玉さま 怪談を書く怪談
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船玉さま 怪談を書く怪談の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全32件 1~20 1/2ページ
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小説ではなく、著者の体験をホラー感覚で描いた実話怪談のようなもの・・という感じでしょうか。雰囲気がいいと感じたのは、著者が「変化が嫌い」だったり「古いものや古い街が好き」というのが自分と共通しているからかもしれません。 いくつか気に入ったものを挙げてみると、 「とある三味線弾きのこと」本人もその演奏も、そして住み家の雰囲気もただ者ではない三味線演奏者、その三味線コレクションの見事さもまるで三味線の精が演奏者に魅入ったようで、それほどのオーラを漂わせた青年。加門さんとその友人は吸い寄せられるように彼のところにレッスンに通うようになります。 が、ある時、俗事に関わった彼はとたんにその輝きを失ってしまい・・・、その後風のたよりに三味線をやめて会社員になったらしいと聞きます。なんだか納得の結末でした。こういうの、あるなあと思ってしまいました。 「カチンの虫」昔の同級生はセレブ気取りで、上から目線の発言で人をむっとさせることが多い。そのたびに言われた方の怒りや悪意が虫のようになって彼女に巣食っていく。沖縄のイチジャマ(生霊)を飛ばして祟る話を思い出しました。憎しみは本当にどこまでも飛んでいって取り付くのだろうか・・。 「鳥の髑髏」沖縄で、戦時中に爆撃などで亡くなってそのままになっていた骨が時々大量に掘り出される。おもしろがってその髑髏を持って帰ってしまった修学旅行生やアメリカ軍兵士に何が起きたか?まったりした沖縄の雰囲気が感じられる明るい怪談です。 「浅草純喫茶」純喫茶、なつかしい響きです。今でもたまに街中に残っていますね。浅草の純喫茶で時々遭遇するおもしろい話が味があります。 「茶飲み話」東京大空襲からも生き残った旧家の庭にある椎の大木。バリアフリーの二世帯住宅に建て直しするため、その木は切り倒されてしまいます。その後次々によくないことが起こり・・・。怖さと、そんな話を運んでくるのが近所の噂好きのおばちゃんというミス・マッチがなんともユーモラスです。 今回レビューの評価があまり高くなくて、「押しつけがましい」とか「上から目線」などの感想があったのにちょっと驚いたのですが、私はそこまでは感じなかったのですが、ただこの方の著書で初めて「ひょっとしてかなり思い込みもあるんじゃないだろうか。本当に霊感があるのか?」と疑問を感じてしまいました。 「誘蛾灯」で、専門誌「幽」の慰安旅行でバスがミラーをこすってしまったのも、旅館の部屋に何か見えたのも、偶然だとか気のせいだと言えなくもない? 「いきよう」の遠野への取材旅行で廃屋で声が聞こえたのも思い込みにも見えるし、「聖者たち」で見た浮浪者の青年もただのホームレスに過ぎなかったのでは?と思えなくもありません。 これまでは著者の霊感にはそれなりに信憑性があると信じていたのですが、今回は何度か「ん?」と感じてしまいました。 | ||||
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氏の創作怪談はエンタメとして面白く拝読できましたが、如何せん実話系はご本人の上から目線が鼻につきすぎて気持ちよく読めませんでした。 ご自身の美的感覚やオカルト的価値観にそぐわない人=不幸に見舞われる(…と氏が勝手に判断している)というパターンが多すぎだし、その根拠も正直ただの勘違いや思い込み、オカルト思考に偏り過ぎの結果では…?と思うことばかりで根拠がない。 三味線の話は推しが若く美しい女性と結婚した事にイラついたおばさん達が「あの人、結婚してから腕が落ちたよね〜」って酸っぱいブドウやってるようにしか見えないし、英子さんのエピソードに至ってはただの嫉妬でしょうとしか(霊障だかなんだか知らないが缶専用のゴミ箱にマカロン捨てるとかも有り得ないし、万が一事実として彼女に黒い虫が憑いているなら、その虫の一匹は少なくともあなたからでしょうよ…と) 客観的に見れば幾らでも合理的でまともな理由が付けられる事象に対して即霊的な存在を持ち出し、自身の妬みや嫉みなど負の感情をオカルトのオブラートに包んで、自分だけはさも高尚な存在のように描写するのもあまり好きではありません。 神仏に対して「分かってます感」を出すのも、あくまでも門外漢の好事家止まりで本職ではないなら如何なものかと。 中学時代にいた、晴明神社とご縁があるので強力な守護霊が憑いている…と称する霊感少女のノリを思い出しました。 それぐらい実話系のノリは痛いです。 文体や取り上げる題材は魅力的な方なので残念ですが、今後実話怪談作品を手に取ることはないと思います。 | ||||
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迅速な対応で良かったです。 私は好きな作家なので、届いてすぐ読み、引き込まれました。ちょっと怖いですが面白かったです。 | ||||
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タイトル通り、思っていたほどの恐怖は感じませんでした。 この著者の作品では「祝山」が好きでかの作品の臨場感は身近に恐怖を感じる気がしました。 今回の作品はそれほどの恐怖を感じないのはなぜなのだろうか? 思うに著者は作中の体験を「怖い」と言いながらあまり恐怖を感じていないのではないだろうか? 後から思い返して執筆しているかからなのか全体に状況を俯瞰して見ているような気がします。 それが実体験の怖さを薄め、「怖い」と言いながら結局は無事に終わるんですよね、とこちらにも俯瞰した視点をもたらしている気がします。 | ||||
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自分語りの臨場感のある怪談実話ではあるが、独特な押し付けがましさを感じてしまった。それは以前には感じなかったことで、怪異に対する作者の遠回しな決め付けが鼻につくようだ。テレビで商品解説のテロップに出る※個人の感想であり効果・効能を示すものではありません。の、ように感じ取った怪異をやんわりと打ち消して見せる所も胡散臭く受け取ってしまう。ただ作者の解釈を牽強付会に感じたとしても霊的な存在を声高に主張するわけではなく、この心霊の臨場感は得難い読書体験だとは承知している。 | ||||
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一気読みです。私には体験できないことなので想像しながら、そしてゾクゾクしながら最後まであっという間でした。面白かった。 | ||||
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収録された13篇の中、次の三つの作品が印象に残りました。 「船玉(ふなだま)さま」──生理的嫌悪感を覚えた気味の悪い話。神道(しんとう)系の怪異譚なんだけど、女の姿だとか、家の中が変わっていくところだとか、ぞわぞわしました。おっかねぇな、これ。 「とある三味線弾きのこと」──なんか、波津彬子(はつ あきこ)さんの骨董マンガの雰囲気を思い出したなあ。ゆかしき風情(ふぜい)を漂わせる佇(たたず)まい。堪能させられました。 「聖者たち(一)」──強烈に印象に残った作品が、著者の体験談の体裁をとったこの逸品。〈魔〉が形をとっていく、その辺の描写がリアルで、何か動画でも見ている気分にさせられて、ぞくぞくしました。本書の中、一番の収穫が、これ。男は一体、どうなったんだろう。 2013年刊行の単行本『怪談を書く怪談』(メディアファクトリー)に加筆修正し、書き下ろしの小品「魄(はく)」を加えて文庫化したのが本書。 先述した三作品と「魄」以外に、「郷愁」「誘蛾灯(ゆうがとう)」「カチンの虫」「いきよう」「島の髑髏(どくろ)」「浅草純喫茶」「茶飲み話」「聖者たち(二)」「怪談を書く怪談」を収録しています。 | ||||
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短編で淡々と語られる怪異のリアリティが素晴らしい! | ||||
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相変わらずスッと世界に引き込まれ 気がつくとその世界に飲み込まれている感覚に陥る。 既出ほ作品もいくつかあったが 改めて読み直しても鳥肌の立つ。 気のせいと思い込もうとしたが コレはどうも怪しい。 ほら、やっぱりおかしい。と言った あからさまでは無いが何か歪んでる違和感と恐怖を上手く結びつける。 氏の目を通して観る怪異。 堪能の一冊。 | ||||
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前回の「怪談徒然草」がすごく好きで、そんな感じかと思って買ったんですが、今回は文体がガラリと変わっていました。 前回はもっとくだけた口調で、対談方式というか、誰かとおしゃべりしてるのを書き起こした感じで、今回は一人で淡々と語っていました。 内容も一つ一つが長めで、とにかく硬い感じでした。 私の好みではありませんでした。残念。 | ||||
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蘊蓄、解説が多めに差し挟まれる実話怪談なので、 ちょっと好き嫌いが別れそうです。 出来事自体はそれほどのものはないけれど、 作者の独自の見解や薀蓄で出来事の見え方、 捉え方を膨らませたエピソードも。 解決せずに「何だったのか?」で終わるので、 読み手の想像力や考え方で解釈が別れそうですね。 オカルト的な原因ではなさそうなエピソードも多々。 でもそれを言うのは野暮かも。 怪談徒然草は怖いしありありと情景が浮かぶし臨場感がありますが、 こちらはあまり怖くなくソフトです。 | ||||
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怪談に関係しなくもなさそうな体験を綴った身辺雑記。かなりの話は『怪談実話系』という文庫のシリーズに入っている。幽霊がはっきり見えたり、怪異の気配をはっきり感じたりしたとお書きになっている割には、結局「何となくぞわっとした」だけの話がほとんど。松谷みよ子さんの収集した怪異体験などと読み比べていただくと、本物とそうでないものの差が歴然である。 以前別な人の怪談本を評するのに、大阪のあるうどん・そば屋の海老天を例えに出したことがある。小指ほどの海老に衣をつけ、それを揚げ、さらに衣をつけて揚げ…を繰り返して、赤ちゃんの二の腕ほどの巨大海老天に仕立て上げるという阿漕な職人技(?)である。加門さんの本がそうだというのではない。もっと凄い。彼女レベルになると、もはや芯になる海老は不要。衣だけで海老天を創り出せるのだ! 「怪談文壇」での知名度だけはあり、さも興味深い怪談を味わせてくれそう…なのに一度たりともそうならないという点では、加門さんは東雅夫さんと共に黄金の最強コンビと言えるかもしれない。さあ、牛抱せん夏さん、小田イ輔さん、川奈まり子さん、小原猛さん、田辺青蛙さん、戸神重明さん、中山市朗さん、福澤徹三さん、丸山政也さん、吉田悠軌さんの真打ち怪談を読んで口直ししよう! | ||||
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あれこれここに書くより、まず手に取って頂きたい一冊。自分の感想をあえて言うなら、素敵な指南書+怖い怪談本って感じです。ぜひご一読あれ。 | ||||
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一気に読めました。おもしろかった。怖いけど眠れないほどではなく好奇心をくすぐり、また考えさせらる作品も多かった。街中で育ち霊感もない私には違う世界がみれていい。現実逃避のいい気分転換になります。加門先生の作品は最近よく読むようになりましたが、昔から波津彬子先生も漫画も好きでそれに通じる品の良さも感じます。波津先生の幽霊/妖怪ものがお好きな方にはおすすめかも。禍々しいのに後味スッキリなのは加門先生のなせるわざなのか? | ||||
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他の著書と比べても、この本単独としてもまず怖くないです どの話も怖くない、雰囲気もない、読み物としてもイマイチ 反面、ご自身の主張はとても強い それが面白さにつながるのならいいんですが、正直面白くない 残念です あととある話のご友人のことはむしろご自身のことでは?なんて思ったりもしました | ||||
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加門さんの実話怪談は大好きなのでよく読ませて頂いております。 他の方も書かれておりますが、怪談徒然草に比べると味気なさは否めませんでした。 期待していたこともあり残念でした。 徒然草大好きな方にはあまりおすすめしません。 | ||||
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怪談だけど… 安心して読めます。なんともお気楽な感じで後味も悪くないのでおすすめです。 | ||||
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加門さんが経験した怖い話を読みたくて購入。12話、堪能した。 読んでいて感じたことは、人ならぬ存在は意思疎通も難しいし、どう行動してくるかわからないのが怖いということだった。同時に、生きている人間の念が引き起こす人ならぬ存在の脅威が一番怖いとも感じた。生きている人間でも理屈が通じない人はたくさんいて、絶対に関わりたくないものだとあらためて思う。 この中で、せつない反面、こういうこともあるんだなと思ったのは「とある三味線弾きのこと」。本人の才能が本人ものだけではなく、人ならぬ存在が力を貸していることもあるのか、と。それを失ったとき、その人の才能は…。 「誘蛾灯」の話では、これだけいろいろな存在を感じてしまう加門さん。旅に行ってもただ心穏やかにゆっくりと過ごせることはまずないのではないかと心配になった。 「茶飲み話」は決して茶飲み話で済むような穏やかな話ではないのだが、それよりも感じたのは交友関係が広い加門さんは、どうしても断れないしがらみが多すぎるということ。そして、他の本を読んだときにも感じたのだが、加門さんが見える能力を持っていることで、加門さんの都合も考えずに了解も取らずに勝手に第三者に話を通してしまって面倒ごとを持ち込む知り合いが多すぎるのではないかということだった。もしも私だったらそういう非常識かつ迷惑な人間との付き合いはばっさりと切り捨ててしまうだろう。でも加門さんは付き合っているのだから驚きだ。 | ||||
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久しぶりに加門七海さんの怪談というか不思議な話を読んだのですが。はじめの「船玉さま」はじとーっと怖い。「いきようがない」という言葉が幾重もの意味を持ってじわじわ迫る「いきよう」も怖い。不思議な三味線に魅せられた男の「ある三味線引きのこと」やある浮浪者の「聖者たち」は、何か文学に近い話。三味線~は波津先生の雨柳堂シリーズにでもありそう。しかし加門さんの「怪のはなし」や「怪談徒然草」のように、本を持っていても何かやってきそうだけど、売っても何かたたられるんじゃないかというほどの怖さではなくてよかった(ほめてるのかな、これ)。 エッセイとしてちょっと詰めが甘い気もしましたが、もしかしてわざと話を詰め過ぎないように書かれたのかも(怪談徒然草って読者の家でも異変があった、という話を聞いたことが・・・)。 | ||||
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あの世のものをこの世で相手をする、生きているものと死んでいるもの、双方の間に産まれるジレンマ、摩擦、そこに立ち会う時の加門さんのスタンスが今までと変わってきているのかな。前作よりも大きく変わっているような、 巧く言えないけど攻撃的な印象でした。それくらい加門さん自信の心理描写が多めに書かれているということなのでしょうか。 人におすすめしたいかと言う面では、10冊目くらいにどうぞ!ですね。初っ端これを読むと加門さんを誤解されちゃいそう・・・。凛々しい女性ですがこんなに攻撃的ではない!です。 | ||||
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