大いなる眠り

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評判

大いなる眠りの評価:

3.95/5点 レビュー 62件。 C ランク

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平均点3.95pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全137件 81〜100 5/7ページ
No.57
(5pt)

本格ミステリとしても,意外に高度

ミステリとしての謎が,表層のものと深層のものとの,二層構造になっている。深層の謎の方が古く, 物語開始時点では事態は一応落ち着いていて,「大いなる眠り」の中にあるが,これを遠因にして,表層の謎で扱われる事件がリアルタイムで起こる。物語の3分の2が終わった時点で,表層の謎が一件落着するが,その翌日に情報屋が現れて,深層の謎の一端が顔をのぞかせ, 事件として再起動する。
物語前半で感じた微妙な違和感の半分は,深層の謎の伏線になってる(まあ,違和感の残り半分は,単に小説のアラだろうが)。この構成が面白いのは,この深層の謎の向こうに,さらなる深層が存在する可能性が(原理的,潜在的には)存在することで,メタミステリ的な方向性さえ感じさせる試みと思う。

で,事故車から死体で発見されたお抱え運転手の死因が,最後まで明言されないことが,本作のミステリとしての駄目さ加減の象徴として良く取り上げられるが,これって,彼が極度の興奮状態で人事不省に陥って運転を誤った事故,または衝動的な自殺でしょ。最後の目撃者も「(奴は)神経がおかしくなっていた」と言ってるし。
早い話,彼もメンヘラ。だから,彼が将軍の次女にピストルを贈ったこと自体,(やや文学的な)伏線・・と思う。あと,長女が運転手を雇い続けた理由も,色々想像が膨らむ。

確かに,プロットの錯綜は見られるが,これは単純に,著者の力量不足やミステリ要素への無関心ではなく,「エヴァンゲリオン状態」と言うか,豊富な裏設定を用意しておきながら,それを明かしていないせいもあると思う。
誰か,評論家か英文学者に ちゃんと分析して欲しい。
大いなる眠り Amazon書評・レビュー: 大いなる眠りより
4152093420
No.56
(5pt)

本格ミステリとしても,意外に高度

ミステリとしての謎が,表層のものと深層のものとの,二層構造になっている。深層の謎の方が古く, 物語開始時点では事態は一応落ち着いていて,「大いなる眠り」の中にあるが,これを遠因にして,表層の謎で扱われる事件がリアルタイムで起こる。物語の3分の2が終わった時点で,表層の謎が一件落着するが,その翌日に情報屋が現れて,深層の謎の一端が顔をのぞかせ, 事件として再起動する。
物語前半で感じた微妙な違和感の半分は,深層の謎の伏線になってる(まあ,違和感の残り半分は,単に小説のアラだろうが)。この構成が面白いのは,この深層の謎の向こうに,さらなる深層が存在する可能性が(原理的,潜在的には)存在することで,メタミステリ的な方向性さえ感じさせる試みと思う。

で,事故車から死体で発見されたお抱え運転手の死因が,最後まで明言されないことが,本作のミステリとしての駄目さ加減の象徴として良く取り上げられるが,これって,彼が極度の興奮状態で人事不省に陥って運転を誤った事故,または衝動的な自殺でしょ。最後の目撃者も「(奴は)神経がおかしくなっていた」と言ってるし。
早い話,彼もメンヘラ。だから,彼が将軍の次女にピストルを贈ったこと自体,(やや文学的な)伏線・・と思う。あと,長女が運転手を雇い続けた理由も,色々想像が膨らむ。

確かに,プロットの錯綜は見られるが,これは単純に,著者の力量不足やミステリ要素への無関心ではなく,「エヴァンゲリオン状態」と言うか,豊富な裏設定を用意しておきながら,それを明かしていないせいもあると思う。
誰か,評論家か英文学者に ちゃんと分析して欲しい。
大いなる眠り (創元推理文庫 131-1) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (創元推理文庫 131-1)より
4488131018
No.55
(3pt)

クソビッチ娘に振り回される若き日のマーロウ

村上春樹新訳の「大いなる眠り レイモンド・チャンドラー」を読了。新訳と言っても、チャンドラーの長編処女作と言うこの作品、私自身は読んだことがないはずなので(適当)あまり関係はない。
 ファンとしてはチャンドラーと言うより、フィリップ・マーロウがいよいよ表舞台に登場した作品として興味深かった。そもそもかなり歳を食ってから作家に転身したチャンドラーだけに、この作品執筆時は既に50代。凄まじい早さで書き終えてしまったそうだが、この作品自体スピード感溢れる展開で私が読むのも速かった。処女作と言っても、チャンドラー節と言うか彼の独特なスタイルは完全に確立していて、マーロウも自分の信念を貫き、権力におもねる事を拒否するいつものマーロウ。ただし、後年の作品ではどんな苦境でもじっと耐える不屈の男というイメージの彼が、アクション映画ばりのタフな行動をとっているのは少し驚きだった。やむを得ないとは言え、敵役を射殺してしまっているし。それも手錠を掛けられた危機一髪の状況で。
 この作品、結局何が事件の中心だったのかよくわからず、人は沢山死ぬのだけど全ての殺人がスッキリと解明されてるわけでもない。そこは処女作ゆえでもあるだろうけど、チャンドラーの作品は大体そうなのだ。本格ミステリとしてはまずかろうが、アクションを楽しむハードボイルドなら十分と言うスタイル。そしてそれ以上に、マーロウはもちろんのこと、個性的な人物造形とその描写が素晴らしい。
 本作で印象に残るのは、何と言っても将軍のとんでもない2人娘の妹。マーロウが自宅に帰ると、何と裸でベッドに忍び込んでおり、彼に関係をせがむ。拒否したマーロウが服を着せておっぽり出すのだが、これ以前にも殺人現場に裸で気絶していた彼女をマーロウがかばって将軍宅に送り届ける、と言う前科があったのだ。ところが抱いてもらえなかったのが不満なこの娘、後日マーロウに射撃を教えてくれと寂しい場所に誘い出し、射殺しようと試みる。ある程度魂胆を読みながら、どうせまともに撃てないだろうと見切って付き合ってやるマーロウも大胆だが、小説でなければ確実に殺されてるな(笑)。
 どうしてもこのクソビッチ娘の印象ばかり強く残るので、そういう意味ではチャンドラーもこの作品ではまだまだ。マーロウも、チェスプロブレム(注;将棋で言えば詰将棋)に頭をひねり、酒場で静かにギムレットを口にしている方が似合うと思うな。

[・・・]
大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150704643
No.54
(3pt)

クソビッチ娘に振り回される若き日のマーロウ

村上春樹新訳の「大いなる眠り レイモンド・チャンドラー」を読了。新訳と言っても、チャンドラーの長編処女作と言うこの作品、私自身は読んだことがないはずなので(適当)あまり関係はない。
 ファンとしてはチャンドラーと言うより、フィリップ・マーロウがいよいよ表舞台に登場した作品として興味深かった。そもそもかなり歳を食ってから作家に転身したチャンドラーだけに、この作品執筆時は既に50代。凄まじい早さで書き終えてしまったそうだが、この作品自体スピード感溢れる展開で私が読むのも速かった。処女作と言っても、チャンドラー節と言うか彼の独特なスタイルは完全に確立していて、マーロウも自分の信念を貫き、権力におもねる事を拒否するいつものマーロウ。ただし、後年の作品ではどんな苦境でもじっと耐える不屈の男というイメージの彼が、アクション映画ばりのタフな行動をとっているのは少し驚きだった。やむを得ないとは言え、敵役を射殺してしまっているし。それも手錠を掛けられた危機一髪の状況で。
 この作品、結局何が事件の中心だったのかよくわからず、人は沢山死ぬのだけど全ての殺人がスッキリと解明されてるわけでもない。そこは処女作ゆえでもあるだろうけど、チャンドラーの作品は大体そうなのだ。本格ミステリとしてはまずかろうが、アクションを楽しむハードボイルドなら十分と言うスタイル。そしてそれ以上に、マーロウはもちろんのこと、個性的な人物造形とその描写が素晴らしい。
 本作で印象に残るのは、何と言っても将軍のとんでもない2人娘の妹。マーロウが自宅に帰ると、何と裸でベッドに忍び込んでおり、彼に関係をせがむ。拒否したマーロウが服を着せておっぽり出すのだが、これ以前にも殺人現場に裸で気絶していた彼女をマーロウがかばって将軍宅に送り届ける、と言う前科があったのだ。ところが抱いてもらえなかったのが不満なこの娘、後日マーロウに射撃を教えてくれと寂しい場所に誘い出し、射殺しようと試みる。ある程度魂胆を読みながら、どうせまともに撃てないだろうと見切って付き合ってやるマーロウも大胆だが、小説でなければ確実に殺されてるな(笑)。
 どうしてもこのクソビッチ娘の印象ばかり強く残るので、そういう意味ではチャンドラーもこの作品ではまだまだ。マーロウも、チェスプロブレム(注;将棋で言えば詰将棋)に頭をひねり、酒場で静かにギムレットを口にしている方が似合うと思うな。

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大いなる眠り Amazon書評・レビュー: 大いなる眠りより
4152093420
No.53
(3pt)

クソビッチ娘に振り回される若き日のマーロウ

村上春樹新訳の「大いなる眠り レイモンド・チャンドラー」を読了。新訳と言っても、チャンドラーの長編処女作と言うこの作品、私自身は読んだことがないはずなので(適当)あまり関係はない。
 ファンとしてはチャンドラーと言うより、フィリップ・マーロウがいよいよ表舞台に登場した作品として興味深かった。そもそもかなり歳を食ってから作家に転身したチャンドラーだけに、この作品執筆時は既に50代。凄まじい早さで書き終えてしまったそうだが、この作品自体スピード感溢れる展開で私が読むのも速かった。処女作と言っても、チャンドラー節と言うか彼の独特なスタイルは完全に確立していて、マーロウも自分の信念を貫き、権力におもねる事を拒否するいつものマーロウ。ただし、後年の作品ではどんな苦境でもじっと耐える不屈の男というイメージの彼が、アクション映画ばりのタフな行動をとっているのは少し驚きだった。やむを得ないとは言え、敵役を射殺してしまっているし。それも手錠を掛けられた危機一髪の状況で。
 この作品、結局何が事件の中心だったのかよくわからず、人は沢山死ぬのだけど全ての殺人がスッキリと解明されてるわけでもない。そこは処女作ゆえでもあるだろうけど、チャンドラーの作品は大体そうなのだ。本格ミステリとしてはまずかろうが、アクションを楽しむハードボイルドなら十分と言うスタイル。そしてそれ以上に、マーロウはもちろんのこと、個性的な人物造形とその描写が素晴らしい。
 本作で印象に残るのは、何と言っても将軍のとんでもない2人娘の妹。マーロウが自宅に帰ると、何と裸でベッドに忍び込んでおり、彼に関係をせがむ。拒否したマーロウが服を着せておっぽり出すのだが、これ以前にも殺人現場に裸で気絶していた彼女をマーロウがかばって将軍宅に送り届ける、と言う前科があったのだ。ところが抱いてもらえなかったのが不満なこの娘、後日マーロウに射撃を教えてくれと寂しい場所に誘い出し、射殺しようと試みる。ある程度魂胆を読みながら、どうせまともに撃てないだろうと見切って付き合ってやるマーロウも大胆だが、小説でなければ確実に殺されてるな(笑)。
 どうしてもこのクソビッチ娘の印象ばかり強く残るので、そういう意味ではチャンドラーもこの作品ではまだまだ。マーロウも、チェスプロブレム(注;将棋で言えば詰将棋)に頭をひねり、酒場で静かにギムレットを口にしている方が似合うと思うな。

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大いなる眠り (創元推理文庫 131-1) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (創元推理文庫 131-1)より
4488131018
No.52
(3pt)

マーロウは納得行くまで調査の手を緩めない探偵

例え依頼分の仕事が終わっても、マーロウは自身が納得するまで調査の手を緩めない。
それが例え一部の人間にとって不利益なものであり、その所為で自身が窮地に陥っても関係ない。
その一部の人間が例え依頼人側の者であっても容赦しない。
だがそれは彼が真実を公にしたいという、勝手な正義感から始まることではなく、あくまでも依頼人の名誉は守った形で終結するので納得出来る。
しかし依頼人はマーロウがそういう探偵であることをよく承知した上で依頼をした方が良い。そうでないと、自分も痛い目に遭う。

村上春樹氏の翻訳にもだいぶ慣れてきた。個人的には清水氏のクールな訳が好きだったが、こちらの丁寧な翻訳も良い。
大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150704643
No.51
(3pt)

マーロウは納得行くまで調査の手を緩めない探偵

例え依頼分の仕事が終わっても、マーロウは自身が納得するまで調査の手を緩めない。
それが例え一部の人間にとって不利益なものであり、その所為で自身が窮地に陥っても関係ない。
その一部の人間が例え依頼人側の者であっても容赦しない。
だがそれは彼が真実を公にしたいという、勝手な正義感から始まることではなく、あくまでも依頼人の名誉は守った形で終結するので納得出来る。
しかし依頼人はマーロウがそういう探偵であることをよく承知した上で依頼をした方が良い。そうでないと、自分も痛い目に遭う。

村上春樹氏の翻訳にもだいぶ慣れてきた。個人的には清水氏のクールな訳が好きだったが、こちらの丁寧な翻訳も良い。
大いなる眠り Amazon書評・レビュー: 大いなる眠りより
4152093420
No.50
(3pt)

マーロウは納得行くまで調査の手を緩めない探偵

例え依頼分の仕事が終わっても、マーロウは自身が納得するまで調査の手を緩めない。
それが例え一部の人間にとって不利益なものであり、その所為で自身が窮地に陥っても関係ない。
その一部の人間が例え依頼人側の者であっても容赦しない。
だがそれは彼が真実を公にしたいという、勝手な正義感から始まることではなく、あくまでも依頼人の名誉は守った形で終結するので納得出来る。
しかし依頼人はマーロウがそういう探偵であることをよく承知した上で依頼をした方が良い。そうでないと、自分も痛い目に遭う。

村上春樹氏の翻訳にもだいぶ慣れてきた。個人的には清水氏のクールな訳が好きだったが、こちらの丁寧な翻訳も良い。
大いなる眠り (創元推理文庫 131-1) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (創元推理文庫 131-1)より
4488131018
No.49
(5pt)

マーロウなら

マーロウならこういうことはしないよな。マーロウならこうするよな。
それが最近この本を読んでから、持つようになった思考の癖だ。
この本などマーロウを読むと、マーロウというタフな行動規範が出来上がる。
そして惨めで弱い自分とマーロウの距離が測れるようになる。
自然と自分の行動や思考をマーロウに近付けようとする。
村上春樹を始め、多くの人間が同じ経験をし、このシリーズに病み付きになったのだろう。
読書で強くなる、という経験は初めてだった。チャンドラーってもの凄い。
大いなる眠り Amazon書評・レビュー: 大いなる眠りより
4152093420
No.48
(5pt)

マーロウなら

マーロウならこういうことはしないよな。マーロウならこうするよな。
それが最近この本を読んでから、持つようになった思考の癖だ。
この本などマーロウを読むと、マーロウというタフな行動規範が出来上がる。
そして惨めで弱い自分とマーロウの距離が測れるようになる。
自然と自分の行動や思考をマーロウに近付けようとする。
村上春樹を始め、多くの人間が同じ経験をし、このシリーズに病み付きになったのだろう。
読書で強くなる、という経験は初めてだった。チャンドラーってもの凄い。
大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150704643
No.47
(5pt)

マーロウなら

マーロウならこういうことはしないよな。マーロウならこうするよな。
それが最近この本を読んでから、持つようになった思考の癖だ。
この本などマーロウを読むと、マーロウというタフな行動規範が出来上がる。
そして惨めで弱い自分とマーロウの距離が測れるようになる。
自然と自分の行動や思考をマーロウに近付けようとする。
村上春樹を始め、多くの人間が同じ経験をし、このシリーズに病み付きになったのだろう。
読書で強くなる、という経験は初めてだった。チャンドラーってもの凄い。
大いなる眠り (創元推理文庫 131-1) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (創元推理文庫 131-1)より
4488131018
No.46
(5pt)

〈私立探偵フィリップ・マーロウ〉シリーズ第1作

レイモンド・チャンドラー(1888 - 1959)による〈私立探偵フィリップ・マーロウ〉シリーズ第1作 “The Big Sleep”(1939)の邦訳。村上春樹さんによる新訳です。

皮肉屋で、権力におもねらず、権威を挑発し、誰にも理解されない矜持を胸に秘め、ユーモアとタフネスだけを頼りに理不尽と戦う私立探偵。本作において、そうしたマーロウのキャラクター造形は確立しており、これ以後シリーズをとおしてそれは一貫されることになります。内面描写をストイックに削るチャンドラーの文体も完成の域に達してもいます。
それでも本作には、後期にはない若さとエネルギーがうかがえます。マーロウの騎士道精神にもほとんど諦観の影は見あたりません。それゆえにシリーズ後期とは異なる醍醐味を味わえる作品だと言えるでしょう。

残念ながら本作はチャンドラーの代表的翻訳者である清水俊二さんが訳されていなかったため、わりと長いあいだ絶版状態が続いていました作品です。手許にないため旧版である双葉十三郎訳との比較はできませんが、村上さんの訳はいつもどおり、あえて翻訳調を残した硬めの日本語という印象です。
ちなみに以下の原文と訳文は、自らが汚れた世界にいると考えるマーロウが(本作のタイトルである)「大いなる眠り=死」について語る箇所のものです。

“What did it matter where you lay once you were dead? In a dirty sump or in a marble tower on top of a high hill? You were dead, you were sleeping the big sleep, you were not bothered by things like that. Oil and water were the same as wind and air to you. You just slept the big sleep, not caring about the nastiness of how you died or where you fell. Me, I was part of the nastiness now.”(原文)

「いったん死んでしまえば、自分がどこに横たわっていようが、気にすることはない。汚い沼の底であろうが、小高い丘に建つ大理石の塔の中であろうが、何の変わりがあるだろう?死者は大いなる眠りの中にいるわけだから、そんなことをいちいち気をもむ必要はない。石油や水も、死者にとっては空気や風と変わりない。ただ大いなる眠りに包まれているだけだ。どんな汚れた死に方をしようが、どんな汚れたところに倒れようが、知ったことではない。この私はといえば、今ではその汚れの一部となっている。」(本書、p.364)
大いなる眠り Amazon書評・レビュー: 大いなる眠りより
4152093420
No.45
(5pt)

〈私立探偵フィリップ・マーロウ〉シリーズ第1作

レイモンド・チャンドラー(1888 - 1959)による〈私立探偵フィリップ・マーロウ〉シリーズ第1作 “The Big Sleep”(1939)の邦訳。村上春樹さんによる新訳です。

皮肉屋で、権力におもねらず、権威を挑発し、誰にも理解されない矜持を胸に秘め、ユーモアとタフネスだけを頼りに理不尽と戦う私立探偵。本作において、そうしたマーロウのキャラクター造形は確立しており、これ以後シリーズをとおしてそれは一貫されることになります。内面描写をストイックに削るチャンドラーの文体も完成の域に達してもいます。
それでも本作には、後期にはない若さとエネルギーがうかがえます。マーロウの騎士道精神にもほとんど諦観の影は見あたりません。それゆえにシリーズ後期とは異なる醍醐味を味わえる作品だと言えるでしょう。

残念ながら本作はチャンドラーの代表的翻訳者である清水俊二さんが訳されていなかったため、わりと長いあいだ絶版状態が続いていました作品です。手許にないため旧版である双葉十三郎訳との比較はできませんが、村上さんの訳はいつもどおり、あえて翻訳調を残した硬めの日本語という印象です。
ちなみに以下の原文と訳文は、自らが汚れた世界にいると考えるマーロウが(本作のタイトルである)「大いなる眠り=死」について語る箇所のものです。

“What did it matter where you lay once you were dead? In a dirty sump or in a marble tower on top of a high hill? You were dead, you were sleeping the big sleep, you were not bothered by things like that. Oil and water were the same as wind and air to you. You just slept the big sleep, not caring about the nastiness of how you died or where you fell. Me, I was part of the nastiness now.”(原文)

「いったん死んでしまえば、自分がどこに横たわっていようが、気にすることはない。汚い沼の底であろうが、小高い丘に建つ大理石の塔の中であろうが、何の変わりがあるだろう?死者は大いなる眠りの中にいるわけだから、そんなことをいちいち気をもむ必要はない。石油や水も、死者にとっては空気や風と変わりない。ただ大いなる眠りに包まれているだけだ。どんな汚れた死に方をしようが、どんな汚れたところに倒れようが、知ったことではない。この私はといえば、今ではその汚れの一部となっている。」(本書、p.364)
大いなる眠り (創元推理文庫 131-1) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (創元推理文庫 131-1)より
4488131018
No.44
(5pt)

〈私立探偵フィリップ・マーロウ〉シリーズ第1作

レイモンド・チャンドラー(1888 - 1959)による〈私立探偵フィリップ・マーロウ〉シリーズ第1作 “The Big Sleep”(1939)の邦訳。村上春樹さんによる新訳です。

皮肉屋で、権力におもねらず、権威を挑発し、誰にも理解されない矜持を胸に秘め、ユーモアとタフネスだけを頼りに理不尽と戦う私立探偵。本作において、そうしたマーロウのキャラクター造形は確立しており、これ以後シリーズをとおしてそれは一貫されることになります。内面描写をストイックに削るチャンドラーの文体も完成の域に達してもいます。
それでも本作には、後期にはない若さとエネルギーがうかがえます。マーロウの騎士道精神にもほとんど諦観の影は見あたりません。それゆえにシリーズ後期とは異なる醍醐味を味わえる作品だと言えるでしょう。

残念ながら本作はチャンドラーの代表的翻訳者である清水俊二さんが訳されていなかったため、わりと長いあいだ絶版状態が続いていました作品です。手許にないため旧版である双葉十三郎訳との比較はできませんが、村上さんの訳はいつもどおり、あえて翻訳調を残した硬めの日本語という印象です。
ちなみに以下の原文と訳文は、自らが汚れた世界にいると考えるマーロウが(本作のタイトルである)「大いなる眠り=死」について語る箇所のものです。

“What did it matter where you lay once you were dead? In a dirty sump or in a marble tower on top of a high hill? You were dead, you were sleeping the big sleep, you were not bothered by things like that. Oil and water were the same as wind and air to you. You just slept the big sleep, not caring about the nastiness of how you died or where you fell. Me, I was part of the nastiness now.”(原文)

「いったん死んでしまえば、自分がどこに横たわっていようが、気にすることはない。汚い沼の底であろうが、小高い丘に建つ大理石の塔の中であろうが、何の変わりがあるだろう?死者は大いなる眠りの中にいるわけだから、そんなことをいちいち気をもむ必要はない。石油や水も、死者にとっては空気や風と変わりない。ただ大いなる眠りに包まれているだけだ。どんな汚れた死に方をしようが、どんな汚れたところに倒れようが、知ったことではない。この私はといえば、今ではその汚れの一部となっている。」(本書、p.364)
大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150704643
No.43
(5pt)

読みやすく、面白い。

双葉さんが翻訳したものと両方読んだが、こちらの方が読みやすく、不可解な和訳に躓くこともなかった。村上春樹さんの小説は正直好みではないが、この本は作品に対する愛を感じ、とてもよかった。
大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150704643
No.42
(5pt)

読みやすく、面白い。

双葉さんが翻訳したものと両方読んだが、こちらの方が読みやすく、不可解な和訳に躓くこともなかった。村上春樹さんの小説は正直好みではないが、この本は作品に対する愛を感じ、とてもよかった。
大いなる眠り Amazon書評・レビュー: 大いなる眠りより
4152093420
No.41
(5pt)

読みやすく、面白い。

双葉さんが翻訳したものと両方読んだが、こちらの方が読みやすく、不可解な和訳に躓くこともなかった。村上春樹さんの小説は正直好みではないが、この本は作品に対する愛を感じ、とてもよかった。
大いなる眠り (創元推理文庫 131-1) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (創元推理文庫 131-1)より
4488131018
No.40
(3pt)

面白いけど、なんか読みにくい

チャンドラーのフィリップ・マーロウ物の記念すべき第1作。20年前、大学時代に清水俊二氏のハヤカワ文庫版の作品を何度も繰り返し読み、フィル・マーロウは、当時最も好きなヒーローの1人でした。その時点では、この「大いなる眠り」はハヤカワ版では訳されておらず、別の出版社の翻訳でトライしたものの、今一つ楽しめず、途中で止めてしまいました。その時は、清水氏のマーロウ物と雰囲気が違うからだと思っていました。今回、村上春樹氏の翻訳で読めるということで、再チャレンジしました(村上氏も大学時代に大好きだった作家の1人です。)。
読んでみて、20年前に途中で止めてしまった理由が必ずしも翻訳の問題ではないと思いました。面白いには面白いのですが、なんとなくストーリーのテンポが悪いのか、なかなか読み進められませんでした。私は、この手のミステリー物は、のめり込んでくると、何時間も読み続けてしまうのですが、この作品はそうしたスピード感で読むことができませんでした。
ミステリーとしてもなかなかだと思いますし、登場するキャラクターもなかなか良いので、それなりに楽しめますが、なんとなくのめり込めないのが残念、という評価になります。大学時代にトライした双●氏の翻訳が合わなかったわけではないことが、今回、分かりました。
大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150704643
No.39
(3pt)

面白いけど、なんか読みにくい

チャンドラーのフィリップ・マーロウ物の記念すべき第1作。20年前、大学時代に清水俊二氏のハヤカワ文庫版の作品を何度も繰り返し読み、フィル・マーロウは、当時最も好きなヒーローの1人でした。その時点では、この「大いなる眠り」はハヤカワ版では訳されておらず、別の出版社の翻訳でトライしたものの、今一つ楽しめず、途中で止めてしまいました。その時は、清水氏のマーロウ物と雰囲気が違うからだと思っていました。今回、村上春樹氏の翻訳で読めるということで、再チャレンジしました(村上氏も大学時代に大好きだった作家の1人です。)。
読んでみて、20年前に途中で止めてしまった理由が必ずしも翻訳の問題ではないと思いました。面白いには面白いのですが、なんとなくストーリーのテンポが悪いのか、なかなか読み進められませんでした。私は、この手のミステリー物は、のめり込んでくると、何時間も読み続けてしまうのですが、この作品はそうしたスピード感で読むことができませんでした。
ミステリーとしてもなかなかだと思いますし、登場するキャラクターもなかなか良いので、それなりに楽しめますが、なんとなくのめり込めないのが残念、という評価になります。大学時代にトライした双●氏の翻訳が合わなかったわけではないことが、今回、分かりました。
大いなる眠り Amazon書評・レビュー: 大いなる眠りより
4152093420
No.38
(3pt)

面白いけど、なんか読みにくい

チャンドラーのフィリップ・マーロウ物の記念すべき第1作。20年前、大学時代に清水俊二氏のハヤカワ文庫版の作品を何度も繰り返し読み、フィル・マーロウは、当時最も好きなヒーローの1人でした。その時点では、この「大いなる眠り」はハヤカワ版では訳されておらず、別の出版社の翻訳でトライしたものの、今一つ楽しめず、途中で止めてしまいました。その時は、清水氏のマーロウ物と雰囲気が違うからだと思っていました。今回、村上春樹氏の翻訳で読めるということで、再チャレンジしました(村上氏も大学時代に大好きだった作家の1人です。)。
読んでみて、20年前に途中で止めてしまった理由が必ずしも翻訳の問題ではないと思いました。面白いには面白いのですが、なんとなくストーリーのテンポが悪いのか、なかなか読み進められませんでした。私は、この手のミステリー物は、のめり込んでくると、何時間も読み続けてしまうのですが、この作品はそうしたスピード感で読むことができませんでした。
ミステリーとしてもなかなかだと思いますし、登場するキャラクターもなかなか良いので、それなりに楽しめますが、なんとなくのめり込めないのが残念、という評価になります。大学時代にトライした双●氏の翻訳が合わなかったわけではないことが、今回、分かりました。
大いなる眠り (創元推理文庫 131-1) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (創元推理文庫 131-1)より
4488131018