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路(ルウ)
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路(ルウ)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全113件 81~100 5/6ページ
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大きな盛り上がりもなく、物語は台湾新幹線開通に向けて淡々と進んで行く。それに関わる人達の人間模様。老いも若きもそれぞれの人生を紡ぎながら。葉山と同じような仕事をしているので少しホロッとする。二度ほど台湾へ行っているので、地名で風景を頭に描きながら、旅の記憶を呼び起こすことができる。そんな楽しみ方が出来る作品でした。 | ||||
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海外に新幹線をというあまり知らなかった話にまず興味が湧いて読みましたが、なかなかに壮大なスケールの話に引き込まれました。その実現までにかかる5年、7年という長い年月と一緒に関わった人々の生活、恋愛、海外での事業の難しさ、etc。何より、台湾という知らない国の空気が目に見えるように描かれていて、はまり込んで読みました。私にとっては、一読目はストーリーを追い、再読の際は、風景や空気感に浸りたい本でした。 | ||||
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やっぱり吉田修一さんはいいなと思いました。 横道世之介でも感じた、ほんとうに自然な描写。こんな人たちの生き方がほんとうにこの世にあったらいいのに、と思える人の美しさ。読んだ後の余韻はほんとひとしおでした。 恋仲が若い人たちにとってのきゅんきゅんストーリーだとしたら、これは、大人のきゅんきゅんストーリーだとおもいます。 | ||||
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必ず一定レベル以上の作品の出来栄えで毎回楽しませてくれる吉田作品。今回も期待に違わず楽しませてもらいました。 物語は、総合商社に勤めるOL多田春香が、担当の台湾新幹線の関係で、台湾駐在員として現地に飛び、仕事もさることながら、プライベートでも9年前に台湾で出会った台湾の好青年エリック 劉人豪を探し出し、それまでのすれ違いを乗り越えていく。 また、台湾で育ち、敗戦で国内に戻って引退するまで頑張ってきた葉山勝一郎は、台湾時代からの幼馴染だった妻を最近亡くし、淡々と独り身の生活を送っているものの、彼には若かった頃の台湾人の親友に謝らなければならないと思っていることが引っかかっていた。 台湾新幹線の建設の部分は、物語の触媒として、あくまで物語の中心は、多田春香と葉山勝一郎の思いと行動が中心で、そこに垣間見える今に生きる人の生活の断面が日本人の内面を描いている。 | ||||
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台湾には1度だけ行ったことがあります。 怖がらずに屋台でもっと食べておけば良かったと思いました。 景色から始まり、温度、湿度、時には明るさ、匂いまで台湾を感じられる時が嬉しかったです。 それぞれのストーリーが浅いとレビューがあり、少し解る気がした自分に残念でした…。 読みやすいサイズなので良かったですが、言われてみれば他の技術、経済の内容を濃くしてくれても飽きないで読めたかも。 ちょこちょこシビレる場面があり、読み終わって表紙を撫でてしまいたい気持ちになりました。 | ||||
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台湾の人々が持つ日本に対する思いと、日本の人々が台湾に対して持つ思いには、大きな隔たりがあるのではないかと常々思っていましたが、やはりそこはそのとおりなようで、本書を読むと、台湾の人々がもつその思いにもっとしっかり答えてあげないといけないんじゃないかとの思いを持ちます。 たとえば東北大地震の際には多くの台湾の人々が日本を心配し多額の寄付金を送付してくれたにもかかわらず、それに対する日本での報道の取り上げ方や日本からの感謝の言葉は、それに見合ったものだったでしょうか。 日本に対する風当たりの強い中国本土と一緒くたにとらえてしまっているのかもしれません。 2007年1月、台湾に日本の新幹線が走るというニュースも、台湾におけるとらえられ方に比べるとあまり大きく取り上げられなかったように思います。 そんな台湾における新幹線事業を背景に、それに何らかの形で関わることとなった台湾・日本それぞれの人々の人生の一部を切り取った群像劇が本作になります。 群像劇の一つが、商社に勤める多田春香が、得意とする中国語を生かし台湾で活躍する物語。 彼女の生き方はポジティブで気持ちがいい。 台湾の旨い料理をもりもり食べ、しっかり働き、その目でしっかり物事を見ようと意識している。 そんな彼女には数年前の台湾旅行で運命的な出会いをした台湾人男性がいるが、結局再会できないままでいる。 会いたくても会えない、そんなかなえられない思いというのは、日を重なるごとに美化されていくものなのか、心にあいた穴が大きくなっていく。 一方、そんな春香に対して運命を感じた台湾人の男も同様春香のことが忘れられず、その後日本にやってきて日本語を学び日本の会社で働くようになっている。 この二人の物語のほかに、台湾で生まれ日本に戻り、会社も退職してのんびりとくらす葉山勝一郎の物語や台湾に住む若者陳威志(チンウェイズー)の物語、春香の同僚安西の物語など、それぞれの物語がそれぞれに進展し、ふとどこかで交差したりする構成となっていますが、極端にドラマテックな展開をみせるのではなく、どちらかというと淡々とした印象もあるものの、読後感がすがすがしい、そんな印象の本作でした。 | ||||
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台湾の新幹線、高鐵建設の話だというので読んでみました。読む前は、高鐵建設にからむ苦労話みたいな企業小説、ビジネス成功小説みたいなものを予想していたのですが、いい方に裏切られました。 吉田修一さんは純文学寄りの作家で、ひとくせもふたくせもある男女の小説が多くて、私の好きな作家のひとりなんですが、彼がそういう単純な企業小説なんか書くわけがないということは感じていたので、読む前から違和感は感じていました。そして当然のごとく、単純な企業小説ではありませんでした。建設秘話といったたぐいのことや、他企業とのかけひき、いかにして苦境を乗り越えたかというような話は全く出てこなくて、高鐵ににからめて様々な人物の日本と台湾への思いがテーマになっています。 主な登場人物は、高鐵建設を請け負った日本の商社に勤める女性。彼女は鬱の恋人を日本に残して台湾で働いています。彼女は学生時代に台湾旅行をしたときに1日だけつきあった台湾人の男子学生が忘れられません。ところがその連絡先をなくしてしまって、台湾で彼を探し始めます。その台湾人の男子学生は神戸の震災の知らせを聞き、彼女を心配して日本に来てしまい、その後改めて留学して今では日本の建築会社で働いています。 もう一人の若い主人公は後に高鐵の整備工場の用地になる村の近くで育った青年です。彼は人生の目標をとらえきれずにいましたが、高鐵の整備士募集に応募することから人生が地に足のついたものとなっていきます。 私が感じたもっとも重要な登場人物は退職した日本の老人です。彼は戦前の台湾に育ち日本の敗戦を機に日本に引き上げ、その後台湾に戻ることなく日本で暮らしていました。それが、同じ台湾育ちの妻を亡くし、先の台湾人の建築会社員と知り合い、高鐵の完成を機に戦後初めて台湾を訪れることになります。 これらの人物を通して、日本と台湾の関係が本当に上手に描かれています。戦後、台湾が一方的に日本に恋しているような状況と同時に、若い世代が逆に台湾に魅かれていくような部分は本当にうまく描かれています。 また台湾の若者を描くことでおおらかな大地に根差した台湾の魅力も伝わってきます。 日本人の老人は最後に台湾の友人と会い、非常に大きな決断をしますが、そのあたりの場面になると読んでいて自然と涙があふれてきました。 決して大きなドラマが起こるわけではないけれども、その世界に引きずり込まれ一気に読まされる上質の物語です。日本と台湾の関係を知り、考える上で必読の一冊です。 | ||||
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まるで、映像のように流れる文章、ゆっくり、ゆっくり、物語は進んでいく、少したよんない気もするが、群像小説の傑作。 | ||||
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ほとんど読んでいますが、本作と「日曜日たち」が一番好きです! 台湾新幹線開通までの縦軸に、横軸には日台のあらゆる年代の男女が絡み合う群像小説です。 祖父が湾生(本書の葉山爺みたいな感じ)で、その影響で台湾が好きで何度か旅行に行っているのですが、そんな台湾好き日本人の気持を代弁してくれているような作品だと思いました。 吉田先生は本作を「台湾へのラブレター」とおっしゃっていますが、本当に愛に溢れた小説です。 台湾のそこいらの路地の描写やそこいらの食堂の描写がとても魅力的で台湾に行きたくなります。 | ||||
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台湾に行ったことがなくても、その風景が、匂いが感じられ、台湾に行きたくなる一冊です。 吉田先生作品では一番好きです。 とっても素敵な一冊に出会えました。 | ||||
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私は台湾新幹線の工事に参加した者です。と言うよりもそれに先立って日本連合が逆転受注を果すに至った、日本側の見積りの金額(の一部)をまとめた者です。当時、欧州連合からの逆転受注を目指し、連日徹夜しながら資料をまとめました。 1999年12月、「日本連合逆転受注!」の一報を受け、うれし涙にくれた記憶が甦り、また本書で台北の街の描写や燕巣のメインワークショップの描写に触れることができ、なつかしさでいっぱいです。 開業前の試験列車で300km/hを経験したことも思い出しました。 文学的なことは私には判りません。しかしより多くの方が本書を通じて、私のような名も無い日本人エンジニアがたくさん海を渡ったこと、台湾の新幹線工事に情熱を注ぎ、その後の台湾の発展と新幹線の安全運行が続くことを祈りつつ、今でも熱く見守っていることに思いを馳せて頂けるとうれしく思います。 最初から最後まで、涙腺全開で読ませていただきました。 著者の吉田修一さんに感謝です。 | ||||
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衝撃の展開はどこにもないけど、 なんか心に残って、温かい気分になれる パークライフや、ひなたに近い読後感。 傑作です。台湾に行きたくなった。 | ||||
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台湾新幹線に関係した人たちの、私生活メインの物語ですので、新幹線はあくまでも背景。 もちろん完成までの経過は描かれてますが、プロジェクトXを期待される方には、ちょっと肩透かしかもしれません。 登場人物それぞれの事情は、派手さはないながらリアリティがあり、ぐいぐ読み進められます。 が、なによるも素晴らしかったのは、台湾そのものだと思える空気を感じられたこと。 実際の台湾もまさにこんな感じで、また行きたいなあ、と思うこと請け合い。 もともとの文章の上手さに、著者の台湾愛が加わって出せた雰囲気なのかもしれません。 カバーの題字が、最初ちょっとおどろおどろしく感じらたのですが、穏やかな気持ちで読み終えられた良い作品でした。 | ||||
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人生の何とも言えない不可思議な巡り会わせを最後まで飽きさずに読まさせてくれる作品でした。 台湾と日本の間の想像しがたいほどの複雑な歴史的関係を垣間見せながらさわやかに現代を描き切っています。 秀作です。読み終わって思わず「ありがとうございます」と呟いてしまいました。 | ||||
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台湾新幹線を巡るプロジェクトXみたいな感じかな、、という感じで読んでみたのですが、、。 台湾の、地面の上に、西洋の線路に、日本の新幹線が走る、、というところで。 プロジェクトX色は強くなくて、 受注をうけてから、走るまでに関わった人々の群像劇でした。 台湾人青年と、受注をうけて日本から台湾に渡った女性が主ですが。 女性の同僚と、その知人たち。 台湾生まれの老夫婦と、その友人達。 たくさんの線が、最後の新幹線で結ばれ、交差していくところが、見事と感じました。 筆致が軽くて、読みやすくて、さくさくと読めます。 | ||||
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著者の台湾に対するやさしい想いがそこここに散見され、又台湾に行きたくなりました。 ますます好きになる台湾、自分も一度訪れたこの地はとても人々が優しく、いつまでも思慕?、、未練が残っている所でしたので、ストーリーにぐいぐい引き込まれていきました。 登場人物にも、温かな温情がとても感じられて、最後までそのほのぼのとした人間関係の機微を感じさせられ読後もとても満足のいくものでした。 ただ、自分の感じていた結末とは少し違う展開で、ああ、こういう終わり方もありだなと著者の非凡さを感じさせられるものがありました。 | ||||
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台湾で数年間働いた経験のあるものが読んでも、とても臨場感があり素晴らしい内容でした。 意外と知らない台湾と日本の繋がり、そして初めて日本の新幹線が海外を走るプロジェクト、台湾好きならぜひ読んでほしいです。 | ||||
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吉田修一の本は「悪人」以降あまり感動する本がなかったのですが、今回の「路」は感動しました。 何人かの友達にも勧めました。 | ||||
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まず、私は台湾という国自体が好きなのでアドバンテージがあります。 それでも、一気に読んでしまうのは、物語の面白さにほかなりません。 台湾に新幹線を走らせるということが、真ん中に一本芯としてあります。そして、そこに関わる人々の、それぞれの物語が綴られているのですが、中でも圧倒的に魅力的なのは「劉人豪」という台湾の青年。 聡明で誠実な人柄が、丁寧に描かれています。思わす頭の中で具体的に人物を想像しながら読んでしまいました。 台湾旅行中に道案内をしてあげた日本人の多田春香や、教えを請いたいと家を訪問する葉山勝一郎との交流は実直そのもので、彼の人柄が本当によく表現されていました。 ただ、恋愛小説ではないと理解はしていますが、もう少し春香と人豪の関係を書き込んで欲しかった。 台湾の太魯閣で春香が人豪に今までの思いを告白した後、次の登場は もうラストの新幹線の試乗だけでは、ちょっと物足りない。 それで☆ひとつ-。そこもまた想像力を駆使しながら読みました。 吉田修一さんの台湾に対する温かい思いを感じられる小説です。 | ||||
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台湾をほんのわずかに訪れただけで、感じたなつかしいような空気感。 この気持ちがどこからくるのか、本をさがしてこの本に出会いました。 表紙はうっそうとした南国の深い深い緑。 わたしの大好きな「欲望の翼」の緑に似ている。 本の内容は、台湾新幹線を軸にして何組ものストーリーが交差している。 中心になるのは、春香とエリックの恋とも呼べないような物語。 外国で見知らぬ異性に観光に連れて行ってもらうなんて、無防備で軽率。 でもみずみずしい表現で、台湾の光と風の中、生真面目な二人のデートが ほほえましくさえ感じる。 一度あっただけの名前しか知らない、春香をさがして阪神大震災のあと いてもたってもいられず台湾からやってきたエリック。 当時鉄道も遮断され、高速道路も倒壊し、困難だった交通事情。 ライフラインの復活もまだまだで、瓦礫の山となった街。 「避難所では一見雑然としていても、おどろくほど整然と生活が営まれていた。」 その一文にどきっとした。 ほんとうにエリックが台湾からやってきていたのかと。 気づくとこの小説に引き込まれてしまっていた。 いくつもの交差するストーリーを一気に読ませる骨太な小説だが、 きれいすぎる恋愛ものに終わらなかったのは 中野赳夫と勝一郎の「台湾で死ね」という単なる友情ではない絆があったからだろう。 | ||||
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