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元職員
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元職員の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 1~20 1/2ページ
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さすがは吉田修一。外れなしの秀作です。 | ||||
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元職員というタイトルが非常に気になりました。 読んでみてなるほど。 人間この立場になったら同じようなことをやってしまうかもしれません。 すぐに読めちゃう本です。 | ||||
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バンコクを訪れた主人公は、そこで出会った日本人青年から、美しい娼婦を紹介される。 べたつく熱気の中、ワケあり主人公と娼婦の乾いた交情が描かれた作品なのだが、安易な友情や恋愛物語に昇華しないのが吉田修一流だろうか。アジアの旅で感じる、かの地からも見た日本人に対する突き刺さるような冷ややかな視線が、細やかな動作の中に上手く表現されている。 すったもんだの挙句、これまでの出来事にツバを吐きかけるような、独特の歪みが印象的だ。 まったく好感の持てない主人公なのだが、ラストの高笑いは、痛快ですらある。 | ||||
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主人公がクズすぎて。 公金使い込み、日本での不倫、買春、情緒不安定。何なのこいつ。 前半ではずいぶん年下の武志に正論言われてタジタジオロオロしてたくせに、弟にボコられたら頭のネジが飛んだのか急にキレだしてしまいには開き直って笑いだしたり、怖いです。 卒業旅行での火だるまエピソードは本筋になんの関係もないし、なんで二回も同じような文で書いたんだろう。屋台のいけすかない日本人夫婦の話も二回目はもっとサラッとでいいんじゃ?と、変なところばっかり気になってしまった。 唯一、中盤の武志の言葉に込められたメッセージには少し思うところもあったけど、この人の作品は伝えたいことを登場人物が直接言っちゃうよね。それで薄っぺらくなっちゃうのが惜しい。 タイには行ったことはないけれど、とりあえずねっとりしてることだけは印象に残りました。 | ||||
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犯罪モノなどの新しい作風を試していた吉田修一だが、本作では純文学寄りのアプローチに戻っている。 とある事情からタイを訪れた主人公が、過去をフラッシュバックさせつつ、非日常を過ごすといった筋。漠然とした白昼夢のような世界観にプラスしてミステリー的な要素も加味されており、初期の傑作「パレード」には及ばないものの、最近の作品の中ではよい方の作品だと思う。 | ||||
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なんかお手軽に書いているようで、読んでいても 何も伝わってこない。 読後も何も残らない、読者をなめていると言ったら 言いすぎかな。 この程度なら俺でも書けるよといった感じ。 まあ、そこが狙いならそれは成功しているけど。 でもどう考えても1300円の価値はないなあ。 | ||||
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読んでない人向け: タイ、バンコクのスワンナプーム空港に一人到着する主人公、片桐。 BMWのリムジンで5つ星のホテルに向かい、旅先で出会った現地のバーで 働く日本人と痛飲、娼婦まで買う。 羽振りのいい片桐は、一人日本に残してきた妻と、自身の仕事を振り返る。 ########## 読んだ人向け: 旅先のタイから実母にかける電話。この場面に作品を通して描かれている 「嘘と異常なまでの麻痺感」が端的に描写されていると思う。 「家を売ったら幾らになる」だの、年老いた実母に対して冗談でも言っては ならないことを平然と言い、万事問題ないと嘘をつく。この描写が恐ろしい。 主人公は完全に麻痺している。すべてにおいて。 タイという地理的設定は、一時的にでも「日本での現実」から切り離し、 まるでそれが「夢の中の出来事」と自分勝手に錯覚させてしまう、異常さを 引き立てているに過ぎない。 この作品を、「悪人」と比較するのは厳しすぎるかと思う。両者は全く異なる ゴールを目指し、それ相応のエネルギーで作品を仕上げている。この分量で 端的にテーマを描ききっている点は素晴らしいと思う。 また、「パレード」とも多少異なる。「パレード」では若者の熱を帯びた狂気が 描かれていたが、今回は大人(少なくとも一定期間以上、社会に出て仕事をし 糧を得ている)の静かな異常性を描いている。 読後の嫌な感覚から中々抜けきれないので星3つ。 | ||||
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バンコクのギトギトしたエネルギッシュな暑さ、そこに住む人々の暑さ、不正をした人、する人の 乾いた心理。よく描写されていると思いますが、吉田修一氏だけに、もう一捻りあったら最高でした。 それなりに引き込まれましたし、小説のスタイルとしてはありかなと思います。 | ||||
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「講談社創業100周年記念出版」の<書き下ろし100冊>シリーズの第1弾として発表された作品。 飛行機はファーストクラス、ホテルまではタクシーでなくBMWのリムジンサービス、宿泊は五つ星ホテルのレジデンススイートという豪華なバンコク旅行に来た男片桐。本の帯に「吉田修一が到達した最高の『犯罪文学』」とあるので、期待して読み進んでみたが、片桐はある公社の会計課で公金を横領していることが次第にわかってくる。彼は有給を使って、ドタキャンした妻を置いて、ひとりで最後の豪遊をするつもりらしい。 物語は、現地で出会った武志という若い男にミントと名乗る娼婦を紹介され、彼女と過ごすさまざまなエピソードに終始する。この南国の大都会でいろんな体験をして、最後に帰国する時、なぜか開き直って大笑いする場面で終わっている。 片桐の言動は、なかなか良く書けているので、根っからの小心者らしい彼の心象風景を綴った一種の心理小説といえるだろうが、それ以外の広がりというか奥の深さというものはあまり感じられなかったし、『悪人』を読んだ時のように魂が揺さぶられるような感動をおぼえることもなかった。 本書は、「最高の『犯罪文学』」というには及ばない、「吉田修一」というブランドで読ませる、ある公金横領男の一週間のバンコク旅行のエピソードを綴ったお話である。 | ||||
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「静かな爆弾」でも感じたけれど、実際にあった事件を下敷きにしてるような? アニータ事件を思い出したのは私だけじゃないはず。 はじめはたったの514円。バレないのが不運だったというか、その金額はやがてとんでもない金額に・・・。 ささいなことから人間はこんなに落ちてしまうものなのだろうか。人間の弱さを見せつけられます。 主人公も武志もミントもごまかして生きている。彼らがときおり見せる怒りはきっと自分自身に対するものでもあるのだろう。 最後の主人公のキレっぷりにはポカーン。 結局のところ、この人はどうしたいんだろう。この旅行で何を得たんだろう。 「だから、ナニ?」・・・みんな、ごまかしながらバンコクでかりそめの時間を過ごしているだけ、それだけの作品です。 | ||||
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テーマ自体は、薄っぺらくないと思うのだが、読むのにかかった時間≧考えさせられた時間となると、それが一時間…というのは、どうなんだろう(笑)? 表現、物語の展開、登場人物のセリフ、何一つ引っ掛かるものがなかったと言える。 読み手に「自分ならどうだろう?」 「もしかしたら自分も…」と迫ってくる迫力が無さすぎた。 内容と、読ませるための技術、読み手に自分のこととして考えさせる工夫、3拍子揃わないと、いい作品にはならないようだ。 | ||||
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書き下ろしの中編。あまり時間をかけて推敲したとは思えない。アイディアはいい。時に光り輝く表現やシーンがあるので、全面的にダメだとは言いたくない。でも、吉田修一の本としては、ガッカリした。 自分を偽るステージとしてのタイ王国/バンコクというステージはすばらしい発想だと思う。しかし、都合の良い日本人青年を登場させて、お約束の性サービスやエスコート、場所の説明などを盛り込むと反比例して小説としての内容が薄くなる。 この本は、石田衣良が吉田修一と偽って書かれた作品なのであろうか。それとも、吉田修一が石田衣良になりたかったのだろうか。 日本人が日本人の中にある「異国」を描くのにバンコクが必要だったのだろうか。 「ブランド物の」といった表現でディテールを一切排除する一方、不快に感じる日本人観光客や駐在員のことは冗舌に語ります。【海外ロケ】はそれなりに効果ありますが、登場人物のスケールが息苦しくなるほど小さく、評価が別れるところだと思います。 | ||||
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おそらく「吉田修一」が著者でなければ手に取ることも 読むことも、レビューを書くこともなかったかも。 公金横領した中年男が、バンコクで現地の娼婦と 過ごした、なんでもない時間を描いただけの小説です。 短編だったなら、それなりに余韻を感じたかもしれない けど、わざわざ一冊の本にするまでもないような気も。 敢えて深読みすれば、それなりの発見もあるでしょう。 でも1300円という価格に見合った充実感は・・・ない。 「吉田修一」というブランドに対する価値だといわれれば、 それもアリなのかな、とは思いますけど。 | ||||
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こうなりたくないな、こんな日本人はかっこ悪いな、と思わせる、 海外HOW TO モノの小説である。 誰もがこういうニッポンジンになりたくないと願う。 しかし、 日本人なら少なからず、誰しもこの主人公にラップする経験、問題を抱えているだろう。 タイ田舎の娼婦以下の、欠落した英語力。 コミュニケーションが出来ない分、その場の風景を想像で引き伸ばす。 自分のスキルをよそに、同じ日本人には冷たくあたる。 渡航先を、現実から逃亡するための桃源郷 と勘違いしている。 作者は、目を背けたくなるストーリーで、ニッポンジンin海外 の批判を行う。 日本での劣等感を感じるシーンもうまい。 夫婦が、お門違いのパーティに行くが、身分の違いか、環境の違いか、すべて嫌味に感じ閉口してしまう。 そもそもパーティなんて知らない、友達もいない田舎物が、 背伸びしてパーティに出席してしまった類の小話を、田舎モノの視点から描く。 すべてのフレーズが、ニッポンジン劣等感 をチクチク刺してくる作品である。 ただ、もう少し、ダメな人間の心理、(ダメな人間がダメなりに考えているダメなこと) を細かく描写してほしかった。 願わくは、この作品が作者の体験談ではなく、ニッポンジン批判論であることだ。 | ||||
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書評での評価が高かったので。この作者も始めて。長崎出身らしい。芥川賞も取っているらしい。 ストーリーは、公的な銀行機関の職員の主人公が、銀行の金を5000万使い込んで、それがばれる寸前に最後の豪遊という事で、タイに行き、現地のかわいい女の子と2泊3日を過ごすのだが、最後の夜にその女の子の弟からボコボコにされて日本に帰ってくる…というこう書くと身も蓋もない小説。 感想と言われても…。 | ||||
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『元職員』というタイトルから、だいたいの予想はついていました。 徐々に、片桐の口から語られる真相。 犯罪に手を染めていく過程、感覚が麻痺していく感じ、それでいて手が震えるほどの小心さ。 旅行に出る前の夫婦の会話など、実にリアルで、お上手です。 しかし、読んでいてずっと胸が悪くなる感じが付きまといます。 まず、バンコクでの買春行為自体、女性としては眉を顰めてしまいます。 最初はノリ気でないようで、ミントをずっと侍らす様とか、女性として不快。 片桐の自己弁護、開き直りを読むほどに、片桐を嫌悪していく。 作品としては、良い出来だと思いますが、非常に読後感が悪い作品でした。 | ||||
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絶対最後から読まないでください 読み終わった読後感に愕然とさせられるのは「パレード」を彷彿させられます。 最低評価の人がレビューで、そのキモ部分を書いちゃっている人がいるので、レビューは読まないほうがいいかも・・・最低評価の人は全然良さをわかってませんね〜はぁ。 とにかく、舞台をタイにすることで色々アレなところは出てるかもしれませんが 吉田節はそのままです。好きな人は単行本で買って読む価値はあると思いますよ。 | ||||
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舞台はバンコクの空港、何故バンコクなのか、少しずつ、わかっていく。謎解きとストーリーが交錯しながら、ラストは頭空港の部分とつながる。 著者の作風が面白い。登場人物の片桐、武志、ミントなどが本当にいそうな雰囲気が出ている。一気に読み切った。つらい話なのだが、奥深く、いろいろな要素を掛け合わせていて、作品が上質に熟成されて仕上がっていた。 | ||||
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バンコクの空港を降り立った時から、空港を発つまでの1週間の休暇を、主人公である片桐が過ごした時間。 ファーストクラスでやってきたにしては、自らを金持ちだと考えていない片桐の秘密が、バンコクで知り合った武志とミントと過ごす時間から滲み出てくる。 それはまるで溶けていくかのような描写で、どろどろと真実が見えてくる。 帯にも書かれている514円を始まりに手を染めた片桐の犯罪に対し、バンコクでの時間は彼の真実を暴かずに嘘のまま終わる。 日本に戻った片桐が辿る結末は不明のまま、片桐の胸の中に去来する犯罪への気持ちだけで物語は終わる。 バンコクの熱気が物語にも充満し、作品自体が澱んだ仕上がりになって、吉田修一作品と期待するファンからすると物足りない書き下ろしだった。 | ||||
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バンコクの描写において気になる部分もあります (例:駐在員は高級コンドに住んではいますが、決してペントハウスには住んでいません) が、内容的には面白かったと思います。 また、ミントとミントの弟と呼ばれている人物は、 実際は恋人同士では無いのだろうかと読めてしまうのは私だけでしょうか。 | ||||
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