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昨夜のカレー、明日のパン
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昨夜のカレー、明日のパンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全181件 161~180 9/10ページ
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若くして亡くなってしまった「一樹」の嫁テツコと、一樹の父、舅のギフ。 一樹の幼馴染の「ムムム」とテツコとギフに陰であだ名をつけられた「タカラ」。 主にこの3人と、その周囲の、現状に留まってしまって次に踏み込めない人たちが ほんの少しのきっかけから少しだけ、前に向いて行こうとするところまでを 短編で綴ったとても読みやすい本です。 どの登場人物も、その時代からは少しゆっくりと生きている。 不器用で、躓いたり挫折したりしている。 傷を持っている人間は、他人の痛みにも優しく接することが出来るように 時には呆れるほど優しい。 この本には沢山の、ハッとさせるような言葉があって、 今淡々と繰り返す日常が辛い人にはじんわり、と来るものがあって きっと何となくほっこりとした気分になる本だと思います。 | ||||
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続けられることを続けよう。 全編の背景にある価値観に感じた。 この価値観を“ゆるい”と感じるか、“厳しい”と感じるか。 私は、心がホッコリとか和む感じは無かった。 巧みな言葉遣いで優しさを纏っているが、中身はかなり辛辣、厳しい現実を突き付けてくる。 登場人物や読者の年齢でも印象が異なると思う。 幼く若い人は、続けられることが無限に感じるので、ゆるいと受け止める。 続けられることが限られてくる経験や年齢を重ねてくると、実に厳しい価値観を突き付けられていると受け止める。 ある職種を続けることは厳しい。勤めることも厳しい。働くことも厳しい。生活することも厳しい。人間関係を維持することも厳しい。素直な表情で居ることさえ厳しい。生きることは厳しい。 ゆうべのカレー、あしたのパン。 このレベル、この塩梅、無理せず続けられることとは。 特別では無いが維持し続けるには何か動かないと手に入らない。 それでも人は死んじゃう、生き続けられない。生きていても能力や技術を維持することは難しい。相手が居たりすればなおさら困難。 続けている実践者だからこそ元々続かない恋愛や修羅場の記憶が鮮烈になる。 意外なつながりが鮮やかに受け止められる。 新たに何かを続けるには、茶碗が必要になることもある。 そして、続けられなかったことへの区切りのつけかた。 厳しい現実の物語。 | ||||
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一気に最後まで読んだ後、もう一度最初から読みたくなりました。 最初からじっくりと読んでいれば良かったんですが・・・。 色々と悩みを抱えている私に、物語は優しく心に響きました。 死というものをどうやって受け入れるか。 題材は暗くなりそうですが、そうではないです。 読んだ後に優しい気持ちになれます。 | ||||
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若くして夫を亡くした女性と、彼女と同居する彼の父(義父 と、彼らをとりまく少数の人々の物語… いくつかの短編から成り立っていますが、最初の数篇は 読みなれるまで苦痛でした。 意味不明な数多くのカタカナ表記、誰が話しているのかよく わからない会話の連続、心理描写などないため、登場人物の 感情表現(泣いたり笑ったり)がとても唐突に感じたり… 中学生か高校生の作文のように見えました。 後半はそれでも、物語が立体的になり、惹きつけるものも 出てきましたが…結局深みはありませんでした。 文章も、表現力も、描写も、浅い。描写は、浅いというより、 ないといっていいかも。 こういう本を読んで、満足する人っているのかな…? 私はできませんでした。残念。 | ||||
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一樹が死んでしまったあとの話し。 一樹の嫁や父や友人達の話しで、「一樹がたしかに生きていた」という事と、 「一樹は死んでしまった」と言うことを確認・受け入れる物語。 大事な人が死んでも仲間がいる。 その仲間たちが支えてくれるし、昔話にも花が咲くというもの。 「死」を受け入れるということは、「生きた証し」を確信できる事だと思った。 いまあらためて、それを頭において、再読しようと思っている。 | ||||
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読了後、最初からもう一度じっくり味わいながら読み返したいと思った。こんなことを思わせてくれる本はミステリー以外では稀少だ。 脳裡に傑作ドラマ『すいか』を思い浮かべながら読んでしまったのはしょうがないだろう。しかし、民放のテレビドラマではどうしても視聴率を意識して、わざとらしくもけれん味に満ちた盛り上げのシーンをつくらないといけないらしくて、それにちょっと鼻白んだりするのですが、これは小説だからそんな気遣いは無用。というわけで、あこぎな芝居仕立てに鼻白むこともなく、一行ごと、一つの台詞ごとに味わいながら読み返すことができます。香ばしいスルメは何度噛みしめても滋味。 星一つ減は、脚本スタイルの書式にいかがなものかと首をかしげてしまったからです。一つの台詞が終わるたびに改行され、一字下ゲ=全角アキなしに「と彼女は言ったから……」などと続くのは、ふだん小説を読み慣れている者には違和感がある。つっかかってしまう。その世界に引き込まれるのをそれが阻害する。これは残念でした。 | ||||
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25歳という若さでこの世を去った夫、一樹。徹子は義父と主に7年ゆるゆると暮らしている。三角形の頂点の一つを失った二人は、堅実な日常を営みつつも、「家族」の形を変えていこうとしていた…。 義父の亡き妻・夕子の時代までさかのぼり、形を変えていく家族の在り方を描いた本作は、誰にでも必ず起こる家族との死別に耐えうる力を与えてくれる。 一樹を取り巻く様々な人間の立場から書かれた連作短編集となっているが、やがて核心の徹子と義父の新たな一歩にたどり着く。徹子の恋人・岩井の温かい人柄がいい。 「今」の幸せが永遠であるはずはない。でも「生きるとは動くこと」という、夕子の言葉通り、人生は動いてこそ人生なのだ。 随所にちりばめられた珠玉の言葉の数々は、時に鼻の奥をつんとさせる。 | ||||
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とても面白かった。 有名な脚本家というだけあって話も面白いのだが、地の文がとても綺麗な文章でよかった。 それぞれの短編はそれぞれ違う主人公だがうまく一つにつながっているという比較的オーソドックスな構成だったが、それぞれの人物が考えていることがよく書かれていて最後まで読むとうまくまとまって良い読了感を味わえる小説だった。 これから先小説をもっと書いて欲しい作家だと思わせてくれた。 | ||||
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木皿泉さん。私がドラマを脚本家で見るきっかけになった人です。 「すいか」は非常に評価が高かったです。個人的には「セクシーボイスアンドロボ」は 視聴率的には振るわなかったようですが、非常に良い作品で、タイトルで損してると思っています。 で、今回は小説です。夫を亡くした若妻(テツコ)と夫の父(ギフ)との同居生活の中でのちょっとした会話、 ふれあった人との会話。その中の一言が、言われた人の心を溶かし、前向きに歩き始める。 全然派手なシーンはない。NHK BSのドラマシリーズででも取り上げて貰いたい気がする。 ほっこりする物語です。 | ||||
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いわゆる「書き物」としては非常に良く出来ている。 こういう温かテイストの小説は、好き嫌いがはっきりわかれる。 ノレない人はすぐに飽きてしまうだろう。 当方の場合は、文章力というか、リズミカルな文体というか、 書き手としての力量を楽しんだ。 内容はすぐにでもドラマ化できるものなので、今からドラマ化を楽しみにしたい。 | ||||
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夫婦で活動しているTVドラマ脚本家の、初小説。 つかみはトリッキー。ギフと呼ぶ義父と嫁の二人暮らし。死んだ一樹の不在を埋めようとせず、不在のまわりでうろうろと生きている。隣のキャビンアテンダントは、心の疲れから笑顔が作れない神経症になっている。 あまりの作為性に、なんだよそれ、という気になる。しかし、スピンオフしてつながりながら因縁が語り起こされ、この状況が必然的に生まれてきたことに納得する。終盤に行けばいくほど、登場人物と舞台がなじんでくる。情景描写が少ない分、サクサクとストーリーが進み、飽きない。会話が多用されて読みやすい。この辺は脚本家の癖が出ている。 人気脚本家だけに、このあとドラマ化されるかも。 | ||||
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亡くなった家族を忘れず、でも先へ動いていくこと、日々を暮らしていくことの大切さが、地味ながらしみじみとこちらの心に沁み込んで来るので、読み始めたら止まりませんでした。 誰もが何かを抱えていて、何かに拘っていて、どこか不自由に生きている。そして時々それが辛くなる。そんな時に、この本を一服服用されることをお薦めします。派手なスーパーパワーが要るわけじゃない。吹っ切って、ぺたぺた歩きながら「くたくたになるまで生きる」とか「動くことは生きること。生きることは動くこと」と考えて、自分の時間を自分と嵌り合う人達と暮らしていくことを見つけられたら大丈夫。 8つの章は、二人で暮らすテツコとギフと、岩井さん、亡くなった一樹、夕子、隣家のタカラ、従兄弟の虎尾といったまわりの人達についての独立したエピソード、35年ぐらい前の話から今の話までが、登場人物順でも時間順でもない絶妙な配列で並べられたものです。読み進むと、それぞれの人物の悲しみと救いが重なり、バラバラだったものが少しずつ関係を見せていき、最初の章の約20年前にあたる最終章で全ての環が繋がって「昨日のカレー、明日のパン」の意味が初めて分かります。 途中では一時どうなる事かと思いましたが、温かい余韻の残る素敵な小説です。きっと時々読み返してみたくなるでしょう。 | ||||
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旦那を亡くしたテツコさんと義父が生活を続けている。 この二人を中心としたベンズが8個描かれている。 それぞれのストーリーの中でつながりや源が描かれている。 大事な人が亡くなったとしても日々は続く、生活は続く。 それは辛いことと同時につい感じてしまう幸せもあったりする。 このストーリーに悪い人や対立する人はいない。 人と人との間の空気を感じさせてくれる作品。 人を理解するとは、人とつながるとはこういうことだよと感じます。 読むとポッと暖かい気持ちにさせてくれる。 気を楽にさせてもらえる作品。 読んだ後、周りの人にやさしく接している自分がいる。 | ||||
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こういう優しい話は、本来は好きなんですけど、なんかノリが合わなかったです。 ミステリー要素がもう少し入っているとよかったのかな〜? いや、出て来るキャラクターが好きなタイプじゃないんだなきっと。 最後の出会いの話もとって付けた様な感じで、納得感や感動感が薄かったです。 | ||||
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悪くないけどゆるいなあ。 そんな感じで読み進め、読み終えました。 他の方の評価を見てびっくり。 こんなに高評価とは。。 くすりとなる部分もゆるく、感動とかいうにもゆるい気がしました。 普通の日常の中でのささやかな幸せを描いた感じ。 あと、読んでいる時に気になったのが視点。 基本的には神の視点なのに、短編短編の中では、ひとりの主人公の気持ちがメインになったりします。 なのにいきなり他人の気持ちが描写されたりして、戸惑います。 これまで脚本家の人が書いた小説をいくつか読みましたが、筋は面白いが描写は薄い。というものばかりでした。 この人の小説の場合は、筋はゆるめで描写はやや薄い(人物や状況)という印象です。 脚本だと役者などが演じてくれる部分なのでしょうね。 けど今まで読んだ脚本家による小説の中では一番気にならない感じでした。 描写を楽しむと言うより、描写されていないが故に自分と勝手に重ね合わせられる人向け、という感じでしょうか。 | ||||
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さすが木皿泉さんの作品 スパイスが利いていて、 あとからもじんわりきます。 読んでからまたしばらくして、 ページを広げたくなる作品 | ||||
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義父、徹子、その友小川里子が、 ギフ、テツコ、師匠となるとふんい気はガラッと変わってくる。 横ならびの、ほっとする人のつながり。 ギフいわく、山ガールの小川里子の素顔は大日如来のようだ には、思わずクスッときてしまう。 軽薄でなく軽妙、クールでありホットでもある。 人生、楽しいことばかりではありません。 楽あれば苦あり。 その波をポジティブにするのは、 やはり心のゆとりと人との交わりか。 ちょっとの気づかい、これができるようになると 周りの様子もずいぶん変わってくるようで、 自分の周りの人って、その人の鏡のように思います。 そういう意識、自覚がベースにあって、類は友を呼ぶ、 ということにつながるのか。 人生、ポジティブにいかなくっちゃ。 その気にさせます、この本は。 | ||||
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大事な人を亡くしても明るく前向きなテツコやギフ、その周りの人々が少しずつでも進んでいくのが暖かく、自分もそんな風に生きてみたいと思えました(死について思うところがあったので余計かもしれませんが(汗))。 物語は、テツコを含む周りの人々の視点で描かれているのですが、読み進めるうちにこの人はあの章の人なんだとかわかるというか、自分の中で整理され繋がっていく感じも読んでいて心地よかったです。 早く続きが読みたくて、でも一気に読んでしまうのが惜しいような気もして、と自分にしては持ち歩いて少しずつ時間をかけて読みました。 そのせいで人前で泣いてしまいそうになり、堪えるのに苦労しました(笑) Q10でも思ったのですが、木皿さんの書かれる言葉にはふっと心に響いてくるものがあると思います。 それは人によって違う言葉だと思いますが、この小説の最初の話に、ギフがテツコに「人って言葉が欲しい時あるだろう?」という話をするんですが、その言葉がこの本の中には詰まっていると思います。 読み終えてからも、枕元に置いていてしばしば気になる箇所を読み返したりしてます。 どうでもいいことですが、食パンが5枚切りなのが関西住まいの自分は余計に親近感がわきました。(木皿さんが関西住まいだからですよね多分…) 2014年1月21日追記 2014年の本屋大賞にノミネートされましたね。より多くの人の目にこの本がとまるのが一ファンとして嬉しいです。 | ||||
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人間関係で上手くいかず、もうどうしようもなく、どーんとへこんでいて、大好きな「すいか」を夜な夜な見続けていました。 そんな時、この本が発売されました。 やっぱり優しくて、とても良いんだけど、最初はなんだかピンと来ず(落ち込みすぎてただけですが)...それでもなんとなく読み進めて行くうちに、少しずつ少しずつ明るい気持ちになっていったので不思議です。 そして最終章。 夕子の言葉にハッとさせられました。 私、動かなくちゃダメだったのかも。 間違えたって、傷ついたって、それでもどんどん進んでいけばいいんだ。 そんなことを思って、自然と笑える自分に戻れました。 いまの私には夕子の台詞が効きましたが、とても素敵な言葉が散りばめられているので、読む人やタイミングが変われば、グッとくる部分もきっと変わるのではないかと思います。 | ||||
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登場人物たちの心の奥底にはいつも、大切な人を亡くした悲しみが横たわっています。 悲しみは消えないけれど、楽しかった思い出もまた消えることはありません。 主人公、テツコは、25歳で逝った夫の思い出を、ときおり大切な宝石を取り出すように眺め、 ゆっくりと死を受け入れています。 そしてギフもまた同様に、妻と息子の死をゆっくりと受け入れながら、 ゆるゆると日常を生きている。 悲しいだけじゃなくて、テツコとギフの日常が、読んでいて、とても心地よいのです。 決して、悲嘆にくれず、マイペース。 死はとても悲しいことですが、悲しみと共生していくのも悪くないな。 そう思える作品集でした。 短編すべてに、テツコとギフの世界がいろんな登場人物たちの視点で展開されているのですが、 ギフの妻の話、『夕子』は泣けました。 だけど、たいていの話は、クスッと笑えるものばかりです。 疲れている人、そして悲しみを乗り越えられなくてつらい人におすすめです。 | ||||
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